2018年01月09日

【スパルタ】My Cinema File 1854

スパルタ

原題: Спарта(英題Sparta)
2016年 ロシア
監督: ニコライ・クドラショフ
出演: 
アンドレイ・セミオノフ:ニコライ
ニコライ・クドラショフ
デニス・ニキフォロフ
ヤン・ツァトニック
ヴラディミール・エピファンツェフ
マクシム・コノヴァロフ

<TSUTAYA 解説>
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前科者となった元総合格闘技チャンプが、全長10メートルの変形リングで戦う最新型格闘技"スパルタ"に参戦。彼の快進撃と宿敵との対決を描く。アンドレイ・セミオノフ主演のリアル格闘アクション。
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ロシアの映画も最近はいろいろと種類が増えてきたが、これはロシア発の格闘技映画。主人公のニコライは総合格闘技のチャンピオン。今日も相手を倒し、プロデューサーからはアメリカ進出の話も出る。リングを降りて控室に向かう途中、連れていた彼女に心無い侮蔑の言葉を浴びせられる。これにキレたニコライは、その男を殴り倒す。普通の人間なら単なる暴力でも、ニコライがやればただでは済まない。ニコライは傷害罪で逮捕され、刑務所行きとなる。

ニコライに甘え、車をねだっていた女は、自分が原因であるにも関わらず、さっさとライバルアンドレイに乗り換える。ニコライは3年間の服役を終えて出所し、復帰を目指してトレーニングを開始するが、刑務所生活で衰えた肉体は元には戻らない。ジムを辞めざるを得なくなると、食うために仲間のジムを便りコーチに転じる。そんな彼の前をアンドレイに取り入って車を買ってもらった女が歩き去る。

そんなニコライに、新たに創設された"スパルタ"という格闘技の話がもたらされる。細長い変型リングで、4人1チームで2チームが勝ち抜き戦を繰り広げるというもの。これは実際にあるものなのかどうかわからないが、柔道の勝ち抜き戦みたいでなかなか面白い。そう言えば、その昔新日本プロレスでも正規軍と維新軍でこの形式の試合をやっていた記憶がある。復調したニコライは、仲間と組んでこの"スパルタ"に参戦する。それに対し、過去にニコライに負けたことがトラウマとなっているアンドレイは、プロデューサーの指示を振り切って"スパルタ"に参戦する・・・

格闘技の映画となると、当然ながら試合シーンの迫力が重要となってくる。その点、この映画は実にリアリティに富んでいて、実戦さながらの迫力あるシーンが多い。ストーリー自体はそんなでもないと思うが、やはり格闘シーンの迫力がそれを補っているところがある。殴り、蹴り、そして腕ひしぎを始めとしたグラウンドテクニックが観ていて心地よい。

実際の格闘技でも、ロシアの皇帝ヒョードルが長らく王座を守っていたから、ひょっとしたらロシア国内でも総合格闘技の熱は高いのかもしれない。こういう映画が創られた背景にはそういう熱があるのかもしれないと思ってみる。それにしてもロシアの格闘技界は金目当ての美女が群がってくるような世界なのだろうか。明らかに金目当ての女を甘えさせるニコライとアンドレイの姿にふとそんな事を考えてみた映画である・・・


評価:★★☆☆☆






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2018年01月08日

【ブラック・シー】My Cinema File 1853

ブラック・シー.jpg

原題: Black Sea
2014年 アメリカ
監督: ケビン・マクドナルド
出演: 
ジュード・ロウ:ロビンソン
スクート・マクネイリー:ダニエルズ
ベン・メンデルソーン:フレイザー
デビッド・スレルフォール:ピータース
コンスタンチン・ハベンスキー:ブラッキー
セルゲイ・プスケパリス:ザイツェフ
マイケル・スマイリー:レイノルズ
グリゴリー・ドブリギン:モロゾフ
セルゲイ・ベクスラー:ババ
セルゲイ・コレスニコフ:レフチェンコ
ボビー・スコフィールド:トビン
ジョディ・ウィッテカー:クリシー

