2009年07月06日

ヒトラーの贋札

ヒトラーの贋札.jpg

原題: Die Fälscher
2006年 ドイツ・オーストリア
監督・脚本 : ステファン・ルツォヴィッキー
出演 : カール・マルコヴィクス/アウグスト・ディール/デーヴィト・シュトリーゾフ/アウグスト・ツィルナー/マルティン・ブラムバッハ

<STORY>********************************************************************************
第二次世界大戦中のドイツ。
ユダヤ人強制収容所の一画に、各地から集められた職人たちが働く秘密工場があった。
パスポートや紙幣の偽造で逮捕されたサリーは、そこでかつて自分を逮捕したヘルツォークが、大量の贋ポンド紙幣をばら撒き、イギリス経済を混乱させる目的の「ベルンハイト作戦」の指揮を執っていることを知る。
作戦が成功すれば家族や同胞への裏切りになる。
しかし完成できなければ、死が彼らを待っているのだった…
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第2次対戦中に実際に行われた「ベルンハイト作戦」。
それを描いたドラマである。

紙幣の流通量はその国の中央銀行によってコントロールされている。
足りなければデフレになり経済は停滞するし、多すぎればインフレになってその価値は下がってしまう。
紙幣とはそんな存在である。
ナチスドイツが企んだ「ベルンハイト作戦」はポンド及びドル紙幣を大量に偽造し、相手国の経済を混乱させようといものであった。
戦争ゆえにあの手この手なのであろう。

駆り出されたのは強制収容所のユダヤ人たち。
いつ殺されるかという毎日を送っていた彼らが突然徴収される。
拒否すれば銃殺であるし、協力すればそれはドイツの勝利=ユダヤ人のさらなる虐殺へと繋がる。
八方塞りの中で贋札作りはスタートする。

主人公は贋札作りのプロ、サロモン。
彼によってポンド紙幣は完成する。
その出来栄えはイングランド中央銀行がお墨付きを与えたほど。
そしていよいよドル紙幣作成の命令が下る。

贋札チームの主役サロモンと印刷工ブルガーの対立。
ブルガーはユダヤ同胞への裏切りにあたるとして作戦遅延工作をする。
しかし理屈はその通りだが、生きるためには協力も仕方ないと主張するサロモン。
反乱を主張するブルガーに対し、サロモンが答える。
「今日の銃殺より明日のガス室のほうがましだ」
もともとサロモンは悪人なのであるが、彼らの置かれた状況を表している。
ラストのサロモンの表情がその心境をよく現しているように感じた。
映画ならではの表現力だ。

結局作戦はポンドに関してはかなりの贋札が作られて終わった。
ポンド紙幣はスパイの謝礼や各種工作活動に使われたようである。
経済にどのような混乱があったかは定かではない。
歴史上の事実を元にしたドラマというのも、なかなか面白いものである。


評価:★★☆☆☆
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posted by Master Hiro at 22:45 | 東京 曇り | Comment(0) | TrackBack(0) | (は)行の映画

2009年07月05日

いつか眠りにつく前に

いつか眠りにつく前に.jpg

原題: Evening
2007年 アメリカ
監督 : ラホス・コルタイ
出演 : クレア・デインズ/ヴァネッサ・レッドグレイヴ /メリル・ストリープ/グレン・クローズ/トニ・コレット/ナターシャ・リチャードソン/パトリック・ウィルソン/ヒュー・ダンシー

<STORY>********************************************************************************
重い病に倒れた老女アンは、2人の娘と夜勤の看護婦に見守られ、自宅のベッドで静かに人生の最期を迎えようとしていた。
混濁する意識の中で、アンは娘たちが聞いたこともない「ハリス」という名を口走る。
彼女の意識は、40数年前の夏の日へと戻っていた。
親友ライラの結婚式でブライズメイドをするため、ライラの別荘を訪れていたアンは、ライラの弟で大学の同級生だったバディと再会。
さらに一家のメイドの息子で、今は医者をしているハリスと出会う・・・
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人には誰にでも歩んできた人生がある。
そしてその数だけドラマがある。
そんな事を改めて感じさせる映画である。

老女アンは病でいつお迎えが来てもおかしくない状態。
娘二人が付き添うが、うわ言で「ハリス」という名前を口走る。
「過ちを犯した」「バディを殺した」という言葉が続く。
思い当たる節のない娘二人は疑問を抱く・・・

映画は若い時代のアンを平行して描く。
売れない歌手として生計を立てる一方で、親友ライラの結婚式に参加したアン。
そこでライラの弟バディと再会し、そしてハリスと出会う。
ライラはハリスに思いを寄せるが、片想いに絶望し結婚へ踏み切る。
そんなライラに同情しつつもハリスに惹かれるアン。
そんなアンを慕うバディ。
それぞれがそれぞれの想いを秘めて結婚式の当日を迎える。
そして運命は大きく変わっていく・・・

心惹かれながらも結局ハリスと一緒になる事はなかったアンとライラ。
人生は必ずしもうまくいく事ばかりではない。
アンもライラもその後、子供をもうけ幸せに暮らしてきた。
しかし、どうしても「歩む事のなかったもうひとつの人生」が心を過ぎる。
時計の針を戻す事はできない。

人生に「もしも」はつきものであるだろうが、やっぱり「もしもあの時・・・」と考えてしまうのは人の常。
人生の最後に人は走馬灯のように歩いてきた人生を振り返るという。
その時強烈に蘇ってくるのはやっぱり「もしもあの時・・・」の思いなのだろうか?
思い当たる節のある人も多いのではないだろうか。

年をとったライラがアンを見舞いに来る。
ライラを演じるのはメリル・ストリープ。
ライラの若い頃とそっくりだな、と感心していたらなんと若いライラを演じたメイミー・ガマーは実娘であるという。
カエルの子はカエルなのだろうが、今後どんな活躍をするのだろうか・・・


評価:★★☆☆☆
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posted by Master Hiro at 10:17 | 東京 霧 | Comment(0) | TrackBack(0) | (あ)行の映画

2009年07月04日

空飛ぶタイヤ

空飛ぶタイヤ.jpg

2009年 日本
監督: 麻生学、鈴木浩介
原作: 池井戸潤
出演: 仲村トオル/田辺誠一/萩原聖人/國村隼/水野美紀/大杉漣/遠藤憲一

<STORY>********************************************************************************
父親の後を継ぎ運送会社を経営する赤松徳郎は、ある日自社のトラックがタイヤ脱落事故を起こし、死傷者を出してしまったことを知る。事故原因を一方的に整備不良とされ、「容疑者」と決め付けられた赤松は警察からの執拗な追及を受ける。さらには会社も信用を失い、倒産寸前の状態に追い込まれてしまう。
しかし赤松は、事故原因は整備不良ではなく、事故を起こした車両自体に欠陥があったのではないかと考える。自社の無実を信じる赤松は家族や社員たちのために、トラックの販売元である巨大企業、ホープ自動車に潜む闇に戦いを挑む・・・
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定期的に各種オンエアーされているWOWOWのドラマである。
空飛ぶタイヤとは2002年に横浜で起こった三菱ふそうトラックによる脱輪死傷事故をベースとしている。
この事故で脱輪したタイヤが母子を直撃して母親が死亡しているが、その様子をモチーフとしたものである。
事件ではその1件だけでなく、リコール隠しがいくつも見つかり大問題となったのも記憶に新しい。

ドラマはその事故から始まる。
赤松運送は親子2代目となる運送会社であるが、タイヤ脱輪により死傷事故を起こしてしまう。
「整備不良」が原因とされ、警察から追及され、取引先からの取引解消申し出が相次ぎ資金繰りは急速に悪化する。
赤松社長自身も子供が学校でいじめにあうなど2重3重の苦難が襲い掛かる。

こういった現象はいかにもありうべき事である。
ただ、メイン銀行であるホープ銀行がいきなり貸金の一括返済を求めてくるところは現実的ではない。
「貸し剥がし」を意識した素人発想である事は原作者の取材不足と言えよう。

別名にしてはあるものの、ドラマのホープ自動車は三菱ふそうトラック・バスである事は明らかである。
死傷事故を起こしながら、その原因を中小運送会社の整備不良として押し付け、逃げる様子は腹立たしいものがある。
しかしながら、大企業には大企業なりの理由がある。
事が公となれば会社が危機に陥るのは中小も大手も同じ。
大手には数多くの従業員がおり、彼ら彼女らの生活も守らなければならない。

従業員を信じ、ひたすら真相究明と会社の維持と家族の生活のために奔走する赤松社長。
大企業内部でも隠蔽工作を諮るグループと真相を探ろうとするグループがあり、一人一人が事情を抱えたサラリーマンとしての生活がある。
上司の指示と自らの信念との葛藤に悩む銀行員。
5話5時間にわたるドラマだけに普通の映画とは違って肉厚の内容だ。

登場人物一人一人の立場に身を置いて考えてみるのも面白い。
映画とはまた違った面白さが、このテレビドラマにはある・・・


評価:★★★☆☆


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posted by Master Hiro at 14:50 | 東京 曇り | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2009年07月03日

4−6月期ベスト3

1年も半分が過ぎた。
2009年も残りあと半分である。
桜が咲き誇っていた4月から3ヶ月間で、36本の映画を観た。
ちょうど昨年の同期間もやっぱり36本。
奇しくも同じ本数となったわけであるが、やっぱりこの期間は必然的にそんなペースになるのかもしれない。

そして昨年の同期間もそうであったように、この期間も全体的には小振りだったように思われる。
★ ★★★☆が1本しかなかった。
★ ★★☆☆は12本。
まあ3本に1本ならいいのかもしれないが・・・

さて、その中からベスト3を選んでみる。

第1位は唯一の★★★★☆。
グラン・トリノ.jpg「グラン・トリノ」

かつては派手に暴れたクリント・イーストウッドも円熟の渋み。
しかしながら、老いたりとはいえかつての誇りは少しも失っていないカーボーイがそこにはいた。
それはまるで今もなお貫禄を失わないグラン・トリノのごとく、新車にはない雰囲気を携えている。

年を取るのは悲しむべき事ではなく、ただ誇りを失う事こそ嘆くべき、そんな声が聞えてきそうである。
はたして、自分はクリント・イーストウッドように年を取れるだろうか。
いや、かくありたいものである。
そんな思いに駆られるいい映画だ。

第2位は
スラムドッグ ミリオネア1.jpg「スラムドッグ&ミリオネア」

オスカー作品という事で期待が大きすぎたためか、ちょっと拍子抜けしてしまった事は確かである。
ただ、何の先入観もなく観ていたらとても得した気分になっていただろう。
やっぱりそんな映画である。

舞台がインドというのもインパクトが大きかった。
まだまだ世界には貧しい国があるものである。
主人公ジャマールはそんな中でも真面目にそして純粋に生きている。
そんな生き方に彼に関わった人達は感化されていく。

貧しいがゆえに、生きるために何をやっても仕方がない、そんな声にジャマールはその生きる姿勢で応える。
心の貧しさをこそ嘆くべきである、と。
オスカーに輝いたのも不思議ではない。
今後もこうした第3世界にスポットライトがあたるような映画が増えていけばいいと思う。

第3位は、
花よりもなほ.jpg「花よりもなほ」

日本映画である。
これは日本版スラムとでもいえそうな貧しい長屋が舞台。
侍が主人公であるが、かといって派手な斬り合いがあるわけではない。
むしろ、逆に侍の癖に剣術がまったくダメという青木宗左衛門が主人公である。

同じ長屋に住むのはみんな貧しき市井の人々。
江戸時代は身分制度があったとはいえ、長屋に暮らす人々にはそれ自体大きな差にはならない。
仇討ち相手を探すという口実で故郷に戻らず日々を送る宗左衛門。
宗左衛門を巡る人々の交流が静かに心に染み入る作品である。
日本映画もなかなかやるじゃないか、と思わせられる一作である。

さて、毎年7-9月は一年間で一番たくさん映画を観られる時期である。
今年も50本以上観るかもしれない。
心に残るような映画があればと願いつつ、この時期には過去に観た映画をもう一度観るチャンスでもある。
楽しみなシーズンである・・・


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posted by Master Hiro at 22:39 | 東京 晴れ | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2009年06月29日

トレーニング・デイ

トレーニングデイ.jpg

原題: Training Day
2001年 アメリカ
監督: アントワン・フークア
出演: デンゼル・ワシントン/イーサン・ホーク/スコット・グレン/エヴァ・メンデス/シャーロット・アヤナ

<STORY>********************************************************************************
ロサンゼルス市警の麻薬取締課に配属となった新人刑事ジェイクは、ベテラン刑事のアロンソとコンビを組み、麻薬捜査のいろはを教え込まれる。
数々の大事件を解決し、麻薬に絡むあらゆることを熟知しているカリスマ刑事アロンソは、ジェイクの手本であり憧れの存在。
「かよわい子羊でいるのか。獰猛な狼になるのか。それを選べ」と忠告するアロンソは、犯罪摘発のためにはいともたやすく自ら法を犯す。
とまどうジェイクをよそに、アロンソの行動はさらにエスカレートしていく・・・
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麻薬取締課に配属された新人刑事の訓練第1日目(Training day)を描いた作品。

目が覚めると幼い乳飲み子に母乳を与える新婚の妻。
家族を支えるために出世しようと志願して麻薬捜査課へと配属になったジェイク。
意欲的な彼の目の前に現れた上司はカリスマ刑事アロンゾ。
彼のやり方に戸惑いながらも必死についていく。

しかしながらアロンゾのやり方は、教科書とはまるで正反対。
大きな犯罪を抑えるためには、小さな犯罪には目もかけず、そればかりか捜査のやり方自体違法なもの。
疑問を持ちながらもアロンゾ流を理解しようとする。
しかし、とうとう越えてはならない一線を越えてしまう。
しかも、それに反抗すれば自らの刑事生命も終わってしまう。
巧妙に用意された罠に嵌り、「仲間になるか、それとも刑事をやめるか」の選択肢をつきつけられるジェイク・・・

デンゼル・ワシントンといえば常に正義を体現してきたような役割が多い。
ジーン・ハックマンとの潜水艦内での緊迫した対立が素晴らしかった「クリムゾン・タイド」、隠された陰謀を暴いていく「ペリカン文書」、「戦火の勇気」、「デジャヴ」
・・・
しかし、本作品では憎々しい悪徳警官を演じている。
巧妙に新米のジェイクを罠にはめていく様は恐ろしいほどである。

アロンゾの巧妙な罠に陥り絶体絶命のピンチに陥ったジェイクを救ったのは、彼自身の行為。
アロンゾが見向きもしないようなチンピラのレイプ未遂事件を、ジェイクは警官としての正義感から助けに入る。
それが思いもよらない形で彼の命を救う。
世の中ってこうやって悪がのさばるのかな、と思いかけているところにこのシーンには救われる気になる。

ジェイクの「長い一日」が終わると共にどっと体から力が抜ける。
見応えは十分。
デンゼル・ワシントンはこの作品でアカデミー賞主演男優賞に輝く。
悪徳刑事役という事で異質といえば異質、されどらしいといえばらしい。
そんな作品である。


評価:★★★☆☆
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posted by Master Hiro at 22:19 | 東京 不明 | Comment(0) | TrackBack(0) | (た)行の映画

2009年06月28日

フィクサー

フィクサー.jpg

原題:MICHAEL CLAYTON
2007年 アメリカ
監督・脚本 : トニー・ギルロイ
出演 : ジョージ・クルーニー/トム・ウィルキンソン/ティルダ・スウィントン/シドニー・ポラック/マイケル・オキーフ

<STORY>********************************************************************************
NYの大手弁護士事務所に勤めるマイケル・クレイトンの専門は不始末をもみ消すこと。
そんな仕事に嫌気が差していた時、大規模集団訴訟を担当中の同僚弁護士アーサー・イーデンスが、依頼人の農薬会社U・ノース社を裏切る行動に出る。
マイケルは事態の収拾に乗り出すが、アーサーは訴訟を覆す恐るべき秘密を握っていた。
一方、U・ノース社の法務部本部長カレン・クラウダーは追い詰められ非情な手段に出るのだった…
****************************************************************************************

邦題の「フィクサー」とは実は映画の中では「事件の揉み消し屋」の意味で使われている。
日本語だとどうしても「黒幕」というイメージがあるので、映画を見ながらどこでどんな「黒幕」的な活躍をするのだろうと想像してしまう。
そうした点を考慮していないという点で、これも下手なタイトルと言わざるを得ない。

実際、ジョージ・クルーニーのイメージと「フィクサー」という言葉のイメージから、世の中の裏側で暗躍する巨大な黒幕というイメージを抱いてしまった。
邦題のタイトルを考えるにあたっては、内容を良く観てからにしてほしいもので、いい加減なサラリーマンの「やっつけ仕事」と思えてならない。

映画の現代は一人の男、マイケル・クライトン。
弁護士事務所で正面から正攻法で解決できない事件を裏側で処理する一人の男の物語である。
ただ、「敏腕」というイメージにはほど遠い。
親戚の借金に加えて自らのギャンブルでの借金で首が回らない。
事務所で長く努めてはいるものの、「表」の者たちがパートナーに出世していくのを横目に自らは日陰を歩むだけ。
そんな不満を上司にぶつける様は日本語の「フィクサー」のイメージとはほど遠い。
どちらかといえば「オーシャンズ13」の方が、そのイメージにはぴったりとくる。

そんな彼が呼び出されたのは、巨大な集団訴訟事件を担当するパートナー弁護士のアーサーが問題を起こしたからだ。
クライアントの農薬会社U・ノース社は問題をひた隠ししているが、その隠された真実を原告側に提供しようとしていたのだある。

一方で子供との交流も描かれる。
返済を迫られる借金。
アーサーの行動をどうするかという仕事の問題。
自らの借金に加えて自分に借金を追わせた親戚と自分の子供との関係。
猛烈なストレスの中、苦悩する姿はとてもクールガイとは言えない。

一つ一つの問題が、最後に集約されていく。
最後の決着はあっさりしたものであった。
もう一工夫あってもよかった気もする。
無難にまとまった作品というべき一作である。


評価:★★☆☆☆
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posted by Master Hiro at 12:03 | 東京 晴れ | Comment(0) | TrackBack(0) | (は)行の映画

2009年06月27日

ここに幸あり

ここに幸あり.jpg

原題: JARDINS EN AUTOMNE
2006年 フランス・イタリア・ロシア
監督・脚本・出演 : オタール・イオセリアーニ
出演 : セヴラン・ブランシェ/ミシェル・ピコリ/ジャン・ドゥーシェ/リリ・ラヴィーナ/アルベール・メンディ/ヤニック・カルパンティエ

<STORY>********************************************************************************
大臣のヴァンサンは、ある日突然辞任に追い込まれ、仕事も住む家も愛人も失ってしまう。
別れた元妻にも相手にされず、行き場を無くした彼を迎え入れてくれたのは老いて尚頼れる母と昔の友人たちだった。
地位も財産も関係なく、仲間たちと飲んで食べて歌って過ごすうちに、今まで気づかなかった小さな喜びや、素敵な出会いが巡ってくる。
色んなものを失ってはじめてヴァンサンは自由気ままに人生を謳歌し始めるのだった・・・
**********************************************************************************************

フランスってこんな国なのだろうか?
あらためてそう思った。
大臣のヴァンサンは突然その職を追われる。
多くの男のように突然放り出されると世の中でなすすべもない。
おまけに家も愛人も元妻にさえ相手にされない。

自宅を占拠され行き場を失った挙句、窓から汚物をかけられる有り様。
その昔はトイレなども発達していず、窓から投げ捨てていたという話を聞いた事があるが、そんな伝統なのだろうか?
しかし、このヴァンサンはどこかたくましい。
その場で助けてくれた赤毛の女性と懇ろになり、さらには母親や友人たちとおもしろおかしく過ごすようになる。
そのうち次々と女性たちと「仲良く」なってしまう。

一方でヴァンサンを追い出した新大臣も暴動が発生するなどの政情不安にさらされる。
人生で大事なのは地位か名誉か金か生きがいか?
いろいろと議論の余地のあるところではあるが、たくましく生きるヴァンサンを見ているとその一つの答えがあるように思う。

ヴァンサンは決して失ったモノを嘆いてはいない。
ただ、身の回りの変化に対してフランス人らしいとでも言うべきなのだろうか、楽天主義で生きていく。
周りには友人たちもいる。
そんな彼らと心からの交流を繰り返して生きる姿は、仕事を離れると何もする事がないという人には良いお手本だ。

淡々と流れるストーリー。
ともすれば睡魔に襲われかねない静かな展開の映画であるが、じっくりと噛み締めながら観てみるといろいろと人生のヒントが詰まっていそうな映画である。


評価:★☆☆☆☆
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posted by Master Hiro at 11:58 | 東京 晴れ | Comment(0) | TrackBack(0) | (か)行の映画