2018年02月16日

【ゴーストバスターズ】My Cinema File 1875

ゴーストバスターズ.jpg

原題: Ghostbusters
2016年 アメリカ
監督: ポール・フェイグ
出演: 
クリステン・ウィグ:エリン・ギルバート
メリッサ・マッカーシー:アビー・イェーツ
ケイト・マッキノン:ジリアン・ホルツマン
レスリー・ジョーンズ:パティ・トラン
クリス・ヘムズワース:ケビン
アンディ・ガルシア:ブラッドリー市長
チャールズ・ダンス:フィルモア
ビル・マーレイ
ダン・エイクロイド
アーニー・ハドソン
シガニー・ウィーバー
アニー・ポッツ

<シネマトゥデイ>
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1980年代に一世を風靡した人気コメディーシリーズの、装い新たな話題作。ニューヨークを舞台にした、女性ばかりの幽霊退治人たちの活躍を追い掛ける。『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』などのポール・フェイグが監督を務める。『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』に出演したクリステン・ウィグやメリッサ・マッカーシー、『テッド2』などのケイト・マッキノン、『マイティ・ソー』シリーズなどのクリス・ヘムズワースらが結集。
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 かつてヒットした映画『ゴーストバスターズ』。個人的にはあまり思い入れのない「その他大勢」に分類される映画であるが、そのリメイク版ということで、一応観てみることにしたもの。リメイクといっても、主人公はすべて女性に衣替えしており、コンセプトだけ同じというもののようである。

 コロンビア大学の素粒子物理学者エリン・ギルバートは、まさに終身雇用の審査を目前に控えている。しかし、そこへ見知らぬ男性がオルドリッチ屋敷の幽霊騒ぎについて相談に来る。なぜ自分にと訝しむエリンに男性が見せたのは、以前友人のアビー・イェーツと共著した「過去からの幽霊」という本。今もなおアマゾンで堂々と販売されており、終身雇用の審査の手前具合が悪い。そこでエリンは、本の共同執筆者であるアビーに販売中止を申し入れるべくアビーを訪ねて行く。

 アビーは、今もなお原子力エンジニアのジリアン・ホルツマンを共同研究者として幽霊などの超常現象を研究している。そして3人で幽霊騒動のあった屋敷を訪れるが、なんとそこで本物の幽霊に遭遇。その動画を公開されたことで、超常現象の研究をしていたことが大学に発覚し、エリンは終身雇用どころか失職してしまう。アビーもまた大学に研究を認められず3人そろって失職してしまう。やむなく3人は「超常現象究明研究所」を設立する。

 一方、その頃地下鉄でも怪奇現象が発生。幽霊を目撃した地下鉄職員のパティ・トーランが研究所を訪ねてくる。さっそく調査に行く一行。目撃した幽霊の捕獲には失敗し、それを期に捕獲機の改良を進めていく。さらにパティをそのまま仲間に加え、街中で暴れ出した幽霊退治に乗り出す。そして受付担当として唯一の男性メンバー、ケヴィン・ベックマンを採用する。

 こうしてゴーストバスターズによるお化け退治が始まる。何の恨みかそんなお化けを大々的に解放しようとする輩が出てきて、街は一大騒動となる。もともとコメディだし、深く考えずに観ることができるのがいい。それになぜか気がつくと大物俳優がドシドシ登場する。市長はアンディ・ガルシアだし、イケメン受付はクリス・ヘムズワースだし。さらにはたぶん、前作のオマージュなのか、ビル・マーレイやシガニー・ウィーバーなどの前作出演陣が登場する。まさにお祭り騒ぎである。

 こういう映画を真剣に観るのはよろしくない。気を抜いて観るに限る。ゴーストも怖いシロモノではないし、怖い映画が苦手な人でも大丈夫である。家族で楽しんで観られるコメディ映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2018年02月12日

