2008年04月30日

もしも昨日が選べたら

CLICK.jpg

原題: CLICK
2006年 アメリカ
出演: アダム・サンドラー/ケイト・ベッキンセール/クリストファー・ウォーケン

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建築士のマイケルは、家庭を顧みない仕事人間。美しい妻と二人の子供たちは、楽しみにしていたキャンプも行けず、寂しい思いをしていた。
働きすぎのマイケルは、自宅でどれがテレビのリモコンかも分からない。
全ての電化製品を操れるリモコンを買おうと、深夜も営業しているホームセンターに出かけた。
そこで、一風変わった部屋を見つける。
そこには、怪しげな従業員・モーティがいて、何でも操作できる最先端のリモコンをマイケルに渡す。
それは、電化製品だけでなく、人や時間までも操れる、夢のリモコンだった・・・
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主人公のマイケルは建築士。
会社では重要な仕事も任されるようになっている。
プレッシャーのかかる大きな仕事を抱えているが、家庭では小さな子供もいて家族サービスも必要な時期。
何やら他人事ではない。

会社でも家庭でも詰め寄られ身が休まる暇もない。
そうするとついつい楽ができるものに飛びついてしまう。
マイケルが飛びついたのは不思議なリモコン。
これで過去のシーンを呼び出して体験したり、自分の現実の身の回りのものも停止、早送りが自在にできてしまうのだ。
うるさい犬もミュート機能で静かにできてしまう。

そうしてマイケルはついに面倒な事を早送りして飛ばす事を発見する。
乗り気になれない親戚付き合いも一瞬にして終わってしまう・・・
ここらあたりまでは、「ドラえもん」を見ているがごとく「あんな事いいな、できたらいいな♪」とうらやましくみてしまう・・・

しかし、映画である以上やっぱり「副作用」があるのである。
そうなるともうやめたくてもやめられない・・・
やがて恐ろしい結末・・・

「人生で大切な事は何か」
ありきたりのテーマであるが、それを笑いの中にも訴えかける映画である。
自分の人生がどうなっていくのか?
早送りして見てみたいと思うのは常であるし、目の前の現実を回避したいことなんかはしょっちゅうである。
映画だって毎日見たいし、そうしたらブログだって毎日更新できる・・・

しかし、やっぱり避けてはいけない現実、やらなければならない事は避けられないのである。
あらためてこの映画のような体験はしたくないと思いつつ、明日も真面目に仕事しようと思う次第である・・・


評価:★★☆☆☆
posted by HH at 22:14 | 東京 ☀ | Comment(1) | TrackBack(0) | コメディ/ラブコメ

2008年04月29日

プラダを着た悪魔

THE DEVIL WEARS PRADA.jpg

原題: THE DEVIL WEARS PRADA
2006年 アメリカ
出演: メリル・ストリープ/アン・ハサウェイ/エミリー・ブラント/スタンリー・トゥッチ/エイドリアン・グレニアー

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大学を卒業したばかりのアンディの夢は、ジャーナリストだ。
しかしそんな彼女が、ひょんなことから就いたのは、NYの一流ファッション誌の編集長アシスタント。
多くの女性が憧れる職業かもしれない。
でも当のアンディには興味ゼロの世界。果てはジャーナリストになるため!と職場に向かったのは良いけれど、彼女が手にしたアシスタント職は、生易しいモノではなかった。
超カリスマ的な存在として君臨する編集長のミランダは、まさに「プラダを着た悪魔」だったのだ・・・
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仕事はできるが鬼のような厳しい女性上司と駆け出しの新人女性の奮闘記であるが、この設定はかつての映画「ワーキング・ガール」を髣髴とさせる。
ここでは鬼上司ミランダをメリル・ストリープが演じる。

アンディ(アン・ハサウェイ)は多くの女性が憧れる仕事(超人気ファッション雑誌のカリスマ編集長ミランダの秘書)にありつく。
しかし、腰掛のつもりなので仕事に対するスタンスもどこかみんなとずれている。
そんなわけなので人間性を無視したかのごときミランダの指示の数々に辟易する。

しかしこのミランダ、単なる意地悪ばあさんではない。
ふとした事で披露する記憶、知識や仕事の進め方にはきらりと光るものがある。
人間性はともかくとして仕事に関しては一流であると感じさせる。

アンディはそんな毎日に思わず同僚のナイジェル(スタンリー・トゥッチ)に愚痴る。
このナイジェルがまた良い味を出している。
彼女の愚痴には冷たく「辞めたら」と言い放つも、「多くの女性が働きたいと願う職場にいながら愚痴ばかり言っている」とアンディに教育的指導を施す。

自分のやるべき事に気付き、変わっていくアンディ。
相変わらずの鬼上司ながらその変化をしっかりと見ているミランダ。
仕事に熱中すればするほど危機に陥る私生活。
仕事のために下さねばならない厳しい決断。

観ているこちらもいつの間にかプロのビジネスの世界に引き込まれている。
ミランダとアンディの仕事振りはそれぞれビジネス人にとっては参考になる部分が多い。
若手時代はかくあるべし、上司になったらかくあるべし(もちろん、何から何までというわけではない)と。

「ワーキング・ガール」では憎まれ上司をやっつけたが、この映画ではそうなりそうでならなかった。
ミランダにも弱い部分があり、人間味も溢れている。
そしてそれぞれが自分らしく生きていく気持ちの良いハッピーエンド。
会社の研修で取り上げてもよさそうな映画である。


評価:★★★☆☆
posted by HH at 23:58 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | ドラマ

2008年04月27日

頭文字D THE MOVIE

頭文字D.jpg

2005年 香港
出演: ジェイ・チョウ/鈴木杏/エディソン・チャン/ショーン・ユー/アンソニー・ウォン

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家業の豆腐屋の配達でハチロク(AE86)を運転するうちに、知らぬ間に常人離れしたドライビング・テクニックを身につけた高校生・藤原拓海。
ある晩、配達の帰りに秋名山の峠道を流していた拓海は、「赤城レッドサンズ」の高橋涼介や「妙義山ナイトキッズ」の中里毅ら、峠のスペシャリストたちと出会い、自分が持つ走りの才能に目覚めていく・・・
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香港映画という事で観始めたのだが、実はこの映画は日本の漫画が原作。
したがって登場人物から舞台まですべてが日本。
なのに全編広東語の香港映画。
というわけでなんとも不思議な感覚の映画である。

日本の某所を舞台とした走り屋の若者達を描いた映画。
主人公のタクミ(ジェイ・チョウ)はかつて「あきな山の神」と言われた腕の良いドライバーを父に持つ。
中学生の時より父親の豆腐店の配達をこなしているうちに車の運転テクニックを身につける。
あきな山の峠には腕に覚えのある若者達が集まり、ドライブテクニックとスピードを競い合う。

タクミの乗る車は実家の配達用のトヨタのスプリンター・トレノ(通称86−ハチロク)。
車体に「藤原とうふ店」と入った洒落た車だ。
(個人的に昔トレノに乗っていたので親近感が湧いた)
しかしもと走り屋の父親が手を入れてあり、また中学生から走りこんでいるため、めっぽう速いのである。
公道で派手に走り回り、ついつい「対向車が来たらどうするのだろう」などと思ってしまうが、いつの間にか映画に引き込まれていた。

主役のジェイ・チョウはアジア各国で絶大な人気を誇るシンガーだそうである。
またエディソン・チャンは「同じ月を見ている」にも出演していたが、(ネットでのプライベート写真流出事件で引退してしまったのは残念である)日本人役でも違和感がない。
外国人が日本を舞台にした映画で日本人を演じるというのも面白いと感じる。
こういう映画がこれからも出てくるだろうか。

公道レーシングを扱った映画ということで若者向きと言えなくもないが、普通に観ても十分楽しめる映画である。


評価:★★☆☆☆


posted by HH at 11:48 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | アクション

2008年04月26日

大いなる陰謀

LIONS FOR LAMBS.jpg

原題:  LIONS FOR LAMBS
2007年 アメリカ
出演:  トム・クルーズ/メリル・ストリープ/ロバート・レッドフォード

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ベテラン・ジャーナリスト、ジャニーン・ロスは、未来の大統領候補と目されるジャスパー・アーヴィング上院議員の独占インタビューに赴き、対テロ戦争の新作戦について知らされる。
同じ時刻、カリフォルニア大学の歴史学教授マレーは、優秀であるのに勉学に身が入らない学生トッドを呼び出し、志願兵となった教え子2人の話を始める。
そして、アフガニスタンでは志し高い2人の若き兵士が最前線に送られていた・・・
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ロバート・レッドフォード、トム・クルーズ、メリル・ストリープが競演!というだけで見る価値は十分にありそうなこの映画。
テーマは重厚。

長引くイラク戦争。
9.11直後の熱狂はどこへやらの厭戦ムード漂う中、国の威信を取り戻そうとある作戦を進める軍部とそれをPRすべく一人のジャーナリストにアプローチするアーヴィング上院議員(トム・クルーズ)。
そしてこの独占インタヴューに半信半疑で望むジャーナリスト、ジャニーン(メリル・ストリープ)。
一方才能ある若者にある想いを語る教授マレー(ロバート・レッドフォード)。
三者三様の想いが同時平行で進む。

アメリカの行く末を案じ、国の威信を高めようと熱き想いを語るアーヴィング上院議員。
しかし、そこにはいずれは大統領へという野心も潜む。
一方で志願して戦場に臨み、絶体絶命のピンチに陥る二人の兵士。

それぞれがそれぞれの立場で想いをぶつけ合う。
正解は語られない。
「これからアメリカはどこへ進むべきなのか?」という問い掛けが映画を通して語られる。
観る者自身が考えないといけない。

全編を通してそれぞれの会話で映画が進んでいくのだが、しかしどうにも何かが足りない。
映画はエンターテイメント。
なのにメッセージの発信に一生懸命になりすぎたような印象だ。
1時間半という短い時間も物足りない。
重厚なテーマなだけにもっとじっくりと時間をかけた方が良かったのではと思われる。

大物同士の競演ゆえに大いなる期待を抱いていたのだが、ちょっぴり肩透かしであった。
だが大いに考えさせられる映画ではある。


評価:★★☆☆☆
posted by HH at 00:01 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2008年04月21日

うず潮

うず潮2.jpg

1964年 日活
出演: 吉永小百合/奈良岡朋子/東野英治郎/山内賢/浜田光夫/二谷英明

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大正十一年林フミ子は県立尾道高等女学校の最上級生であった。
フミ子の母ミノと義父の茂介が行商で歩く貧しい生活であったが、フミ子は明るい文学の好きな少女であった。
おかずのたしにと、小川でしじみを取るフミ子に、網元の次男坊佐々木二郎は、好意をもって魚を贈ったりする、楽しい学生生活であった。
この頃フミ子は国語の教師森に、作文の批評を仰いでいた。
一方フミ子の家庭は茂介が遠く行商に出たまま、借金はかさみ、フミ子も月謝や修学旅行費を催足されていた・・・
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この映画は今から44年前、1964年の作品である。
吉永小百合は当時19歳。
他の出演者もみな若々しい。

舞台は大正15年の尾道。
行商人の娘林フミ子は女学校の生徒。
貧しいながらも明るく健気に生きる主人公の林フミ子を吉永小百合が演じる。

ストーリーはこの手のドラマにありがちなものだ。
だめな父親。
貧しい暮らし。
貧しさゆえに諦めざるを得ない出来事。
それでも明るく生きる主人公とそれを支えるまわりの人々の人情・・・

それはそれで良いのであるが、バックグラウンドもまた興味深い。
尾道と言えば今では観光地であるが、ここでは単なる田舎の村。
女学校といっても主は花嫁修業。
一杯四銭のうどん。
当時はローンなどというものはなく、貧しいものの金融手段は「つけ」と「質屋」。
間借りしている部屋は民家の2階で当然、部屋以外はすべて共有。
着物もバイオリンも新品などとは縁もなく、すべて質流れである。

そうした風俗を今と比較してみるのも一興である。
映画が今よりも娯楽として高い位置を占めていた1964年のこの年、吉永小百合は9本の映画に出演。
「サユリスト」と呼ばれるファンを生んだ。
心温まる人情ドラマであるとともに「温故知新」を求めて観てみる価値ある映画である。


評価:★★☆☆☆
posted by HH at 00:10 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