2007年01月31日
【武士の一分】My Cinema File 3
2006年 日本
監督 : 山田洋次
原作 : 藤沢周平
出演 :
木村拓哉:三村新之丞
檀れい:三村加世
笹野高史:徳平
岡本信人:波多野東吾
左時枝:滝川つね
綾田俊樹:滝川勘十郎
桃井かおり:波多野以寧
緒形拳:木部孫八郎
小林稔侍:樋口作之助
坂東三津五郎:島田藤弥
<あらすじ>
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三村新之丞は、近習組に勤める下級武士。毒見役という役目に嫌気がさしながらも、美しい妻・加世と中間の徳平と平和な毎日を送っていた。ある日、毒見の後、新之丞は激しい腹痛に襲われる。あやうく一命はとりとめたが、高熱にうなされ、意識を取り戻した時は、視力を失っていた。人の世話なしで生きられなくなった自分を恥じ、一度は命を絶とうとしたが、加世と徳平のために思い留まった。ある日、加世が外で男と密会しているという噂を聞く。新之丞は徳平に尾行をさせ、加世が番頭・島田と密会していることを知る……
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原作は藤沢周平。時代劇の名手だ。
時代劇でも西部劇でも一つのパターンがある。
最大のみどころはラストの決闘シーン。
主人公が不利な状況で戦いに臨む。
そうせざるを得ない事情を抱えて・・・
そこに至るプロセスと最後の対決の迫力とがその作品の質となって現れるのである。
「七人の侍」も「許されざる者」(My Cinema File 125)もみなこのパターンだ。
名手藤沢周平の奏でるこのストーリーもそのパターンを踏襲する。
太平の世にあまりにも暇なお毒見役という役目を務める新之丞。
ところがある時、この毒にあたってしまう。
命は取り留めたものの代償として視力を失う。
今と違って何の補償もない時代。
平和な生活は一転して明日をも知れない身となる。
そんな不安を隠し夫の身を気遣う愛する妻の弱みに付け込む番頭・島田。
踏みにじられた武士の意地。
盲目のハンディを背負いながらも武士としてやらなければならない事がある。
結果をあれこれ考えてやるかやらないかを決めるのではない。
武士として筋を通すために結果に関係なくやらなければならない。
そんな一人の武士の姿に胸を打たれるものがある。
キムタクだから軽い映画と思うなかれ。
藤沢周平の描く江戸時代に生きる濃厚なヒューマンドラマ。
迫力ある剣戟と心を打たれるラスト。
見応え十分の映画である。
評価:★★★★☆
2007年01月28日
【山猫は眠らない3】My Cinema File 2

原題: Sniper 3
2004年 アメリカ
監督: P・J・ピース
出演:
トム・ベレンジャー: トーマス・ベケット
バイロン・マン: クアン
ジョン・ドーマン: ポール・フィネガン
デニス・アーント: ウィリアム・エイベリー
トロイ・ウィンブッシュ: ララビー
<シネマトゥデイ>
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トム・ベレンジャー主演の人気アクション・シリーズの第3弾。監督は『フロム・ダスク・ティル・ドーン3』のP・J・ピース。共演は『ストリートファイター』のバイロン・マン、『ダイ・ハード3』のジョン・ドーマン。一撃で任務遂行をする完璧な仕事人ベケットが、初めてミスを犯し苦悩するミッションを緊迫の映像で描く。
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主人公はベトナム戦争で活躍した老狙撃主。
シリーズ第3弾。
今回はなにやら謎めいた事情のミッションを帯びて再びベトナムへと向かう主人公。
アルコールや過去の負傷もあってか、一流の能力の発揮が危ぶまれる。
しかもターゲットはかつての戦友。
その家族との交流も描きながら、孤独なスナイパーはかの地のジャングルへ・・・
最後にはウルトラCの狙撃でミッションを達成する。
最新鋭の設備を外し、慣れたやり方を貫くところなどは、老兵のおきまりのパターンか・・・
時間も1時間38分と短いし、まずまずの一作か。
それにしてもタイトルの「山猫は〜」は?
原題の「スナイパー(Sniper)」の方がはるかに良いと思うのだが・・・
評価:★★☆☆☆
2007年01月27日
【イントゥ・ザ・サン】My Cinema File 1

原題: Into the Sun
2005年 アメリカ
監督: ミンク
出演:
スティーヴン・セガール:トラヴィス・ハンター
マシュー・デイビス:ショーン・マック
大沢たかお:黒田
エディー・ジョージ:ジョーンズ
ウィリアム・アザートン:ブロック
ジュリエット・マーキス:ジュエル
豊原功補:不動明王
寺尾聰:松田
伊武雅刀:小島
ペース・ウー:メイ・リン
<シネマトゥデイ>
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スティーブン・セガールの肉弾アクションあり、拳銃アクションあり、ラブストーリーありの娯楽作。『世界の中心で、愛をさけぶ』の大沢たかおが強烈なキャラクターのヤクザを熱演。栗山千明や寺尾聰、豊原功補など豪華個性派が脇を固める。監督はクエンティン・タランティーノのプロダクション、バンド・アパートのミンクがタランティーノじこみのダイナミックな映像で見せこむ。セガールの大阪弁も笑える。
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セガール物であるが、なぜか「沈黙〜」と付かない。
そもそもなぜ「沈黙〜」なのかもよくわからないが・・・
舞台は日本。
それも東京。
でも「子供の頃ここら(東京・浅草?)で育った」という設定のセガールが話す言葉は関西弁。
セガールに指示を出すボスがいる事務所はアメリカなのか日本なのかよくわからない。
芸者が出てきて、刀を振り回し、刺青が出てきて、ヤクザが指をつめ・・・アメリカ人がイメージする日本なのか・・・
アクションシーンでセガールが放つ日本語は間が抜けたアクセントで迫力なし。
あんまり面白くない・・・
でも大沢たかおの狂気や伊武雅刀さんの渋さが救いか・・・
感想:★☆☆☆☆☆
ラベル:スティーヴン・セガール