【ザ・ウォール】My Cinema File 1874

ザ・ウォール.jpg

原題: The Wall
2017年 アメリカ
監督: ダグ・リーマン
出演: 
アーロン・テイラー=ジョンソン:アイザック
ジョン・シナ:マシューズ

<シネマトゥデイ>
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イラク戦争で大勢のアメリカ兵を葬った実在のスナイパー、ジューバの標的となった兵士の攻防を描くサバイバルスリラー。『フェア・ゲーム』や『ボーン』シリーズなどに携わってきたダグ・リーマンが監督を務める。姿なき敵と駆け引きを繰り広げる主人公を『キック・アス』シリーズや『ノクターナル・アニマルズ』などのアーロン・テイラー=ジョンソンが演じ、WWEの人気プロレスラー、ジョン・シナらが共演。
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 物語はイラクの砂漠で始まる。イラク駐留のアメリカ兵、スナイパーのショーン・マシューズとスポッターのアレン・アイザックは、砂漠に建設中のパイプライン工事現場への偵察任務についている。現場に取り残されているのは、工事技師や米軍兵士の死体。何者かの襲撃を受け、全滅となっていた。

 現場の状況から狙撃されたと判断した二人。どうやら相手はかなりの腕前と思われる。22時間にわたる監視ののち、まったく動きがないため、マシューズは現場へと近づいていく。遺体は全て頭部への一撃によるものであり、かなりの凄腕と判断する。するとその時、マシューズ自身も狙撃される。腹部に銃弾を浴び、その場に崩れ落ちてしまう。
 
 アイザックはすぐにマシューズを助けに向かう。しかし、アイザックもまた見えない狙撃者に右膝を撃ち抜かれてしまう。負傷したアイザックは、咄嗟に近くにあった壁の後ろに身を隠す。マシューズは生きているものの、倒れて身動きできない。アイザックは助けを呼ぼうとするものの、狙撃によって通信機のアンテナが破壊されてしまっている。壁に穴を開けて様子を伺うも、狙撃者の姿は見えない。なんとか膝の中に残る銃弾を取り出すも、気を失ってしまう・・・

 誰かが呼んでいる声に気がついたアイザックは目を覚ます。声はショートレンジの通信機からのもので、アイザックは自分たちの置かれた状況を説明する。相手は二人の居場所を特定するために、発砲して知らせるように要求してくる。その時点で不信を抱いたアイザックは相手の英語に訛りがあることに気がつき、相手が彼らを襲った狙撃手だとわかる。狙撃手は悪びれることなく、アイザックと会話をし始める・・・

 砂漠の中で、孤立無援の米兵2人。1人は狙撃されて倒れており、物語はほとんど登場人物がアイザックだけという形で進んでいく。謎の狙撃者は声のみで、しかもゴルゴ13並みの凄腕である。ロングレンジでマシューズを狙撃し、しかも腹部を狙って動けなくする。そこで隠れていたアイザックが救出に走るも、今度は足を撃って動けなくする。おまけに通信機のアンテナを破壊し、水筒にも穴を開ける。撃ち抜いた膝も動脈を狙い、応急手当のキットでは止血できないため時間が経てば失血死するように仕向ける・・・

 その上で、ショートレンジの通信機でアイザックに話し掛ける。その狙いは後でわかるのだが、計算しつくされた動きに思わず唸ってしまう。やっぱりゴルゴ13レベルである。そもそもであるが、マシューズが撃たれた段階ではアイザックは安全圏におり、自分だったらすぐに助けに飛び出すようなことはしないなと思ってしまった。まず救援を要請するだろう。相手の腕前はわかっていたわけだし、あえてマシューズが負傷したのは「誘い」だと容易に理解できる。

 映画はここから心理戦の様相を呈してくる。圧倒的に有利な立場にいる狙撃者。既に初手でミスしてしまっているが、自分だったらこの窮地をどう乗り切るか。身を守ってくれるのは、タイトルにあるレンガの粗末な壁だけ。自分だったらこうするかも、と思うとそれはすでに狙撃手に読まれている。まるで上段者との詰将棋のよう。絶望的な状況でついに味方が救援にやってくる。その結末がまた見事。