<シネマトゥデイ>
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ナチスドイツの潜水艦に眠るといわれる金塊引き揚げに挑む12人の男たちの野望を描く海洋サスペンス。一獲千金を夢見るくせ者ぞろいの男たちが乗り込んだ海底の潜水艦を舞台に、緊迫感あふれるドラマが展開。監督は、『ラストキング・オブ・スコットランド』などのケヴィン・マクドナルド。人気俳優ジュード・ロウをはじめ、『ゴーン・ガール』などのスクート・マクネイリー、『アニマル・キングダム』などのベン・メンデルソーンらが出演する。
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主人公のロビンソンは海洋サルベージの専門家だが、長年勤めた会社を解雇される。もともとはイギリス海軍の軍人であり、家族を顧みずに仕事に明け暮れた結果、妻は息子を連れて去っていた。そんな彼に、仕事仲間のカーストンから、莫大な金塊を積んだドイツ軍のUボートが第二次大戦時から黒海のグルジア沖の深海に沈没したままになっているという話を聞く。一攫千金の儲け話にロビンソンは、その引き揚げにチャレンジすることにする。

とは言え、必要なのは仲間と資金。資金は正体を隠した投資家を紹介され、40%の取り分を渡すことで調達し、ロシア製のオンボロ潜水艦を手に入れると、ロシア人5人を加えた英露の混成チームを結成する。さらにお目付け役として投資家の命を受けたダニエルズを加え、総勢12人で出航する。ロシア海軍の目を文字通り掻い潜っての潜航行動である。

金塊は、第2次大戦時、まだ独ソ戦の開始前に、ヒトラーの依頼に応えたスターリンがドイツに融資するために用意したもの。密かにUボートでドイツに運ばれる途上で沈没したというもの。メンバーをまとめるのはロビンソンだが、これが一筋縄ではいかない。まず始まったのが潜水士フレイザーの不満。ロシア人と分け前が同じでは合わないと言い出す。リーダーとして公平に分けると宣言するロビンソン。リーダーとしては当然であろうが、チーム内には不穏な空気が漂う。

チームで何かに取り組む時、まずもって必要なのはメンバー同士の信頼だろう。海底に沈んだUボートから金塊を引き上げるというただでさえ難作業になるわけであるからなおさらである。しかし、人間の欲望はしばし人の目を狂わせる。海上を通るロシア海軍に探知されないよう深く潜り、沈没したUボートが横たわっているであろう海域を一行は目指す。しかし、当然のようにトラブルが発生し、潜水艦は海底で座礁してしまう。

沈没したUボートを発見し、うまい具合に修理に必要な資材も調達できる。そして金塊も発見される。もしもロビンソンの指揮の下、一行が結束を固めていたら、おそらく無事金塊を引き上げて全員がハッピーになっていただろう。しかし、腕は確かなプロであったとしても、みんな一癖も二癖もある連中ばかり。どうしてそんなことをするのかと普通に考えれば理解できない行動を取り、やがて海底の潜水艦内は修羅場と化していく・・・

結局のところ、こういう局面でチームプレーができるような人間は、そもそもこういう話には乗ってこないものなのかもしれない。そしていくらスキルがあっても、チームプレーが必要な環境でそれができないメンバーを抱えたチームは崩壊する。何とかミッションを成功させようとして、そして若いメンバーのトビンを助けようとして、ロビンソンが取った行動はどこまでも悲しい。

つくづく、どんな仲間と組むかがすべてなのだと思わされる映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2018年01月07日

【フォックス・キャッチャー】My Cinema File 1852

フォックス・キャッチャー.jpg

原題: Foxcatcher
2014年 アメリカ
監督: ベネット・ミラー
出演: 
スティーブ・カレル:ジョン・デュポン
チャニング・テイタム:マーク・シュルツ
マーク・ラファロ:デイブ・シュルツ
バネッサ・レッドグレーブ:ジーン・デュポン
シエナ・ミラー:ナンシー・シュルツ
アンソニー・マイケル・ホール:ジャック
ガイ・ボイド:ヘンリー・ベック
デイブ・ベネット:ドキュメンタリー制作者

<シネマトゥデイ>
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デュポン財閥の御曹司ジョン・デュポンが起こした殺人事件を映画化した実録ドラマ。ジョン・デュポンが結成したレスリングチームに引き抜かれた五輪メダリストの兄弟が、彼の知られざる姿を知った果てに悲劇に見舞われる。監督は『カポーティ』などのベネット・ミラー。『31年目の夫婦げんか』などのスティーヴ・カレルをはじめ、チャニング・テイタムやマーク・ラファロら実力派が共演する。彼らの鬼気迫る演技に圧倒される。
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マークとデイヴの兄弟はともにレスリングの選手であり、ともにオリンピックのゴールドメダリスト。デイヴは今やコーチとして弟のマークを支えている。マークは、1984年のロサンゼルスオリンピックで金メダルを獲得しており、次のソウルでも連覇を狙っている。そんなマークのもとに、ある日財閥の御曹司であるジョン・デュポンから電話がかってくる。ジョンはマークに自らが率いるレスリングチームへの参加をオファーする。

破格の条件にマークはこれに応じ、すぐに施設に引っ越す。ジョンはさらにデイヴにも、コーチとしてフォックスキャッチャーへの参加を求めるが、家族と現在の仕事への義理からこれを断る。こうしてフォックスキャッチャーでの日々がスタートするが、次第にジョンの行動におかしなところが出てくる。一つは母親への異様な意識。乗馬を愛し、レスリングを蔑む母親に対し、ジョンはいかに自分が優秀なコーチかということをアピールする。

ある練習の時には、ジョンの母親がジムに姿を見せる。するとジョンは選手たちを集め、指導を始める。レスリングのコーチングとしての自分をアピールするのだが、母親は興味なさげにすぐに帰ってしまう。金にモノを言わせてチームを率いる自分のドキュメンタリーを作らせる。札束にモノを言わせてデイヴの招聘に成功すると、デイヴにも番組のインタヴューに答えさせ、自分を持ちあげさせる。

実話ということに興味を持ったのだが、この映画では母親との確執から異様に母親に対抗意識を見せるデイヴが描かれる。移動にヘリを使うし、レスリング協会にポンと寄付はするし、自分ヨイショのドキュメンタリー番組は作らせるし、マークやデイヴたちの頬を札束でひっぱたき、まぁ大富豪ならどうということもないのだろうが、スケールはでかそうである。

庶民の身からすれば羨ましい限りの生活であるし、何が不自由なのかという気もするが、金持ちには金持ちの悩みというものがあるのだろう。母親に認められたくて、必死になるお坊ちゃんの姿が寒々しい。いくら金でコーチの座を買おうとも、レスリングコーチの力までは買うことができない。そして事件が起こってしまう。タイトルの「フォックスキャッチャー」とは、ジョンの所有するレスリング施設の名前であり、その名の看板がかかっている。

実際のジョンはどんな人物で、どんな事件経緯だったのかはとても興味深いものがある。ジョンが買いたかったものは、そして大富豪でも買えなかったものは、「母親の関心」ということなのだろうか。できることなら、そのあたりもう少し詳しく知りたかったと思う映画である・・・


評価:★★☆☆☆






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2018年01月06日

【スター・ウォーズ 最後のジェダイ】My Cinema File 1851

スター・ウォーズ 最後のジェダイ.jpg

原題: Star Wars: The Last Jedi
2017年 アメリカ
監督: ライアン・ジョンソン
出演: 
デイジー・リドリー:レイ
ジョン・ボヤーガ:フィン
アダム・ドライバー:カイロ・レン
オスカー・アイザック:ポー・ダメロン
マーク・ハミル:ルーク・スカイウォーカー
キャリー・フィッシャー:レイア・オーガナ
ルピタ・ニョンゴ:マズ・カナタ
アンディ・サーキス:スノーク最高指導者
ドーナル・グリーソン:ハックス将軍
アンソニー・ダニエルズ:C-3PO
グウェンドリン・クリスティー:キャプテン・ファズマ
ケリー・マリー・トラン:ローズ・ティコ
ローラ・ダーン:ホルド提督
ベニチオ・デル・トロ:DJ
ヨーナス・スオタモ:チューバッカ
ジミー・ビー:R2-D2

<映画.com>
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『スター・ウォーズ』の10年ぶりの新作として大ヒットを記録した『スター・ウォーズ フォースの覚醒』に続くシリーズ作品で、伝説のジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカーを探し当てた主人公レイがたどる、新たな物語が描かれる。前作で「スター・ウォーズ」の新たな主人公レイに大抜てきされ一躍注目を集めたデイジー・リドリーのほか、ストームトルーパーの脱走兵フィンを演じるジョン・ボヤーガ、ダースベイダーを受け継ぐカイロ・レン役のアダム・ドライバー、そしてルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミル、2016年12月に急逝したレイア・オーガナ役のキャリー・フィッシャーらおなじみのキャストが出演。監督・脚本は「BRICK ブリック」『LOOPER ルーパー』などで頭角を現したライアン・ジョンソンが担当した。
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待望の新シリーズ第2弾。通算第8弾。前作『スター・ウォーズ フォースの覚醒』から2年で続編というのはありがたい限り。しかも昨年はスピンオフ作品(『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』)を観ているから3年連続で観られたことになり、満足この上ない。

