2007年08月30日

【アルティメット】My Cinema File 110

Banlieue 13.jpg

原題:Banlieue 13
2003年 フランス
製作:リュック・ベッソン
監督:ピエール・モレル
出演:
シリル・ラファエリ:ダミアン
ダヴィッド・ベル:レイト
ラルビ・ナセリ:タハ
トニー・ダマリオ:"K2"
ダニー・ヴェリッシモ:ローラ

<映画.com>
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リュック・ベッソンが製作・脚本を手掛け、スタントやCGを一切使わずに撮影されたリアルアクション・ムービー。近未来のパリ。危険地域バンリュー13で暮らす青年レイトは、ドラッグ一掃のため、街を牛耳るタハ一味に立ち向かう。ところが作戦は失敗し、逆に愛する妹を奪われてしまう。その6ヶ月後、政府が作った時限爆弾をタハ一味が強奪。解除を命じられた敏腕捜査官ダミアンは、レイトと共にタハ一味のアジトへ乗り込むが……。
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治安の悪い街を隔離するようになったパリ、2010年。 郊外の地区・バンリュー13。
そこには法律も安全も存在しない。学校も消え、警察すらも当てにはならない。抗争の絶えないギャングたちの武力と権力が全てを支配し、強い者だけが生き延びる。タハとその一味が支配するバンリュー13地区はそんな荒廃した地区の一つ。 この地区で生まれ育ったレイトは、荒んだ街からドラッグを一掃しようと危険を承知で一人、タハに立ち向かっていた・・・

この映画はすごい。
何がすごいかというとアクションである。

冒頭で敵対するギャングに追われて逃げるレイト。
この逃走シーンが半端ではない。
壁を登り、ジャンプし、跳ね回る。
とても人間業とは思えない。
10人の追っ手をあっという間に振り切る・・・
これで画面に引き摺りこまれる。

この男(ダヴィッド・ベル)はすごいなぁと見ていると、次に出てきたシリル・ラファエリ。
この男もすごい。
闇カジノで襲い掛かる敵を次々になぎ倒す。
この格闘アクションがまた凄すぎる・・・

この二人のアクションの前にストーリーも霞んでしまう。
近未来の荒廃した社会が舞台。
無法の街であるミッションを遂行する二人。
行き当たりばったりながら臨機応変に危機を潜り抜ける。
ノンストップで最後までいくスピード感溢れる展開。

いつもくだらない邦題に辟易することが多いが、これはなかなか良くできたタイトルだと思う。
まさにアルティメットなアクション映画。
今後この二人の出演作からは目が離せないかもしれない・・・


評価:★★★☆☆






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2007年08月28日

【パニックフライト】My Cinema File 109

red-eye.jpg

原題:  Red Eye
2005年 アメリカ
監督: ウェス・クレイヴン
出演: 
レイチェル・マクアダムス:リサ・ライザート
キリアン・マーフィ:ジャクソン・リップナー
ブライアン・コックス:ジョー・ライザート
ジェイマ・メイズ:シンシア
ジャック・スカリア:チャールズ・キーフ

<映画.com>
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ホラー映画界の巨匠ウェス・クレイブンによるサスペンススリラー。有名ホテルのマネージャーとして働く女性リサは、故郷テキサスから勤務地のマイアミへ向かう飛行機の中で、空港で知り合った好青年リップナーと隣同士になる。ところが、実はリップナーは暗殺グループの一員だった。機内で豹変したリップナーは、リサの父親の命と引きかえに、リサが勤めるホテルに宿泊する要人の暗殺に協力するよう脅迫してくる。
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一流ホテルのマネージャーとして働くリサ・レイサートは、勤務地マイアミへ戻るフライトを待つ間、優しい男性ジャクソン・リップナーと知り合う。無事飛行機は離陸。しかし、隣の席に座ったリップナーの正体は、国家要人暗殺チームの一員だった・・・

大して期待もせずに見たこの映画、以外に面白かった。
タイトルからするとハイジャックものかと思ったが、ただ単に飛行機の中のシーンが大部分を占めるという程度のものだ。

身内を人質に取られる。
相手の要求を呑まざるを得ない。
だが、そうする事によって罪の無い人が犠牲になる・・・
恐怖のジレンマである。

大抵の人は素直に要求に従ってしまう。
だが、主人公のリサはそうではない。
あの手この手で恐怖のジレンマから抜け出そうともがく・・・
ちょっとした知的ゲームの感じだ。

この手の映画を見ているとついつい「自分だったらどうするだろうか?」と考えてしまう。
犯人の要求に素直に従ったからといって人質を無事解放してもらえるとは限らない。
顔を見てしまっているわけだし・・・
「素直にしたがったらどうなるか?」想像してみるのも面白いかもしれない。

過去の事件を教訓に「負けない女になろう」と決めたリサ。
個人的に好みのタイプの顔立ちである事は別として、スリルたっぷりの闘争劇。
十分楽しめる映画だ。


評価:★★☆☆☆






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2007年08月27日

【アローン・イン・ザ・ダーク】My Cinema File 108

alone-in-the-dark.jpg

原題: ALONE IN THE DARK
2005年 カナダ/ドイツ/アメリカ
監督: ウーヴェ・ボル
出演:
クリスチャン・スレイター:エドワード・カーンビー
タラ・リード:アリーン・セドラック
スティーヴン・ドーフ:リチャード・バーク
マシュー・ウォーカー:ライオネル・ハジェンズ博士
フランク・C・ターナー:サム・フィッシャー

<映画.com>
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全人類を脅かす邪悪な古代悪魔を蘇らせようとする謎の組織の暗躍を知った超常現象の調査員が戦いを挑む、ホラー・アクション。人気3Dゲームの映画化。監督は「ハウス・オブ・ザ・デッド」のウーヴェ・ボル。出演は「ブロークン・アロー」のクリスチャン・スレーター、「ブレイド」のスティーヴン・ドーフ、「アメリカン・パイ」のタラ・リード。
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超常現象調査員のカーンビーは、古代アビカニ族の遺物を偶然手に入れ、それを狙う何者かに襲われる。ある日、彼と同じ孤児院で育った19人全員が失踪し、彼は恋人で人類学者のアリーンに遺物の解析を頼む。そしてアビカニ族と悪魔軍団、そして失踪事件の恐るべき関連を知るが……

おもろしそうなあらすじに魅かれて見てみた。
でも・・・
まあたくさん見ていればこういうのも仕方がない・・・

映画を作る時ってもう少し緻密にやらないのだろうか?
設定はともかくとして展開が雑。
いろいろなタネを撒くのはいいのだが、最後にそれをまとめてこうだってやらないと何のためのタネ撒きだかわからない。
途中で起こる事件がちっともストーリーに繋がらないのだ。
「だからどうした」と言いたくなる。

子供の頃何らかの実験が行われ、得体の知れないものが体の中に入れられた。
一人その影響から逃れた主人公。
今でも体の中にある。
取ろうとしても取れない。
ときたら、それがその後の展開の中で何かあるだろう。
最後までそれが何か影響するのかと見ていたが何も起こらない・・・
忘れてしまったんだろう、きっと・・・

暗闇の勢力が最後にどかどかと押し寄せてくる。
味方の部隊は全滅。
主人公絶体絶命って、これからクライマックスかと思ったら一瞬で終わり。
ジャイアント馬場の空手チョップで大げさに吹っ飛ぶ外人レスラーみたいだ。

あっけに取られるエンディング・・・
予算がなくなっちゃったの?と思わず聞きたくなった。
よっぽど暇な人にはお勧めしたい映画だ。


評価:☆☆☆☆☆






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2007年08月26日

【嫌われ松子の一生】My Cinema File 107

q.jpg

2006年 日本
監督: 中島哲也
原作: 山田宗樹『嫌われ松子の一生』
出演: 
中谷美紀:川尻松子
瑛太:川尻笙
伊勢谷友介:龍洋一
香川照之:川尻紀夫
市川実日子:川尻久美
柄本明:川尻恒造

<シネマトゥデイ>
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『下妻物語』の中島哲也監督が、山田宗樹の同名ベストセラー小説を映画化した異色のシンデレラストーリー。壮絶で不幸な日々を過ごしながらもハッピーな人生を目指して奮闘する、川尻松子の波乱万丈な生き様をつづる。教師からソープ嬢、殺人まで犯してしまう松子に『電車男』の中谷美紀がふんし、転落人生を送る女性の悲哀をコミカルに演じる。ベテラン俳優からお笑い芸人まで30人を超える豪華有名人の出演シーンも見逃せない。
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昭和22年。福岡県でひとりの女の子が誕生した。お姫様のような人生を夢見る彼女の名は川尻松子。教師になり爽やかな同僚とイイ感じになるも、セクハラ教師のせいで辞職に追いやられる。ここから、松子の転落人生が坂を転がり落ちるがごとく、始まっていく。愛を求める松子の前にはさまざまな男が現れるが、彼女の選択はことごとく不幸へと繋がってしまうのだった。53歳、河川敷で死体となって発見された彼女の生涯を探る甥が見たものは?

原作はベストセラーになった小説。
小説を読んで映画も是非見てみたかった。
小説が面白いと映画もついそれと同じものを期待してしまうものだ。

だがこの映画はだいぶ味付けが違った。
主人公の松子は小説になるくらい不幸な人生を歩む。
社会の暗い底辺をもがきながら歩むのだ。

だが、映画ではミュージカル仕立ててでそれを明るく描く。
原色を使い花びらが舞うのだ。
意図あっての事だろうし、それをよしとする人もいるだろうが、個人的には拒絶反応しか起きない。
原作通りの暗い雰囲気の方がかえって「伝わる」と思うのだ。

周りから嫌われ最後は殺されてしまった松子。普通なら同情もされないだろう。
部屋の整理を頼まれ嫌々ながら引き受けた甥が、ふとした事から松子の人生を追いかける形でストーリーは進む。浮浪者にも近かった嫌われ松子にも「人生」があったのであり、ストーリーとしては映画も面白い。ホームレスの人にもそこにいたる人生はあるのであり、それがどういったものかは興味深いがそんな事も考えてしまう。

そんな松子だが、一緒に人生をたどるとその時その時で明るい人生に浮上するチャンスはあったと思う。
その時々の選択ミスで暗い底辺を離れられなかったのだ。
そう考えると不幸な環境は自ら招いたものであり、またそこから脱出するのも自らの考え方だと言えなくもない。

原作との違いはやはりあるが、映画は映画として十分楽しめる(つくづく演出が残念だ)。
原作を読んでいない方は読んでみても面白いと思う映画である・・・


評価:★★☆☆☆




posted by HH at 11:07| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(1) | ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月25日

【アメリカ家族のいる風景】My Cinema File 106

dontcome.jpg

原題: Don't Come Knocking
2005年 ドイツ、アメリカ
監督: ヴィム・ヴェンダース
出演: 
サム・シェパード:ハワード・スペンス
ジェシカ・ラング:ドリーン
ティム・ロス:サター
ガブリエル・マン:アール
サラ・ポーリー:スカイ
フェアルザ・バルク:アンバー

<シネマトゥデイ>
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『パリ、テキサス』のヴィム・ヴェンダース監督とサム・シェパードが20年ぶりに組んだロードムービー。主人公を演じるのは脚本も担当したサム・シェパード。彼のかつての恋人役に『ブルースカイ』のジェシカ・ラング。その息子役には『ハイ・アート』のガブリエル・マン、異母兄弟役に『死ぬまでにしたい10のこと』のサラ・ポーリーら実力派俳優が集結。身勝手な男にも家族や愛を取り戻すチャンスがあると教えてくれる逸品。
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西部劇のスターだったハワードは、新作の撮影現場から突然逃げ出し、故郷に向かう。そこで彼は、久々に再会した母から驚きの事実を聞かされる。彼の子供を身ごもったというモンタナの女性から連絡があったというのだ。ハワードは自分の子供を探し出すため、モンタナ州ビートの町へと車を走らせる。昔の恋人との不安まじりの再会、息子の反発、骨壷を抱えた不思議な少女との出会い。ハワードの心の孤独は深まるばかりだが…

映画俳優のハワード・スペンス。
撮影の途中で急遽撮影所を抜け出す。
あてもなく移動し、母親のもとを訪ねる。

彼が何でそんな行動に出たのか?
母親の実家でゴシップ記事満載の自分のスクラップブックを見つけたハワードの目を通じて原因がわかってくる。

俳優としての名声を享受し、富も名声も女にも不自由しない生活。
だが、本当に必要だったのはもっと血の通ったもの・・・
特に解説するわけでもなく、見ているものにそう思わせる手法はなるほどと思う。

突然子供がいると知らされ、わずかな心当たりを頼りに訪ねて行く。
それは「家族」への想い。
サラリと見ていてはわからないかもしれない。
噛めば噛むほど味わえるような映画。
逆に言えば噛まないとわからないかもしれない。

それはそうとジェシカ・ラング。
初めて見たのは小学生の時の「キングコング」。
可憐なヒロインがすっかり貫禄のある母親。

なぞの少女のサラ・ポーリー。
最初は「キル・ビル」のユマ・サーマンかと思ってしまったが、よく似ている。
脇役も味わい溢れている映画である・・・


評価:★☆☆☆☆





posted by HH at 20:50| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする