2009年04月30日

マッドマックス

マッドマックス.jpg

原題: MAD MAX
1979年 オーストラリア
監督: ジョージ・ミラー
出演: メル・ギブソン/ジョアン・サミュエル/スティーヴ・ビズレー/ヒュー・キース・バーン

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時は荒廃した近未来。
巷では暴走族による凶悪事件が多発していた。
事件は、暴走族でもあり警官殺しの凶悪犯ナイトライダーが、暴走族専門の特殊警察「M.F.P」から、追跡専門に改造されたパトカー「インターセプター」を奪って逃走することから始まる。
それを「M.F.P」のメンバーたちが乗ったパトカーが追走するが、ナイトライダーはことごとく振り切っていった。
「M.F.P」に所属する警官マックス・ロカタンスキーは、無線に入ってきた情報を聞きつけ、おもむろに黄色いインターセプターを発進させていく。
そしてマックスはナイトライダーを発見し追いつめるのだが、マックスが操るインターセプターに恐怖を感じたナイトライダーは運転操作を誤り、事故現場に突っこんで即死してしまった・・・
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ご存知メル・ギブソンの出世作である。
ただし、本当の意味で「マッド・マックス」シリーズが有名になったのは第2作からだ。
核戦争後の荒廃した世界で暴走族との死闘を描き、各方面にも多大な影響を与えている。
しかし、この第1作は近未来としながらも、ほぼ現実の世界と変わらない。
暴走族といっても、第2作以降のようなアブナイ凶暴性は皆無と言える。

若かりし日のメル・ギブソン。
声こそ変わらぬ低音であるが、若々しく甘いマスクは凄みなど微塵も感じさせられない。
年を経るごとに味がでるものだとすると、「リーサル・ウエポン」シリーズで頂点に達するまではまだまだだ。
そんなちょっと物足りないヒーローであるが、一方で暴走族もレベル的には街のちんぴら程度であり、これも凄みはない。
まあ時代を経てそういう悪役も進化していくものだと考えれば、30年前ではこれで十分だったのかもしれない。

ストーリーも単純である。
パトカーを奪った暴走族のメンバー、ナイトライダー。
それを追う警官たち。
しかし、翻弄されてしまう。
メル・ギブソン扮するマックスが見事ナイトライダーを追い詰めるが、ナイトライダー自身は事故って死んでしまう。

ナイトライダーの敵討ちに来た暴走族のメンバーとマックスとの戦い。
しかし、勝負はあっけなく、発展途上の映画としてはこんなものなのかもしれない。
いずれにせよ、「マッドマックス2」の登場によってこのシリーズは真骨頂を迎える。
そういう意味では、「ターミネーター」シリーズの第1作と同じような「露払い」的な映画と言えるのかもしれない・・・


評価:★★☆☆☆
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2009年04月29日

シューテム・アップ

シューテム・アップ.jpg

原題: SHOOT 'EM UP
2007年 アメリカ
監督・脚本 : マイケル・デイヴィス
出演:  クライヴ・オーウェン/モニカ・ベルッチ/ポール・ジアマッティ/スティーブン・マクハッティ/グレッグ・ブライク

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深夜、NYの裏通り。
謎の男に追われる妊婦を見たスミスは、いきがかりから彼女を助けた。
しかしそこに男の仲間らしき者たちが乱入し、事態は銃撃戦に発展。
そんな中妊婦から赤ちゃんを取り上げたスミスは、流れ弾で死んだ母親の代わりに子どもを抱えて逃走。
すると男たちは、今度は子どもを奪うためにスミスに襲い掛かった。
子どもが狙われる理由がわからないまま、スミスは娼婦ドンナのもとへと逃げ込むが……
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これはストーリーなどあってないような映画。
とにかくドンパチ。
ドンドンパチパチと最初から最後まで銃撃戦の雨あられ。
単純に楽しめるといえば楽しめる。

ドラマはNYの裏通りから始る。
スミスはベンチに腰掛け、なぜか生ニンジンを齧っている。
目の前を妊婦が逃げていく。
怪しげな男が銃をもって追いかける。
スミスは「やれやれ」といった様子で腰を上げる。

いきなりの銃撃戦だが、何がなんだかよくわからない。
銃撃戦の最中に妊婦は産気づく。
お産させながらも襲い来る敵とドンパチ渡りあう。
ここから延々と謎の敵との死闘である。

段々と謎が明らかにされる。
スミスを追う敵の正体と目的も明らかになる。
そして銃撃戦もエスカレート。
それはもはや漫画の世界。
「そんなのありか」などと目くじら立ててはいけない。
「トムとジェリー」のアニメを思い出すといい。
次から次へとありえない展開がギャグのように続く。
これはそんな映画だ。
真面目に観るよりもアニメ映画を観るような気分で観た方がいい映画である。


評価:★★☆☆☆

posted by HH at 22:43 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | アクション

2009年04月27日

明日への遺言

明日への遺言.jpg

2008年 日本
監督:  小泉堯史
出演:  藤田まこと/富司純子/ロバート・レッサー/フレッド・マックィーン/リチャード・ニール/西村雅彦/蒼井優/田中好子

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1945年、東條英機元首相らA級戦犯が東京裁判で裁かれる中、横浜地方裁判所では、戦争犯罪行為の命令者であるB級戦犯、及び実行者のC級戦犯の裁判が行われていた。
東海軍司令官だった岡田資中将と部下19名は空襲の際、パラシュートで降下した搭乗員を捕虜として扱わず、正式な手続きを踏まずに処刑したことで殺人の罪に問われていた。
フェザーストン主任弁護士の弁護のもと、岡田は、すべての責任は自分にある事を主張した…
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戦後の戦犯を巡る裁判としては、いわゆる「東京裁判」が有名であるが、こちらは戦争遂行のリーダーたちであるA級戦犯を扱ったもの。
それ以外の下のクラスに対してはB、C級戦犯としてもっと細々とした事件が裁かれた。

戦争犯罪といっても難しい。
そもそも戦争自体、「汝殺す事なかれ」というキリスト教の十戒に背くものである。
本件でテーマとなったのは、空襲にやってきて撃墜された米軍パイロットを捕虜として扱わず、正式な手続きを踏まずに処刑した、という事が罪になるかという事である。
米軍は無差別爆撃によって大勢の無力な市民を虐殺している。
例え正式な手続きを踏んでいなくともそれが罪になるのであれば、米軍の虐殺行為はどうなるのか?
それこそナチス同様「人道に対する罪」にあたるはずである。

そんな矛盾をはらんだ戦犯裁判。
要は戦勝国による敗戦国に対する懲らしめである。
公平性などそもそもないのが戦犯裁判なのである。

ドラマはパイロットたちを処刑した東海軍の軍人たちに対する裁判として描かれる。
司令官は岡田資中将。
処刑の事実は認めた上で、一般市民を無差別に爆撃行為自体が国際法に定めた違法なもので、したがって略式手続きで処罰したのは正当である、と中将は真っ向から反論する。
裁判自体を「法戦」と名付け、部下の罪を一人で被るべく自らの持論を主張する姿が描かれる。
不安に慄く部下を励まし法廷に立つ姿はまさに日本軍人のあるべき姿とでも言うべきものである。

注目すべきは弁護人のフェザーストン博士である。
同じアメリカ人でありながら、無差別爆撃の違法性を真っ向から主張する。
もともと公平性などない戦犯裁判でありながら、弁護人だけは公平な立場で弁護に回っており、そこだけが唯一救われるところである。
そして裁判長や中将を訴追した米軍検事でさえも、岡田の姿勢に心動かされていく・・・

戦争とは何か。
裁判とはどうあるべきか。
人としてのあり方は。
いろいろな視点から深く考えさせられる映画である。


評価:★★★☆☆
posted by HH at 10:58 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2009年04月26日

ベオウルフ

ベオウルフ.jpg

原題: Beowulf
2007年 アメリカ
監督 : ロバート・ゼメキス
脚本 : ニール・ゲイマン 、 ロジャー・エイヴァリー
出演 : レイ・ウィンストン/アンソニー・ホプキンス/ジョン・マルコビッチ/ロビン・ライト・ベン/アンジェリーナ・ジョリー

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6世紀のデンマーク。
フローズガール王が盛大な宴を催す中に、醜く巨大な怪物グレンデルが姿を現した。
人々を虐殺したグレンデルに対し、王は褒賞を用意して討伐隊を募集。
これに応じた戦士ベオウルフは、見事グレンデル撃退に成功する。
戦勝を祝い再び華やかに繰り広げられる宴。
しかし翌朝ベオウルフが目にしたのは、皆殺しにされた兵士たちの姿だった。
彼はその犯人と思しきグレンデルの母親の元へと向かうが……
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古代ヨーロッパの叙事詩を映画化したものであるらしい。
何となく不思議な雰囲気の画面であるなと思いつつ観ていると、ふとその正体に気がつく。
なんと実写ではなくアニメーション、いやたぶんCGなのだろうと気がつく。
登場人物たちはほぼ実写と見まがうばかりなのであるが、手のひらの動きなどがアップになると明らかに違和感がある。
こういう映画もこれからの主流になるのかという予感がさせられる。

英雄叙事詩には勇者が登場し、ドラゴンなどの怪物を退治する。
そして美しい妻を娶るというのが王道である。
この映画もその王道に沿っている。
そして勇者ベオウルフはあくまでも勇猛果敢なのである。
奇怪な怪物グレンデルを退治するに当たり、鎧をすべて脱ぎ捨て、すっぽんぽんで怪物が現れるのを待つ。
そして素手で立ち向かうのである。

伝説を題材としている所以であろうか、勇者ベオウルフはどこまでも勇敢で、そして強い。
どこまでも無敵かと言えば、グレンデルの母親に対してはそうでもない。
それがドラマを盛り上げる要素でもある。
とは言え英雄を描いたこの抒情詩。
全編CGとあわせて一見の価値はあるであろう。


評価:★★☆☆☆
posted by HH at 00:17 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | アクション

2009年04月25日

バイオハザードV

バイオハザードV.jpg

原題: RESIDENT EVIL: EXTINCTION
2007年 アメリカ
監督 : ラッセル・マルケイ
製作・脚本 : ポール・W・S・アンダーソン
出演 : ミラ・ジョヴォヴィッチ/マイク・エップス/オデット・フェール/アリ・ラーター/スペンサー・ロック

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ラクーンシティに広まったTウィルスの感染は、数年後には世界中へと広まっていた。
アンデットに埋め尽くされた地上は砂漠と化し、わずかな生存者が限られた資源でその日暮らしをしていた。
そんな状況下、ウィルス蔓延の元凶であるアンブレラ社による人体実験後、監視衛星に追跡されているアリスは、立ち寄ったガソリンスタンドで、赤いノートを手に入れる。
ノートにはアラスカは感染が及んでいない安息の地だと記されていた…
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ご存知ゲームでも有名な「バイオハザード」シリーズの第3弾。
主演は前作、前々作から引き続きミラ・ジョヴォヴィッチである。
いわゆるゾンビ物なのであるが、一ひねり効いている。
ゾンビ物も元祖「ゾンビ」以来、まさにゾンビが繁殖するがごとく世に広まった。
その恐ろしい事のひとつは数が無数に増えていくことであろう。

映画の冒頭でバイクを駆るアリスの下に届いたSOS。
行ってみれば生き残りが罠を仕掛けていた。
捕まえられたアリスに面白半分にけしかけられた犬はゾンビ犬。
ウィルスに感染したものは動物でもゾンビ(映画ではアンデットと呼ばれている)になってしまう。
人間の場合はひょこひょこ歩いてくるから足に自信があれば逃げられそうである。
でも犬や集団で襲い来るカラスはちょっと無理そうである。

シャワー室で倒れていたアリスが目覚め、体にぴったりとフィットした赤いドレスでなぞの屋敷の中をさまよう様子は第1作からお馴染みのシーン。
アリスのアクションがここでも見られる。
アリス=ミラ・ジォヴォヴィッチのアクションは、たぶんここから「ウルトラ・ヴァイオレット」に派生していったのだが、アクション女優として定着した感がある。
もっとも美貌があるからこそ一層アクションが引き立つものである。

第3作ではついにウィルスが世界へと蔓延し、いたるところにアンデットがうろうろする。
定住は危険ゆえに生き残りは旅に生きる道を求める。
しかし、生産活動も止まり、食料を初めとしてガソリンすらあるもので賄わないといけない。
世の中は砂漠化した無法世界。
かつてマッドマックスで描かれた近未来の無法砂漠地帯のようである。
その映画はさまざまなエッセンスから成り立っているようである。

希望を求めて生き残りを図る人類。
自己犠牲により仲間を守ろうとする勇気ある人々。
アリスの活躍と相俟って見所多い映画である。


評価: ★★★☆☆
posted by HH at 11:10 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | アクション/シリーズ