2017年04月23日

捕らわれた女

捕らわれた女.jpg

原題: Captive
2015年 アメリカ
監督: 
出演: 
ケイト・マーラ: ジェリー・ジェームソン
デヴィッド・オイェロウォ: ブライアン・ニコラス
ミミ・ロジャース:
マイケル・ケネス・ウィリアムズ:
レオノア・バレラ:

<TSUTAYA解説>
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実際に起きた奇跡的な事件に基づき、信仰の力を描く。迷える魂の触れ合いが胸を打つ感動のドラマ。脱走犯のブライアン・ニコラス(ゴールデングローブ賞候補者デヴィッド・オイェロウォ)は生まれたばかりの息子に会おうと必死のあまり、シングルマザーになって間もないアシュリー・スミス(エミー賞候補者ケイト・マーラ)を彼女の自宅に監禁する。命の危険を感じ、二度と娘と会えなくなることを恐れたアシュリーは、リック・ウォレンの著書「人生を導く5つの目的」に救いを求める。人生の岐路に立つアシュリーと監禁犯は、絶望の中に希望と光を見いだす。Dove Foundation(ダヴ基金)はこのすばらしい映画を“感動的”と評した。
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 主人公のアシュリーは、シングルマザー。詳しくは語られていないが、夫亡き後精神的に不安定になったようで、薬物に手を出し、その結果最愛の娘の親権を失ってしまっている。娘は叔母の下で育てられ、アシュリーはウエイトレスをしつつ、カウンセリングを受け、娘の親権を取り戻そうとしている。しかし、いまだに薬物を断ち切れない。カウンセラーからは、『人生を導く5つの目的―自分らしく生きるための40章』という本を勧められるが、すぐにそれをゴミ箱に放り投げる始末。

 一方、レイプ容疑で裁判所に連行されてきたブライアン・ニコラスは、女性警官の隙をつきこれを殴り倒して銃を奪う。そして奪った銃で裁判官、速記官、警備の警官を次々と射殺し脱走する。行く先は恋人の家。そこには生まれたばかりの息子がいたが、いち早く警官が警戒網を敷いていて近づけない。さらに連邦捜査官1人を射殺し、緊急手配の網をかいくぐり、ついにアシュリーを見つけ家に押し入る。

 「捕らわれた女」とタイトルはここからきている。ブライアンは黒人で、いかつい体。アシュリーは恐怖に駆られるが、圧倒的体力差があり抵抗はできない。そんな2人が、緊張状態のまま一夜を過ごす。アシュリーから薬物をもらったブライアンはこれを吸い、ハイになる。拳銃がアシュリーの目の前に置かれているが、アシュリーは動けない。頭の中で銃を奪って撃つイメージはできても、万が一失敗したらと考えると動けないわけで、このあたりの心理状況もよくわかる。

 犯人と誘拐された人が心を通い合わせる「ストックホルム症候群」という心理状態があるが、ある意味アシュリーとブライアンにもそんな状況があったのかもしれない。手持無沙汰なアシュリーが、カウンセラーがゴミ箱から取り出してきて渡した『人生を導く5つの目的―自分らしく生きるための40章』を手に取ると、興味を持ったブライアンはそれを声に出して読めという。こういうシチュエーションでなかったら、読まなかったかもしれず、何が幸いするかわからない。自分からは断ち切れなかった薬物も、ブライアンから一緒にやれと強要されるがこれを断固拒否する。アシュリーの変化も見逃せない。

 テレビで警察の動きを見ていたブライアンは、盗んだ車を発見されれば自分の居場所もバレると、車の移動を思い立つ。ブライアンとアシュリーはそれぞれ車を運転して盗難車を捨てに行く。この時もアシュリーには逃げるチャンスがあったが、叔母の家の住所を知られていて逆らえない。この辺の心理も観ていて興味深い。そして夜が明ける。

 最後はあっけなく逮捕されるブライアン。しかしそこに至る過程は、一見変である。しかし、ブライアンもバカではなく、様々な思いが胸中を駆け巡ったのであろう。そしてやはり生まれたばかりの自分の子供に対する「生きて会いたい」という思いもあったのだろう。そんな心中を観る者に推察させるストーリーである。ただ単にぼぉーっと観ていたら面白くはない映画かもしれない。

 何より興味深かったのは、エンドロールで流れる実在のアシュリーだろう。テレビ番組に出演し、当時の状況のインタビューを受け、サプライズで『人生を導く5つの目的―自分らしく生きるための40章』の著者と対面する。映画だけで終わっていたら、たぶんつまらなかったかもしれない。むしろ最後のこの様子こそが映画のキモかもしれないと思う。
 そういう意味で、実話だったからこそ助かったと言える映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2017年04月22日

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密.jpg

原題: The Imitation Game
2014年 イギリス・アメリカ
監督: モルテン・ティルドゥム
出演: 
ベネディクト・カンバーバッチ:アラン・チューリング
キーラ・ナイトレイ:ジョーン・クラーク
マシュー・グッド:ヒュー・アレグザンダー
ロリー・キニア:ロバート・ノック刑事
アレン・リーチ:ジョン・ケアンクロス
マシュー・ビアード:ピーター・ヒルトン
チャールズ・ダンス:アラステア・デニストン中佐
マーク・ストロング:スチュアート・ミンギス少将

<シネマトゥデイ>
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第2次世界大戦時、ドイツの世界最強の暗号エニグマを解き明かした天才数学者アラン・チューリングの波乱の人生を描いた伝記ドラマ。劣勢だったイギリスの勝利に貢献し、その後コンピューターの概念を創造し「人工知能の父」と呼ばれた英雄にもかかわらず、戦後悲劇の運命をたどったチューリングを、ベネディクト・カンバーバッチが熱演する。監督は『ヘッドハンター』などのモルテン・ティルドゥム。キーラ・ナイトレイをはじめ、『イノセント・ガーデン』などのマシュー・グード、『裏切りのサーカス』などのマーク・ストロングら実力派が共演。
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第二次世界大戦時、ドイツ軍は「エニグマ」という高度な暗号装置を使用していたこと、そして連合軍がその解読に成功していたことはよく知られているが、その解読の物語については知ることもなかった。これはその解読の中心人物となった数学者アラン・チューリングの物語である。

映画は1951年から始まる。アラン・チューリングの家に空き巣が入り、ノック刑事ら2人の警官が捜査に当たる。取り調べを受けるチューリングは、ノック刑事に侮蔑的な態度をとるが、ノック刑事は逆にそれはわざと警察を遠ざける為ではないかと推測する。映画は、1951年のこの捜査と並行して、チューリングが大戦中ブレッチリー・パークで働いていた頃と1927年の寄宿学校での不遇の日々とを交互に移動しながら進んでいく。

寄宿学校のチューリングは、頭は良いものの変わり者であることが災いしていじめを受けている。そんなチューリングの唯一の友人はクリストファーで、彼が読んでいた本をもらい暗号の世界にのめりこんでいく。そして1939年、チューリングはブレッチリー・パークを訪れ、海軍中佐アラステア・デニストンの面接を受け、ナチスの暗号機エニグマの解読に挑むチームに採用される。

チューリングはとにかく変わり者。メンバーとの協調性を欠き、ひとりで暗号解読装置の設計に没頭する。それまでは言語学的立場からのアプローチを取っていたが、チューリングは数学的なアプローチを試みる。デニストンはチューリングの能力は買いながら、人格的には毛嫌いし、その対立からチューリングは何とチャーチル首相に直談判し、解析装置への多額の拠出と自らをチームリーダーとする命令を獲得する。

そして早速能力の劣るメンバーを解任し、新たなメンバーは新聞に難解なクロスワードパズルを載せて解けた者から後任を探すという方法で募集する。そこで採用されたのは、ケンブリッジ大学の卒業生ジョーン・クラーク。採用会場に現れた彼女を「秘書の募集会場ではない」と関係者が拒絶する。テストに合格しても男性と同じ職場で働くことを両親に反対される。今は昔の感があるが、そう言う時代感も興味深い。

様々なエピソードを経て解読は進んでいく。まともにやったら何万年もかかる計算ゆえに、チューリングはそれを機械でやろうとする。詳しい説明は省かれているが、「コンピューターの父」と言われるだけに、当時は画期的なアプローチだったのであろう。ジョーンとのやり取りもロマンスめいていたが、何とチューリングは同性愛者であり、しかもそれは当時違法であったと言うのも時代である。

