2017年11月30日

【トラッシュ!−この街が輝く日まで−】

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原題: Trash
2014年 イギリス/ブラジル
監督: スティーヴン・ダルドリー
出演: 
リックソン・テベス:ラファエル
エデュアルド・ルイス:ガルド
ガブリエル・ウェインスタイン:ラット
マーティン・シーン:ジュリアード神父
ルーニー・マーラ:オリヴィア
バグネル・モーラ:ジョゼ・アンジェロ
セルトン・メロ:フェデリコ

<シネマトゥデイ>
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ゴミ山に暮らす3人の貧しい少年が、ある財布を拾ったことから絶望の街に奇跡を呼び起こしていくドラマ。監督は『リトル・ダンサー』『愛を読むひと』などのスティーヴン・ダルドリー、脚本を『ラブ・アクチュアリー』などロマコメの名手リチャード・カーティスが手掛ける。過酷な環境でたくましく生きる少年たちには、オーディションで選び出された無名の少年たちを起用し、名優マーティン・シーン、『ドラゴン・タトゥーの女』などのルーニー・マーラが脇を固める。
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以前、『シティ・オブ・ゴッド』や『シティ・オブ・メン』という映画を観て知ったブラジルの貧民街の事情。平和な我が国からは想像もつかなくて衝撃を受けたが、それ以来ブラジルを舞台にした映画に興味を持っているが、これはそんなブラジルの貧民街を舞台にした映画。

冒頭、アパートの自室で何やら秘密めいた鍵とメモを財布に入れる男。警官隊が到着すると男の部屋へと殺到する。いち早く気付いた男は逃げ出すが、追い詰められて逮捕される(そこで酷い暴行を加えられる)。しかしその直前、大事に持っていた財布を放り投げると、財布はゴミ収集車に落下しそのままいずこへと運び去られていく・・・

そんなゴミ収集車が到着するのは、いずこかにある広大なゴミの山。個人的にかつて訪れたことがあるフィリピンのスモーキーマウンテンを思い出す。ここも映画のセットというより、実際にあるのだろう。ゴミ収集車が次々とゴミを吐き出すと、近隣に住む住人たちが集まってきてゴミを漁る。これで生活をしているのだろうが、やっぱりすごい光景である。主人公の3人の少年ラファエル、ガルド、ラットもそんなゴミを漁る人々の一員。そしてラファエルは、男が捨てた財布を拾う。

実は、男は腐敗政治家の右腕であったが、ボスを裏切って裏帳簿とともに大金を盗み出していた。冒頭のメモと鍵はその隠し場所の文字通りカギとなるもの。腐敗政治家はその捜索を警察にやらせている。ここでは警察も正義の味方ではない。捕まった男も拷問の上、殺害されている。警官のフェデリコは陣頭指揮を取り、ゴミの山に集う人々に報酬を提示して財布を探させる。警察を信用しないラファエルは、わずかな報酬には目もくれず、何やら秘密めいた財布の謎を探ろうとする。

そんなゴミの山の村には、白人の牧師ジュリアードとアシスタントのオリヴィアがいる。オリヴィアは子供たちにボランティアで英語を教えている。この牧師とオリヴィアを演じるのが名優マーティン・シーンとルーニー・マーラ。なんでこの2人が出ているんだろうと思うが、他の俳優陣はすべて知らない俳優たちばかりなので、個人的にはインパクトが大きい。そんな神父とオリヴィアを巻き込んで、少年たちは財布に秘められた謎を探っていく。

それにしても社会の貧困・腐敗というものは、実に恐ろしい。ゴミを漁って生活する人々の姿はそれだけでも現代日本の我々にとっては衝撃的であるが、警察も簡単に不正になびき、人殺しも簡単にやってのける。悪徳警官フェデリコもラファエルを捕らえ、財布のありかを吐かせようと平気でいたぶり、あまつさえ殺害を指示する有様。少年たちも当然警察を信用しないし、大人に脅されるのは日常である中で、なんとか立ち回っている。ストーリーとは別に、そうした社会の様子が観ていて重くのしかかる。

