2009年04月30日

【マッドマックス】My Cinema File 384

マッドマックス.jpg

原題: MAD MAX
1979年 オーストラリア
監督: ジョージ・ミラー
出演: 
メル・ギブソン:“マックス” マクシミリアン・ロカタンスキー
ジョアン・サミュエル:“ジェシー” ジェス・ロカタンスキー
スティーヴ・ビズレー:ジム "グース" レインズ
ヒュー・キース・バーン:トーカッター
ティム・バーンズ:ジョニー・ザ・ボーイ

<シネマトゥデイ>
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 近未来、暴走族と戦いを繰り広げる警官たち。友人に続いて妻と息子を殺されたマックスは遂に暴走族への復讐に出る。舞台がオーストラリアの原野だからこそ成し得たカーチェイス・シーンの凄さで、一躍豪映画界を世界に知らしめた傑作アクション。
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時は荒廃した近未来。
巷では暴走族による凶悪事件が多発している。事件は、暴走族でもあり警官殺しの凶悪犯ナイトライダーが、暴走族専門の特殊警察「M.F.P」から、追跡専門に改造されたパトカー「インターセプター」を奪って逃走することから始まる。それを「M.F.P」のメンバーたちが乗ったパトカーが追走するが、ナイトライダーはことごとく振り切っていく。「M.F.P」に所属する警官マックス・ロカタンスキーは、無線に入ってきた情報を聞きつけ、おもむろに黄色いインターセプターを発進させていく。そしてマックスはナイトライダーを発見し追いつめるのだが、マックスが操るインターセプターに恐怖を感じたナイトライダーは運転操作を誤り、事故現場に突っこんで即死してしまう・・・

ご存知メル・ギブソンの出世作である。
ただし、本当の意味で「マッド・マックス」シリーズが有名になったのは第2作からだ。
核戦争後の荒廃した世界で暴走族との死闘を描き、各方面にも多大な影響を与えている。
しかし、この第1作は近未来としながらも、ほぼ現実の世界と変わらない。
暴走族といっても、第2作以降のようなアブナイ凶暴性は皆無と言える。

若かりし日のメル・ギブソン。
声こそ変わらぬ低音であるが、若々しく甘いマスクは凄みなど微塵も感じさせられない。
年を経るごとに味がでるものだとすると、「リーサル・ウエポン」シリーズで頂点に達するまではまだまだだ。
そんなちょっと物足りないヒーローであるが、一方で暴走族もレベル的には街のちんぴら程度であり、これも凄みはない。
まあ時代を経てそういう悪役も進化していくものだと考えれば、30年前ではこれで十分だったのかもしれない。

ストーリーも単純である。
パトカーを奪った暴走族のメンバー、ナイトライダー。
それを追う警官たち。
しかし、翻弄されてしまう。
メル・ギブソン扮するマックスが見事ナイトライダーを追い詰めるが、ナイトライダー自身は事故って死んでしまう。

ナイトライダーの敵討ちに来た暴走族のメンバーとマックスとの戦い。
しかし、勝負はあっけなく、発展途上の映画としてはこんなものなのかもしれない。
いずれにせよ、「マッドマックス2」の登場によってこのシリーズは真骨頂を迎える。
そういう意味では、「ターミネーター」シリーズの第1作と同じような「露払い」的な映画と言えるのかもしれない一作である・・・


評価:★★☆☆☆











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2009年04月29日

【シューテム・アップ】My Cinema File 383

シューテム・アップ.jpg

原題: SHOOT 'EM UP
2007年 アメリカ
監督・脚本 : マイケル・デイヴィス
出演: 
クライヴ・オーウェン:スミス
モニカ・ベルッチ:ドンナ・キンタナ
ポール・ジアマッティ:カール・ハーツ
スティーブン・マクハッティ:ハマーソン
グレッグ・ブライク:ロン・マン

<シネマトゥデイ>
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一匹狼の謎の男がある陰謀に立ち向かうスタイリッシュなアクション娯楽作。偶然、死に際の妊婦から赤ん坊を託された男が巨悪相手に激しいバトルを徹底的に見せる。無敵だが情け深いヒーローを演じるのは『トゥモロー・ワールド』のクライヴ・オーウェン。彼のなじみの娼婦を『マトリックス』シリーズのモニカ・ベルッチがなまめかしく演じる。ジョン・ウーのファンであるマイケル・デイヴィス監督がみせる怒とうの銃撃戦や、ひねりの効いた小技の連続に圧倒される。
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これはストーリーなどあってないような映画。
とにかくドンパチ。
ドンドンパチパチと最初から最後まで銃撃戦の雨あられ。
単純に楽しめるといえば楽しめる。

ドラマはNYの裏通りから始る。
スミスはベンチに腰掛け、なぜか生ニンジンを齧っている。
目の前を妊婦が逃げていく。
怪しげな男が銃をもって追いかける。
スミスは「やれやれ」といった様子で腰を上げる。

いきなりの銃撃戦だが、何がなんだかよくわからない。
銃撃戦の最中に妊婦は産気づく。
お産させながらも襲い来る敵とドンパチ渡りあう。
ここから延々と謎の敵との死闘である。

段々と謎が明らかにされる。
スミスを追う敵の正体と目的も明らかになる。
そして銃撃戦もエスカレート。
それはもはや漫画の世界。
「そんなのありか」などと目くじら立ててはいけない。
「トムとジェリー」のアニメを思い出すといい。
次から次へとありえない展開がギャグのように続く。
これはそんな映画だ。
真面目に観るよりもアニメ映画を観るような気分で観た方がいい映画である・・・


評価:★★☆☆☆






posted by HH at 22:43| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月27日

【明日への遺言】My Cinema File 382

明日への遺言.jpg

2008年 日本
監督:  小泉堯史
出演: 
藤田まこと:岡田資
ロバート・レッサー:フェザーストン主任弁護人
フレッド・マックィーン:バーネット主任検察官
リチャード・二―ル:ラップ裁判委員長
西村雅彦:町田秀実
蒼井優:守部和子
田中好子:水谷愛子
富司純子:岡田温子

<シネマトゥデイ>
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第二次世界大戦終了後、B級戦犯裁判をたった一人で戦い抜いた岡田資(たすく)中将の誇り高き生涯を描く感動作。戦争文学の第一人者である大岡昇平の「ながい旅」を原作に、『博士の愛した数式』の小泉堯史監督が構想15年をかけて映画化。敗戦直後の混乱の中で自身の責任と信念を貫き通した岡田中将を、ベテラン藤田まことが熱演する。軍人の夫を愛情深く見守る妻に富司純子がふんするほか、西村雅彦、蒼井優ら多彩な顔ぶれが共演し、ナレーションを竹野内豊が担当していることでも話題。
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戦後の戦犯を巡る裁判としては、いわゆる「東京裁判」が有名であるが、「東京裁判」は戦争遂行のリーダーたちであるA級戦犯を扱ったもの。
それ以外の下のクラスに対してはB、C級戦犯としてもっと細々とした事件が裁かれた。この映画はB、C級戦犯の裁判を扱ったものである。

戦争犯罪といっても難しい。
そもそも戦争自体、「汝殺す事なかれ」というキリスト教の十戒に背くものである。
本件でテーマとなったのは、「空襲にやってきて撃墜された米軍パイロットを捕虜として扱わず、正式な手続きを踏まずに処刑した」という事が罪になるかという事である。
米軍は無差別爆撃によって大勢の無力な市民を虐殺している。
例え正式な手続きを踏んでいなくともそれが罪になるのであれば、米軍の虐殺行為はどうなるのか?それこそナチス同様「人道に対する罪」にあたるはずである。事実、ハーグ条約では軍事目標以外への爆撃は明確に禁止されている。

そんな矛盾をはらんだ戦犯裁判。
要は戦勝国による敗戦国に対する懲らしめである。
公平性などそもそもないのが戦犯裁判なのである。

ドラマはパイロットたちを処刑した東海軍の軍人たちに対する裁判として描かれる。
司令官は岡田資中将。
処刑の事実は認めた上で、一般市民を無差別に爆撃行為自体が国際法に定めた違法なもので、したがって略式手続きで処罰したのは正当である、と中将は真っ向から反論する。
裁判自体を「法戦」と名付け、部下の罪を一人で被るべく自らの持論を主張する姿が描かれる。不安に慄く部下を励まし法廷に立つ姿はまさに日本軍人のあるべき姿とでも言うべきものである。

注目すべきは弁護人のフェザーストン博士である。
同じアメリカ人でありながら、無差別爆撃の違法性を真っ向から主張する。
もともと公平性などない戦犯裁判でありながら、弁護人だけは公平な立場で弁護に回っており、そこだけが唯一救われるところである。
そして裁判長や中将を訴追した米軍検事でさえも、岡田の姿勢に心動かされていく・・・

戦争とは何か。
裁判とはどうあるべきか。
人としてのあり方は。
いろいろな視点から深く考えさせられる映画である・・・


評価:★★★☆☆






posted by HH at 10:58| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 実話ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月26日

【ベオウルフ/呪われし勇者】My Cinema File 381

ベオウルフ.jpg

原題: Beowulf
2007年 アメリカ
監督 : ロバート・ゼメキス
脚本 : ニール・ゲイマン 、 ロジャー・エイヴァリー
出演 :
レイ・ウィンストン:ベオウルフ
アンソニー・ホプキンス:フロースガール
ジョン・マルコビッチ:アンファース
ロビン・ライト・ベン:ウィールソー
アンジェリーナ・ジョリー:グレンデルの母

<シネマトゥデイ>
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イギリス文学の「指輪物語」にも影響を与えたという歴史上最古の英雄叙事詩を、『ポーラー・エクスプレス』のロバート・ゼメキスが映画化。伝説的な英雄たちの時代を舞台に、最高の戦士ベオウルフの壮絶な戦いが展開する。主人公ベオウルフを演じるのは『ディパーテッド』のレイ・ウィンストン。ベオウルフの敵グレンデルの母親をアンジェリーナ・ジョリーが演じるほか、アンソニー・ホプキンス、ジョン・マルコヴィッチらベテラン勢が脇を固める。ゼメキス監督ならではの壮大でファンタスティックな作品世界が堪能できる。
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6世紀のデンマーク。
フローズガール王が盛大な宴を催す中に、醜く巨大な怪物グレンデルが姿を現した。
人々を虐殺したグレンデルに対し、王は褒賞を用意して討伐隊を募集。
これに応じた戦士ベオウルフは、見事グレンデル撃退に成功する。
戦勝を祝い再び華やかに繰り広げられる宴。
しかし翌朝ベオウルフが目にしたのは、皆殺しにされた兵士たちの姿だった。
彼はその犯人と思しきグレンデルの母親の元へと向かうが……

古代ヨーロッパの叙事詩を映画化したものであるらしい。
何となく不思議な雰囲気の画面であるなと思いつつ観ていると、ふとその正体に気がつく。
なんと実写ではなくアニメーション、いやたぶんCGなのだろうと気がつく。
登場人物たちはほぼ実写と見まがうばかりなのであるが、手のひらの動きなどがアップになると明らかに違和感がある。
こういう映画もこれからの主流になるのかという予感がさせられる。

英雄叙事詩には勇者が登場し、ドラゴンなどの怪物を退治する。
そして美しい妻を娶るというのが王道である。
この映画もその王道に沿っている。
そして勇者ベオウルフはあくまでも勇猛果敢なのである。
奇怪な怪物グレンデルを退治するに当たり、鎧をすべて脱ぎ捨て、すっぽんぽんで怪物が現れるのを待つ。そして素手で立ち向かうのである。

伝説を題材としている所以であろうか、勇者ベオウルフはどこまでも勇敢で、そして強い。
どこまでも無敵かと言えば、グレンデルの母親に対してはそうでもない。
それがドラマを盛り上げる要素でもある。
とは言え英雄を描いたこの抒情詩。
全編CGとあわせて一見の価値はあるであろう一作である・・・


評価:★★☆☆☆








posted by HH at 00:17| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月25日

【バイオハザードV】My Cinema File 380

バイオハザードV.jpg

原題: RESIDENT EVIL: EXTINCTION
2007年 アメリカ
監督 : ラッセル・マルケイ
製作・脚本 : ポール・W・S・アンダーソン
出演 :
ミラ・ジョボビッチ:アリス
オデッド・フェール:カルロス・オリヴェイラ
アリ・ラーター:クレア・レッドフィールド
マイク・エップス:ロイド・ジェファーソン・ウェイド(L.J.)
アシャンティ:ベティ
スペンサー・ロック:Kマート
イアン・グレン:アイザックス博士
クリストファー・イーガン:マイケル・ファーバー
ジェイソン・オマラ:アルバート・ウェスカー

<シネマトゥデイ>
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同名ゲームを原案に女優のミラ・ジョヴォヴィッチが主演する人気サバイバル・アクションのシリーズ第3弾。ウィルスによる未知の人災が進み、荒れ果てた砂漠のラスベガスに舞台を移した本作では、アンブレラ社の陰謀に勇敢に立ち向かう女戦士アリスの過酷な運命が描かれる。今回はゲーム版の主要キャラクター、クレア・レッドフォードと宿敵タイラントが登場。シリーズ最大のスケールで放たれる驚がくのラストバトルから目が離せない。
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ご存知ゲームでも有名な「バイオハザード」シリーズの第3弾。
主演は前作、前々作から引き続きミラ・ジョヴォヴィッチである。
いわゆるゾンビ物なのであるが、一ひねり効いている。
ゾンビ物も元祖「ゾンビ」以来、まさにゾンビが繁殖するがごとく世に広まった。
その恐ろしい事のひとつは数が無数に増えていくことであろう。

映画の冒頭でバイクを駆るアリスの下に届いたSOS。
行ってみれば生き残りが罠を仕掛けていた。
捕まえられたアリスに面白半分にけしかけられた犬はゾンビ犬。
ウィルスに感染したものは動物でもゾンビ(映画ではアンデットと呼ばれている)になってしまう。
人間の場合はひょこひょこ歩いてくるから足に自信があれば逃げられそうである。
でも犬や集団で襲い来るカラスはちょっと無理そうである。

シャワー室で倒れていたアリスが目覚め、体にぴったりとフィットした赤いドレスでなぞの屋敷の中をさまよう様子は第1作からお馴染みのシーン。
アリスのアクションがここでも見られる。
アリス=ミラ・ジォヴォヴィッチのアクションは、たぶんここから「ウルトラ・ヴァイオレット」に派生していったのだが、アクション女優として定着した感がある。
もっとも美貌があるからこそ一層アクションが引き立つものである。

第3作ではついにウィルスが世界へと蔓延し、いたるところにアンデットがうろうろする。
定住は危険ゆえに生き残りは旅に生きる道を求める。
しかし、生産活動も止まり、食料を初めとしてガソリンすらあるもので賄わないといけない。
世の中は砂漠化した無法世界。
かつて『マッドマックス』で描かれた近未来の無法砂漠地帯のようである。
その映画はさまざまなエッセンスから成り立っているようである。

希望を求めて生き残りを図る人類。
自己犠牲により仲間を守ろうとする勇気ある人々。
アリスの活躍と相俟って見所多い映画である。


評価: ★★★☆☆








posted by HH at 11:10| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | アクション/シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする