2008年07月31日

【幸せのちから】My Cinema File 247

The Pursuit of Happyness.jpg

原題: THE PURSUIT OF HAPPYNESS
2006年 アメリカ
監督: ガブリエレ・ムッチーノ
出演: 
ウィル・スミス:クリス・ガードナー
ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス:クリストファー
タンディ・ニュートン:リンダ
ブライアン・ハウ:ジェイ・トゥイッスル
ジェームズ・カレン:マーティン・フローム
ダン・カステラネタ:アラン・フレーケシュ

<シネマトゥデイ>
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ホームレスから億万長者となり、アメリカンドリームを実現させた実在の人物、クリス・ガードナーの半生を基に描いた感動作。『メン・イン・ブラック』のウィル・スミスが人生の最も困難な時期を愛する息子とともに切り抜けた主人公を熱演。彼の実の息子が息子役を演じているのも見逃せない。監督はイタリア映画界の俊英ガブリエレ・ムッチーノ。単なるサクセスストーリーではなく、父子愛のドラマとして描き上げた監督の手腕に注目だ。
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81年、サンフランシスコ。
5歳の息子クリストファーを何より大切に思うクリス・ガードナーは、新型医療機器を病院に売り込む日々。
しかし大量に買い込んだ機器は滅多に売れず、家賃も払えない生活が続いていた。
そんなある日、彼は高級車から降りた男に成功の秘訣を尋ねたことをきっかけに、証券会社の養成コースに通うことを決意する。
受講者に選ばれるように、クリスは人事課長のトゥイッスルへ自己アピールするのだが…

実在の億万長者クリス・ガードナーの半生を描いた映画である。
ホームレスから億万長者へとまさにアメリカンドリームの体現者であるわけであるが、ホームレス時代の親子のストーリーには胸が苦しくなる思いがする。

歯車が逆回転するとすべてが悪い方向へと向かう。
お金を巡っての妻との口論は絶えず、子供の保育施設の待遇はよくない、壁の落書きもスペルミスしているような環境(happinessという落書きの綴り間違え=タイトルにもなっている)税金の滞納、時間に遅れそうになって止めた車は駐車違反切符を切られる・・・
家族のためになんとかしようと奮闘するクリスであるが、もがけばもがくほどはまる蟻地獄のような状況。

そんな彼がどうして億万長者になったのか?
映画であるから実話とはいえいろいろと脚色はあるようである。
Wikipediaによれば、ストーリーではほぼ1年間のドラマとなっているが、数年分のエピソードが入っているようである。
また5歳という設定の息子はもっと小さかったようである。

それはともかく、目の前に止まったフェラーリから降りてきた男に「何の仕事をしているのか」と訊ねたエピソードは実話だそうである。
その男が株式仲買人であったため、その道に進もうと決意したクリス。
そこには金になるのであれば何でもしてやろうという決意とあせりが伺える。
まさに男はつらいのである。

株式仲買人への道を決めたのはいいが、しかしそれには無給の6ヶ月間の研修を受け、20人のライバルたちのなかからたった1人採用されないといけない。
ただでさえ収入の乏しいクリス。
駐車違反の罰金が払えないと投獄される、家賃が払えないとすぐに追い出されるアメリカ社会は実にシビアである。
日本であればそうはいかない。

ホームレスも男一人ならともかく子供連れは辛い。
辛い心境を隠し、無邪気な子供を楽しませながら駅のトイレで一緒に寝るシーンはひたすら切ない限りである。
そんなハンディを負いながらも勉強し、ライバルたちとは異なる視点で仕事に取り組む涙ぐましい努力。
映画とはいえビジネスマンには見習うべきところは多い。

映画はそんな努力が少しだけ実るところで終わる。
しかし、映画のその後彼は自分自身で証券会社を立ち上げて大成功するのであるが、机一つで創業したちっぽけな証券会社ガードナー&リッチが、大会社へと躍進する過程ももう一つのドラマになりそうである。

ちなみに先のWikipediaによるとガードナー本人はウィル・スミスはミスキャストだと思ったらしいが、娘(実は娘もいるようである)の一言で思い直したようである。
ウィル・スミス親子の競演でも話題になった映画であるが、親子の愛情の物語としてみても良し、アメリカンドリーム体現者のサクセスストーリーとしてみても良し、ビジネスパーソンにはお勧めの映画である・・・