そんな中で、ラファエルたちは財布に秘められた謎を一つ一つ解いていく。それはある意味推理モノ的な面白さもある。刑務所に住むじいさんに会うためオリヴィアに頼むなんて子供らしからぬ芸当を見せたりする。最後は明るいラストが待っていて、実に爽快である。そこに至る軽妙な展開と重い社会背景などが相まって、期待通りの満足感を得られた映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2017年11月28日

【トランスフォーマー/最後の騎士王】

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原題: Transformers: The Last Knight
2017年 アメリカ
監督: マイケル・ベイ
出演: 
マーク・ウォールバーグ:ケイド・イェーガー
ローラ・ハドック:ヴィヴィアン・ウェンブリー
ジョシュ・デュアメル:ウィリアム・ノックス大佐
ジョン・タトゥーロ:シーモア・シモンズ
スタンリー・トゥッチ:マーリン
イザベラ・モナー:イザベラ
アンソニー・ホプキンス:エドモンド・バートン
サンティアゴ・カブレラ:サントス
ジェロッド・カーマイケル:ジミー
リアム・ギャリガン:アーサー
グレン・モーシャワー:モーシャワー将軍

<シネマトゥデイ>
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世界的ヒットを記録しているSFアクション『トランスフォーマー』シリーズの第5弾。地球に迫る危機に、人類とトランスフォーマーの混成チームが立ち向かう。前作に引き続き、マイケル・ベイ監督がメガホンを取る。マーク・ウォールバーグ、ジョシュ・デュアメルのほか、名優アンソニー・ホプキンスらが出演。これまでのシリーズで提示された謎の数々が明らかになる物語、金属生命体の創造主の登場に注目。
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今回の物語は中世のイギリスから始まる。伝説の英雄アーサー王率いるイングランド軍は、襲い来る敵軍との戦いで劣勢に立たされている。頼みとするのは魔法使いのマーリン。マーリンが訪れた場所には何と不時着した宇宙船と12体のトランスフォーマーが人間から身を隠している。マーリンはトランスフォーマーたちに協力を仰ぎ、魔法の杖を授かる。戦いはドラゴンのトランスフォーマーが参戦したことにより、敵軍がなぎ倒されアーサー王は見事に勝利する。

時は流れ現代。前作以後、世界ではトランスフォーマーを排斥する動きが起きている。TRFという組織が設立され、オートボットの掃討作戦を展開している。そこに不時着した宇宙船を近所の子供たちが探検しにくる。起動するトランスフォーマーに反応して掃討作戦に転じるTRF。子どもたちは逃げ場を失うが、そこへ現れたのはイザベルという少女。

ところが、一緒にいたトランスフォーマーのキャノピーが破壊され、ピンチに陥る。そこへ現れたのが、前作から主人公を務めるケイドとオートボットのバンブルビー。ケイドはTRFの攻撃によって傷ついたトランスフォーマーたちの救出に向かうが、すでに瀕死の状態のトランスフォーマーは、「タリスマン」という金属製のメダルをケイドに渡して息絶える。

このメダルは、マーリンの杖のありかの手掛かりとなるもの。これを狙うディセプティコンはケイドとバンブルビーを追う。ディセプティコンとTRF両方から追われるケイドとバンブルビー。その頃、宇宙ではオプティマス・プライムが荒れ果てた故郷のサイバトロン星に到着する。そこに現れたのが、トランスフォーマーの創造主であるクインテッサ。サイバトロン星の復活のためにはマーリンの杖が必要だと説かれたオプティマス・プライムはその奪還のため地球へと向かう。
そしてサイバトロン本星も地球に向かって接近していく・・・

こうして四面楚歌状態のケイドとオートボットたちは、マーリンの杖を手に入れ、地球の滅亡を阻止しようとする。トランスフォーマーたちの変身や戦闘シーンの迫力は相変わらず。しかしながら、慣れというものは恐ろしいもので、そうした映像の迫力が当たり前になってきてしまうと、満足度も落ちてくる。たぶん、この作品をシリーズの初めに観ていたら驚いていたと思うが、第5弾となるともう満足度は「並み」に落ちてしまう。創った人たちには申し訳ないと思うが、仕方ない。