前作で、帝国軍の残党が結成したファースト・オーダーと新共和国のレイア・オーガナ将軍が率いる私設軍隊レジスタンスの対立が描かれたが、その戦闘が激化している。状況はレジスタンスに不利に動いている。冒頭でレジスタンスが拠点を築いていた惑星ディカーの基地を、ファースト・オーダーのハックス将軍が率いる大艦隊が急襲する。レジスタンスのパイロットであるポー・ダメロン中佐がXウイングに搭乗し、単機でファースト・オーダーの旗艦ファースト・オーダー・ドレッドノートに立ちはだかる。

血気にはやるポーは、レイアの「戻れ」という命令を無視してファースト・オーダー・ドレッドノートへの攻撃を続行する。このポーが今回は活躍する。ファースト・オーダー・ドレッドノートはレジスタンスの爆撃機によって撃沈する(宇宙空間で爆弾を「落とす」というところに違和感を覚えるが気にしない)。しかし、その対価として爆撃隊は全滅する。レジスタンスは何とかファースト・オーダーの追撃を振り切って逃げる。

前作のラストで伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーを見つけたレイだが、ルークは差し出されたライトセーバー捨て、レイに関心を示さない。レジスタンスへの助力を要請するも、ルークはすげなくこれを拒絶する。それにしてもルーク・スカイウォーカーも年を取ったものである。ご本人が演じているのも息の長いシリーズの持ち味と言えるが、別人のようでもあり、本人が演じているメリットはあまりない気もする。

いろいろとやり取りがあり、ルークはレイの修行を引き受ける。一方、ファースト・オーダーを率いるのは最高指導者スノーク。ソロの息子であり、今や次のダースベイダーの筆頭に位置するカイロ・レンは最高指導者に厳しく責められ、その怒りをレジスタンスの追撃にぶつける。ルーク、レイア、チューバッカとお馴染みのメンバーにレイ、フィン、ポー、そしてカイロ・レンの新メンバーが絡み合う。なかなか観応え十分、濃厚な時間が過ぎゆく。

レジスタンスの劣勢は打開する術なくファースト・オーダーに追い詰められていく。ファースト・オーダーの艦隊に追跡されたレジスタンスの艦隊が「燃料切れ」で追いつかれるが、慣性の法則が働く宇宙空間で「これ如何に」という気持ちが働くも、封印する。新シリーズ3部作の真ん中という位置付けは、過去の『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』『スターウォーズ エピソードU』と同様、小休止的なところはやむを得まいか。どちらにせよ、単体で評価することに意味のない作品であることは間違いない。

楽しみなのは最後の第3弾(通算第9弾)。同じ感覚であれば2年後となるが、あまり慌てなくてもいいので、いい作品にしてもらいたいと思う。その前にまたスピンオフ作品があるようなので、次回作はそれを楽しみたいと思う。
観終わればまた次が気になる。それを待つ時間も楽しみにしたい永遠のシリーズである・・・


評価:★★★☆☆






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2018年01月05日

【デッド・シティ2055】My Cinema File 1850

デッド・シティ2055.jpg

原題: Vice
2015年 アメリカ
監督: ブライアン・A・ミラー
出演: 
トーマス・ジェーン:ロイ
ブルース・ウィリス:ジュリアン
アンビル・チルダーズ:ケリー
ブライアン・グリーンバーグ:エヴァン

<映画.com>
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トーマス・ジェーン、ブルース・ウィリスらの共演で、人間とレプリカント(人造人間)の壮絶な戦いを描く近未来SFアクション。企業王のジュリアンは、現実世界に飽き足らない富裕層の願望をかなえる享楽的なリゾート都市「VICE(ヴァイス)」を作り上げる。そこでは、人々がレプリカント(人造人間)を相手に殺人や暴力、ドラッグ、レイプといった負の欲求を満たすことができた。しかし、その影響でVICEの外の現実世界でも犯罪が横行し、事件を捜査する刑事ロイはVICEの閉鎖を訴えていた。そんなある日、不具合で自我に目覚めたレプリカントのケリーがVICEから逃げ出し、彼女を助けたロイらとともにVICE壊滅を目指して戦いに乗り出す。監督はウィリスが出演した『コードネーム:プリンス』のブライアン・A・ミラー。
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 近未来。企業王ジュリアンは富裕層向けの都市「Vice(ヴァイス)」をオープンさせている。そこはレプリカント相手に殺人やレイプ等の犯罪行為を実際に行うことができるという場所。主人公の刑事ロイは、そこで狂った欲望を叶えた富裕層が犯罪行為の魅力に取りつかれてしまい、ヴァイスの外でも凶悪な事件を起こすというケースにつながっていることを危険視している。都市内に入るのに必要な許可を待ちきれずロイは中に立入り犯人を逮捕する。

 一方、ヴァイスに暮らすレプリカントのケリーは、その日も絞殺される。そして蘇生措置の過程で、本来消去されるべき殺された記憶が消去されないまま「仕事」に復帰する。そして恐ろしい体験のフラッシュバックに襲われ、警備をかいくぐってヴァイスから脱出する。その後、ケリーはレプリカントの生みの親であるエヴァンと出会う。エヴァンの部屋に飾られた自分の写真。実はケリーは、エヴァンが今は亡き最愛の妻に似せて作ったレプリカントであった・・・

 人間が社会秩序を守って生活するのは、犯罪を犯せば刑務所に入れられるからであり、自らが犯罪の犠牲者になることを防ぐためでもある。だが、もし犯罪を犯しても罪に問われなければ、という社会が近未来に実現する。そこでは相手を殺しても罪には問われない。なぜなら閉ざされた空間で、殺す相手がレプリカントであるから。そういう町ヴァイスがこの映画の舞台となっている。

 レプリカントが自我に目覚めて人間に逆らって脱走するというストーリーは、どこか『ブレードランナー』に相通じるものがある。人は誰でも犯罪を犯してみたいという欲望はあるだろうが、まさか実際にやるわけにはいかない。しかし、レプリカントなら大丈夫という発想だ。そしてヴァイスの中では、銀行強盗や殺人などがゲーム感覚で行われている。発想としては面白い。

 そして明らかにB級映画のこの映画に、ヴァイスの運営者として登場するのがブルース・ウィリス。この人は大物ながら時折こうしたB級映画に脇役で出ている。それはそれで面白いと思うが、この映画はいかにも陳腐である。映画の中で自我に目覚めるのは、開発者が妻に似せて作ったモデル。4年と寿命が決まっていて、それでも最後に主人公と一緒に逃げたラストが何とも言えない『ブレードランナー』とは比べるまでもない。

 実際にこういう施設があったら利用するだろうかと想像してみる。やっぱり理性が壊れそうで、自分だったら利用しないだろうなと思う。そんなことをつらつら想像してみるにはいい映画である・・・


評価:★☆☆☆☆





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2018年01月04日

【シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ】My Cinema File 1849

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ.jpg

原題: Captain America: Civil War
2016年 アメリカ
監督: アンソニー・ルッソ/ジョー・ルッソ
出演: 
クリス・エバンス:キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャース
ロバート・ダウニー・Jr.:アイアンマン/トニー・スターク
スカーレット・ヨハンソン:ブラック・ウィドウ/ナターシャ・ロマノフ
セバスチャン・スタン:ウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズ
アンソニー・マッキー:ファルコン/サム・ウィルソン
ドン・チードル:ウォーマシン/ジェームズ・“ローディ”・ローズ
ジェレミー・レナー:ホークアイ/クリント・バートン
チャドウィック・ボーズマン:ブラックパンサー/ティ・チャラ
ポール・ベタニー:ヴィジョン
エリザベス・オルセン:スカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフ
ポール・ラッド:アントマン/スコット・ラング
エミリー・バンキャンプ:エージェント13/シャロン・カーター
トム・ホランド:スパイダーマン/ピーター・パーカー
フランク・グリロ:クロスボーンズ/ブラック・ラムロウ
ウィリアム・ハート:ロス長官
ダニエル・ブリュール:ヘルムート・ジモ大佐
マーティン・フリーマン:ロス副司令官
ジョン・カニ:ティ・チャカ
ジョン・スラッテリー:ハワード・スターク
ホープ・デイビス:マリア・スターク
マリサ・トメイ:メイ・パーカー

<シネマトゥデイ>
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マーベルコミックスの人気キャラクターを実写映画化した『キャプテン・アメリカ』のシリーズ第3弾。アベンジャーズのメンバー同士でもあるキャプテン・アメリカとアイアンマンの対立を、あるテロ事件と絡めて活写していく。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』に引き続き、監督はアンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ。キャストにはロバート・ダウニー・Jr、クリス・エヴァンス、スカーレット・ヨハンソンら、一連のシリーズでおなじみの面々が結集する。ハイパワーを繰り出して激突する2大ヒーローの姿に圧倒される。
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 マーベルのこのシリーズは、一連のヒーローのシリーズがそれぞれ関連しながら絡み合っているところが面白い。『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』のソコヴィアでのウルトロンとの戦いから約1年後、スティーブ・ロジャース(キャプテン・アメリカ)率いるアベンジャーズはナイジェリアの都市ラゴスに出撃する。しかし、戦いの過程で一般市民に犠牲者が出てしまう。アベンジャーズの活躍ぶりからすると、それもやむを得まいと思うも、世間的にはそうは言っていられない。トニー・スタークも、ソコヴィアで犠牲となった青年の母親から叱責される。

 そうした世論の流れから、アベンジャーズを国際連合の管理下に置くことを規定する「ソコヴィア協定」が提唱され、世界各国の支持を得る。米国務長官サディアス・ロスはアベンジャーズのメンバーに協定への署名を求め、トニーは真っ先にこれに賛同する。しかし、メンバーの思惑はそれぞれであり、ジェームズ・ローズ、ヴィジョン、ナターシャ等署名賛同派と、スティーブら拒否派とに分かれてしまう。この分裂が、今回のストーリーの中心となる。

 オーストリアのウィーンにてソコヴィア協定の署名式が執り行われることになり、ナターシャが出席する。そこで爆破テロが発生し、演説中だったワカンダ国王のティ・チャカが死亡する。監視カメラの映像から、バッキー・バーンズ(ウィンター・ソルジャー)が犯人として国際指名手配を受け、ワカンダの王子ティ・チャラはバッキーへの復讐を誓う。スティーブとサムは単独でブカレストに潜伏中のバッキーに接触するが、間もなくして隠れ家が警察特殊部隊に急襲される。スティーブ、サム、バッキーは特殊部隊を退け隠れ家を脱出するが、ティ・チャラ(ブラックパンサー)がスーツを着て現れ戦闘になる。そこにローズ(ウォーマシン)が飛来し、バッキーを含む4人を逮捕する。

 スーパーヒーローを国連監視下に置くという発想は、考えてみれば頷けるものがある。何せ国家の力を凌駕するほどの能力である。そのソコヴィア協定に対する賛成派と反対派の主張はどちらももっともな気がするところが面白い。各ヒーローが次々と登場し、ここではピーター・パーカー(スパイダーマン)が新たに登場する。『スパイダーマン:ホームカミング』でピーターが自慢していた「キャプテン・アメリカから盾を奪った」シーンも描かれる。

 賛成派と反対派の対立は、直接対決に至る。何せスーパーヒーロー同士の激突は迫力がある。当然、ダメージも大きい。ウォーマシンやアイアンマンも手ひどいダメージを受けることになる。一方でバッキーを洗脳した悪玉ジモは、バッキー以外にもいるウィンター・ソルジャーを冷凍保存から蘇生させようとする。ここに至って3巴というより、賛成派と反対派の迫力ある激突の方に主眼が置かれる。ある意味下手な悪役よりも難敵である。

 分裂したアベンジャーズの激突。こうなると個人的に「誰が一番強いのか」と考えてみるが、それはたぶん政策的に結論付けられる問いではないだろう。キャプテン・アメリカ、アイアンマン、ウォーマシン、ナターシャ、ヴィジョン、ブラックパンサー、スパイダーマン、(ここでは出てこなかったが)ハルクにソー・・・バトルロイヤルを想像してみると面白いものがある。この続きは、『スパイダーマン:ホームカミング』になるわけであるが、ストーリーを覚えておきながらフォローしていくのもなかなか大変である。

それでもやっぱり漏れなく観続けたいと思わされるシリーズである・・・


評価:★★★☆☆





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2018年01月03日

【ザ・コンサルタント】My Cinema File 1848

ザ・コンサルタント.jpg

原題: The Accountant
2016年 アメリカ
監督: ギャビン・オコナー
出演: 
ベン・アフレック:クリスチャン・ウルフ
アナ・ケンドリック:デイナ・カミングス
J・K・シモンズ:レイモンド・キング
ジョン・バーンサル:ブラクストン
ジョン・リスゴー:ラマー・ブラックバーン
シンシア・アダイ=ロビンソン:メリーベス・メディナ
ジェフリー・タンバー:フランシス・シルバーバーグ
ジーン・スマート:リタ・ブラックバーン

<シネマトゥデイ>
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『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』でバットマンを演じたベン・アフレックが、複数の顔を持つアンチヒーローを体当たりで演じるアクション。夜な夜な巨悪に鉄槌を下す片田舎の会計士が、裏社会で壮絶なバトルを繰り広げる様子を映す。『ピッチ・パーフェクト』シリーズなどのアナ・ケンドリックや、『セッション』などのオスカー俳優J・K・シモンズらが共演。複雑なストーリー展開に手に汗握る。
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主人公のクリスチャン・ウルフは会計士。今日も農場主の税務相談を受け、節税策を指南して感謝されている。しかしその裏では非合法組織等の会計を手伝うという顔も持っている。非合法組織との付き合いは「紙一重」のところもあり、身を守る術は習得している。クリスチャンは、生まれた時からの自閉症で、呪文のように歌を口ごもりながら表を伏せたパズルに取り組む様子が回想シーンで描かれる。そんなクリスチャンを軍人である父親は弟とともに格闘術を教え込む。それは父親なりに息子たちの行く末を案じた末の解決策であった。

 自閉症児はコミュニケーションが苦手であったりするが、クリスチャンもまたその通り。しかし、数字に異常に強く、それが高じて会計士となり、今はシカゴ近郊で小さな自営の会計事務所を構えている。そして、節税を指南して農夫から感謝されたクリスチャンは、農夫の好意によって敷地内で射撃練習をする。その腕前は、神業レベルである。

 一方その頃、商務省局長を務めるレイ・キングは、自室にマリーベス・メディナ分析官を呼ぶ。メディナの経歴詐称を指摘し、それを見逃す代わりにある男の調査を命じる。それは裏の世界で「会計士」と呼ばれる男で、なぜか組織に消されることもなく、様々な組織の間で活動を続けている。メディナは弱みを握られていることもあり、渋々調査に入る。

 ある日、クリスチャンに仕事の依頼が入る。あるハイテク企業で不正会計の疑いがあるというもの。早速調査に赴くと、その企業の経理部デイナが、3ヶ月かけて調査した資料をわずか一晩で解明してしまう。一方、メディナは、ガンビーノ一家7人がたった1人の男に殺された事件を調査する。残された音声ファイルから、メディナはごく小さな声で子守唄のような声が一定のリズムで繰り返されていることに気が付く。専門家によると、それにはある種の精神障害か自閉症患者の特徴があることがわかる・・・。

 表向きは平凡な人物だが、裏に回ると別の凄腕の顔を持つというのは、洋の東西を問わずよくあるパターン。中村主水の仲間である。この映画の主人公も、表の顔は会計士だが、子供の頃から鍛えられた腕前を持っている。ただ変わっているのが、「自閉症」というところと、それゆえに数字に異常に強いというところ。なかなか面白い設定である。

 その主人公のクリスチャンはあくまでも「会計士」。原題はそのもの“The Accountant”。ところがなぜか邦題は「コンサルタント」。コンサルタントとアカウンタントは違うのだが、多分ゴロが悪くて変えたのだろうが、映画の内容を考えると滑稽である。演じるのはベン・アフレック。最近ではバットマンもやっているから違和感はないが、自閉症の会計士というのも面白いと思う。

 ともに訓練を受けて育った弟との意外な遭遇。そして謎に満ちた「秘書」の正体。あちこちにストーリーを盛り上げる要素が散りばめられている。それを追うレイとメディナのコンビ。これからシリーズ化するとは思えないが、シリーズ化しても面白そうな会計士である。

これからベン・アフレックはアクションスターの顔も見せて行くのか。結構サマになっているし、それならそれで期待したいと思わされる一作である・・・


評価:★★☆☆☆





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