評価:★★★☆☆








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2008年07月30日

【モンスターハウス】My Cinema File 246

monsterhouse.jpg


原題: Monster House
2006年 アメリカ
監督: ギル・ケナン
製作総指揮:ロバート・ゼメキス/スティーヴン・スピルバーグ/ライアン・カヴァノー/ジェイソン・クラーク
声の出演: 
ミッチェル・ムッソ:DJ
サム・ラーナー:チャウダー
スペンサー・ロック:ジェ二ー
スティーヴ・ブシェミ:ネバークラッカー

<シネマトゥデイ>
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少年たちが力を合わせ、何でも飲み込んでしまう“モンスター・ハウス”に立ち向かうアドベンチャーアニメ。必死に化け物屋敷に挑む子どもたちの姿をユーモラスにみせる。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズなどの黄金コンビ、スティーヴン・スピルバーグとロバート・ゼメキスが製作総指揮を務めたことでも話題を呼んでいる。誰もが一度は空想するお化け屋敷の物語をひねりの効いた感動作に仕上げるあたりの手腕はさすがだ。
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3Dアニメの映画である。
単なるアニメと違って立体感があるため実写の感覚があって面白い。
製作総指揮がロバート・ゼメキス、ステイーヴン・スピルバーグとあって「らしい」遊び心満載の楽しい映画である。

自宅の目の前にある古びた家。
一人暮らしのネバークラッカー氏は偏屈な人間で、自宅の芝生に入るものは何人であれ許すことはなく、しかも入ったものは取り上げてしまうという始末。
そんな偏屈人間を恐れながらも気になって今日も望遠鏡で観察している少年DJ。
大人はこういう事はしない。
子供ならではの視点だ。

ある時、悪友チャウダーと遊んでいたらチャウダーのバスケットボールがその芝生に転がり込んでしまう。
チャウダーに泣きつかれて勇気を振り絞って取りに入るDJ・・・
そしてネバークラッカー氏に見つかるのだが、怒りのあまりネバークラッカー氏は倒れてしまう。そこから古びた家の不思議な現象が気になり始めるのだ。

主人公の12歳という年齢は微妙だ。
ハロウィーンで盛り上がる街中。
チャウダーは扮装してお菓子をもらいに行く事を楽しみにしている。
しかしDJはもうそんな子供ではないと思っている。
あい交錯する二人の想いが微笑ましい。

偶然通りかかった美少女ジェニーと3人でのモンスターハウスとの対決。
次第に全貌を現すモンスターハウスの動きも楽しい。
恐怖映画というよりも子供から大人へ脱皮する少年の冒険物語という感じだ。
夏休みという季節柄、子供と一緒に観るのもいいかもしれない映画である・・・


評価:★★☆☆☆











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2008年07月29日

【レッドプラネット】My Cinema File 245

Red Planet.jpg

原題: Red Planet
2000年 アメリカ
監督: アントニー・ホフマン
出演: 
ヴァル・キルマー:ロビー・ギャラガー
キャリー・アン・モス:ケイト・ボーマン船長
トム・サイズモア:クイン・バーチナル
ベンジャミン・ブラット:テッド・サンテン
サイモン・ベイカー:チップ・ペテンギル
テレンス・スタンプ:バド・シャンティラス

<allcinema ONLINE>
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2050年。地球は環境汚染によって破壊され、人類の希望は新天地・火星に委ねられていた。だが大量の藻を送り込み、酸素を発生させるという火星地球化計画はデータ送信の不通という結果となった。原因を調査すべく科学者グループが火星に向かったが、太陽フレアの影響で宇宙船はダメージを受け、船長以外のクルーは着陸船で火星に降り立つことになってしまう……。徹底した科学考証とリアルなSFXで火星での過酷なサバイバルを描くSFドラマ。
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近未来の地球。
火星への移住を目論む人類。
選ばれた科学者たちが火星へ向かい、そこで遭遇するトラブルを描いた作品である。
メンバーは6人。
船長だけが女性である。

この船長を演じるのはキャリー・アン・モス。
「マトリックス」では主人公ネオを助ける女性トリニティーとして個性を放っていた。
この映画はマトリックスの翌年の作品であるが、また違った印象である。

火星への到着と同時に太陽フレアの影響で宇宙船がダメージを負う。
緊急事態で緊迫する船内。
自動脱出装置は故障し誰かが残って手動で脱出させないといけない。
ここで自己犠牲の精神を発揮する船長。
「マトリックス」のトリニティーにも通じる決断力といえる。
しかし結果的にこれが一番生還に繋がるのだから人生どうころぶかわからない。

船長の働きで火星に降り立ったメンバーであるが、次々にトラブルに見舞われる。
こういうシチュエーションでは「制約条件」がスリルに役立っている。
未知の火星でありしかも緊急脱出したメンバーにとっては、@酸素に限りがあるA食料もないB地球から片道半年であり救助は期待できないC何が存在しているのかわからない、という制約条件があるのである。

宇宙空間と火星上での過酷なサバイバル。
交互に訪れる絶望と希望。
「もしも誰かが犠牲にならないと残りのメンバーが助からないとしたらどうするか」という究極の選択を突きつけられる。
自分だったらどう行動するだろう。
そう考えながら観ると面白いかもしれない。

主演のヴァル・キルマーも存在感がある。
古くは「トップガン」でトム・クルーズの同僚パイロット役が印象的であるが、「バットマン」「セイント」などの映画が個人的には気に入っている。
なんとなく三流映画的ではあるものの、いつの間にか引き込まれる映画である。


評価:★★☆☆☆











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2008年07月28日

【Gガール】My Cinema File 244

Ggirl.jpg

原題: My Super Ex-Girlfriend
2006年 アメリカ
監督: アイヴァン・ライトマン
出演: 
ユマ・サーマン:ジェニー・ジョンソン / Gガール
ルーク・ウィルソン:マット・サンダース
アンナ・ファリス:ハンナ・ルイス
エディ・イザード:ベッドラム教授(バリー)
レイン・ウィルソン:ヴォーン・ヘイジ
ワンダ・サイクス:カーラ
マーク・コンスエロス:スティーヴ

<シネマトゥデイ>
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スーパーヒロインとごく普通の男性の恋愛を描くパワー全開の“エロかっこいい”ラブコメディ。何もかもがケタ外れの美女と付き合うスリリングな恋をおもしろおかしく描く。ゴージャスなヒロインに『キル・ビル』シリーズのユマ・サーマンがふんし、彼女のパワーに恐れをなして逃げ出す会社員を『チャーリーズ・エンジェル』シリーズのルーク・ウィルソンが熱演する。嫉妬に狂ったヒロインによる、破壊力満点の復讐劇は爆笑必至。
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設計会社に勤めるマットは、ある事件がきっかけで、メガネの美女ジェニーと交際することに。だが実は、彼女の本当の姿は、ニューヨークの平和を守る正義の味方、Gガールだったのだ!彼女の激しいセックスに圧倒されるマットだったが、自分の恋人がGガールと知り、喜びを感じるのだった。そんなある日、マットはベッドラム教授に捕らわれる。彼はジェニーのハイスクール時代の同級生で、彼女に怨みを抱いていたのだった…

以前「スーパーマン」のヒットにあやかり「スーパーガール」という映画が作られた。
スーパーマンのいとこという触れ込みで、スーパーマンと同様のスーパーパワーを発揮して正義のために活躍するヒロインであった。

このGガールも胸にGマークをつけ、黒の衣装で空を飛びスーパーパワーを発揮するという点ではスーパーガールの二番煎じという感じがした。
冒頭、宝石店を襲った強盗を逃走途中で車ごと捕まえ警察署の前に落とす。
マシンガンの乱射もものともせずに犯人を捕らえる。
まさにスーパーガールそのものである。

そこに登場する冴えない男、マット。
それとは知らずにGガールをナンパし、偶然にもひったくりから彼女のバッグを(結果的に)取り返す。
これが、「いつも人助けばかりで助けられたのは初めて」というGガールの心を打ち見事彼女のハートを射止める。
しかし、そこに忍び寄る悪の影・・・

「スーパーマン」ではスーパーヒーローとヒロインの恋に正義と悪の対決で話が進んだ。
スーパーマンとロイスの空中デートはロマンティックであった。
この映画ではロマンティックとは少々ほど遠い。
デートでは激しすぎてベッドを壊したり、空中デートでやってしまったりと「スーパーマン」ではうやむやにされていた「現実」の恋愛風景がリアルに展開される。
お子様には難しいかもしれない。

強い女と弱い男の組み合わせに正義と悪(ベッドラム教授)の対立で話が進むのかと思いきや、予想外の方向へと物語は進む。
このGガールはスーパーヒーローでありながら、スーパーマンのように人間的にも立派ということはなく、性格も変わっていて嫉妬深いのである。
それに気がついて腰が引けるマット。
同時に同僚のハンナに心惹かれる・・・