マーク・ウォールバーグも、この作品では『ローン・サバイバー』のようなハードアクションのヒーローというよりも、『テッド』のダメ男キャラに近い役柄。アクションとダメ男が微妙にブレンドされたキャラクターで、すっかりおなじみの雰囲気。このシリーズではどうしてもトランスフォーマーにスポットライトがあたってしまうが、人間キャラとしては適役だと思う。

まだまだラストでto be continuedを示しており、次の作品も楽しめそうである。段々と期待値のハードルは上がってしまうが、期待し続けたいシリーズである・・・


評価:★★★☆☆





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2017年11月26日

【ファイナル・ガール】

ファイナル・ガール.jpg

原題: Final Girl
2014年 アメリカ・カナダ
監督: タイラー・シールズ
出演: 
アビゲイル・ブレスリン:ヴェロニカ
アレクサンダー・ルドウィグ:ジェームソン
ウェス・ベントリー:ウィリアム
フランチェスカ・フィッシャー=イーストウッド:グウェン
キャメロン・ブライト:シェーン

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冒頭、両親が死んで身寄りのなくなったと見られる幼女ヴェロニカに、ウィリアムが優しく質問をしている。両親が亡くなったことに対し、ヴェロニカは「人はいつか死ぬ」と子供らしからぬ答え。ウィリアムは、質問とテストの内容に満足すると、自分のところでを学ぶように告げ、ヴェロニカはこれに応じる。そして12年の時が経つ。

成長したヴェロニカは、ウィリアムから訓練を受けている。銃の取り扱いから森の中ではだしで放り出されるサバイバル訓練、格闘技等々。その頃、ある町で高校生4人組がウエイトレスの金髪の女子高校生グウェンに目をつける。リーダー格のジェームソンはイケメンであり、グウェンに甘い言葉を囁くと店から連れ出す。そして人気のない森に連れて行くとグウェンを逃がし、ハンティングをする。逃げきれなくなったグウェンを追い詰めると、なんと射殺してしまう。

ヴェロニカの訓練は続き、それは素手で背後から首を絞めて気絶させたり、薬物の耐性の訓練にも及ぶ。薬物の耐性テストでは、幻覚に襲われ「もっとも恐ろしい」と考える経験を味わうことになる。そんな訓練を終えたヴェロニカに、ウィリアムは実戦の指示を出す。それが陰で殺人ハンティングを繰り返す高校生グループと近づき、自ら囮となってその正体を暴いた上で対処するというもの。

グループが獲物として狙う「金髪美少女」の要件をヴェロニカは満たしており、案の定、ヴェロニカはジェームソンから声を掛けられ、金曜日の夜に出かけていく。いざハンティング開始となったが、いつもの「獲物」とは違うことに戸惑うグループ。そしてヴェロニカと高校生グループとの対決がこの映画のクライマックスとなる。
しかし、である。この映画あまりにもお粗末すぎて涙が出てくる。

まず、幼女時代から格闘訓練を積んできたヴェロニカの相手が、ただのイカレタ高校生というのもいかがなものかと言う気がする。それこそ赤子の手を捻るようなものだと思うが、ヴェロニカは苦戦する。格闘はお世辞にもかっこいいとは言えないレベル。同じように幼少期から鍛えられた『ハンナ』のハンナや『コロンビアーナ』のカトレアとはまるでレベルが違う。12年も何をトレーニングしていたのかと疑問に思わざるを得ない。

本来、か弱きはずの女性が男顔負けの格闘アクションを披露してこそこの手のアクション映画は成り立つと思うのだが、この映画の製作陣はそのあたりよくわからなかったようである。女の子になんとなくやらせてみた程度では、観る者を満足させることは到底できない。ストーリー的にも一体何をしたかったのだろうとの疑問ばかりが残る。残念ながら、お粗末なアクションもどき映画としか評価し得ない映画である・・・

評価:★☆☆☆☆




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2017年11月24日

【ザ・マミー 呪われた砂漠の王女】

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原題: The Mummy
2017年 アメリカ
監督: アレックス・カーツマン
出演: 
トム・クルーズ:ニック・モートン
ソフィア・ブテラ:アマネット
アナベル・ウォーリス:ジェニー・ハルジー
ジェイク・ジョンソン:クリス・ヴェイル
コートニー・B・バンス:グリーンウェイ大佐
マーワン・ケンザリ:マリク
ラッセル・クロウ:ヘンリー・ジキル

<シネマトゥデイ>
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1932年製作の『ミイラ再生』を新たによみがえらせたアクションアドベンチャー。エジプトの地下深くに埋められていた王女の覚醒と、それを機に始まる恐怖を活写する。監督は『トランスフォーマー』シリーズの脚本や『グランド・イリュージョン』シリーズの製作などを務めたアレックス・カーツマン。トム・クルーズやラッセル・クロウら、ハリウッドスターが出演している。
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古代エジプト。王位継承順位第1位にあったアマネット王女だが、父親であるメネフトラ王に男児が生まれたため、自らの王位継承が泡と帰してしまう。王の座を諦めきれないアマネットは邪神セトに魂を売って邪悪な力を手にし、王と生まれたばかりの王子を殺害する。さらに邪神セトを男の体に宿そうとしたが、神官たちに阻止され挙句に棺に閉じ込められるとそのまま地の底に埋葬される・・・

そして時は現代。イラクで宝を確保しようとしていたニック・モートンとクリス・ヴェイルは、ゲリラとの交戦に際し要請した空爆で偶然地下の王墓を発見する。考古学者のジェニー・ハルジーが調査したそこは、まさにアマネットが埋められた場所。そうとは知らないジェニーは何者かわからぬ棺をイギリスへ持ち帰ることにする。しかし、空輸の途中、王墓の中でクモにかまれたヴェイルの様子がおかしくなり、突如同席していた兵士を刺し殺してしまう。

さらに機は突然のカラスの大群によるバードストライクで推力を失い、墜落していく。ニックは、咄嗟の判断でジェニーにパラシュートを装着すると脱出させるが、キリモミ状態となった機体の中でどうすることもできず、地面に激突する。その前からニックはアマネットの幻影を見ており、ニックは霊安室の死体袋の中で突如目覚める。そしてやはり死んだはずのクリスが、ニックがアマネットに「選ばれた事」を告げる。

古代エジプトの呪いの類のストーリーは数限りなく創られている感がある。トム・クルーズの新作がまさかこれになるとは思いもよらなかったが、もしも「トム・クルーズ主演」でなかったら間違っても観ていなかったであろう。さらには大物ラッセル・クロウも出演しているとあって、俄然興味を惹かれた映画と言える。やっぱり出演者は重要である。そのラッセル・クロウの役どころは、「ジキルとハイド」というのも面白い。

2000年以上にも及ぶ封印から解放されたアマネットは、墜落現場にやって来た救急隊員を襲って生気を吸い取り、徐々に自らの肉体を復活させていく。生気を吸い取られてミイラ化した人間は、アマネットに操られてニックとジェニーに襲い掛かる。鍵を握るのは、かつてアマネットが邪神セトを復活させようとした時に使用した短剣。ジキル(ハイド)博士とアマネットとの間で翻弄されるニック。このあたりはトム・クルーズだから面白いという気もする。

トム・クルーズもここではイーサン・ハントやジャック・リーチャーのような無敵の存在ではない。しかし、それでいて、墜落する輸送機内でのアクションなどきっちり魅せるところは見せてくれる。そのあたりはトム・クルーズなのである。それにしても、最後は何か「To be continued」的な雰囲気があった。それならそれでも面白いかもしれない。

ミイラの呪い的な映画もこうすれば面白くなるという見本のような映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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2017年11月23日

【ターザン:REBORN】

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原題: The Legend of Tarzan
2016年 アメリカ
監督: デビッド・イェーツ
出演: 
アレクサンダー・スカルスガルド:ターザン/ジョン・クレイトン3世
サミュエル・L・ジャクソン:ジョージ・ワシントン・ウィリアムズ
マーゴット・ロビー:ジェーン・クレイトン
クリストフ・ヴァルツ:レオン・ロム
ジャイモン・フンスー:族長ムボンガ
ジム・ブロードベント:首相

<シネマトゥデイ>
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映画やアニメなどで度々映像化されてきた冒険小説を、『ハリー・ポッター』シリーズなどのデヴィッド・イェーツ監督が新たに生まれ変わらせた活劇。ジャングル育ちの英国貴族ターザンが、愛する妻と故郷のために過酷な試練に立ち向かう。主人公ターザンを、堂々たる肉体美を誇るアレキサンダー・スカルスガルドが熱演。妻ジェーンに『フォーカス』などのマーゴット・ロビーがふんするほか、サミュエル・L・ジャクソン、クリストフ・ヴァルツが脇を固める。
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ターザンと聞くと、もはや懐かしい響きしかない。子供の頃、「ジャングルの王ターザン」という名前と、「ア〜アァ〜!」という声とジェーンという恋人とだけが記憶に残っている。詳細はもう忘れてしまった。そんなレトロな物語が、ここにきて実写化というのも考えてみれば面白い。

物語の舞台は1884年に遡る。ベルギー国王レオポルド2世は、資源が豊富なコンゴ盆地の所有権を得たが、その開拓に月日を費やしたもののうまくいかず、巨額の負債を抱え込む。困窮した国王は、打開策としてダイヤの採掘を狙い、腹心レオン・ロムをコンゴへ派遣する。ロムは秘境を発見するも、そこを守る原住民の襲撃に遭い護衛の兵士達は全滅の憂き目にあう。たった1人生き残ったロムは、族長のムボンガからある男を連れてくればダイヤを渡すと言われ、手を結ぶことにする。

一方、ところ変わってロンドン。ジョン・クレイトン伯爵は、国王よりコンゴの視察に招待される。ジョンはかつて両親とともにコンゴに行き、そこでたった一人生き残りゴリラに育てられたという過去を持っている。アメリカ公使のジョージ・ワシントン・ウィリアムズからベルギー国王のコンゴでの秘密活動を調べたいと説得を受け、これを了承する。視察には同じようにかつて現地で暮らした経験のある妻ジェーンも同行を強硬に主張する。こうして、一行はコンゴへと向かう。

ゴリラに育てられたジョン(=ターザン)は、動物たちとも仲良し。アフリカ草原を歩いて行くとやがて「幼馴染」のメスライオン達に再会する。また、現地のクボ族はかつてジェーンが滞在していた集落であり、一行は族長以下村人たちから大歓迎を受ける。並行してジョンとジェーンとの出会いの様子も回想される。こういうストーリーでは、地元の部族と仲良くなった主人公に、外部から己の利益しか考えない悪役がやって来て対立するものである。この映画も同様で、そういえば『アバター』もまさに同じストーリーである。

ダイヤ目当てにムボンガと手を組むロムは、ジョン夫妻とジョージを襲撃する。目的であるジョン=ターザンの誘拐は失敗するが、代わりにジェーンとクバ族の若者を捕らえる。一味がダイヤを手にすれば、さらにそれで傭兵が雇われ、圧倒的な近代兵器を持って地域を支配することになる。近代兵器の装備で劣るターザンら一行は、動物たちを味方につけて対抗する。

「ア〜アァ〜!」という掛け声も健在で、かつてのターザンの物語がどんなだったかなんて忘れてしまったが、欲に駆られた悪の企みは無事阻止され、王道ストーリーは観ていて安心である。何となく物語の導入部分が多く、肝心のターザンの活躍はラストに圧縮されているところはやむを得ない。続編ともなれば、もっと活躍の場面はいろいろと出てくると思うが、果たしてどうだろうか。

“REBORN”という邦題は、うまくつけたなという感じがする。子供の頃の懐かしいヒーローで、まぁ楽しめた一作である・・・


評価:★★☆☆☆





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2017年11月20日

【アイ・アム・ニューマン 新しい人生の見つけ方】

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原題: Arthur Newman
2012年 アメリカ
監督: ダンテ・アリオラ
出演: 
コリン・ファース:ウォレス
エミリー・ブラント:マイク
アン・ヘッシュ:ミナ
ルーカス・ヘッジス:ケヴィン

<映画.com>
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『英国王のスピーチ』のコリン・ファースと『プラダを着た悪魔』のエミリー・ブラント主演、過去を捨てた男女の奇妙な2人旅を描いたロードムービー。失敗だらけの人生に嫌気が差した中年男性ウォレスは、偽造IDで別人に生まれ変わることを決意する。水死を装って今までの自分と決別したウォレスは、アーサー・ニューマンという名前で新たな人生を送りはじめる。そんな矢先、ひょんなことからマイクという変わり者の女性と知りあったウォレスは、成りゆきでマイクと一緒に旅することになる。共演に「6デイズ/7ナイツ」のアン・ヘッシュ。「セブン・イヤーズ・イン・チベット」の脚本家ベッキー・ジョンストンが脚本と製作を手がけた。
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人は誰でも生まれ変われたらと思うものであろう。この映画の主人公ウォレスもそんな1人。妻とは離婚し、離れて暮らす息子は自分に対し口もきこうとしない。自分の存在意義に疑問を持っていたところ、偶然知り合ったゴルフ場オーナーからレッスンプロに招かれ、これを機にまったく新しく人生をやり直そうと計画する。偽造IDで新しい名前を手に入れ、自分は自殺したように装い、新しい名前で新しい車を買い、全財産を持って新天地に向かう。

途中で知り合ったのは、どう見てもイカれた女マイク。ふとしたきっかけから知り合い、一緒に旅することになる。新婚の壮年カップルを見かけた2人は、カップルの後をつける。カップルが家に戻り、そして新婚旅行に出かけていくとその家に忍び込むマイク。初めは躊躇していたウォレスも、しまいに一緒に忍び込んでその家の一時主人の立場を楽しむようになる。

タイトルになっているアーサー・ニューマンとは、ウォレスが選んだ新しい名前。その名の通り「ニューマン」である。かつてはゴルフプロとしてツアーにも参加経験があるが、極度のあがり症で本番に弱く、実力を発揮できないままリタイア。子どもが口をきいてくれないのも、かつて多忙を理由に接触を避けていたから。そんな過去が次第に明らかになっていく。

一方で、ウォレスが失踪し、しかも自殺の疑いがあると分かった時、それまで冷たかった恋人は改めてウォレスへの気持ちに気づき、口もきかなかった息子も父親に興味を示すようになる。人間は、失ってからそれがいかに大事なものであったかに気がつくものなのである。こうして新しい人生を手に入れようとした主人公と、彼に対する思いに気がつく恋人と息子とが並行して描かれていく。マイクにも同情すべき身上がある。

新しい名前で、過去を捨てて新しい人生を歩もうとしたウォレス。同じように心に傷を抱えてあてどもなく生きていたマイク。本当は父親との絆がもっと欲しかった息子。それぞれの物語の結末が心地よい。それにしても今の時代、ネットも発達していて、まったく新しい人生というのも簡単には手に入らないものだと思う。ウォレスのプロとしての経歴も、ちょっと検索すればアーサー・ニューマンなどというプロが存在しないことがわかってしまう。それは裏を返せば、息子からすると知らなかった父親のプロの時代を見ることができるということでもある。いいのか悪いのかは別として、今はそういう時代だと強く感じる。

静かなドラマではあるが、心に染みる心地よい再生のドラマである・・・


評価:★★☆☆☆




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2017年11月18日

【アイアムアヒーロー】

アイアムアヒーロー.jpg

2016年 日本
監督: 佐藤信介
出演: 
大泉洋: 鈴木英雄
有村架純: 早狩比呂美
長澤まさみ: 藪(小田つぐみ)
吉沢悠: 伊浦
岡田義徳: サンゴ
片瀬那奈:てっこ(黒川徹子)

<シネマトゥデイ>
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「ボーイズ・オン・ザ・ラン」などの花沢健吾の人気コミックを実写化したパニックホラー。突如として広まった原因不明の感染によって大パニックが引き起こされる状況で、決死のサバイバルに挑む者たちの姿を映す。メガホンを取るのは、『GANTZ』シリーズなどの佐藤信介。『青天の霹靂』などの大泉洋、『女子ーズ』などの有村架純、『モテキ』などの長澤まさみら実力派が出演。スリルと恐怖が次々と押し寄せる展開はもちろん、鮮烈なビジュアルも見もの。
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今や一分野として確立された感のあるゾンビものであるが、邦画にも面白そうなのが出てきたと思って観た映画。主人公は漫画家になる夢を追って漫画家のアシスタントをしている鈴木英雄。早や35歳になり、彼女と同棲中であるが、住んでいるのは安いアパート。かつて応募した作品が佳作をとったものの、それ以降はパッとしない。同棲中の徹子も適齢期を過ぎつつあり、その焦りと怒りを英雄にぶつける。英雄はそんな徹子をオロオロしながら宥める事しかできない。ある日、とうとう家を追い出され趣味のクレー射撃用の散弾銃だけを取りあえず持って家を出る。

そんな背景で、周りで妙な咳をするスタッフがいて、テレビでは女性が土佐犬を噛むという奇妙なニュースが流れているも、誰も気に留めない。英雄だけが一瞬気に留める。そして喧嘩していた徹子から英雄に連絡が入るも様子がおかしい。急いで帰宅する英雄。しかし、部屋で横たわっていた徹子は、人間とは思えぬ奇妙なしぐさで起き上がると英雄に襲い掛かる。

女性とは思えぬ力で組み伏せられた英雄は、徹子に噛みつかれるが、徹子は英雄に噛みつく前にドアに歯を立てたため、歯が抜け落ちている。結果的にこれで英雄は救われる。ゾンビの元はどうやらウィルスで、感染して発症すると獣のようになり、人に噛みつきウィルスを拡散させるという「ルール」であるとわかる。もみ合ううちに、徹子はトロフィーが頭に刺さって動かなくなる。

ショックを受けたまま英雄は、アパートを立ち去るが、事務所では同じような症状を発症した同僚を仲間のベテランアシスタント三谷が殴り殺し、さらに包丁が刺さった漫画家の先生をも金属バットで殴り倒す。「頭を完全に破壊しないと駄目だ」と言う三谷。しかし、その三谷にも噛まれた痕があるが、三谷はゾンビ化するのを恐れて自らの首を切る。呆然としつつ逃げだす英雄だが、街は既に感染したゾンビが増殖し、大パニックになっている。

英雄は散弾銃を抱え、ウィルスが高度に弱いという情報を得て途中で知り合ったJKのヒロミとともに富士山へと向かう。ここでゾンビは「ZQN(ゾキュン)」と称される。現代日本らしい呼称である。タイトルからして散弾銃でZQNを倒しまくるのかと思っていたら、気の弱い英雄はどうしてもZQNを撃てない。このあたりは、大泉洋のはまり役という感がある。

そして逃げ込んだショッピングセンターでは、生き残った者たちが独自の社会を築いている。まさにゾンビものの王道的なストーリーであるが、そこにある社会はいわば「独裁制」。秩序なき混乱の中では、どうしても弱肉強食となるのだろうか。ここでも「最強」の武器を手にした英雄は、その気の弱さからたちまち銃を奪われてしまい、支配下に置かれてしまう。

タイトルの所以は、やはりラストに現れる。守るべき者を持った英雄。ZQNの軍団のただ中で真価が問われる英雄。この手のもの映画は、最後はすっきりとさせてくれるが、そのあと英雄たちはどうなるのだろうかという余韻にも浸らせてくれる。有村架純や長澤まさみがヒロインとなっていて、ストーリーに彩を添えてくれる。なかなか面白いゾンビ映画である。

続編も創れそうな雰囲気だし、できればそれも期待したいと思う一作である・・・


評価:★★☆☆☆





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