
原題: Atonement
2007年 イギリス
監督: ジョー・ライト
原作: イアン・マキューアン
出演:
キーラ・ナイトレイ:セシーリア・タリス
ジェイムズ・マカヴォイ:ロビー・ターナー
シーアシャ・ローナン:ブライオニー・タリス(13歳)
ロモーラ・ガライ:ブライオニー・タリス(18歳
ヴァネッサ・レッドグレイヴ:ブライオニー・タリス(老年)
ブレンダ・ブレッシン:グレイス・ターナー
ベネディクト・カンバーバッチ:ポール・マーシャル
<STORY>********************************************************************************
第二次世界大戦前夜、夏のイングランド。政府官僚の娘で未来の大作家を自負する13歳のブライオニーは、大学を卒業したばかりの姉セシーリアと使用人の息子で幼なじみのロビーのただならぬ関係を察知し、ロビーへの警戒心を抱く。そして事件は起きる。ブライオニーの嘘の証言によって、愛しあう恋人たちは無残にも引き裂かれ、犯した過ちの重さにブライオニーが気づいたときには、泥沼の戦争が始まっていた・・・
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第二次世界大戦前夜、1935年のイングランド。
上流階級のセシーリアとブライオニー姉妹。
ブライオニーは13歳にして恋愛をテーマにした戯曲を書き、才能に溢れるがちょっとおませな少女。セシーリアは表面とは裏腹に使用人の子であるロビーに心惹かれている。
ロビーからセシーリアへの手紙を託されたブライオニーは中味を見てしまう。
13歳の少女にとっては大人のエロティックな手紙は衝撃的。
おまけに二人が屋敷の片隅で愛し合う姿を目撃してしまい、ロビーに対する嫌悪感を抱く。
そして友人が草むらの中で男に覆いかぶさられているのを見てしまうと、暗闇の中で男を確認しなかったにも関わらず、犯人はロビーだと証言するブライオニー。上流階級と使用人の子。そんな背景もあって、ロビーは刑務所へと送られる・・・
前半は階級社会イギリスで、ロビーとセシーリアの人目を偲ぶ恋と妹ブライオニーの関係が綴られる。愛だの恋だのに憧れる13歳にとって恋愛とはどこかしら美しいものであり、実際に愛し合う男女の行為は生々し過ぎて理解できない。そんなブライオニーの心情は、大人からすれば微笑ましく映るものである。
潔癖なブライオニーにとって愛する姉のそんな姿は、逆にロビーに対する反感へとつながる。13歳という年齢は実に微妙だ。草むらで抱き合っていた友人も「押し倒された」とブライオニーに語ったが、それに抵抗したのかどうかは怪しいところだ。むしろ後半のシーンでは同意の上であったように思わせられる。
現代であればそんな少女の証言一つで刑務所というのも行き過ぎだと思われるが、そこが戦前のイギリス社会ゆえか。引き裂かれたロビーとセシーリア。13歳ゆえの過ちと言えばそうなのかもしれない。そしてその「つぐない」はあまりにも切ないもの。
原作は読んでいないが名作の香り漂う作品である・・・
評価:★★★☆☆