
2006年 日本
監督: 馬場康夫
出演:
阿部寛:下川路功
広末涼子:田中真弓
吹石一恵:宮崎薫
伊藤裕子:高橋裕子
劇団ひとり:田島圭一
<STORY>********************************************************************************************************
2007年。日本の経済は破綻し、国家の崩壊が目前に迫っていた。この危機をなんとか食い止めようと、財務省に勤める下川路功(阿部寛)は、ある計画を極秘で進めていた。その頃、元カレの作った借金返済に追われるフリーターの田中真弓(広末涼子)のもとに、疎遠だった母・真理子(薬師丸ひろ子)の訃報が届く。葬儀中にもかかわらず、サラ金の取立屋・田島(劇団ひとり)は容赦なく返済を迫って真弓を困らせていた・・・
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バブル崩壊以降長きにわたって低迷を続ける日本経済。
一部で景気は回復しても、日本全体が好景気に沸いたバブル期には比べるべくもなく、華やかなりし時代を懐かしむ声も多い。そんなバブル時代にタイムマシンで戻って、バブル崩壊のきっかけとなったと言われる大蔵省の総量規制を止めようというコメディである。
1990年3月30日に発表された不動産融資向けの総量規制であるが、それをやめたらバブル崩壊が止められたか、という真面目な話をすれば面白くもなんともなくなる。
映画自体はコメディだし、ここは素直に受け止めたい。
主人公は田中真弓(広末涼子)。
経済の「け」の字も知らないお気楽フリーターであり、元カレの作った借金返済に追われている。いつの間にかタイムマシンを開発し、過去に戻った母親(薬師丸ひろ子)を探すために自身も過去に戻る事になる。
バブル期の日本はまさに浮かれ放題。
懐かしい部分もあるが、そんなに遊んだ覚えがない身としてはそう大した事もない。
ただ派手な時代ということをデフォルメして描いているが、わずか17年前とはいうものの、ディスコで踊るボディコンのお姉ちゃんたちや、広末涼子のへそ出しジーンズが笑われるなどファッション面での変化などにはあらためて気付かされるところがある。
携帯もないから待ち合わせの風景も今とは違う。
ほんの少し前のような気もするが、時代は確実に経過しているものである。
登場人物も広末涼子以外は17年前と現代とで登場し、その変化も面白い。
阿部寛もコメディ系でも柔軟に対応でき、楽しませてくれる。
タイムマシンがどうだとか、実際にはどうだとか、あまり真面目な話をしても意味はない。
それはそれとして楽しむのがいい。
計画を進めようとした財務省の下川路(阿部寛)の意図したところは、800兆円を超える日本の借金である。
日本経済の崩壊を2年以内と予測し、それを食い止めるためであったのだ。方法としてはもっと別にあると思うのだが、それを論じるのはここの趣旨ではない。コメディとは言いながらも一点の真実が、笑えないところだったりするのである。
映画を気軽に笑える未来を迎えたいと思わされる映画である・・・
評価:★★☆☆☆