2007年06月30日

【美しき運命の傷跡】My Cinema File 71

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原題: L'Enfer
2005年 フランス・イタリア・ベルギー・日本
監督: ダニス・タノビッチ
出演: 
エマニュエル・ベアール:ソフィ
カリン・ビアール:セリーヌ
マリー・ジラン:アンヌ
キャロル・ブーケ: 母親

<映画.com>
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「トリコロール」3部作で知られるクシシュトフ・キェシロフスキ監督の遺稿を「ノーマンズ・ランド」のダニス・タノビッチ監督が映画化。ある出来事によって父を失った3姉妹とその母。「美しすぎて」のキャロル・ブーケが母親役、3姉妹を演じるのは「8人の女たち」のエマニュエル・ベアール、「年下のひと」のカリン・ビアール、「ひとりぼっちの狩人たち」のマリー・ジラン。セバスチャン役は「ザ・ビーチ」のギョーム・カネ。
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三人姉妹の長女のソフィは夫の浮気に悩んでいた。別れを告げたソフィに、家へ戻ってきた夫は「子どもに会わせろ」とドアを叩く。その光景は22年前に父親が出所してきた夜を思い出させた。
次女のセリーヌは体の不自由な母親の世話をしている。セリーヌは、教師だった父が全裸の男子生徒と一緒にいる姿を母と共に目撃した。その後、母に告発され、刑務所送りになったのだ。
一方、三女のアンヌは、大学教授と不倫関係にあった・・・

原題は「地獄」。
なんというタイトルだろうと思ったらクシシュトフ・キェシロフスキという人の「天国」「地獄」「煉獄」という3部作の1作品らしい。

冒頭に鳥の巣のシーンが出てくる。
他の鳥の巣に卵を産み自分の子供を他の鳥に育てさせる行為がある。
カッコウの例を聞いたことがあるが、そのカッコウなのだろうか。

もともとの卵よりも早く孵化し、あげくにはもともとの卵を巣から落としてしまうのだ。
ところが自分が巣から落ちてしまう。
それを偶然にも通りかかった男に拾われ、巣に戻してもらう。
【偶然】【運命】という言葉がテーマとしてでてくるこの映画の象徴的なシーンだろう。

さて、ある3姉妹がそれぞれ問題を抱えながら暮らしている。
何が「地獄」なのか、それが3姉妹の苦悩を通して描かれる。

途中で出てくるギリシャ悲劇の「王女メディア」の話も象徴的だ。
自分を捨てた夫を憎み、苦しめるために夫の愛する子供(自分の子供だ)を殺してしまう女の話である。

3姉妹の苦悩の出発点にある事件がある。
【偶然】なのか【運命】なのか。

ストーリーとしては重厚だ。
原作は読んでいないが、映画化したくなるのも分かるような気がする。
だが、映画としてはどうだろうか。
ちょっと疑問に思わざるをえない映画である・・・


評価:★☆☆☆☆





posted by HH at 11:26 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2007年06月27日

【ダンス・ウィズ・ウルブス】My Cinema File 70

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原題: Dances with Wolves
1990年 アメリカ
監督: ケビン・コスナー
出演: 
ケビン・コスナー:ジョン・ダンバー
メアリー・マクドネル:拳を握って立つ女
グラハム・グリーン:蹴る鳥
ロドニー・A・グラント:風になびく髪
モーリー・チェイキン:ファンブロー
ロバート・パストレリ:ティモンズ
ラリー・ジョシュア:バウアー軍曹

<Movie Walker解説>
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南北戦争時代のフロンティアを舞台に、スー族の女性と愛し合いインディアンと共に生きた元北軍中尉の、数奇な運命と大自然との交感を壮大なスケールで描くエコロジー西部劇。エグゼクティヴ・プロデューサーはジェイク・エバーツ、製作はジム・ウィルソンとケヴィン・コスナー、脚本は原作者のマイケル・ブレーク、撮影はディーン・セムラー、音楽はジョン・バリーが担当。『フィールド・オブ・ドリームス』のケヴィン・コスナーの初監督作品。出演はケヴィン・コスナー、メアリー・マクドネルほか。後に「4時間アナザー・ヴァージョン」が発表されている。
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1863年秋、南北戦争の激戦地テネシー州セント・デービッド。
足に重傷を負い、片足を切断されると思い込んだ北軍中尉ジョン・ダンバー(ケヴィン・コスナー)は、北軍と南軍両陣営の眺み合いが続く中、決死の覚悟で単身馬を駆って敵陣に飛び込んだ。
南軍が虚を突かれた隙に、北軍は一勢に彼の後に続いて攻め込み、勝利を収めた。
戦闘が終わって一躍英雄となったダンバーは、殊勲者として勤務地を選ぶ権利を与えられ、フロンティアと呼ばれていた当時の最西部、サウスダコタのセッジウィック砦に赴任した。
見渡す限りの荒野のただ中の砦とは名ばかりの廃屋で、ダンバーは愛馬シスコ、そしてトゥー・ソックスと名付けた野性の狼とともに、1人きりの、しかし不思議に満ち足りた生活を送り始めた・・・

西部劇に出てくるインディアンというのは獰猛で、好戦的で、白人を殺して頭の皮を剥ぐという残虐性を帯びたもの、退治すべきものとして描かれるケースがかつては大半であった。
実際は、西部を開拓していった白人がもともと住んでいた先住民としてのインディアンの土地を奪い、迫害していったのが西部開拓史だ。

そんな西部の最前線の砦に赴任したダンバー。
たった一人で愛馬とともに暮らす。
近寄ってきた狼ですら愛しく思えるような孤独な生活・・・

インディアンとの交流は恐怖よりも孤独に耐えられなかったものであろう。
やがてインディアン(スー族)との異文化コミュニケーションが進む。
インディアン風の名前「ダンス・ウィズ・ウルブス=狼と踊る男」ももらう。

やがて他の白人がやってくるとそんな生活も変わってくる。
恐怖すべきはインディアンではなく白人。
そんな思いが見ているうちに強くなる。

西部開拓史は裏返せばインディアンの迫害史だ。
今なお、居留地に暮らすインディアンは数多い。

普通はどんな舞台であろうとすべて俳優が英語をしゃべりまくるハリウッド映画であるが、全編インディアンの原住民語が出てくる。
インディアンの視点で映画が進むため、見ている方も勢いそのような見方になる。
最後に妻を連れて白人から逃げていくダンバーの姿が印象的だ。

当時人気絶頂にあったケヴィン・コスナーが私財を投じ、自ら監督までつとめるという力の入った作品。
白人に対する批判的な内容ということで、それまでの西部劇のイメージを覆す内容。
それは戦争映画における『プラトーン』と言えるかもしれない。
そして見事アカデミー作品賞と監督賞他を獲得。
それも大納得の内容。

まぎれもない西部開拓史であり、映画史に残る作品であると思う・・・


評価:★★★★☆



posted by HH at 23:40 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 心に残るオススメ映画

2007年06月24日

【レジェンド・オブ・ゾロ】My Cinema File 69

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原題: The Legend of Zorro
2005年 アメリカ
監督: マーティン・キャンベル
出演: 
アントニオ・バンデラス: ゾロ / アレハンドロ・デ・ラ・ベガ
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ: エレナ・デ・ラ・ベガ
ルーファス・シーウェル: アルマン伯爵
アドリアン・アロンソ: ホアキン・デ・ラ・ベガ
ジュリオ・オスカー・メチョソ: フレイ・フェリペ神父

<シネマトゥデイ>
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スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務めたアクション・エンターテインメント大作。ゾロにふんするのは『レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード』のアントニオ・バンデラス。ヒロインには『ターミナル』のキャサリン・ゼタ・ジョーンズという豪華な顔ぶれ。監督は『バーティカル・リミット』のマーティン・キャンベルが務める。スピルバーグがこだわった人間味のあるゾロがバンデラスのキャラクターと見ごとにミックスされ、魅力的なゾロに仕上がっている。4か国を探して見つけだしてきた10歳の子役の存在感に注目。
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カリフォルニアがアメリカ合衆国への仲間入りをしようとしていた1850年。民衆の自由獲得を機に引退し、家族を愛する男=アレハンドロに戻ることを決意した正義の男・ゾロ。しかし、その前に現れたのは、アメリカ滅亡を企む秘密結社。そのリーダー・アルマン伯爵は邸宅に“秘密兵器”を集積し、作戦を決行する機会を窺う。やがてゾロは、アルマンの陰謀に気付く…

もう何度も映画化されている「怪傑ゾロ」の1作品である。
一応、前作(『マスク・オブ・ゾロ』)の続編。
トレードマークのマスクと鮮やかなサーベル使いは健在。
正義と悪のコントラストもはっきりしていて、単純な勧善懲悪ストーリーは明快。

さらに本作品では奥様=エルマと子供も負けず劣らずの活躍を見せる。
奥様がキャサリン・ゼタ=ジョーンズとくれば、当然アクションもそれなりのものになる。
お馴染みの「Z」マークに加えて「E」マーク(エルマ)も出てきたりする。
Eの方がZよりも難しいから奥様の方が剣さばきは上だろうか、などと思ってしまう。

何も考えずにシンプルにアクションを楽しみたい時にはお勧めの映画である・・・


評価:★★☆☆☆




posted by HH at 16:59 | 東京 ☀ | Comment(1) | TrackBack(0) | アクション

2007年06月23日

【小説家をみつけたら】My Cinema File 68

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原題: Finding Forrester
2000年 アメリカ
監督: ガス・バン・サント
出演: 
ショーン・コネリー:ウィリアム・フォレスター
ロブ・ブラウン:ジャマール・ウォレス
F・マーリー・エイブラハム:ロバート・クロフォード教授
アンナ・パキン:クレア・スペンス
バスタ・ライムス:テレル・ウォレス
マット・デイモン:スティーヴン・サンダーソン弁護士

<シネマトゥデイ>
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『グッド・ウィル・ハンティング』のガス・ヴァン・サント監督が、再び才能豊かな 不遇の少年の姿をハートフルにつづった感動作。幻の大作家フォレスターと、文章を書く才能に恵まれた黒人少年との心の交流を描く。フォレスターに扮するのは、名優ショーン・コネリー。世間から隔絶された生活を送る偏屈な作家を、威厳とユーモアを漂わせながら朴訥と演じていて味がある。対する少年役の新人ロブ・ブラウンも、今後の活躍が期待される好演をみせている。
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主人公はNYで暮らす16歳の少年。仲間とバスケに興じる毎日。
そんな日々でも暇を見ては小説を読み文章を綴る。ある時、偶然出会った偏屈な老人は40年前、ピューリッツアー賞に輝いた処女作一冊だけを残して文壇から消えた幻の大作家。そして老人と少年の交流が始まる・・・

かつてはジェームズ・ボンドとして活躍したショーン・コネリー。
今ではすっかりお爺さん。
ここでも心を閉ざした偏屈な爺さんとして登場。
様々な小説を読み漁り諳んじてしまう少年。
だが残念ながら英語ゆえに聞いてもよくわからない。

老人と少年のやりとりが興味深い。
一つ一つの教えによって少年が成長していく。
大きな盛り上がりはないが、老人もまた少年との交流で心を開いていく様が心温まる。
ほっとしたい気分のときにはいいかもしれない。

最後にチョイ役でマット・ディモンが登場する。
友情出演ってやつだろうか。
ちょっとおもしろい。


評価:★★☆☆☆





posted by HH at 11:10 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2007年06月19日

【かもめ食堂】My Cinema File 67

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2005年 日本
監督: 荻上直子
出演: 
小林聡美:サチエ
片桐はいり:ミドリ
もたいまさこ:マサコ
ヤルッコ・ニエミ:トンミ
タリア・マルクス:リーサ
マルック・ペルトラ:マッティ

<シネマトゥデイ>
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群ようこが本作のために書き下ろした小説を、『バーバー吉野』の荻上直子監督が映画化した人間讃歌。凛としたたたずまいの中に優しさをのぞかせる食堂の店主役には、テレビドラマ「やっぱり猫が好き!」などで活躍する小林聡美。共演は『過去のない男』のマルック・ペルトラや片桐はいり、『ALWAYS 三丁目の夕日』のもたいまさこ。この個性的な面々がフィンランドの首都ヘルシンキを舞台に、のんびりゆったりとした交流を繰り広げていく様子を見るだけで幸せな気分になれる。
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フィンランド、ヘルシンキの街角でオープンした小さな食堂。
主は日本人女性のサチエさん。
メインメニューはおにぎり。
でもお客さんはなかなか来ない。サチエさんは扉が押される日を待ちながら、食器を磨き続ける。
ある日、ついに初めてのお客さんの青年トンミがやってくる。日本かぶれの彼に、「ガッチャマン」の歌詞を聞かれたサチエさんは出だししか思い出せない。続きが気になって仕方ないサチエさんは、カフェで見かけた日本人女性に声をかける・・・

フィンランドにある1軒の食堂を舞台にしたドラマ。
事情を抱えた日本人、現地人がそれぞれ交流する。
大きな事件があるわけでもないが、静かで暖かな映画である。
フィンランドといっても街中。
ほとんどが食堂内であり、時折出てくるマーケットや港の風景が外国であることを思わせる程度。

一応日本食の店なのだが、喫茶店のようでもあり、シナモンロールを作って出してしまったりする。
だが、メインメニューは「おにぎり」。
おにぎり好きとしてはそれだけでも堪らない。
最初は誰もお客さんがこなかった店が、次第に席が埋まっていく。
徐々に町の一部になっていくのだ。

お店の3人はその後どうなったのだろう。
おにぎりを食べがてら様子を見に行きたくなった映画である・・・


評価:★★☆☆☆




posted by HH at 07:10 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