 砂漠の中で孤立した兵士の物語ということで、何となく『トラップ』を思い出してしまっていた。この映画も一種の「シチュエーション」モノだと言えるのだろう。それにしてもスナイパーというのは、やっぱり恐ろしい。何せやられる方は気がついたら(というか気がつく前に)死んでいるわけで、防ぎようがない。この映画のようなゴルゴ13レベルに狙われたらひたすら助けを呼んで隠れているしかないのかもしれない(その助けも助けにならないかもしれないが・・・)。

 観終わって、思わず唸ってしまった映画である・・・


評価:★★☆☆☆




posted by HH at 00:00 | 東京 ☀ | Comment(0) | 戦争/戦場ドラマ

2018年02月11日

【レフト・ビハインド】My Cinema File 1873

レフト・ビハインド.jpg

原題: Left Behind
2014年 アメリカ
監督: ビク・アームストロング
出演: 
ニコラス・ケイジ:レイ・スティール
チャド・マイケル・マーレイ:キャメロン・"バック"・ウィリアムズ
キャシー・トムソン:クローイ・スティール
ニッキー・ウィーラン:ハティー・ダーハム
リー・トンプソン:アイリーン・スティール

<シネマトゥデイ>
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世界的なベストセラーを記録した、ティム・ラヘイとジェリー・ジェンキンズによる小説シリーズを実写化したパニックアクション。突如として数百万もの人間が消えてしまい世界がパニックに陥る状況で、地上との連絡がつかなくなった旅客機パイロットが決死の生還を果たそうとする。メガホンを取るのは、『バニシング・レッド』などのヴィク・アームストロング。主演は、『ゴーストライダー』シリーズなどのニコラス・ケイジ。スリリングな物語はもちろん、その果てに待ち受ける衝撃のラストにも注目。
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 物語は空港で始まる。クローイは、父親であるレイフォードの誕生に合わせて帰ってきたところ。ところが、空港に着いて母親に電話したところ、父は急な仕事が入ってしまいロンドンに向かってしまったとのこと。がっかりするが、仕方がない。父レイフォードはパイロットであり、フライト前に空港で捕まえようと待っている間、有名ジャーナリストのキャメロン・ウィリアムズ(バック)に出会う。

 父レイフォードは、空港に姿を現すが、CAのハーティと一緒であり、何やら親し気な様子が気にかかる。実はレイフォードとクローイは、母アイリーンが最近キリスト教の一派の信仰にはまっていることを気にしている。そしてロンドンへのフライトへ向かう父を送ったクローイは、顔見知りの空港の職員から父レイフォードが頼んでいたというU2のロンドンコンサートチケット2枚を父に渡してくれと渡される。急な仕事のはずなのに、チケットを依頼したのは、2週間前とのこと・・・

 こうして物語は進んでいく。自宅に戻ったクローイは、弟をショッピングモールへと連れて行く。ところが、弟は着ていた服を残して突然消え失せてしまう。周囲が騒然とする中、モール全体で同様の事態が発生している。混乱の中、店の品物の略奪が始まり、運転手が消滅した自動車がショッピングモールに飛び込んでくる。パイロットが消滅した小型飛行機がモールの駐車場に墜落するなどの混乱が広がる・・・

 実に不可思議な消失現象。対象は子供たちと信仰に篤い人々。さてこれはどういう展開になるのだろうかと、この時点までは興味津々で観ていたが、このあと観ている方も狐に包まれることになる。レイフォードが操縦する飛行機では、副機長とCAや子供たち全員が姿を消す。緊急事態にレイフォードは引き返すことを決断するが、途中パイロットを失った別の機とのニアミスでエンジンにダメージを受ける・・・

 燃料の流失が始まる中で、レイフォードは奮闘する。それはそれでいいのだが、なぜ人々が突然消えたのか、それはなかなか明らかにされず、それどころかとうとう最後までわからない。原作はベストセラーだというから、たぶんそちらにはもっと詳しく書かれているのだろう。映画は時間制限があるからカットされるのは仕方ないとしても、肝心の部分を描かないでどうするのかと思ってしまう。おかげでただのつまらない航空パニック映画になってしまっている。

 こういう一種架空のドラマでは、不可思議な現象が起こるならその原因がわからないと面白みがない。さらには物語の結末もそれなりにつけてくれないと、どうなったのだかもやもやとした残尿感が残ってしまう。ニコラス・ケイジ主演の映画では、過去に『ノウィング』という映画があった。やはり冒頭から不思議な現象を追いかけていく物語であったが、こちらはきちんとそれなりに説明がなされていた。同じニコラス・ケイジ主演でもこの映画は大変残念である。

「何で人々は消えてしまったの?」
「残された人はどうなるの?」
その2点に対する質問を用意してくれていたら、もう少し面白い映画になっていたと思う。ちなみに消えた人々は、「信仰心の篤い人」という説明であったが、それだといざとなると消されてしまうのではと思えてしまう。自分としては消されたくないし、たとえ行く先が天国だとしても、生きている間はこの世を謳歌したいし、そうすると下手に熱心に信じない方がいいんじゃないかという結論に達してしまう。

 それはともかくとして、エンターテイメントとしては、ちょっと物足りない映画である・・・


評価:★★☆☆☆





posted by HH at 00:00 | 東京 ☀ | Comment(0) | パニック

2018年02月10日

【ジョン・ウィック:チャプター2】My Cinema File 1872

ジョン・ウィック:チャプター2.jpg

原題: John Wick: Chapter 2
2017年 アメリカ
監督: チャド・スタエルスキ
出演: 
キアヌ・リーブス:ジョン・ウィック
リッカルド・スカマルチョ:サンティーノ・ダントニオ
ルビー・ローズ:アレス
ジョン・レグイザモ:オーレリオ
コモン:カシアン
ピーター・ストーメア:アブラム
イアン・マクシェーン:ウィンストン
ローレンス・フィッシュバーン:キング
フランコ・ネロ:ジュリアス

<シネマトゥデイ>
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キアヌ・リーヴスふんする元殺し屋の壮絶な復讐劇を描き、銃撃戦とカンフーをミックスしたアクションが話題を呼んだ『ジョン・ウィック』の続編。殺し屋稼業から身を引いて静かに生活していた主人公が、再びし烈な戦いに巻き込まれる。メガホンを取るのは、前作に続きチャド・スタエルスキ。イアン・マクシェーン、ジョン・レグイザモら前作キャストに加え、『マトリックス』シリーズでもキアヌと共演したローレンス・フィッシュバーン、ラッパーのコモンらが新たに参加する。
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 前作では単なるアクションではなく、ガン・ファイトと格闘技を組み合わせたアクションが斬新だったが、その記憶が新しいまま続編を鑑賞。物語は前作の直後から始まる。夜の市街でのカーチェイス。ジョン・ウィックは、バイクで逃げる相手を追いかけて倒すとその足でロシアン・マフィアのアブラム・タラソフの所有する倉庫へと向かう。目的は前作で奪われた愛車を取り戻すため。前作では犬を殺したヴィゴと甥のイオセフを殺したジョンだが、今度はヴィゴの弟であるアブラムのもとに乗り込む。

 これを阻止しようと襲い来るアブラムの部下を例によって次々と撃ち倒してアブラムの事務所に入ってくる。こうなると蛇に睨まれたカエル状態のアブラム。しかしジョンは、愛車を取り返すと、アブラムを残してアジトを去っていく。しかし、愛車はスクラップ寸前である。取り返したはいいが、それでいいのかと思ってしまう。それにしても冒頭からアクションが冴えている。

 前作から続いた騒動も終わり、自宅へと戻るジョン。飼い犬とくつろぎ、ボコボコになってしまった愛車の修理を依頼する。前作で地下から掘り起こした武器を、再び埋め戻す。妻の思い出とともに平和な日々が戻ってくるかと思いきや、その夜、イタリアンマフィアの大物サンティーノ・ダントニオがジョンを訪ねてくる。ジョンの「復帰」を歓迎し、「誓印」を盾にジョンに仕事を依頼する。しかし、ジョンにその気はなく、サンティーノの申し出の内容も聞かずに一方的に依頼を断わる。サンティーノはこれに対し、ジョンの家を焼き尽くす。

 ジョンは、コンチネンタルホテルの支配人ウィンストンと話し合うが、「誓印」がある以上、サンティーノに従わないとならない。諦めたジョンは、犬をホテルのコンシェルジュに預けると、サンティーノに依頼内容を確認する。それは、一族の跡目を継いだ姉ジアナを殺害してほしいというもの。ジアナは、亡き父の遺言によって跡目を相続し、近いうちにイタリアギャング組織「カモッラ」の主席に就任することになっており、それを良しとしないサンティーノが姉を亡き者にしようと企んだのである。

 こうして、「仕事」に向かうジョンであるが、ジアナには凄腕の護衛カシアンついており、これがかなりの難敵。さらにサンティーノの部下アレスも聾唖者ながらこれも凄腕であり、ジョンとの対決が見せ場となる。それ以外の者たちは、ジョンの敵ではなく、ジョンは次々にちぎっては撃ち、ちぎっては撃ちと、なぎ倒す。その動きは総合格闘技の試合を観ているかのよう。さらに加えて衆人の中で、誰にもわからないようにサイレンサー付きの銃を撃ち合うアイディアは斬新である。

 そしてコンスタンティン・ホテル内ではいかなる者も血を流すことが許されない。ジョンとカシアンもつい今し方まで殺し合いをしていたのに、ホテルのバーでグラスを傾ける。そしてジョンは、ロシア語やイタリア語を操っていたかと思っていたら、アレスと手話で話をする。このあたり、どれだけのスーパーマンなんだろうと思ってしまう。とにかく全編にわたって、格闘アクションがテンコ盛り。ジョンは一体何人殺したんだろうと思ってしまう。

 すっかり大満足のアクション映画であるが、さらなる続編は創られるのだろうか。是非とも期待したいシリーズ第2弾である・・・


評価:★★★☆☆





posted by HH at 00:00 | 東京 ☁ | Comment(0) | アクション/シリーズ

2018年02月09日

【レジェンド 狂気の美学】My Cinema File 1871

レジェンド 狂気の美学.jpg

原題: Legend
2015年 イギリス・フランス
監督: ブライアン・ヘルゲランド
出演: 
トム・ハーディ:レジー・クレイ/ロン・クレイ
エミリー・ブラウニング:フランシス・シェイ
デビッド・シューリス:レズリー・ペイン
クリストファー・エクルストン:ニッパー・リード
タロン・エガートン:マッド・テディ・スミス
ポール・ベタニー: チャーリー・リチャードソン

<シネマトゥデイ>
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1960年代のイギリス・ロンドンで暗躍した実在の双子のギャングを、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などのトム・ハーディが一人二役で演じるクライムサスペンス。裏社会のみならず有力者ともつながりを持ったクレイ兄弟が、その名をとどろかせながらも次第に破たんしていくさまを映し出す。メガホンを取るのは、『L.A.コンフィデンシャル』の脚本などを手掛けたブライアン・ヘルゲランド。共演はエミリー・ブラウニングやのタロン・エガートン。伝説の双子ギャングを演じ分けるトムの演技力に脱帽。
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 1960年代初頭のロンドンを舞台とした、実在した双子のギャング、レジーとロンのクレイ兄弟の物語。双子と言っても性格は対照的。レジーは頭も良くスマートに行動するが、ロニーは精神状態も安定せず、直情型。のちに精神疾患で収監されるくらいだから、いわゆるクレージーな男だったのであろう。レジーは部下の妹フランシスを見初め、アタックする。レジーが「ギャング」であることは知らない者はいない。母親は猛反対するが、本人はレジーの誘いを普通に受けていく。

 レジーには常に警察の尾行がついているが、そんな警察の動きを疎ましく思いながら、肝心なところでは巧みに尾行をまいたりしている。近所の人たちもレジーには愛想も良く、ロンドン警視庁の刑事ニッパーは、「市民は警察には喋らないがギャングには愛想がいい」と苦虫を噛み潰している。そんな外面の良さもあるが、裏では欲しい店があれば脅して手放させるなど、やはり無法者である。

 それでも警察の追及によりレジーは逮捕される。すぐに手をまわして釈放されるも、レジーはフランシスに二度と逮捕されないことを約束させられる。表向きだけでもまっとうなビジネスマンとなるべく、ナイトクラブを買収し、世間的にはクラブオーナーという形を取って行く。クラブにはセレブリティたちも多数来店し、活況を呈していく。さらにカジノ建設の動きに関しては、アメリカのマフィアも手を組むことを求めてくる。まさに王国の成立である。

 そんな王国もアキレス腱はロンの異常行動。レジーが収監されている間、クラブでの異様な振る舞いに、セレブ達も離れていく。レジーが戻ってみれば店は閑古鳥。さらには衆人環視の中での殺人に至り、ロンドン警視庁も兄弟の検挙に向けて本格捜査に乗り出す。そしてレジーとフランシスの間にも不協和音が漂う・・・まさにイギリス・ギャングの栄枯盛衰の物語。どこの国でも地域でもやはり悪は栄えるものなのだろう。そして悪にふさわしい末路をたどれば、やはり人の世はかくあるべしと思えてくる。

 実話の映画化作品は、どれも実話の持つ迫力というものがある。この映画も実在の双子のギャングの話だという。双子というわけで似ていなければならないが、これを主演のトム・ハーディが二役を演じ分ける。英語はわからなくても、レジーとロンは話し方も異なり、一見似ている別人かと思うほど。「役者だなぁ」と思ってしまう。もしもレジーが双子ではなかったら、マイケル・コルレオーネのように永続的な組織の繁栄を実現できたのではないかと思ってしまう。

 アメリカ版マフィアの物語とは一味違う、なんとも言えない諸行無常の響きが聞こえて来そうな物語である・・・


評価:★★☆☆☆





posted by HH at 00:00 | 東京 ☀ | Comment(0) | 犯罪ドラマ

2018年02月06日

【ブラッディ・ホワイト 白の襲撃者たち】My Cinema File 1870

ブラッディ・ホワイト 白の襲撃者たち.jpg

原題: Convergence
2015年 アメリカ
監督: ドリュー・ホール
出演: 
クレイン・クロフォード:ベンジャミン(ベン)
イーサン・エンブリー:ダニエル
ゲイリー・グラッブス:警備員
チェルシー・ブルランド:看護師
ミケルティ・ウィリアムソン:ミラー警部
ローラ・カユーテ:エスター

<WOWOWシネマ解説>
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連続爆破事件の裏に隠された真相とは? 捜査の中で爆発に巻き込まれ、病院のベッドで目覚めた刑事を襲う刺客と謎。予想を超えた展開を見せる犯罪サスペンスアクション。
1999年のアトランタ。市内で発生した爆破事件の捜査を始めた刑事ベンだったが、最初の爆発は人々の注意を集めるための予告に過ぎなかった。間もなく第2の爆発が起こり、巻き込まれたベンは気が付くと病院のベッドの上にいた。看護師がひとりいるだけで静まりかえった院内に不穏なものを感じるベンは、ようやく警備員を見つけるが、その矢先2人は何者かの銃撃を受けてしまう。ベンは院内に潜む敵を追い始めるのだが……。
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 物語は1999年から始まる。何となく「?」と思いながらさして気にせず観て行ったのであるが、この日付が後の伏線になっていると観ているうちにわかってくる。
主人公は、アトランタ市警の刑事ベンジャミン・ウォールズ(通称ベン)は、その日休暇を取ることになっていた。その日はベンの両親の命日であり、ハンナとまだ赤ん坊の娘フィンリーと3人で出かけようとしていた。しかし、そこで最近起こっている爆弾事件が発生し、ベンは現場に呼び出される。

 爆弾事件の特徴は、最初の爆発のあと、救助等の混乱下の油断をついて2度目の爆発を起こし、犠牲者を増加させるという悪質なもの。現場に到着したベンは、上司のサウル警部の指示に従い、武装した3人の警官たちと現場の病院に入っていく。病院の建物内には、まだ救命士が残っている。ベンが救命士に声をかけたところで、大きな爆発が起こる・・・

 やがてベンは、病院で目覚める。付き添っていたサウル警部は、また見舞いに来ると言って立ち去る。ベンは眼鏡がないことに気付き、部屋を出るが病院の廊下はなぜか閑散として人気がない。うろうろしていて見かけた女性看護師に声をかけるが、大きな火災のせいで出払っていると言う。ベンは、とりあえず妻に電話しようと公衆電話を探す。しかし、ハンナに電話するものの電話は繋がらない。

 そこで出会った警備員に案内され、ベンは警備室へと向かう。この時、フロアには一組の夫婦が娘の身を案じている。ここで何とそこへやってきた白衣の男が、夫を刺殺する。妻は逃げ出すが、階段で何者かに捕まる。まったくもってよくわからない展開。警備員室に移動したベンだが、話をしていると何者かが突然襲撃してきて警備員が銃撃される。咄嗟に反撃するベンだが、途中で倒される。危ういところであったが、謎の男は何をするでもなく立ち去っていく・・・

 何とも冒頭からのストーリーのつながりがよくわからず、いったいどんな映画なんだと訝しく思う。アクションなのか、サスペンスなのか、クライムものなのか、先の展開がわからない。だが、黒い霧のような人影が現れ、ホラーなのか宇宙人モノなのかと思ううちに、何となく読めてくる。それは、映画 『アザーズ』や『ハウンター』と同じようなコンセプトである。そうしてその通りにストーリーは展開していく。

 難を言えば、もう少し説明が欲しかったところだろう。サウル警部はなぜ病院にいたのか。また、サウル警部と一緒にいた男女はどういう関係だったのか。ベンを執拗に狙うダニエルの正体も今一つよくわからないところがあったし、行動を共にするナースや怪力男の正体は、といろいろと疑問点が残尿感の如く残る。一から十まで説明しろとは言わないが、もう少し示唆してくれるとスッキリするのにと思う。ベンと牧師をしていたらしい両親の死の関係も今一つわからなかったところである。

 いわゆるB級映画に分類される映画であると思うが、もう少し丁寧に作って欲しかったと思わざるを得ない映画である・・・


評価:★★☆☆☆





posted by HH at 00:00 | 東京 ☀ | Comment(0) | サスペンス

2018年02月04日

【ライフ】My Cinema File 1869

ライフ.jpg

原題: Life
2017年 アメリカ
監督: ダニエル・エスピノーサ
出演: 
ジェイク・ギレンホール:デビッド・ジョーダン博士(メディカル主任担当、アメリカ人)
レベッカ・ファーガソン:ミランダ・ノース博士(メディカル・検疫担当、イギリス人)
ライアン・レイノルズ:ローリー・アダムス(システムエンジニア担当、アメリカ人)
真田広之:ショウ・ムラカミ(宇宙ステーションパイロット担当、日本人)
アリヨン・バカーレ:ヒュー・デリー博士(生物学者。イギリス人)
オルガ・ディホビチナヤ:エカテリーナ・"キャット"・ゴロフキナ(ミッション・リーダー、ロシア人)

<シネマトゥデイ>
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『デンジャラス・ラン』などのダニエル・エスピノーサがメガホンを取ったSFスリラー。国際宇宙ステーションを舞台に、火星で発見された生命体の脅威にさらされた宇宙飛行士たちの運命を追う。『ナイトクローラー』などのジェイク・ギレンホール、エスピノーサ監督作『デンジャラス・ラン』にも出演したライアン・レイノルズ、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』などのレベッカ・ファーガソンらが出演。宇宙船内での手に汗握る展開に息をのむ。
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 物語の舞台は宇宙ステーション。そこには各国から参加した6人の宇宙飛行士が火星で採取した土壌サンプルを調査するミッションに従事している。その火星からの土壌サンプルだが、途中の宇宙塵の影響でサンプルポッドはコントロールを失い、ステーションではそれを手動でキャッチしようとして緊迫したムードに包まれている。そして無事、確保に成功。早速土壌サンプルの解析を始めたところ、微生物を発見することに成功する。

 その発見に沸き立つ地球。なんと名前が公募され、選ばれた小学生から「カルバン」と名付けられる。やがてカルバンは成長し、生物学者のヒューの指の動きにも反応するようになる。しかし、ここでトラブルが生じ、動かなくなったカルバンに電気ショックを与えたところ、カルバンはヒューの手に絡みつきこれを骨折させるまで締めあげる。気絶したヒューをロイが救うが、今度は実験室で孤立したロイをカルバンが襲い、なんとカルバンは体内に侵入し、ロイを殺してしまう・・・

 宇宙船という限られた空間の中で、異性物がクルーを次々に襲っていくというストーリーは、この手の先陣を切った『エイリアン』と同じである。ロイが犠牲になったことで、異性物を排除しようということでクルーは一致する。ここではそれを妨げるアンドロイドも歪んだ利益優先主義もない。しかし異性物の動きは敏捷で、さらに成長は加速し、クルーたちは次々と犠牲になっていく。

 『エイリアン』と構成は同じだが、これはこれでアレンジがある。その一つはクルーの構成。クルーはアメリカ、イギリス、ロシア、日本と各国から出ている。ロシアが入っている(しかもリーダーである)ところを見ると、世界は融和の方向に向かっているようであるし、中国ではなく日本が入っているところが日本人的には嬉しいところである。その日本人を演じるのはハリウッドにはお馴染みの真田広之である。

 また、クルーの中のイギリス人ヒューは、(地上では)車椅子の生物学者。宇宙空間では車椅子のハンディはない。そう言えば『アバター』の主人公も車椅子であったが、考えてみれば宇宙空間では車椅子の障碍者もハンディはない。障碍者にとっては、宇宙への進出は可能性が広がるものであるような気がする。

 『エイリアン2 完全版』では、自分だけがずる賢く立ち回ろうとする「企業側」の人間が出てきたが、このステーションでは人数も少ないせいかみな行動は立派である。最初の犠牲になったロイは、研究室で気を失ったヒューを助けようと果敢に(検疫の為封鎖を主張する検疫官ミランダの指示を無視して、だが)中に飛び込む。リーダーのカテリーナは、ステーションの外に出て故障した通信システムの修理を試みカルバンに襲われるが、自らを犠牲にしてカルバンをステーション内に入れないようにしようとする(できなかったが・・・)。

 『エイリアン』では、異性物に対し「退治」しようとしたが、この映画ではそれに加えて「地球からの隔離」にクルーたちは奮闘する。最後はステーションごと宇宙に隔離されるとわかってもクルーたちは冷静に行動する。自分は助からないとわかっても、仲間をそして人類を守ろうとする行動を取る。「醜い」人間を登場させなかったのは、「選ばれし者はかくあるべし」というお手本のようである。

 そんなクルーたちの奮闘だからこそであろうが、ラストはちょっと衝撃的であった。ある意味『エイリアン』の方が、後味が良いと言える。いろいろな映画が次々に創られる中、ストーリー構成が似たようなものになるのは仕方ないと思うが、それでもオリジナルの工夫はほしいところ。その意味ではこの映画の満足度は高い。

 ラストの続きを思わず想像してしまった映画である・・・


評価:★★★☆☆





posted by HH at 00:00 | 東京 ☀ | Comment(0) | SF/近未来ドラマ