変わり者のチューリングは、仲間と打ち解けられない。何とかと天才は紙一重というが、変わり者の天才というのはよくある。紅一点のジョーンがそんなチューリングと仲間の間の潤滑油となる。チューリングがジョーンの「指導」で仲間のためにリンゴを配り、仲間が呆気にとられるシーンがある。実はこのリンゴには意外な意味が込められていたのだとあとで知る。なかなか面白い遊びだ。そして仲間たちとチューリングの絆が深まっていく過程はちょっと感動的ですらある。

そしてとうとう解読に成功するが、その瞬間の歓喜は観る者にも伝わってくる。そしてその後の駆け引きもまた興味深い。直接の戦闘シーンが出てくるわけではないが、これも立派な戦争映画である。フィクションは入っているのだろうが、実在の人物の物語というところも興味深い。つくづく、「時代に殺されてしまった」のが残念なところである。自ら手掛けたマシーンに「クリストファー」と名付けたのもちょっと切ない感がある。気がつけば、この「切ない」というのが、この映画のもう1つのキーワードである気がする・・・

それはそうとして、連合軍の暗号はドイツ軍に解読されなかったのであろうか。
映画を観ていてちょっと気になったところなのである・・・


評価:★★☆☆☆




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2017年04月21日

ラン・オールナイト

ラン・オールナイト.jpg

原題: Run All Night
2015年 アメリカ
監督: ジャウマ・コレット=セラ
出演: 
リーアム・ニーソン: ジミー・コンロン
ジョエル・キナマン: マイク・コンロン
エド・ハリス: ショーン・マグワイア
ボイド・ホルブルック: ダニー・マグワイア
ヴィンセント・ドノフリオ: ジョン・ハーディング刑事

<シネマトゥデイ>
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『アンノウン』『フライト・ゲーム』のジャウマ・コレット=セラ監督とリーアム・ニーソンが3度目のタッグを組んだアクション。息子の命を守るため親友でもあるマフィアのボスの息子を殺害してしまったことから、復讐に燃えるボスに命を狙われる殺し屋の逃走劇を描く。組織のボスに名優エド・ハリスが扮するほか、主人公を30年以上も追う刑事を『フルメタル・ジャケット』などのヴィンセント・ドノフリオ、主人公の息子を『ロボコップ』などのジョエル・キナマンが演じる。
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舞台は、ニューヨークのブルックリン。主人公のジミーは、長年マフィアのボスであり親友のショーンに仕えてきた殺し屋。しかし、もはや老齢で出番はなくなったのか、過去に殺してきた者たちに対する罪悪感に苛まれ、アルコールに溺れる毎日を送っている。組織もショーンの息子ダニーが仕切り始めているが、麻薬取引をめぐっては父親に厳しく咎められ、代替わりには程遠い状態。

そしてある日、ダニーはアルバニア・マフィアと麻薬取引を進めようとしてトラブルとなり、なんと相手を射殺してしまう。それを目撃していたのがジミーの息子であるマイク。マイクは辛くもダニーから逃げるが、ダニーは父ショーンの命令を無視してマイクの口封じに向かう。一方、これを聞きつけたジミーはマイクの元に駆けつけ、すんでのところでマイクを救うが、逆にダニーを射殺してしまう。

もともと殺し屋であった父親を嫌悪してジミーとは縁を切って暮らしていたマイク。ジミーに助けられたものの、ジミーに頼ることを良しとせず、ダニーの指示を無視して警察へ連絡する。まともな市民なら当然の行動である。しかし、警察もショーンの買収下にあり、マイクは逮捕されパトカーに乗せられる。連れて行かれるところが警察ではないと知り、慌てるマイク。

事態を見守っていたダニーは、冷静に行動し警官を射殺しマイクを救う。ジミーに反発するマイクは、ダニーが目の前で射殺され動揺するが、父ジミーの言うことには耳を貸さない。やむなく引き上げるふりをしてジミーは待機している。このあたりは冷静な行動だ。そしてなんとかショーンと話をつけようとするも、息子を殺されたショーンの怒りは収まらず、ジミーに対しマイクを殺すと宣言する。ジミーはやむなくショーンとの対立を選ぶ・・・

マフィアのボスの息子が短絡的でどうしようもないというのは、なんとなくよくあるパターンだ。古くは『ゴッドファーザー』の長男ソニーもそうであった。そして組織の殺し屋がボスに追われるというパターンも『ロード・トゥ・パーディション』と似通っている。まぁ似通うストーリーも出てくるであろう。この映画では、それに長年ジミーを追ってきたハーディング刑事が加わってくる。

もはやアクション・スターと言ってもおかしくないリーアム・ニーソンが、老いた殺し屋を演じ、エド・ハリスが組織のボスとして対峙する。これだけでも観る価値があるというもの。どこか既視感のあるストーリー展開ながら、深みがあるのは間違いなくこの2人の存在感と言えよう。父に反発し、真面目に生きている息子マイクを演じるのは『ロボコップ』のジョエル・キナマン。この人もそのうち目立ってくるのかもしれない。

起こるべくして起こってしまった事態。どこでどう間違ったのか、当事者にはわからないだろう。人生にはこういう理不尽もありうるのである。悲哀を帯びた主人公の姿。しかしそれは組織の殺し屋として多くの人を殺めてきた報いなのかもしれない。そんなジミーのラストになんとも言えない味わいが漂う。虚しいハッピーエンドとでもいうべきであろうか。渋いストーリーの映画である・・・


評価:★★★☆☆





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2017年04月16日

クライム・ヒート

クライム・ヒート.jpg

原題: The Drop
2014年 アメリカ
監督: ミヒャエル・R・ロスカム
出演: 
トム・ハーディ:ボブ・サギノフスキ
ノオミ・ラパス:ナディア・ダン
ジェームズ・ガンドルフィーニ:カズン・マーヴ
マティアス・スーナールツ:エリック・ディーズ
ジョン・オーティス:トーレス刑事
エリザベス・ロドリゲス:ロムジー刑事

<映画.com>
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「ミスティック・リバー」の原作者としても知られる作家デニス・ルヘインの小説を、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のトム・ハーディ主演で映画化したクライムドラマ。ニューヨーク、ブルックリンでバーを営むボブとマーブは、店を隠れ蓑にマフィアの裏金を預かる仕事を請け負っていた。ところがある日、仮面をつけた2人組の強盗が店を襲い、大金を奪い去ってしまう。ボブとマーブは金を取り返すようマフィアに命じられ、犯人探しに乗り出すが……。2013年に急逝した俳優ジェームズ・ガンドルフィーニの遺作となった。監督は、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたベルギー映画「闇を生きる男」のミヒャエル・R・ロスカム。
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 映画の原題は、“The Drop”。マフィアが裏金を動かす隠れ蓑にするバーを表す隠語のことらしい。物語の舞台となるそんなバーは、マーヴの経営するバー。そこで働くボブは、マーヴの従兄であり、寡黙な男。日々黙々とバーで働く。そんなボブは、ある日通りかかった家のゴミ箱に犬が捨てられているのを発見する。その家の住人ナディアと親しくなるも、積極的にアタックするでもない。ボブのキャラクターは静かに生きる男である。

 ある日、バーに二人組の強盗が現れ、レジの金5千ドルが強奪される。幸い奪われたのは裏金ではなく店の売上。しかし、店のオーナーはチェチェンマフィアであり、「取られた」などという言い訳は通用しない。何か失敗をやらかし、足をドリルで貫かれて呻く男を見せつけられ青くなる2人。強盗の捜査に来た刑事は、ボブが通う教会で顔を知る人物。その気軽さからか、ボブは犯人が止まった腕時計をしていたことを話してしまう。

 この強盗、実はマーヴが犯人たちとグルになって、自作自演のものであった。実はもともと店のオーナーはマーヴであり、それをチェチェンマフィアに乗っ取られて恨みを抱いているもの。そしてマーヴは大胆にも裏金そのものを奪う計画を立てている。そんなこととは知らないボブは、犬を捨てた男(実はナディアの元カレ)に犬を返せと迫られている。男は殺人のうわさもあり、精神科への通院歴もある。

 そうした伏線が描かれ、全米最大のイベントスーパーボウルの日に、マーヴの店が「Drop」の対象になる。ゴミ袋に入れられていた止まった時計をした片腕。ナディアに付きまとう男。じわりじわりと捜査の輪を縮めてくる刑事。チェチェンマフィアの金を強奪して一泡吹かせようと企むマーヴ。そんな渦中にあって一人犬の心配をしているボブ・・・

 最後は意外な顔を見せたボブ。なかなかストーリーとしては面白い。ボブを演じるのは、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のトム・ハーディ。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のマックスも強いんだか弱いんだか良くわからなかったが、そんな不思議なイメージがこの映画でも重なり合う。

 そして好きなんだか好きでないんだか良くわからない相手を演じるのは、『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』のノオミ・ラパス。はっきり言ってあんまり美人とは思えないが、独特の雰囲気がある。そんな出演者もあってか、映画は結構面白い。ただ、切り取られた腕だけがどうも良くわからず消化不良だった。

 それにしても映画になるくらいだから、チェチェン・マフィアって存在感を増しているのだろうか。ふとそんなことを考えた映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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2017年04月15日

シェフ 三ツ星フードトラック始めました

シェフ 三ツ星フードトラック始めました.jpg

原題: Chef
2015年 アメリカ
監督: ジョン・ファヴロー
出演: 
ジョン・ファヴロー:カール・キャスパー
ソフィア・ベルガラ:イネズ
ジョン・レグイザモ:マーティン
スカーレット・ヨハンソン:モリー
オリヴァー・プラット:ラムジー・ミッシェル
ボビー・カナヴェイル:トニー
エムジェイ・アンソニー:パーシー
ダスティン・ホフマン:リーバ
ロバート・ダウニー・Jr:マーヴィン

<シネマトゥデイ>
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『アイアンマン』シリーズなどの監督で俳優のジョン・ファヴローがメガホンを取り、究極のサンドイッチを売る旅をする元一流レストランのシェフを演じるドラマ。店を辞め、偶然キューバサンドイッチと出会ったシェフが、フードトラックでサンドイッチを売りながら人生を取り戻していくプロセスを映す。共演には、ダスティン・ホフマン、ロバート・ダウニー・Jr、スカーレット・ヨハンソンといった豪華キャストが集結。人生と料理をテーマにした温かいストーリーに、爽快な感動を味わえる。
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 主人公のカール・キャスパーは腕のいいシェフ。現在ロサンゼルスのレストランで雇われシェフをしている。離婚していて、10歳の息子と定期的に会っている。そんなある日、料理の評論家が店にくることになる。はりきるキャスパーは、新メニューを提供することにするが、定番料理を提供せよというオーナーの意見と衝突、渋々これを受け入れる。ところがそれが裏目に出て、カールは酷評されてしまう。

 プライドを傷つけられたカール。内心はらわたが煮えくり返っているのがわかる。息子との何気ない会話からツイッターを始めたカールは、評論家とネットで論争となり、新メニューを食べに来いと公開のけんかを売ってしまう。当日この対立は盛り上がり、平日にも関わらず満席となる。しかしオーナーはあくまでも定番料理の提供を命じ、カールはついに店を首になる。評論家には、敵前逃亡といわれ、激怒したカールは評論家を店内で罵倒し、悪いことにネットでそれが拡散されてしまう。

 そうなると次にカールを雇う店もなく、カールは職もプライドもなにもかも失ってしまう。失意のカールに同情した元妻イネズの提案で、彼は息子のパーシーを連れてイネズの故郷であるマイアミを訪れる。そこでカールは熱々のキューバサンドイッチの美味しさを知り、これをかねてからイネズに提案されていたフードトラックでの移動販売をやることにする。イネズの元夫に古いトラックを譲ってもらったカールは、パーシーと二人で修理に取り掛かる・・・

 この映画を観ていて、いろいろと感じるところがある。まずは離婚の日常化だ。カールも離婚していて、妻とは友人関係を築き、子供との面会もシステマチックにルーティン化している。子供からすると父親と離れて暮らすのは寂しそうであるが、夫も妻もそれぞれの生活を楽しんでいる。やがて日本もそうなるのであろうか。

 また、料理と批評家とネットの存在。カールは実に楽しそうに料理し、包丁の腕前も素人目にすごい。こんなに楽しそうにやっているのを見ると、自分でも何か作ってみたくなる。そしてそれを批評する人。はっきり言って料理など人の好き好きだと思う。それをあれこれと批評するのは勝手だが、今はSNSですぐ拡散される時代。それで店の来客数にも影響があるわけで、無責任な言動一つで店が潰れることもありうるわけである。

 フードトラックで息子と相棒とキューバサンドを作って売るカール。息子も実に楽しそうである。「遊園地に行くよりお父さんと話したり何かをする方がいい」という健気な言葉には、親子のあり方も込められている。最後のカールの決断は清々しいものである。
 カールの付き合っている女性がスカーレット・ヨハンソンであり、いけ好かないレストランオーナーはダスティン・ホフマンだったり、元妻の元夫がロバート・ダウニーJr.だったりとなぜか脇に豪華キャスト。料理といい、出演者といい実に豪華である。

こんなフードトラックが近くに来たら、是非とも買ってみたいと思わされる一作である・・・


評価:★★☆☆☆





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2017年04月11日

アウトバーン

アウトバーン.jpg

原題: Collide
2016年 イギリス・ドイツ
監督: エラン・クリーヴィー
出演: 
ニコラス・ホルト:ケイシー
フェリシティ・ジョーンズ:ジュリエット
マーワン・ケンザリ:マティアス
ベン・キングズレー:ゲラン
アンソニー・ホプキンス:ハーゲン・カール
ヨアヒム・クロール:ヴォルフガング
クレーメンス・シック:ミルコ
トーマス・バインダー:ウォルター

<映画.com>
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『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のニコラス・ホルト主演で、速度無制限の高速道路=アウトバーンを舞台に描くカーアクション作品。麻薬が積まれたトラックと、500万ユーロを載せた高級車。巧妙に仕組まれた、危険な取引に巻き込まれてしまったケイシーは、ふたつの巨悪組織から逃がれ、恋人のジュリエットを救うべく、高級車を乗り換えて制限速度のないアウトバーンを疾走する。主人公ケイシー役にホルト、恋人のジュリエット役に『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』主演のフェリシティ・ジョーンズ。アンソニー・ホプキンス、ベン・キングズレーという大御所が、それぞれ悪役として脇を固める。製作は『マトリックス』シリーズのジョエル・シルバー。
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主人公のケイシーは、アメリカで「いろいろあって」ドイツに来ている。組織のボスであるゲランのもとで、何やら良からぬ事に手を染めている。そんなある日、ケイシーは、同じくアメリカから「勉強のために」来ているジュリエットと出会う。ケイシーは、ジュリエットのために悪事から足を洗うことにする。

一方、ゲランは麻薬王ハーゲン・カールに対し、対等のパートナーシップを申し入れるが、ゲランの品位を理由にハーゲンはこの申し出をあっさり断る。ゲランは当然内面に秘めた不満を募らせる。そのハーゲンは、大量のコカインを密輸しドイツ国内で売りさばいていた。

ジュリエットとともに幸せな日々を過ごすケイシー。地道に額に汗して働くが、ある日ジュリエットが倒れ、深刻な病状だと知る。治療には腎臓移植しかなく、それには25万ユーロの資金がいる。日々の暮らしもやっとの二人にはそんなお金を用意することができない。悩めるケイシーは、ゲランの仕事に戻ることを決意する。

ゲランは戻って来たケイシーを歓迎し、対立するハーゲンから麻薬を強奪するプランを打ち明ける。ジュリエットの手術費を稼ぎたい一心のケイシーは、仲間のマティアスとともに輸送トラックを奪う計画を立てる。そして実行に移すが、警戒厳重なハーゲンの部下にたちまち捕らえられてしまう・・・

愛する女性の為なら悪魔にも魂を売ろうとするのは、男の性なのかもしれない。アナキン・スカイウォーカーも愛するパドメのためにダークサイドへと堕ちていったが、ケイシーも足を洗ったはずの世界に舞い戻る。されど当然リスクと背中合わせであり、案の定そうそううまくはいかない。ハーゲンの警備は厳重でケイシーは捕らえられてしまう。

 何とかうまく逃げだしたものの、今度はハーゲンの魔の手はジュリエットへと向かう。気も狂わんばかりにジュリエットの元に行こうとするケイシー。高級車を盗み出し、アウトバーンを激走する。これがなかなかの迫力。邦題にしたくなる気持ちも良くわかる。つくづく地道に真面目にが一番だと感じるが、そう思って大後悔していたのはケイシー本人でろう。

 主演はニコラス・ホルト。これまで『X−MEN:アポカリプス』『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『X−MEN:フューチャー&バスト』『ジャックと天空の巨人』と観てきたが、いずれも雰囲気が違っていて同一人物とは思いにくい人である。これからも活躍する俳優さんなのであろう。

 それよりも脇を固めるのが、『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』のフェリシティ・ジョーンズだったり、アンソニー・ホプキンスやベン・キングズレーといった大物なのが意外であった。この御大二人の激突は見ものである。小粒な作品かと思っていたが、意外に面白かったというのが正直なところ。観ても損はない一作である・・・


評価:★★☆☆☆




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2017年04月08日

Re:LIFE〜リライフ〜

Re:LIFE〜リライフ〜.jpg

原題: The Rewrite
2014年 アメリカ
監督: マーク・ローレンス
出演: 
ヒュー・グラント:キース・マイケルズ
マリサ・トメイ:ホリー・カーペンター
ベラ・ヒースコート:カレン・ギャブニー
J・K・シモンズ:ハロルド・ラーナー学科長
クリス・エリオット:ジム・ハーパー教授
アリソン・ジャニー:メアリー・ウェルドン教授
アニー・Q:サラ

<シネマトゥデイ>
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『ラブソングができるまで』のヒュー・グラントとマーク・ローレンス監督が4度目のタッグを組んだ人間ドラマ。田舎の大学でシナリオ講座を受け持つことになった落ち目の脚本家が、映画を愛する生徒たちとの交流を通してやる気を取り戻していくさまを描く。『セッション』で鬼教師を演じオスカーに輝いたJ・K・シモンズが涙もろい学科長という対照的な役柄を好演するほか、作中のキーパーソンとなるシングルマザーにオスカー女優マリサ・トメイがふんする。
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ヒュー・グラントといえば、「ちょっと気弱なダメ男」というイメージがあるが、まさにそのイメージ通りのハートフルな映画。ヒュー・グラント演じるのは、若くしてアカデミー脚本賞を受賞した脚本家のキース。しかしその栄光から後、ヒット作に恵まれず、エージェントに仕事を頼みこんでいる日々。

そんな中、エージェントからニューヨーク州ビンガムトンの大学での講師の話が舞い込む。背に腹は代えられず渋々引き受けたキースだが、就任早々知り合った学生カレンと寝てしまい、懇親会では学内の実力者ウェルドン教授を侮辱したり、挙句に受講生は提出書類ではなくルックスで選考するなど、身を入れて仕事に取り組まない。頼るのは過去の栄光のみ。

講義が始まると、いきなりシナリオを1か月で書けと宿題を出して1カ月間の休講を宣言し、ウェルドン教授にさらに睨まれてしまう。やがてシングルマザーで、アルバイトをしながら生計を立てている学生のホリーが受講を希望してくる。脚本に対するひたむきなスタンスに断り切れず受講を認めるキース。ここまではヒュー・グラントのダメ男の真骨頂である。

キースはちょっと見栄を張ったりしながら、あくまでもハリウッド復帰までのつなぎとしか仕事を考えていない。隣家には人のいい同僚がいて、人情家の学科長のラーナーがいて、面白おかしく物語はすすむが、やがて生徒たちの熱心さがキースの心に少しずつ変化をもたらしていく。ある意味、「ヒュー・グラント映画」の路線をまっすぐ歩んでいく映画である。

それにしても、キースが本当に大事なことに気付いていく過程は、心温まるものがある。純真な生徒たちは、実にシンプルな質問をキースに投げかける。それに答えていくうちに、キース自身も新たな気付きを得ていく。そして才能を認めた生徒に対しては、自ら売り出しを手伝う。決して手柄を横取りするではなく、無償の協力姿勢は観ていて心地よい。そして最後にキースが下す決断も心温かくなる。

自分たちの日常や仕事に当てはめて考えてみてもいいかもしれない。そうすればまた何かのヒントになるかもしれない。示唆に富むエンターテイメントとして、これからも「ヒュー・グラントらしい」主演作を期待したいと思う一作である・・・


評価:★★☆☆☆




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