
2005年 日本
監督: 黒沢清
出演:
中谷美紀:春名礼子
豊川悦司:吉岡誠
西島秀俊:木島幸
安達祐実:亜矢
鈴木砂羽:野々村めぐみ
<シネマトゥデイ>
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『回路』などで世界中から注目される黒沢清監督が、『ドッペルゲンガー』以来3年ぶりに手がけたサスペンス・ホラー。新作執筆のため引っ越した郊外で、ミイラを研究する男と出会ったことから悪夢のような日々を過ごすヒロインを、中谷美紀が好演する。謎めいた大学教授役の豊川悦司をはじめ、西島秀俊、安達祐実、鈴木砂羽、大杉漣ら実力派俳優が集結。ホラーからサスペンス、ラブストーリーが絶妙に溶け合う、黒沢監督の新境地に圧倒される。
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芥川賞作家、春名礼子は、スランプから脱却するために、純文学から大衆小説へと路線を変えようとしていた。しかし筆はなかなか進まず、そのせいか体調も悪くなってきた。そこで、編集担当者の木島の紹介で、高円寺のマンションから森の中にある古い一軒家に移り住み、執筆に専念することにした。家の前には、人気のない不気味な建物があった。ある夜、礼子は、その建物に一人の男が出入りしているのを見る。それ以来、礼子はその建物に惹かれるようになる・・・
これは何とも言いにくい映画だ。
何とも言いにくいとはどういう事なのか、それすら説明しにくい。
これはホラーなのだろうか?
サスペンスなのだろうか?
それとも恋愛映画なのだろうか?
そのどれでもあり、どれでもない・・・
結局中途半端であるというのが私の結論。
きっともっと崇高な意図に基づいていて、「素人にはわからない」のかもしれないが、私の信念として、「素人にわからない映画は駄作」という思いがある。
「これは芸術なんだ」と言うなら「勝手にどうぞ」である。
そういう考えからこの映画の感想は「わけがわからない」だ。
ミイラが出てきたからそこから何かストーリーが生まれるのかと思ったらそうではなかった。
死んだ女性が画面の端にさり気なく立っていてどきりとし、一瞬驚きぞっとさせてくれたからそこからホラー展開するのかと思いきやそうはならない・・・
トヨエツと中谷美紀が徐々に接近していき、恋愛へと結びつくのかと思うも、それにしてはストーリーが他のことに向きすぎている・・・
結局、いろいろ求めすぎて目標を見失ったとしか思えない。
こういう映画の良さがわかる「芸術鑑賞家」にいつかなれる日が来るのだろうかとつくづく思わされる映画である・・・
評価:★☆☆☆☆