スーパーヒーローが悪を対峙する勧善懲悪ものかと思っていたが、途中で思いもかけない方向へストーリーは転換。
なかなかのストーリーであった。
単なる勧善懲悪ものでは「スーパーガール」との違いがなく面白みもない。
最後の意外性が楽しいエンディングであった。

主役のユマ・サーマンは「パルプ・フィクション」「キル・ビル」で有名であるが、その美しい顔立ちが妙に特徴的である。
その他この「マイシネマ日記」で取り上げたところでは「レ・ミゼラブル」に出演しているが、裏表のあるGガールはまた違った印象である。

意外性に一票といった感じの作品である。


評価:★★★☆☆










posted by HH at 10:06| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | コメディ/ラブコメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月27日

【燃ゆるとき】My Cinema File 243

燃ゆるとき.jpg

2006年 日本
監督:  細野辰興
出演: 
中井貴一:川森潔(資材営業)
大塚寧々:川森隆子(妻)
長谷川初範:小田島武史(営業幹部)
中村育二:西村一郎(経理マネージャー)
鹿賀丈史:深江光司(SanSun社社長)
津川雅彦:高木療太郎(東輝水産社長)
伊武雅刀:大村薫(工場長)

<シネマトゥデイ>
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『金融腐蝕列島 [呪縛]』の高杉良による、ベストセラー小説を映像化した社会派ドラマ。『シャブ極道』などの細野辰興監督が、実在する食品会社をモデルにした物語をリアルに描き出す。単身アメリカで工場の再生を任される主人公に中井貴一がふんし、持ち前の誠実さで逆境と苦難に立ち向かう営業マンを好演する。小田和正が歌う主題歌も、先の見えない日本経済を憂う映画の世界観を効果的に盛り上げている。
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即席めんを主力商品として、アメリカ大陸にも拠点を置く食品会社・東輝水産は、安価な新商品を売り出すアジア各国の企業に押され気味で、工場再建が不可欠となっていた。社長と現地法人の社長の命で単身渡米した資材担当・川森は、さっそく再建に着手する。
まずは現地従業員の一時的なレイオフ。そして大幅なコストカット。このあたりは米国ならではである。
さらにアメリカ人の嗜好に合う、新たな安くておいしいカップ麺の開発。
古株社員と対立しながらも再建は進められ、新発売されたカップめんの評判は上々、すべては順調だと思われたが…というストーリー。

カップ麺といえば日本ではカップヌードルで有名な日清食品であるが、海外では少々事情が異なる。
赤いきつねと緑のたぬきでお馴染みの東洋水産がブランドを確立している。
とくにメキシコでは圧倒的なシェアで、「マルちゃん」という言葉は現地語に溶け込んでいるそうである。

そんな東洋水産であるが、順風満帆というわけではなく市場開拓には苦労があったという。
そんなアメリカでの苦労を映画化したのが本作品。
原作は高杉良のベストセラーとなった同名小説。
高杉良といえば「金融腐食列島」などで、どこまで本当なのだろうと思わせられる小説が多く、したがって本作品も原作は読んでいないのだがかなり期待してしまった。上記のストーリーのさわりを読んでいただいてもそれは普通の反応だと思う。

しかし、結論から言えば期待はずれの空振り三振であった。
原作はどうなのだろうか。
たぶんそれなりに高杉良の名前にふさわしいものであるのだろうと想像はされる。
しかしわずか2時間という映画の限界なのだろう。短い時間に伝えられるエピソードは限られている。
原作は読んでいないが、原作が面白いとすればここに原因があるのであろう。

企業の奮闘記の映画化といえばビデオのVHS開発を扱った「陽はまた昇る」が思い起こされる。こちらはかなり満足のいく内容であった。
個人的にはこういう映画は好きである。
したがって本作品にも相当の期待があっただけに残念である。

中心となるのは資材担当の川森。
単身赴任で現地に溶け込みながらの改革を目指す。
アメリカ企業とは一線を画し、日本的経営でトップブランドを目指すのである。
しかし、エピソードはどれも底が浅く展開がわかりすぎるほどわかってしまい、逆に白々しい。さらっと上辺だけを撫でたようなイメージである。
それだけでは人の心は動かない。

映画ではなく原作をじっくりと読んでみたいと思わされた一作である・・・


評価:★★☆☆☆







posted by HH at 09:56| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 実話ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする