
原題: SHAFT
2000年 アメリカ
監督: ジョン・シングルトン
出演:
サミュエル・L.ジャクソン:ジョン・シャフト
ヴァネッサ・ウィリアムズ:カーメン・ヴァスケス
ジェフリー・ライト:ピープルズ・ヘルナンデス
クリスチャン・ベール:ウォルター・ウェイド・Jr
バスタ・ライムス:ラサーン
<シネマトゥデイ>
********************************************************************************************************
麻薬に汚染され、警察組織にも腐敗がはびこる街ニューヨーク。刑事ジョン・シャフトは、黒人学生殺害の容疑でウォルターを逮捕する。しかし、ウォルターの父親は有名な不動産王で金の力で保釈、そのまま海外逃亡してしまう。それから2年、ウォルターが極秘に帰国してきたところを再逮捕することに成功したシャフトだったが、またしても保釈が成立。金に動く司法制度に絶望したシャフトはついに、組織を離れ孤独な戦いを開始するのだった。
********************************************************************************************************
1971年の作品「黒いジャガー」のリメイク版である。
リメイクといっても1971年版とはまったくストーリーも違うようである。
しかも1971年版は私立探偵であるが、本作品ではまだ刑事である。
というわけで、まったく別の映画として観た方がむしろいいのかもしれない。
悪が幅を利かせるニューヨーク。
金持ちの人種差別主義者である白人青年がクラブで黒人を殴り殺す。
すぐに逮捕されるが、金の力で釈放されスイスに逃げてしまう。
金の力がすべてなのか、貧しい者は泣き寝入りするしかないのか、観る者の正義感をやたらと煽り立てる。
刑事にはもちろん守らなければならないルールがある。
犯罪者であってもやたらと殴ってはいけないし、悪人であれば何をしてもかまわないという事はない。しかし、さんざん正義感を煽られたあとはシャフトのルール無視の態度にはすっきりとさせられてしまう。
ストーリーはこのいけ好かない白人男を追い詰めるために目撃者を探すシャフトと金の力でそれを逃れようとする白人男、それにギャングのグループとの対立を交えた勧善懲悪ものだ。
警官の中にも買収されてギャングに味方するものがおり、スムーズにはいかない。しかし結局はシャフトが悪人を逮捕してめでたしめでたしとなる事はみえており安心して観てはいられる。アメリカ映画らしいといえばらしい映画である。
でも逮捕したところで裁判はどうなるのだ。
金の力に勝てるのか?
「例え目撃者が現れても大丈夫だ」と弁護士が言っていたではないか。
いろいろと疑問点もあったのだが、それは最後に意外な形でけりがついた。
観客としてはすっきりと観終える事ができた。
疲れた時に何も考えずにすきっとしたい映画を観たい気分の時にはお勧めしたい映画である。
評価:★★☆☆☆