2007年09月30日

【ザ・マークスマン】My Cinema File 124

marksman.jpg

原題: THE MARKSMAN
2005年 アメリカ
監督: マーカス・アダムス
出演: 
ウェズリー・スナイプス:ペインター
エマ・サムズ:アマンダ・ジャックス
ピーター・ヤングブラッド・ヒルズ:ハーグリーヴス
ダン・バダルー:イゴール・ザイザン
ウィリアム・ホープ:ジョナサン・テンサー

<シネマトゥデイ>
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チェチェン反乱軍による核兵器工場破壊を阻止する、アメリカ特殊部隊の活躍を描くミリタリー・アクション。『ブレイド』シリーズのウェズリー・スナイプスが凄腕のエージェントにふんし、武道家として鍛えた鋼のような肉体と鋭い身のこなしで、壮絶なアクション・シーンの数々を披露する。そのほかのスナイプス主演作品『デトネーター』『7セカンズ』の2本と合わせて、「ウェズリー・スナイプス大運動会」と銘打って連続公開される。
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ロシアの核兵器工場がチェチェンの反乱軍に占拠された。
工場を稼動させ破壊して核汚染を狙う反乱軍。
ロシアには解決能力はなく、ロシアと協力の上稼動前に工場を破壊することになる。
選ばれたのは米軍特殊部隊。
人質となっているアメリカ人技術者を救出した上で、工場爆撃のための信号機設置の任務を追い、特殊部隊は現地に潜入する・・・

アクション派のウェズリー・スナイプス主演という事でちょっと期待して観た映画である。
これは実は劇場用ではなくてビデオ専用に作られたものらしい。
とはいえ「スナイプスはスナイプス」だ。
しかし、残念ながら期待はずれだった。

特殊部隊の中でも飛びぬけて優秀なスナイプス。
それを強調したいのはわかるのだが、一緒に潜入した特殊部隊員がどうもそれらしくない。
そこらのありふれた兵隊と変わらない(ように見える)。

作戦があまりにもうまく行きすぎていて、途中で「ワナだ」と気付くスナイプス。
なんでそう思うのか、凡人にはわからない。

後半は本領発揮!ほとんど一人で並みいる反乱軍を次から次へとなぎ倒す。
難しいミッションなど与えずに最初から「反乱軍を殲滅せよ」というミッションを与えて、スナイプス一人送り込んだほうが良いんじゃないかと感じてしまう。
実際に最後の状態で反乱軍の生き残りがいたのだろうかは疑問だ。

それとアクションもスナイプスといえばはやっぱり素手の格闘シーンがもう少しないと物足りない。
ほとんどが銃撃シーンなのが残念だっだ。
やっぱり劇場用でないと作り方も雑になるのだろうか。
とりあえずの暇つぶしにしかならない映画である・・・


評価:★☆☆☆☆






posted by HH at 11:49| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 軍事アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月29日

【イノセント・ラブ】My Cinema File 123

a home at the end of the world.jpg

原題: A HOME AT THE END OF THE WORLD
2004年 アメリカ
監督: マイケル・メイヤー
出演: 
コリン・ファレル:ボビー・マロウ
ダラス・ロバーツ:ジョナサン・グローバー
ロビン・ライト・ペン :クレア
シシー・スペイセク:アリス・グローバー

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9歳の時、事故で最愛の兄を失ったボビーは、その後両親を亡くし、親友・ジョナサンの家に引き取られる。
兄弟同然に育つ2人の友情は形を変え、ついには肉体関係を結んでしまう。
高校卒業後、ジョナサンはボビーから逃れるようにニューヨークに行ってしまうのだが…。
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9歳の少年ボビーにとって憧れの兄。
女にドラッグに音楽と幼い弟にはかっこよく見える。
それが突然の事故死。
9歳から高校生へと成長するボビー。
二人の役者が演じているが、そっくりそのまま成長したように良く似ている。
画面が少年ボビーの表情が高校生ボビーに自然に切り替わるのは面白い。

その高校生のボビーが親友ジョナサンと知り合い、ジョナサンの家に泊まったある夜、二人はどちらからともなくお互いの体に手が伸びる・・・
さり気ない手の動きが二人の心境がよく現れていた。

高校を卒業した二人はやがてクレアという女性を加えて3人で生活を始める。
このクレアとボビーが結ばれる。
なんとボビーはバイセクシュアル。

コリン・ファレルと言えば「アレクサンダー」「リクルート」「マイノリティ・リポート」などの印象が強く、ちょっとか弱そうなバイセクシュアルという役柄はピンとこないが、自然に演じてしまっているのが「役者」という感じがする。

原題の「A home at the end of the world」は最後にその意味がしみじみとわかるタイトルであるが、邦題の「イノセント・ラブ」というタイトルも映画の内容とよくマッチしていてそれなりに良いタイトルだと思う。
ちょっと禁断の世界を覗いてみたい方には入門編として良いかもしれない。


