
2008年 日本
監督: 石井康晴
原作 : 黒丸・夏原武
出演 :
山下智久:黒崎高志郎
掘北真希:吉川氷柱
加藤浩次:白石陽一
市川由衣:三島ゆかり
大地真央:さくらママ(染谷綾子)
竹中直人:石垣徹
飯島直子:桶川レイコ
笑福亭鶴瓶:綿貫裕二郎
哀川翔:神志名将
山崎努:桂木敏夫
<映画.com>
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人気コミックを原作に、詐欺師のみを狙う詐欺師“クロサギ”の活躍を描いたテレビドラマの映画版。父親が詐欺に遭い、一家心中の末にただ1人生き残った青年・黒崎。復讐のためクロサギになった彼は、新たなターゲット・石垣の調査を開始する。しかし石垣は、何者かと共謀して日本経済を揺るがすほどの巨大詐欺を企んでいた。映画初主演となる山下智久らテレビ版のキャストに加え、竹中直人、大地真央ら豪華ゲストが参加。
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詐欺師のみを騙す“クロサギ”の黒崎は、詐欺界のフィクサー・桂木から新たなターゲットとなる詐欺師の情報を得た。その名は石垣。
贈答詐欺を生業とする詐欺師だ。仕事の依頼人であるレイコもかつて石垣の魔の手にかかり、経営する会社をつぶされた過去を持っていた。
黒崎は早速行動を開始、IT企業の社長に成りすまして石垣へと接近し、詐欺の罠を張る。しかしその企みはギリギリで石垣にかわされてしまう・・・
原作は同名タイトルの漫画。
一般人を騙す詐欺師を「シロサギ」とし、その「シロサギ」のみをターゲットとする詐欺師を「クロサギ」と呼んでいる。
詐欺師を騙す専門の詐欺師というちょっと変わった着眼点が面白い。
人を騙す詐欺師なら騙されても構わないだろう、そういう悪人専門の詐欺師であるなら正義の味方的にも扱える、そういう構図である。
だが、内容的にはちょっと苦しい。原作の漫画は長い連載なので、いろいろな登場人物の描写が可能でその分ドラマにも奥行きがある。だが、たかだか2時間の映画でその世界を描くことは難しい。
自分自身詐欺の被害にあって一家心中を図った家族の生き残りという過去を持つ黒崎。
そして詐欺界のフィクサー桂木から詐欺師の情報ほもらい、ターゲットとしている。
映画では石垣という詐欺師をターゲットとして定める。
2時間のストーリーではここまでが限界で、時々登場する吉川なる女性の位置づけはいまいちわからない。
手口も巧妙というよりは観る者の無知に付け込んでいるかの如くで、実際にそれでうまくいくかどうかは疑問である。
石垣の手形詐欺の手口もそうである。映画で大切なのはリアリティである。実際にうまくいくかどうか、はどうでもよくて、大事なのは「実際にやってもうまくいきそうだ」と思わせられるところである。もちろん、模倣犯の問題もあるから難しいところでもある・・・
名だたる俳優陣を揃えてはいるものの、ストーリー的に面白みが欠けるのが決定的。
せいぜいが子供向け番組のレベルであると言える。
ちなみに映画化の失敗というよりも、個人的には漫画自体もいまいちだと思っている一作である・・・
評価:★☆☆☆☆