
原題: Brokeback Mountain
2005年 アメリカ
監督: アン・リー
出演:
ヒース・レジャー:イニス・デル・マー
ジェイク・ギレンホール:ジャック・ツイスト
ミシェル・ウィリアムズ:アルマ・ビアーズ
アン・ハサウェイ:ラリーン・ニューサム
ランディ・クエイド:ジョー・アギーレ
<シネマトゥデイ>
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保守的なアメリカの西部で、20年以上にも渡って男同士の愛を貫いた2人の“普遍の愛”を描く人間ドラマ。2005年のヴェネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞したほか、数々の映画賞にノミネートされている話題作。主演はヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールが20歳から40歳までの年齢も繊細に表現した演技を見せる。監督は『グリーン・ディスティニー』のアン・リー。ブロークバックの山々を美しく映し出した映像にも注目。
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1963年、ワイオミング州ブロークバック・マウンテン。
農場に季節労働者として雇われたイニスとジャックはともに20歳の青年。
対照的な性格だったが、キャンプをしながらの羊の放牧管理という過酷な労働の中、いつしか精神的にも肉体的にも強い絆で結ばれていく。
やがて山を下りたふたりは、何の約束もないまま別れを迎える。
イニスは婚約者のアルマと結婚、一方のジャックは定職に就かずロデオ生活を送っていた……
アメリカワイオミング州。
田舎というよりほとんど大自然の中(ブロークバックマウンテン)でひと夏羊の群れの番をする二人のカウボーイが、やがて許されざる関係になり苦悩するというお話。
もっとも舞台は1963年からとなっているので、ゲイ先進国のアメリカでもまだゲイが市民権を得ていなかったため「許されざる関係」になってしまったのだろう。
過去にゲイの男がリンチを受けて殺されるところを目撃したイニスが、それがトラウマでジャックと二人で暮らす事に抵抗する。
きっと今なら二人幸せに暮らしてハッピー・エンドなのだろう。
そういう時代背景だからであろうか、二人は山を降りた後別々に「普通の生活」を送る。
結婚して子供ができて、表面的には幸せなファミリーを築く。
だが、互いに「ブロークバック・マウンテン」での出来事が忘れられない。
再会を機に関係が復活する。
離れて暮らすゆえに会えるのは年に数回。
しかも人目を気にして、あるいはブロークバック・マウンテンを思い出してか会うのはいつも山の中。
時間の経過を二人の子供の成長具合で表している。
特に断らなくてもはっきりわかる。
こういう表現も映画ならではだろう。
最後に19歳の娘が訪ねてくる事によって、二人の関係が20年続いている事がわかるのである。
ブロークバック・マウンテンが出発点であり、常に心にブロークバック・マウンテンがある二人の心情は、普通の男女間であったら「マディソン郡の橋」のような恋愛映画になったのかもしれない。
なにかと物議を醸したようであるが、こういう映画が作られるアメリカもスケールが大きい。
さる1月22日(アメリカ現地時間)に主演のヒース・レジャーが亡くなったとの事、まだ28歳なのに残念である・・・
評価:★★☆☆☆