
原題: Training Day
2001年 アメリカ
監督: アントワン・フークア
出演:
デンゼル・ワシントン:アロンゾ・ハリス刑事
イーサン・ホーク:ジェイク・ホイト刑事
スコット・グレン:ロジャー
エヴァ・メンデス:サラ
シャーロット・アヤナ :リサ・ホイト
トム・ベレンジャー:スタン
<映画.com>
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血気盛んな新人事がベテラン刑事の指導のもとで、予想つかない事態に巻き込まれていく異色の刑事ドラマ。出演は「ボーン・コレクター」のデンゼル・ワシントンと「ガタカ」のイーサン・ホーク。監督は「リプレイスメント・キラー」のアントワーン・フークア。ワシントンは本作でアカデミー賞主演男優賞を受賞した。
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<STORY>
ロサンゼルス市警の麻薬取締課に配属となった新人刑事ジェイクは、ベテラン刑事のアロンソとコンビを組み、麻薬捜査のいろはを教え込まれる。
数々の大事件を解決し、麻薬に絡むあらゆることを熟知しているカリスマ刑事アロンソは、ジェイクの手本であり憧れの存在。
「かよわい子羊でいるのか。獰猛な狼になるのか。それを選べ」と忠告するアロンソは、犯罪摘発のためにはいともたやすく自ら法を犯す。
とまどうジェイクをよそに、アロンソの行動はさらにエスカレートしていく・・・
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麻薬取締課に配属された新人刑事の訓練第1日目(Training day)を描いた作品。
目が覚めると幼い乳飲み子に母乳を与える新婚の妻。
家族を支えるために出世しようと志願して麻薬捜査課へと配属になったジェイク。
意欲的な彼の目の前に現れた上司はカリスマ刑事アロンゾ。
ジェイクは、彼のやり方に戸惑いながらも必死についていく。
しかしながらアロンゾのやり方は、教科書とはまるで正反対。
大きな犯罪を抑えるためには、小さな犯罪には目もかけず、そればかりか捜査のやり方自体違法なもの。疑問を持ちながらもアロンゾ流を理解しようとする。しかし、とうとう越えてはならない一線を越えてしまう。しかも、それに反抗すれば自らの刑事生命も終わってしまう。
巧妙に用意された罠に嵌り、「仲間になるか、それとも刑事をやめるか」の選択肢をつきつけられるジェイク・・・
デンゼル・ワシントンといえば常に正義を体現してきたような役割が多い。
ジーン・ハックマンとの潜水艦内での緊迫した対立が素晴らしかった「クリムゾン・タイド」、隠された陰謀を暴いていく「ペリカン文書」、「戦火の勇気」、「デジャヴ」
・・・しかし、本作品では憎々しい悪徳警官を演じている。
巧妙に新米のジェイクを罠にはめていく様は恐ろしいほどである。
アロンゾの巧妙な罠に陥り絶体絶命のピンチに陥ったジェイクを救ったのは、彼自身の行為。
アロンゾが見向きもしないようなチンピラのレイプ未遂事件を、ジェイクは警官としての正義感から助けに入る。それが思いもよらない形で彼の命を救う。
世の中ってこうやって悪がのさばるのかな、と思いかけているところにこのシーンには救われる気になる。
ジェイクの「長い一日」が終わると共にどっと体から力が抜ける。見応えは十分。デンゼル・ワシントンはこの作品でアカデミー賞主演男優賞に輝く。悪徳刑事役という事で異質といえば異質、されどらしいといえばらしい。
そんな作品である・・・
評価:★★★☆☆