2017年11月11日

【美女と野獣】

美女と野獣.jpg

原題: Beauty and the Beast
2017年 アメリカ
監督: ビル・コンドン
出演: 
エマ・ワトソン:ベル
ダン・スティーブンス:野獣
ケビン・クライン:モーリス
ルーク・エバンス:ガストン
ジョシュ・ギャッド:ル・フウ
ユアン・マクレガー:ルミエール
イアン・マッケラン:コグスワース
エマ・トンプソン:ポット夫人
ネイサン・マック:チップ
オードラ・マクドナルド:マダム・ド・ガルドローブ
ググ・バサ=ロー:プリュメット
スタンリー・トゥッチ:カデンツァ

<シネマトゥデイ>
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ディズニーが製作した大ヒットアニメ『美女と野獣』を実写化した、ファンタジーロマンス。美しい心を持った女性ベルと野獣の恋の行方を見つめる。メガホンを取るのは、『ドリームガールズ』や『トワイライト』シリーズなどのビル・コンドン。『コロニア』などのエマ・ワトソン、『クリミナル・ミッション』などのダン・スティーヴンス、『ドラキュラZERO』などのルーク・エヴァンスらが顔をそろえる。幻想的なビジュアルに期待が高まる。
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つい最近、『美女と野獣』を観たばかりで、「もうリメイク?」と訝しんだが、『美女と野獣』が、フランス・ドイツ製作であることを考えると、単に「被った」というものなのかもしれないと思う。まぁ見比べてみるのも悪くはない。

ところはフランス。傲慢な王子が魔女によって魔法をかけられ、自らは醜い野獣に姿を変えられた上に家来たちも家具等に姿を変えられる。魔女は王子に対し、「薔薇の花びらが全て落ちるまでに、愛し愛されることを学ばなければ、呪いは永遠に解けない」と告げ城を後にし、人々から王子たちの記憶を消し去ってしまう。大前提となるストーリーは同じである。醜い野獣を愛する女性などいるのかという絶望的な条件が課されているのである。

一方、城の近くにある村では、主人公の女性ベルが父モーリスと共に暮らしている。ベルは読書好きで、女が本を読むことについて偏見を持つ周囲の目を気にすることなく、本を借りては読みふける日々。そんなベルに想いを寄せるのは、戦争で手柄を立てた男ガストン。「男は筋肉」と言わんばかりのガストンは、簡単に落ちる村の女には目もくれずベルにアタックする。まぁ、エマ・ワトソンならだれでもそうするだろう。

そんなある日、父のモーリスはオルゴールを売りにパリに出かけるが、森の中で道に迷ってしまう。狼に追われ、モーリスは森の中を逃げ回り、6月にもかかわらず雪に覆われた城に辿り着く。出迎えたのは喋るティーカップ。驚き城を飛び出すが、その時薔薇に目が留まる。ベルから土産に頼まれていたことを思い出し、モーリスは一輪の薔薇を手折ったところを城の主である野獣に見つかり、捕らえられてしまう。

父の愛馬フィリップだけが戻って来たのを見たベルは、父の身を案じてフィリップに跨る。連れていかれるがまま城に辿り着いたベルは、そこで牢獄に捕らえられている父に会うが、野獣に見つかってしまう。ベルは自らが身代わりになることで父を開放してもらい、代わりに牢獄に入る。こうして野獣とベルが出会う。ストーリーはもうお馴染みである。

燭台や時計や家具、食器などに姿を変えられた家臣たちは、何とかベルと野獣をくっつけて呪いを解いてもらおうと画策する。しかし心を動かすのはやはり本人でないといけない。そんなベルの気持ちが変わるきっかけになったのが、城にある蔵書。読み切れそうもない本の山に驚喜するベル。そしてシェークスピアのセリフを理解し、さり気ないユーモアを見せる野獣の教養がベルの心に変化をもたらす。

この物語は、美しいベルが見てくれではなく中身で人を理解し愛するというところにあると思う。見てくれではなく、中身で選んでほしいと思うのは、すべての男性(女性もそうだろう)に共通した思いだろう。「見てくれ男ガストン」の存在(これが『ドラキュラZERO』イケメン、ルーク・エヴァンスだから尚更)が、それを見事に引き立たせる。そして自らを犠牲にして人のために行動するサクリファイスの精神が相俟ってこの物語がに深みをもたらし、それが多くの人に愛される所以だと思う。

同じ映画でも、ヨーロッパ版とはまったく異なる印象。それは主役がエマ・ワトソンというだけではなく、ストーリーのアレンジも含めてである。ハリウッド版の完勝と個人的には思う。エマ・ワトソンはやっぱり美人なのだが、ファンであってもなくても、心から堪能できる映画である・・・


評価:★★★☆☆





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2017年11月10日

【誘拐の掟】

誘拐の掟.jpg

原題: A Walk Among the Tombstones
2014年 アメリカ
監督: スコット・フランク
出演: 
リーアム・ニーソン:マット・スカダー
ダン・スティーブンス:ケニー・クリスト
デビッド・ハーバー:レイ
ボイド・ホルブルック:ピーター・クリスト
ブライアン・“アストロ”・ブラッドリー:TJ
ダニエル・ローズ・ラッセル:ルシア
アダム・デビッド・トンプソン:アルバート

<映画.com>
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『96時間』 『シンドラーのリスト』のリーアム・ニーソン主演で、米作家ローレンス・ブロックによるミステリー小説「獣たちの墓」を映画化。原作は、元ニューヨーク市警の酔いどれ探偵マット・スカダーを主人公にした人気シリーズの第10作。1999年、ニューヨークでは連続誘拐殺人事件が人々を震え上がらせていた。犯人は身代金を奪うと人質を変わり果てた姿で返すという残忍かつ狡猾な猟奇殺人鬼で、引退した刑事マット・スカダーは事件被害者から犯人探しを依頼される。そんな折、新たにひとりの少女が誘拐される事態が発生。スカダーは交渉不可能と思われる相手と対峙する。監督・脚本は「マイノリティ・リポート」「アウト・オブ・サイト」の脚本家として知られるスコット・フランク。
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1991年のニューヨーク。刑事のマット・スカダーは相棒に飲酒を咎められながらも、その足で警官にタダで飲ませるバーに入って行く。するとそこに3人の男たちがやってきてバーテンダーを射殺する。酔っていてもそこは警官。マットは、バーを出て行った3人組をすぐさま後を追うと、銃撃戦の末、3人を射殺する。そして時が経過する・・・

1999年。警官を辞め、無免許の探偵となったマットは、アルコール依存症の集会で麻薬中毒のピーター・クリストに話し掛けられる。弟のケニーを助けてほしいとのことで、マットはケニーに会う。実は麻薬仲介人であるケニーは、妻を誘拐され、身代金を支払ったにもかかわらず妻を殺害されていた。マットは、ケニーに誘拐犯を見つけ出してほしいと頼まれる。いったんは依頼を断るマットだったが、事件の詳細を聞かされ引き受けることにする。

ケニーの妻はただ殺害されただけではなく、残忍にも切り刻まれてバラバラにされており、その特異性から類似の誘拐事件を調べていたマットは、黒人少年のTJと知り合う。住むところのないTJは、助手としてマットの探偵業を手伝うことを望む。TJの手助けを受けたマットは、レイラという女性が同じように惨殺されていることを知る。レイラはやはり麻薬ディーラー、ルーベンの婚約者であった・・・

『96時間』以来、アクションスターとしての地位を確立したかに見えるリーアム・ニーソンであるが、そんな彼が刑事役として登場。もっともこの映画では、アクションスターというより普通の刑事として登場するが、それでも違和感はまったくない。せっかくだからアクションを見たかった気もするが、ストーリー的には相容れない。

ある種異常性を持った犯人は、次の標的を定める。それはやはり麻薬仲介人の一人娘。あらかじめマットが次の事件の発生を見越してケニーに仲間に警告していたため、事件発生からすぐにマットに連絡が来る。事件の手口から、犯人たちの行動を予測し、独自に犯人に迫っていくストーリー。自分だったらどうするだろうと想像してみるのも面白い。

原題からしても、何となく古き良きハードボイルドモノの雰囲気がするストーリー。リーアム・ニーソンもアクションは披露してくれないものの、探偵としてのいい雰囲気を醸し出している。こういうリーアム・ニーソンもいいかもしれないと思わせてくれる映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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2017年11月07日

【パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊】

パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊.jpg

原題: Pirates of the Caribbean: Dead men tell no tales
2017年 アメリカ
監督: ヨアヒム・ローニング/エスペン・サンドベリ
出演: 
ジョニー・デップ:ジャック・スパロウ
ハビエル・バルデム:サラザール
ブレントン・スウェイ:ツヘンリー・ターナー
カヤ・スコデラーリオ:カリーナ・スミス
ケビン・R・マクナリー:ギブス
ジェフリー・ラッシュ:ヘクター・バルボッサ
オーランド・ブルーム:ウィル・ターナー
キーラ・ナイトレイ:エリザベス・スワン
ポール・マッカートニーアンクル・ジャック

<シネマトゥデイ>
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ジョニー・デップが孤高の海賊ジャック・スパロウを演じる、大ヒットシリーズ第5弾となるアクションアドベンチャー。ジャック・スパロウが、全ての海賊の滅亡をもくろむ“海の死神”サラザールとの闘いを繰り広げる。過去のシリーズにも出演してきたオーランド・ブルームやジェフリー・ラッシュのほか、悪役に『ノーカントリー』などのハビエル・バルデムがふんし、カヤ・スコデラーリオやブレントン・スウェイツらが共演。監督を、『コン・ティキ』のヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドベリが務める。壮大なスケールで描かれる冒険とバトルに注目。
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いつもこのシリーズは特徴ある冒頭シーンが観られるのだが、今回は1人の少年が夜中にボートで沖へと漕ぎ出し、足に石を括りつけたかと思うとおもむろに海へと飛び込むシーンであった。沈んで行った先にあったのは沈没船。と思うと浮上し、現れたのはデイヴィ・ジョーンズの呪いでフライング・ダッチマン号に拘束されているウィル・ターナー。そこで少年はウィルとエリザベスの息子だとわかる。父の呪いを解くため、伝説の「ポセイドンの槍」を探すと少年は父に誓う。

その息子ヘンリーは尊敬する海賊ジャック・スパロウの協力を得て「ポセイドンの槍」を探すべく、ジャックを探すことにする。そして9年の歳月が流れる。21歳になったヘンリーは、英国海軍の船モナーク号の乗組員として勤務しているが、海賊を追うモナーク号は、ヘンリーの警告を無視して魔の海域『バミューダトライアングル』に突入する。魔の海域へと侵入したモナーク号の前に突如として幽霊船が出現。キャプテン・サラザール率いる死霊たちが、モナーク号へと乗り込んできて、乗組員は全滅する。唯一ヘンリーだけが「証人」として助けられる。

その後、セントマーティンの港へと戻ったヘンリーは、反逆の罪で拘束されてしまう。その前に現れたのは、酔っ払ったまま銀行の金庫を盗み出そうとしているジャック・スパロウとその配下のメンバー。例によってコミカルなドタバタ劇。そして時を同じくして、本作品のヒロインである天文学者カリーナ・スミスが、魔女の疑いをかけられて死刑を執行されようとしている。カリーナは父から譲られた『ポセイドンの槍』のありかを指し示す手帳を持っている。こうして役者が揃い、冒険物語は進行していく。

このシリーズは、主人公はジャック・スパロウのはずだが、なぜか本筋では別の人物が中心をなしている。シリーズの1〜3は、ウィル・ターナーとエリザベス・スワンであったし、本作ではそれがヘンリーとカリーナになっている。ジャック・スパロウはどこか飄々としていてヒーロー然としていない。それが個人的には何とも隔靴掻痒の感があって仕方がない。

本作では、ジャックは懐に小瓶に入れたブラック・パール号を忍ばせ、魔法のコンパスを持っているが、これを酒代欲しさに手放してしまったりする。ヒーローらしからぬダメ男振りは相変わらずである。そしてそれが原因でバミューダトライアングルに閉じ込められていたサラザールたちが魔の海域から開放されることになってしまう。部下にも見放されてしまうが、最後までこのペースは崩さず、八面六臂の活躍というより棚ぼた式で何とかなってしまう。不思議な主人公である。

ジョニー・デップのジャック・スパロウは不動。海賊の部下の面々やヘンリーとカリーナ以外のメンバーも不動。今回はなぜかポール・マッカートニーまで出演(でもそれとわからない)というオマケつき。ウィルとエリザベスもちょっとだけだが登場し、物語を盛り上げてくれる。このシリーズまだ続くのだろうか。エンディングでは意味ありげなシーンが出てきて、さらに続きそうな雰囲気もある。

まだまだ続くのなら、とことん付き合いたいと思うシリーズ第5弾である・・・


評価:★★☆☆☆



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2017年11月05日

【ミッドナイト・スペシャル】

ミッドナイト・スペシャル.jpg

原題: Midnight Special
2016年 アメリカ
監督: ジェフ・ニコルズ
出演: 
マイケル・シャノン:ロイ・トムリン
ジョエル・エドガートン:ルーカス
キルステン・ダンスト:サラ
アダム・ドライバー:ポール
サム・シェパード:カルヴィン
ジェイデン・リーバハー: アルトン

<映画.com>
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「ラビング 愛という名前のふたり」「MUD マッド」のジェフ・ニコルズが監督・脚本を手がけ、不思議な力を持つ少年とその父親が繰り広げる逃避行を描いたSFスリラー。特殊能力に目覚め、カルト教団や政府から追われる身となった少年アルトン。父ロイは親友ルーカスやアルトンの母サラと協力して追手から逃れながら、アルトンをある目的地へ連れて行くため奔走する。ニコルズ監督作の常連俳優であるマイケル・シャノンが父親役を務め、共演にも「ブラック・スキャンダル」のジョエル・エドガートン、『スパイダーマン』シリーズのキルステン・ダンスト、『スター・ウォーズ フォースの覚醒』のアダム・ドライバーら豪華キャストが揃う。
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冒頭、少年の誘拐事件を報じるテレビ画面を見つめる男ロイ。テレビではその誘拐犯がロイであることを告げている。ベッドには誘拐されたとされる8歳の少年アルトンが絵本を読んでいる。アルトンを優しく寝かせるロイに誘拐犯の表情はない。誘拐犯と言っても、離婚によって引き離された我が子を父親が誘拐したとかそんな類なのかという雰囲気が漂う。そして2人にはロイの幼なじみのルーカスが同行している。

その頃、某所ではある宗教法人の集会が行われている。“牧場”と呼ばれるその教団では、教団代表のカルビンがアルトンの行方不明について信者に話をしている。そこに突如乱入してきたのはFBI捜査官たち。すぐにその場にいた信者達を秩序立てて集めて聞き込みを開始する。

実は、教祖のカルビンの説教内容には、これまでもしばしば政府の極秘情報が含まれており、FBIの捜査の目的も情報漏洩の調査のため。国家安全保障局(NSA)から来たポールがカルビンに尋問を開始するが、カルビンはそのすべてがアルトンから聞いた話だと言う。ときどき発作を起こすアルトンは、いろんな言語を話し、意味不明なことを語る。カルビンは、それを神の言葉だと信じている。どうやら「誘拐」にはそのあたりの事情が絡んでいるのだろうと思えてくる。

そのアルトンは、車の中ではラジオの電波を捉えてしゃべりだす。意味不明の言葉に戸惑うルーカスに、ロイはさも慣れたことという風にラジオのチューニングを合わせると、アルトンが話す内容の言葉がそのままラジオから流れてくるという具合。休憩のため立ち寄ったガソリンスタンドでは、アルトンが夜空を眺めていると、謎の飛行物体から大量の落下物が落ちてきてガソリンスタンドは火に包まれる。

興味深くストーリーを追って行ったのだが、なかなか真実が明らかにならない。何となく昔観た『未知との遭遇』を思い出していたが、その結末ははっきり言って良くわからなかった。『未知との遭遇』では最後にUFOが登場し、そこでそれまで盛り上げられてきたストーリーが一気に最高潮へと上り詰めたが、この映画ではそれほどの盛り上がりはなく、むしろ「?」マークが飛び交う。

これはひとえに「説明不足」にある。感じ方は人それぞれだから、断定は憚られるが、少なくとも自分としてはもう少し説明があれば納得感が高かったと思う。エピソードも少年の目が光ったり、電波を捉えたり、軍事衛星から攻撃を受けたりと興味深いのだが、でもそれは一体何なのか。結局、正体は何だったのか等々。

タイトルも何で「ミッドナイト スペシャル」なのか。そこにも何か意味があったのだろうと思うが、よくわからない。そういう「よくわからない」が溢れていると、なんだか映画の魅力も衰えてしまう。もう少しわかりやすい映画だったら良かったのにと思わざるを得ない映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2017年11月04日

【ReLIFE リライフ】

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2017年 日本
監督: 古澤健
出演: 
中川大志:海崎新太
平祐奈:日代千鶴
高杉真宙:大神和臣
池田エライザ:狩生玲奈
岡崎紗絵:小野屋杏
千葉雄大:夜明了

<シネマトゥデイ>
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テレビアニメ化や舞台化もされた夜宵草のコミックを実写化した青春ラブストーリー。27歳のニート青年が容姿を若くして社会復帰する実験に参加し、17歳の高校生となって恋と青春を謳歌する姿を捉える。メガホンを取るのは、『ルームメイト』『クローバー』などの古澤健。主演は『青鬼 ver.2.0』『四月は君の嘘』などの中川大志と『青空エール』『キセキ −あの日のソビト−』などの平祐奈。映画オリジナルの結末に注目。
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人は誰しも人生をやり直せたらと思うものだろう。実際には過ぎ去った時間は元に戻せないし、それは叶わぬ願望。だが、映画や小説の世界でならそれは可能。これはそんな人生やり直し(=Re life)の物語である。

主人公の海崎新太は27歳ながら現在は無職の境遇。大学を卒業して就職したものの、人間関係が元となってわずか5ヶ月で退職してしまう。以来就職活動を続けているが、新卒ですぐに退職してしまった経歴が災いし、次がなかなか決まらないでいる。大学の仲間たちから飲みに行こうと誘われても、わざわざスーツを着て働いているフリを装って行く空しさ。割り勘の支払いも厳しい。そんな夜の帰り道、新太はリライフ研究所の夜明了と名乗る男に声を掛けられる。

夜明の説明するところによれば、リライフ研究所では1年間限定の「人生やり直し=リライフ」プログラムを実施していて、対象者に対して高校生活をもう1年やり直して結果を研究するのだという。プログラム参加中は、必要経費を全て賄ってもらえる上に就職まで斡旋してくれる好条件。そして参加するには、ある錠剤を呑んで若返るのだと言う。迷うまま飲んで酔っ払った勢いで新太は錠剤を飲む。すると翌朝起きて鏡を見たところ、新太は自分が若返っているのに驚く。

こうして新太の高校生生活が始まる。同じクラスの日代、大神、狩生らと仲良くなる。いいなぁ、楽しいだろうなぁとストーリーは別にして思う。もっとも3年生ともなれば、「受験」色が濃くなってくるから、できれば1、2年の方がとも思う。頭は良いが、コミュニケーションに難のある日代。容姿端麗、頭脳明晰な大神、その大神に密かに思いを寄せる狩生。さらになぜか夜明も観察者としてクラスメイトに名を連ねている。

高校生ともなれば、そろそろ異性と付き合うということも出てくる。そんなエピソードも当然混じってくるが、それだけではない。新太は、中身は社会人経験もある27歳なわけで、その点高校生の仲間と比べれば一日の長がある。彼ら彼女らに対して語る言葉にも、それなりに重みがある。いつしか仲間たちの考え方にも影響を及ぼしていく。最初は「流す」としていた高校生活だが、もともと正義感も強く一生懸命になりがちな新太はいつしか熱い高校生活を送るようになっている。

ストーリーは単純明快なハッピーエンド。日代も実は明らかにできない事情を抱えていて、それが物語に彩を添えている。やや難のある条件設定と言えば言えなくもない(プログラム終了後、周りの人から新太の記憶がなくなってしまうなど)が、まぁそれはそれとしてそういうもんだと納得して観るしかない。

最近、何となく高校生を主人公とした物語が増えているような気がする。この映画を観ていて、何となく『orange-オレンジ-』を思い出していたが、題材としては事欠かないであろう時代だけに、それも無理からぬところがあるかもしれない。もう今さら戻れない高校生生活。でもその叶わぬ思いが、何とか期間限定でも体験できたら楽しいだろう。そんな思いが抑えきれなくなる映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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2017年11月03日

【パッセンジャー】

パッセンジャー.jpg

原題: Passengers
2016年 アメリカ
監督: モルテン・ティルドゥム
出演: 
ジェニファー・ローレンス:オーロラ・レーン
クリス・プラット:ジム・プレストン
マイケル・シーン:アーサー
ローレンス・フィッシュバーン:ガス・マンキューゾ
アンディ・ガルシア:船長

<シネマトゥデイ>
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航行中の宇宙船を舞台に、目的地到着前に目覚めてしまった男女の壮絶な運命を描くSFロマンス。宇宙空間で生き残るすべを模索する男女を、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』などのクリス・プラットと『世界にひとつのプレイブック』などのオスカー女優ジェニファー・ローレンスが演じる。『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』などのモルテン・ティルドゥムが監督を務め、『プロメテウス』などのジョン・スペイツが脚本を担当。
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物語は遠い未来。宇宙船アヴァロン号が宇宙空間を航行している。乗っているのは宇宙移民を目的とした5,000人の乗客とクルー。全行程120年の旅で、人間はすべて人工冬眠ポッドで眠っている。その間、宇宙船は自動航行である。船首のシールドで浮遊物等から船体を守っているが、冒頭で巨大な隕石と遭遇する。そして船内では、あるポッドの冬眠システムが解除され、主人公のジムが目覚める。自動音声は目的地到着まであと4ヶ月を告げる。

システムによる案内で、目覚めて落ち着いたジムであるが、ふと違和感を感じる。それは船内に他の人の気配を感じないこと。不審に思ったジムが調べてみると、実は工程はまだ出発から30年の地点で、到着までは90年あるとわかる。慌てて冬眠ポッドに戻るも再び冬眠には戻れないとわかる。『エイリアン』でリプリーがネコのジョンジーと冬眠ポッドに1人で入ったのと比べると、まだ技術はそこまで進んでいないのだろう。

焦ったジムは、クルーを起こそうとするが、クルーの冬眠スペースは頑丈に防御されていて入れない。話し相手はバーテンロボットのアーサーだけ。広い船内にたった一人。あと90年しないと誰も目覚めないという絶望的状況。何とか地球に連絡を取ろうとするが、返事が返ってくるのは55年後。どうすることもできない。虚しく時間が過ぎる中、せめてスィートルームを占拠して贅沢に過ごそうとする。しかし、持っているIDがランクの低いものであり、IDで支給される食事はわびしいものなのは更なる悲劇かもしれない。

アヴァロン号が目的の惑星に到着するまであと約90年。そのままでは孤独に寿命を迎えることになる。船内にはエンタテイメントシステムがあって、それなりに時間を潰すことはできる。ある時、ジムはエアロックから宇宙服を着て船外へとでる。宇宙遊泳で見る生の宇宙空間は、状況が状況でなければ感動的だろう。孤独感に耐えられなくなったジムが、思わず宇宙服を着ないまま外扉を開くスイッチを押そうしたのもよくわかる。そして1年が経過する・・・

ある日、ジムは冬眠ポッドで眠る作家のオーロラを見て一目惚れしてしまう。彼女の事を調べていくうちにある誘惑が生まれてくる。それはオーロラを目覚めさせること。しかし、それは禁断の行為。それをすれば彼女もまた目的地に着く前に老いて死ぬことになる。迷いに迷い、葛藤した挙句、とうとうジムは冬眠ポッドを操作して彼女を目覚めさせてしまう・・・

同じ状況に置かれたら自分だったらどうするだろうと考えてみる。ジムの行為は確かに許されないかもしれない。のちに事実がバレて、ジムはオーロラに「殺人だ」と非難される。それもその通りであるが、もしも訴えられたら判決はどうなるのだろうと想像してみるが、現行の法律はこういう事態に当然ながら対応していない。一方、そんなシリアスなストーリーは別にすると、360度の星の海は絶景だろうし、途中アクシデントで船内が無重力状態になり、プールで泳いでいたオーロラが溺れそうになるなど、宇宙空間の不思議は魅力的だ。

オーロラは、ジムに目的地に着いたら1年で地球に戻るのだとその計画を語る。そして250年後の地球を見てみるのだと。こういう「タイムトラベル」も可能なわけである。いつか人類は本当にこんな体験をするのだろうか。そう考えると夢がある。そんなロマンチックな夢想に浸る暇もなく、ストーリーでは当然ながら波乱の出来事が生じる。結果論から言えば、もしもジムが目覚めていなければ、船は大変な大惨事になっていただろう。ジムの人生にもそういう意味で大きな意味があったわけである。

ストーリーとしては、その面白さは設定の妙によるのだと思う。映像の見事さも相まって、いろいろと楽しい想像をしながら映画の世界に浸れる。こういうのはいいなぁと個人的には思う。主演のジェニファー・ローレンスもすっかり美しい女優さんになって、これからますます出演作が楽しみである。映画の楽しみを深く味わえる一作である・・・


評価:★★☆☆☆






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2017年10月29日

【ホーキング】

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原題: Hawking
2004年 アメリカ
監督: フィリップ・マーティン
出演: 
ベネディクト・カンバーバッチ:スティーブン・ホーキング
リサ・ディロン:ジェーン・ワイルド
マイケル・ブランドン:アーノ・ペンジアス
ピーター・ファース:フレッド・ホイル教授
トム・ホジキンス:ロバート・ウッドロウ・ウィルソン
アダム・ゴドリー:フランク・ホーキング
フィービー・ニコルズ:イゾベル・ホーキング
トム・ウォード:ロジャー・ペンローズ

<映画.com>
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人気ドラマ「SHERLOCK」のベネディクト・カンバーバッチが、天才物理学者ホーキング博士の若き日々を演じたイギリス製テレビ映画。1963年。ケンブリッジ大学院で理論物理学を学ぶ21歳の青年スティーブン・ホーキングは、自分の好奇心を満たしてくれる宇宙の研究や、恋心を寄せる女性ジェーンの存在に充実した日々を送っていた。ところがある日、スティーブンの身に突如として悲劇がふりかかる。脳の命令が筋肉に伝わらない難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し、余命2年を宣告されてしまったのだ。両親の支えで大学院に戻ったスティーブンは、日を追うごとに身体の自由を失っていく恐怖に耐えながら、研究に没頭していく。
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かの有名なホーキング博士の物語。ドラマは1978年のストックホルムから始まる。ノーベル物理学賞受賞式の前日にインタビューを受けるロバート・ウィルソンとアーノ・ペンジアス。ホーキングについて聞かれた彼らは、「知らない」と答える。この何気ないインタビューは、ホーキングのドラマと並行して進んでいくが、初めはその意味がよくわからない。

そして時は遡り、1963年。テレビを観ているのはスティーヴン・ホーキング。テレビの中では天文学者のフレッド・ホイル教授が理論を語っている。それは宇宙は普遍で変わらないという定常宇宙理論。その日はスティーヴンの21回目の誕生日。そこに1人の女性ジェーンが訪ねてくる。パーティ半ばで庭に出て星空を見上げるスティーヴンとジェーン。星を眺めながらスティーヴンが語るのは物理学や自分の持論。不器用な性格がよくわかる。ところが、寝転がっていたスティーヴンは立てなくなってしまう・・・

スティーヴンは病院で検査を受けるが、なかなか原因がわからない。ジェーンはスティーブンの両親と連絡を取りながら、彼の身を案じている。一方でアーノとロバートのインタビューが続く。2人は銀河のかなたからくるノイズを観測していたことを語る。録音テープから流れる音は、素人からすれば単なる雑音にしか聞こえない。インタビューは、アーノのナチスによる迫害を受けた出自へと脱線しながら続き、そしてノイズの正体である熱が何なのかを調べたことを語る・・・

スティーブンの病気はやがてALSだと判明する。徐々に動かなくなる体。ケンブリッジに戻り、自身の研究テーマを探し求める日々。この頃はまだホイル教授の定常宇宙論が主流で、教授はビッグバン理論を否定している。しかし、ペンローズ教授らとの議論を経て、スティーブンはこの考えに疑問を持ち、そして時間の逆行というヒントからビッグバン理論に辿りつく。これらよってスティーブンは、奨学金を得て研究を続けることになる・・・

もともとホーキング博士に興味を持っていたことから、ちょっと古いテレビドラマを観たのだが、これが意外と満足度の高いものだった。背景に流れる音楽も良いし、体が動かなくなっていくスティーブンだが、それにもかかわらず彼と結婚しようとするジェーンとの物語もドラマの横串としていい。そして絶妙なのが、15年を経て並行して描かれる2つのドラマがかみ合う瞬間。2人のノーベル賞学者(しかもホーキングを知らないと語っている)のインタビューがなぜ描かれていたのか。これはちょっとした感動であった。

正直言って、ホーキング博士のことを少し知りたいと思って観た映画だったが、ストーリー展開というか構成というかその巧みさと音楽とが相まって、予想以上に面白かったドラマである。こういうサプライズは心地よい。それにしても、ホーキング博士という人物は、つくづく天才なんだと思わされる。天文物理学も難しいが、面白そうだと改めて思う。少し本でも読んでみようかという気持ちにさせられたドラマである・・・


評価:★★☆☆☆






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