2009年02月28日

【アンフェア】My Cinema File 357

アンフェア.jpg

2006年 日本
監督: 小林義則
出演: 篠原涼子/椎名桔平/江口洋介/成宮寛貴/阿部サダヲ/濱田マリ/加藤ローサ/加藤雅也/大杉漣/寺島進

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バツイチ、子持ち、大酒飲み。
しかし、検挙率No.1の敏腕刑事の雪平は、警察の不正が書かれているという極秘文書を追っていた。
元同僚の三上からは、危険だから手を引けと忠告されるが、信念は揺らがなかった。
ある朝、雪平は娘の美央を学校に送るのをベビーシッターに任せ、三上と電話をしていた。
どことなく寂しそうな娘だが、話に夢中の雪平は気付かない。
「娘を車で送るのはよせ」、三上が言った瞬間、外で大きな物音がした・・・
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テレビドラマの存在をまったく知らなかったのであるが、この映画はその映画版らしい。
篠原涼子が美貌とは裏腹にバツイチ、子持ち、大酒のみかつ荒っぽい手口の検挙率1という刑事を演じている。
確かに銃を構えた姿は様になっている。

しかしどうにもこうにも「お芝居してる」演技で役柄とフィットしていない。
篠原涼子ってたぶん運動神経悪いんだろうなと、失礼ながら感じてしまった。
こういうかっこいい役柄は、シャープな動きがないとだめなのだ。
スティーヴン・セガールが、どすんどすんと動いているのとは違った意味でアクションには不向きだ。

さらにテレビドラマの存在は初めて観る人への説明不足に繋がる。
大酒のみと言っても飲むシーンはないからセリフだけ。
相棒なのか同僚との関係もよくわからない。
常連さんで盛り上がっているお店に初めて入った客の気分にさせられる。

ストーリーも稚拙。
細かい突っ込みを入れるほど野暮ではないが、ある程度のリアリティがないとドラマに入っていけないのも事実。
「日本の警察」で、自らの利益を守るためにマフィアよろしく車を爆破して暗殺したり、狙撃したりするグループがあると言われてもしっくりとこない。

初めはもともと正義感に燃えていたが巨悪の前に挫折し、復讐の鬼と化したテロリストのリーダー後藤がやむなく犯罪に走っている姿が描かれ、犯罪者ながらも同情を誘うところがある。
しかし、最後は単なる悪人に堕してしまった。
あらゆる意味において迫力の欠如したアクション映画である。


評価:★☆☆☆☆

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2009年02月23日

【幸せのレシピ】My Cinema File 356

幸せのレシピ.jpg

原題: No Reservations
2007年 アメリカ
監督: スコット・ヒックス
出演: キャサリン・ゼタ=ジョーンズ /アーロン・エッカート/アビゲイル・ブレスリン/ボブ・バラバン/パトリシア・クラークソン

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ニューヨークの人気レストランで料理長を務めるケイトは完全主義者。
仕事に対する情熱は人一倍。
厨房では料理人たちを取り仕切り、目が回るような忙しさの中、正確に、完璧に、すべての料理を仕上げていく。
積み重ねてきたキャリア、努力して手に入れた自信と賞賛、やりがいのある仕事、築き上げた自分の居場所。
でも、気付かない幸せは、自分が決めたレールの外にあるのかもしれない…。
予期せぬ出来事から“完璧な厨房”の外へと踏み出すことになったケイトが見つけた新しい自分とは…
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キャサリン・ゼタ=ジョーンズが人気レストランの料理長に扮した一作。
腕前はぴか一で、厨房を仕切り、戦場のような中で正確に仕事をこなす女性。
そんな女性が描かれる場合、なぜかプライベートに欠点があるように描かれる事が多いような気がする。
仕事に夢中になっていたがため、独身で恋人もなく趣味が仕事、というような人物像である。

まあ男でも成功者は「家庭を顧みない」という事もある。
しかし、その場合でも家庭以外のところで浮名を流していたりして、肯定的に描かれるのに対して、女性の場合はなぜか否定的に描かれる傾向にあるように感じる。
それはまるで、「女はそうでもしないと男のように成功できないのだ」と思い込みたいからのような気がする。

主人公のケイトはまさに料理以外はまったくだめ。
それがある日突然姉が事故死して、その子供ゾーイと暮らすようになる。
しかし、いくら自慢の料理を作ってもゾーイは料理を食べようとしない。
そんな中で新たにレストランに雇われてきたニック。
ケイトはニックに反発心を覚えるが、なぜかゾーイはニックの作ったパスタをぺろりと平らげる。

映画はケイトとニックとゾーイの物語である。
キャサリン・ゼタ=ジョーンズと言えば、ショーン・コネリーと競演したエントラップメントが印象に残っている。
美人の泥棒役が優雅であった。
ターミナルやオーシャンズ12にも出ていた彼女は実はマイケル・ダグラスの奥さんである。

アーロン・エッカートも最初はジム・キャリーと見分けがつかなかったが、「ダーク・ナイト」ではジョーカーに崩されていく正義の検事を熱演していたのが記憶に新しい。

厨房を中心に繰り広げられる3人のドラマ。
安心して観ていられる映画である。

その他のアーロン・エッカート作品
「サンキュー・スモーキング」
「サスペトク・ゼロ」


評価:★★★☆☆


   
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2009年02月22日

【パンズラビリンス】My Cinema File 355

パンズラビリンス.jpg

原題: El laberinto del fauno、英題:Pan's Labyrinth
2006年 メキシコ=スペイン=アメリカ
監督: ギレルモ・デル・トロ
出演: イバナ・バケロ/セルジ・ロペス/マリベル・ベルドゥ/ダグ・ジョーンズ/アリアドナ・ヒル

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1944年、内戦終決後のスペイン。
父を亡くした少女オフェリアは、身重の母と共にゲリラが潜む山奥で暮らし始める。
そこは母が再婚したフランス軍のビダル大尉の駐屯地だった。
体調の思わしくない母を労りながらも、冷酷な義父にどうしても馴染めないでいた彼女の前に妖精が現れ、森の中の迷宮へと導く。
そこではパン(牧神)が王女の帰還を待っていた。
オフェリアは魔法の王国に戻るために3つの試練を与えられるのだった・・・
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冒頭で魔法の王国から人間界に行き、戻れなかった王女のお話が語られる。
それを読むのは身重の母と共に母親の再婚相手であるビダル大尉の駐屯地に向う少女オフェリア。
ストーリーは駐屯地にある古い迷路から現れた妖精と少女の物語とビダル大尉率いる正規軍とゲリラの戦いとの物語が平行する。

オフェリアの前に現れた虫が妖精へと変化する。
妖精に導かれて古い迷路の奥に行ったオフェリアはそこでパンに出会う。
パンによって自分がかつて魔法の王国に暮らし人間界に出て戻れなかった王女だと知る。
王国に戻るために果たさねばならない試練が3つ。

一方で政府軍と合い対峙するゲリラ。
山腹に潜み政府軍の中でスパイとして活動する仲間と共に抵抗運動を続ける。
残忍なビダル大尉は容赦なくゲリラを殺害、拷問する。
残酷な現実とおとぎ話が並存していく。
まるで現実に目を背けるかの如く・・・

何事もハッピーエンドのハリウッド映画と比べて、やっぱりヨーロッパ映画は一味違う感じがする。
観終わってあれこれと想像してしまう映画である・・・


評価:★★☆☆☆

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2009年02月21日

【アイ・アム・レジェンド】My Cinema File 354

アイアムレジェンド.jpg

原題: I AM LEGEND
2007年 アメリカ
監督: フランシス・ローレンス
出演: ウィル・スミス/アリーシー・ブラガ/ダッシュ・ミホック

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2012年、人類が死滅してしまった地球でたった1人、有能な科学者のロバート・ネビルだけが生き残る。
彼は究極の孤独と闘いながら、愛犬サムとともにほかの生存者の存在を信じて無線で交信を続ける。
太陽の光が消え去ると、いっせいにうごめき出す不気味な影、“ダーク・シーカーズ”の脅威と闘いながら、途切れそうになる希望をたぐり続ける日々。
そんなある日、ネビルは、ある驚くべき事実に気づく・・・
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映画を観る前にはあまり情報を仕入れないようにしている。
したがって、人類が死滅してしまった「地球にたった一人残った男の物語」とはどんなものかと期待してみた。

たった一人しかいない、という事は「なぜ一人になったのか」を会話をしながら明らかにするなどという事ができない。
過去の回想シーンを通じてのみそれがなされる。
しかし、それすらも明らかでなく何となく想像するに留められてしまう。

例えば冒頭で癌の特効薬が開発されたというニュースシーンが流れる。
だが、それからいきなり無人の3年後である。
その特効薬に何か原因があったかのようであるが、それは最後まで明らかにならない。
そういうのがいくつかあって不満が残ってしまった。
時間的にも余裕があったし、もう少しエピソードを膨らませたら幅のある面白いストーリーになっていたに違いない。

一人きりなのに日没を告げるアラームを気にするネビル。
家では頑丈に戸締りをする。
やがてその理由が明らかになる。
そこから全貌が見えてくる。
だんだんと牽き付けて行くストーリー展開はいい感じだ。

無人のニューヨーク市街もよくできている。
CGを利用しているのだろうが、実際に無人になって3年もしたらこんな風になるのだろうと思わせられる。
マジソンスクウェアなどの有名スポットも登場し、なかなかのものである。
無人の市街でのハンティングシーンもおつである。
自分だったらどうやって生きていくだろう・・・

原作はリチャード・マシスンというSF作家の小説らしい。
原作は吸血鬼との戦いという事になっているらしいがあらすじを読んでみるとなんだかこれも面白そうに思える。

アメリカ映画らしからぬエンディング。
十分に楽しめる作品だ・・・


評価:★★★☆☆


      

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posted by HH at 12:01 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | SF/近未来ドラマ

2009年02月16日

【イグジステンズ】My Cinema File 353

イグジステンズ.jpg

原題 : eXistenZ
1999年 カナダ
監督: デイヴィッド・クローネンバーグ
出演: ジェニファー・ジェイソン・リー/ジュード・ロウ/イアン・ホルム/ドン・マッケラー/ウィレム・デフォー

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近未来。
誰もが脊髄にバイオポートなる穴を開け、そこにゲームポッド(=コントローラー)を接続して仮想現実ゲームを楽しんでいた。
新作ゲーム「イグジステンズ」の発表会場で、カリスマ的な天才ゲームデザイナー、アレグラが突然銃撃され、警備員のテッドは彼女を連れて逃亡。
事件の背後には会社もからんだ陰謀があるらしい。
真相を探るべく、アレグラの友人ビヌカーの助けを受けてゲームのなかに身を投じるふたり・・・
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仮想世界をテーマにした映画という点では「マトリックス」にも相通じるものがある。
偶然ながらこの両者とも同じ年の製作である。

「マトリックス」では首であったが、この映画では人々は背中に穴を開け、そこにゲームポッドを接続して仮想世界でのゲームを楽しんでいる。
そこはマトリックスと同様の現実と区別のつかない世界が広がっている。
これは現実なのかゲームなのか。
そこがこの手の映画のポイントとなる。

イグジンステンズとは映画に出てくるゲームの名前。
このゲームを巡る陰謀に巻き込まれ、ゲームのプログラマーであるアレグラと偶然居合わせた警備員テッドの逃避行が始る。
ゲームの損傷を確かめるため、二人は一緒にゲームの世界に入るが、そこでもやはり陰謀に巻き込まれていく。
虚実が混在する中で、意外な結末が待ち受ける。

監督はあのデイヴィッド・クローネンバーグ。
「デッドゾーン」「ヒストリー・オブ・バイオレンス」、「ザ・フライ」を手がけた監督である。
クローネンバーグ作品は奥が深い。
この仮想現実世界を描いた作品も「マトリックス」に成功は持っていかれたものの、しっかりとその不気味さを描いている。
ラストの結末も「やられた」と思わせるものである。

地味であるが座布団1枚といったところであろうか・・・


評価:★★☆☆☆
posted by HH at 23:00 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | SF/近未来ドラマ