評価:★★☆☆☆






posted by HH at 22:25| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月26日

【ザ・コマンダー】My Cinema File 122

second_in_command.jpg

原題: SECOND IN COMMAND
2005年 アメリカ/ルーマニア
監督: サイモン・フェローズ
出演: 
ジャン=クロード・ヴァン・ダム:サミュエル'サム'・キーナン中佐
ジュリー・コックス:ミシェル・ホイットマン
ウィリアム・タプリー:ゲインズ
アラン・マッケンナ:ジョン・ボールドウィン大尉
ラザーク・アドティ:'グニー'アール・ダーネル一等軍曹

<Yahoo!映画解説>
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東ヨーロッパの某国で米国大使館を狙ったクーデターが勃発したことから、その鎮圧のため、ひとりの強靱な米海軍副司令官が立ち上がるポリティカル・アクション。
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政情不安にある東欧の某国。反米運動も高まる中、一人の海軍軍人キーナンが招聘される。その直後、反政府勢力により西側のマスコミが射殺され、大統領官邸が群集に包囲される。暴徒と化す群集を前に米国大使館では大統領から保護の要請を受ける。大使は早速、大統領の保護をキーナンに命じる・・・

原題の「Second in command」とは副司令官という意味。
米国大使館に着任した歴戦の勇士キーナン。
かねてからの知り合いである大使からの信頼も厚く、政情不安下の某国において着任早々大統領の保護要請に基づき、大使から副司令官に任命される。
ところが、反政府勢力の迫る中、某国大統領を保護した米国大使館に反政府勢力が大統領の引渡しを迫ってくる。

ここからヴァン=ダム副司令官が活躍する。
ところが、ヴァン=ダムの代名詞でもあるアクションの見せ場があまりない。
豊富な実戦経験者として部下の尊敬を集め、また的確な指示を出すがそれは司令官=コマンダーとしてのもの。
兵士としてアクションを披露する機会は少ないのが、少々残念である。

反政府勢力の攻撃で大使館における最高司令官=大使が死亡。
かわりに指揮をとることになるヴァン=ダムであるが、大使館からの脱出を主張するCIAと篭城を主張して対立。
援軍到着までの緊迫の4時間。

映画としてはそれなりに面白いのだが、やはりヴァン=ダムのアクションを目当てにしている向きには物足りない。
(といっても要所要所ではそれなりに披露されるのではある)
お金の取れるアクションが売り物である以上、もう少し頑張ってもらいたいとエールを送りたい。


評価:★★☆☆☆






posted by HH at 00:05| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 軍事アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月24日

【日本沈没】My Cinema File 121

nihon.jpg


2006年 日本
監督: 樋口真嗣
出演: 
草なぎ剛:小野寺俊夫
柴咲コウ:阿部玲子
豊川悦司:田所雄介博士
及川光博:結城慎司
國村隼:野崎亨介
石坂浩二:山本尚之
大地真央:鷹森沙織
福田麻由子:倉木美咲

<シネマトゥデイ>
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小松左京の同名ベストセラー小説を映画化した1973年作品『日本沈没』を、『ローレライ』で長編監督デビューを果たした樋口真嗣が現代にリメイクした衝撃作。SMAPの草なぎ剛と柴咲コウがダブル主演し、未曾有の災害に立ち向かうヒロイックなキャラクターを熱演する。防衛庁や東京消防庁の全面的な撮影協力と日本を代表する特撮スタッフが生み出した臨場感あふれる本格的スペクタクル映像の数々は、日本映画史に名を残すほどの完成度を誇る。
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日本各地で大規模な地震が頻発する中、潜水艇《わだつみ6500》のパイロットの小野寺は、同僚の結城と共に地球科学博士・田所の指揮の下、深海調査に参加。
その結果、大地震と噴火活動によって日本が1年以内に沈没するという驚愕の事実を知る。
総理大臣・山本は諸外国に日本国民の受け入れを要請し、危機管理担当大臣の鷹森は日本を救う方法を求めて田所を訪ねる。
そんな中、小野寺は被災現場でハイパーレスキュー隊員の玲子と出会い、お互いに心引かれるのだった…

かつて大ブームとなった「日本沈没」。
30年を経て再度映画化となる。
こうなると当時と比較してみたくなるが、残念ながら30年もたつと詳細はほとんど忘れてしまっている。
したがって比較ということはほとんどできなかった。

ただ、技術の進歩は確実で火山の噴火や地震、海底のシーンなどの映像ははるかにリアルなものになっている。日本沈没の原理もそれらしく、本当に起こるかもしれないと感じさせる。
もともと「日本沈没」の売りは日本が沈没していく過程にあると思っていたが、ここではそうではない。
せっかくの技術の進歩があるのだから、もう少し都市の壊滅過程などが描かれると防災の観点からも参考になるのではないかなどと思い少々残念であった。

今回はパニックシーンは映像技術の披露程度に終わり、あとは草なぎ剛と柴咲コウのチープな恋愛ドラマになってしまっている。おまけに草なぎ剛扮する潜水艇パイロットが片道切符の潜航で自らを犠牲にして日本沈没に歯止めをかけるクライマックスは、何かの映画で見たようなストーリーだ。
感動の安っぽい演出に思えてならない。

「日本沈没」の本当の恐怖は「海外の国が日本人を受け入れてくれるか」というところにあると思う。
映画の中で首相代行が国宝を手土産に受け入れ交渉に臨むシーンが出てくる。
果たして今の日本人は経済力を失ったら本当に手土産なしで受け入れてもらえるのだろうか?
円が紙くずになった時、本当に世界に受け入れてもらえるのか?
この方が怖くなる。

実際に受け入れてもらえるとしても、ノー天気に「俺はアメリカがいい、オーストラリアがいい、アフリカは嫌だ」などとわがままを言う輩が多数出てきてパニックになるように思う。
そういうシーンを描いたほうが、チープな恋愛ドラマよりはるかに良かった気がする。

小松左京が30年前に投げかけた課題は今の時代でも十分重みがあると思うのだが、それが見向きもされないのは残念でしかたがない映画である・・・


評価:★☆☆☆☆







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2007年09月22日

【レ・ミゼラブル】My Cinema File 120

Les Miserables.bmp

原題: Les Miserables
1997年 アメリカ
監督: ビレ・アウグスト
出演:
リーアム・ニーソン:ジャン・バルジャン
ジェフリー・ラッシュ:ジャベール警部
ユマ・サーマン:ファンティーヌ
クレア・デインズ:コゼット
ミミ・ニューマン:幼少期のコゼット
ハンス・マシソン:マリウス・ポンメルシー

<映画.com>
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ジャン・バルジャンの波乱万丈の人生を描いた大河ロマン。ビクトル・ユーゴーの名作『ああ無情』の映画化。監督は「ペレ」「愛と精霊の家」の名匠ビレ・アウグスト。脚本は「死と乙女」のラファエル・イグレシアス。製作は「マイ・ビューティフル・ランドレット」のサラ・ラドクリフと、「山猫は眠らない」のジェームズ・ゴーマン。撮影のイェルゲン・ぺーション、編集のヤヌス・ビレスコフ=ヤンセン、美術のアンナ・アスプはアウグスト作品の常連。衣裳は「エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事」のガブリエラ・ペスクッチ。出演は「マイケル・コリンズ」のリーアム・ニーソン、「シャイン」のジョフリー・ラッシュ、「ガタカ」のユマ・サーマン、「レインメーカー」のクレア・デーンズほか。
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1812年のフランス。仮出獄したジャン・バルジャンは老司教のところから銀食器を盗み警察に捕まるが、この出来事でバルジャンの心は変化する。9年後。バルジャンは市長になっていた。そこへかつて彼に鞭をふるったジャベール警部が赴任してきた。その頃、職を追われたファンテーヌは娼婦となったが、いさかいで逮捕されてしまう・・・

原作はあまりにも有名なヴィクトル・ユゴーの小説。
映画の他ミュージカルでもロングランを続けている。

ユゴーが生まれたのは19世紀前半。
「レミゼラブル」も19世紀前半のお話。
つまり、ユゴーは自分の生きている時代をそのまま物語の舞台にしたのだ。
当時の時代背景もまた興味深い。

たった一切れのパンを盗んだだけで19年間の牢獄生活を送るジャン・バルジャン。
今では考えられない。
食糧事情が現代とでは比較にならないくらい悪く、それゆえパン一切れの重要性も現代以上ではあったであろうが、それにしても、である。

そして仮釈放で出獄したが、誰も泊めてくれるもののないジャン・バルジャンに仮出獄中とわかっていて尚且つ泊めて食事まで振舞ってくれる老司教。
なのに銀の食器を盗み出すバルジャン。
警察に捕まってしまうが、司教は「あげたものだ」とバルジャンを庇う。
キリスト教の赦しである。

以後バルジャンは真人間になっていくばかりか、人々に自分が得たものを返していく。
そんなバルジャンを追う警部。
当時は時効という概念もなかったのであろうか。
再び牢獄送りとなる恐怖と戦いながらもバルジャンの善行は続く。
まさに「無情」とも言うべき人々の行為とバルジャンの善行が対比される。
無情な行為にやるせない思いがし、バルジャンの善行に救われた気持ちになる。

キリスト教の愛がバルジャンを通して全編に溢れる。
もしもこんな信徒ばかりであったら、世の中ははるかに素晴らしい世界となるのだろう。
必ずしもそうでないところが人間の限界なのである。

ともあれ映画やミュージカルになり長く親しまれている理由はよくわかる。
ラストは原作では途中のところでカットされてたが、原作のダイジェスト版としても一度は見ておきたい映画である。


評価:★★★☆☆





posted by HH at 11:00| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(2) | ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする