2010年03月31日

【ロンリーハート】My Cinema File 533

ロンリーハート.jpg


原題: LONELY HEARTS
2006年 アメリカ/ドイツ
監督・脚本 : トッド・ロビンソン
出演: ジョン・トラボルタ/ジェームズ・ガンドルフィーニ/ジャレッド・レト/サルマ・ハエック/スコット・カーン/ローラ・ダーン

<STORY>********************************************************************************************************
新聞の恋人募集欄の情報を元に、マーサへと近づいた結婚詐欺師レイ。
資産が少ないことを知って彼女の元を離れようとするが、ピンチをマーサに助けられ、2人は強い絆で結ばれることに。
そして詐欺の共犯者として2人は行動を共にするようになる。
そんなある日、自殺と思しき女性の死体が発見された。
現場に駆けつけたロビンソン刑事は、自殺の背後に事件の臭いを嗅ぎ取り、捜査を開始するのだが……。
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戦後のアメリカ社会に衝撃を与えたという実在の事件の映画化である。
犯人はレイモンド・フェルナンデスとマーサ・ベックという二人の男女。
レイモンド(レイ)は結婚詐欺師。
新聞の恋人募集欄を使って、戦争未亡人たちを次々に騙していた。
獲物の一人であったはずのマーサであるが、正体を見抜かれそしてやがて一緒に「商売」を始めるようになる。

このマーサというのは何とも異常な女である。
レイが結婚詐欺師とわかっていて、一緒に行動してしまうのである。
さらに異常なのは嫉妬心が強すぎる。
結婚詐欺だから当然レイは女性と親しくなる。
「妹」という触れ込みで一緒に行動するのであるが、レイと相手の熱々ぶりを見て嫉妬に燃え狂う。

相手と一夜を共にしようとするレイを露骨に妨害するマーサ。
「金が手に入らないだろう」と焦るレイに対して、「それが何だって言うの!」と噛み付く。
実際のマーサもそうだったらしい。
そしてそれが高じて相手をハンマーで殴り殺してしまう。
それから何と二人は20名以上の女性を殺害したというから驚きである。
映画で描かれるのはどうやら二人が自供した3件についてのようである。

単純な自殺から事件の匂いを嗅ぎつけ、やがて犯人を追いつめていく主人公のロビンソン刑事を演じるのは、ジョン・トラボルタ。
刑事といってもどこか裏暗い感じの男がぴったりとくる。
何とこの実在の刑事さんは、この映画の監督のお爺さんだそうである。

実在の事件の映画化という事もあって背筋が寒くなる思いがする。
たぶん、当時のアメリカ社会が受けた衝撃も計り知れないものがあった事だろう。
この映画の主演はジョン・トラボルタなのか、それともマーサ役のサルマ・ハエックなのか。
強烈な印象度という点ではサルマ・ハエックだと言える。

それにしても恐ろしい女がいたものである・・・


評価:★★☆☆☆

           
posted by HH at 23:12 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 犯罪ドラマ

2010年03月30日

【フェィク・シティ〜ある男のルール】My Cinema File 532

フェイクシティ.jpg

原題: Street Kings
2008年 アメリカ
監督:  デヴィッド・エアー
出演:  キアヌ・リーブス/フォレスト・ウィテカー/ヒュー・ローリー/クリス・エヴァンス/コモン

<STORY>********************************************************************************************************
ロス市警のラドロー刑事は、事件解決のためには手段を選ばず、強引なやり方を貫き通す男。
上司のワンダー警部だけは彼を理解し、かばってくれていた。
そんな時ラドローは、かつてコンビを組んでいたワシントン刑事が彼の違法捜査を密告していることを嗅ぎつける。
コンビニ店内で捕まえようとしたその時、覆面強盗が店に押し入り、ワシントンは銃弾を浴びて死んでしまう。
四面楚歌の状況に陥ったラドローは…
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キアヌ・リーブスといえば、やっぱり「マトリックス」シリーズが個人的には一番好きであるが、出世作「スピード」も忘れ難いものがある。
仲間を盾に取られたキアヌ・リーブス刑事が、その仲間の足を打ち抜き、度肝を抜かれた犯人が油断した瞬間に、ズドン!といったあのシーンは今でも強烈な印象を残している。

そんなキアヌ・リーブスが久々の刑事役で登場。
しかもこの刑事も型破り。
悪人退治が優先事項で、人権第一の手続きを省略することしばしば。
冒頭、ウォッカを飲みながら容疑者と接触。
うまくやられたふりをして、犯人グループのアジトを探り当てる。
ドアを蹴破り中に押し入ると、問答無用でズドン!
犯人グループを一掃すると誘拐されていた双子の姉妹を助け出す・・・

通常、ここで保身に忙しい上司がおっとり刀でやってきて、お小言を言うというのがお決まりの展開なのだが、ここでは様子が異なる。
上司のワンダーは、「よくやった」と労うと、うるさい検察が来る前に病院へ行けと庇ってくれる。
この上司がフォレスト・ウィティカー。

もうあちこちでバイプレーヤーとして登場しているので、出演作品はと言われても出てこない。
モーガン・フリーマンといい勝負だ。
それでも昔の「バード」とか最近では「ラスト・キング・オブ・スコットランド」でのアミン大統領なんかが様になっていて印象的だ。

さて上司が庇ってくれたところで、やつぱりその「活躍ぶり」はあちこちで目につく事になる。
特に内部調査部などからすると恰好の標的になったりする。
ところがそんな矢先、彼を敵視する元相棒ワシントンが彼の目の前で武装強盗に蜂の巣にされるという事件が起きる。

犯人グループはコンビニの店内に押し入るとまず店員を撃ち殺し、続いてワシントンに襲い掛かる。
何せマシンガンを乱射しながらの突入であり、刑事として銃を所持していたワシントンもさすがに餌食になってしまう。
ところが、犯人グループは一目散にワシントンに向うわけで、レジには目もくれない。
素人目にみてもこの襲撃は、単なる強盗ではないなと思わせてくれる。
なかなか親切な演出だ。

そうして事件は二転三転と展開して行く。
一体、何がどうなっているのか、事件の真相は。
そうやってスリリングにストーリーは展開していく。
最後はすっきりとした結末になっているのはさすがハリウッド映画。
十二分に楽しめる一作である。


評価:★★★☆☆
     
      

posted by HH at 22:34 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | アクション

2010年03月29日

【バニラスカイ】My Cinema File 531

バニラスカイ.jpg

原題: Vanilla Sky
2001年 アメリカ
監督: キャメロン・クロウ
出演: トム・クルーズ/ペネロペ・クルス/キャメロン・ディアス/カート・ラッセル/ジェイソン・リー

<STORY>********************************************************************************************************
デイヴィッド(トム・クルーズ)は、NY出版社の若き実力者。
ハンサムで裕福な彼はプレイボーイを気取っており、その日もベッドには魅力的な女性ジュリー(キャメロン・ディアス)が。
ところがデイヴィッドは、親友の作家ブライアン(ジェイソン・リー)がパーティーに連れてきたガールフレンドのソフィア(ペネロペ・クルス)に一目で心を奪われる。
そんなデイヴィッドの心変わりを見抜いたジュリーは、彼をドライヴへと誘い、そのまま無理心中をはかって車ごと崖に突っ込んでいった・・・
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トム・クルーズにペネロペ・クルス、キャメロン・ディアスにカート・ラッセルと早々たる出演者。
これだけでも観る価値はある。
特にペネロペ・クルスは独特のスペイン語訛りの英語と、はっとするほどの美形とが相俟って気になる女優であるが、ここでもその魅力を如何なく発揮している。

主人公のデイヴィッドは、父親から譲られた資産と出版社のオーナーという地位。
甘いルックスにお金もあってと何不自由ない暮らしぶり。
仕事も社長とは言いながらも会議には遅刻するし、まるで身が入っていない。
そして誰もが羨むジュリーという美女とベッドを共にしながらも彼女を「友達」扱いする。

そんな彼には同然の事ながら天罰が下る事になる。
親友のブライアンが連れてきたソフィアに一目惚れ。
そんな彼に嫉妬心からジュリーは無理心中を図る。
一命は取りとめたものの、自慢のルックスは見るも無残なものになってしまう。

自信満々だった彼は初めて壁にぶち当たる。
ソフィアに対するアタックもこれまでのようなわけにもいかない。
ソフィアのアパート前の路上で酔いつぶれてしまう。
平行して描かれる刑務所の中。
精神分析医と対話するデイヴッィド。

一体何があったのか。
ストーリーは錯綜するかのように進む。
冒頭で人っ子一人いないNYのマジソンスクウェアに一人佇むデイヴッドが出てくる。
結局それは夢なのであるが、時として何が夢で現実かが曖昧になってくる。
それがこの映画のラストへとつながるのであるが、その曖昧さが不思議な雰囲気をかもし出す。

ジュリーがデイヴッィドに「あなたにとって幸せって何?」と問いかける。
それが何度も投げかけられる。
自分がデイヴィッドの立場だったら何と答えるだろう。
そして何と答えるべきなのであろう。

しっかりとストーリーについていかないとたぶんラストで迷宮にはまると思う。
出演者といい濃厚なストーリーといい、味わい深い不思議な映画である・・・


評価:★★★☆☆
     
    
posted by HH at 23:19 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | サスペンス

2010年03月28日

【スリーキングス】My Cinema File 530

スリーキングス.jpg



原題: Three Kings
1999年 アメリカ
監督: デヴィッド・O・ラッセル
出演: ジョージ・クルーニー/マーク・ウォルバーグ/アイス・キューブ/ジェイミー・ケネディ

<STORY>********************************************************************************************************
1991年3月、湾岸戦争が終結し、停戦が発表された直後のイラク砂漠地帯の米軍ベースキャンプ。
補充兵のトロイ上級曹長(マーク・ウォールバーグ)とコンラッド上等兵(スパイク・ジョーンズ)は、降伏したイラク軍兵士が肛門に隠し持っていた地図を発見。
特殊部隊のゲイツ少佐(ジョージ・クルーニー)はこれがイラクがクウェートから奪った金塊の隠し場所を示した地図と知って、発見者のふたりと生真面目な二等軍曹チーフ(アイス・キューブ)を仲間に引き入れ、一獲千金とばかり金塊探しに乗り出す・・・
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いまだ治安の安定しないイラク。
米軍もなかなか撤退できずにいる。
そんなイラク戦争であるが、発端はといえば1991年の湾岸戦争である。
この時はイラクのクウェート侵攻という暴挙に対して世界が結束し、アメリカ軍を中心とした多国籍軍がクウェート解放の戦いに参戦した。
戦闘は装備に勝る多国籍軍の圧勝に終わるが、その直後を舞台としたのがこの映画である。

のちのイラク戦争はアメリカが自国のエゴによって難癖をつけて無理やり開戦したが、この時の湾岸戦争にはクウェート開放という立派な大義名分があった。
それでもイラク兵が捕らえたトロイに拷問を行う時、「石油のためだろう」と責める場面があって当時既にそんな見方があったのかと、新たな発見をした気分である。
のちのイラク戦争は100%石油資源確保のためというのはほぼ通説として語られている。

映画はそんな硬い話は抜きとして単純に進む。
戦闘が終わったとなると欲望が出てくるのが人間。
ちょっと考え方のよろしくないゲイツら4人の兵士は、偶然見つけた金の隠し場所の情報を基に、勝手に隊を離れて奪還に行く。
そこにあるのは正義感ではなく、カネの亡者と化した姿。

情報は正しく、クウェートから持ち出された金塊を発見。
しかしそこには反フセイン派の市民が、イラク軍に苦しめられている姿があった。
金塊を渡して米軍を追い返そうとするイラク軍。
米軍がいなくなれば殺されるため必死に助けを求める市民。
黙って引き上げれば金塊は丸ごとせしめる事ができる。

金塊を見つけて持って帰るというだけのはずが、異なる様相を呈してストーリーは進んでいく。
知恵を働かせて悪事に挑むもいまいち悪人になり切れない、ジョージ・クルーニーのこのあたりの役どころは「オーシャンズ11〜13・シリーズ」のリーダーと被ってくる。

アメリカにまだ大義名分があったこの時、映画もすっきりと終わり後味もよい。
アメリカ軍も立派に正義の味方として通用する。
その後のイラク戦争をかの地の人達はどのように捕らえているのだろうか。
時代背景とあわせて観ると興味深い映画である・・・


評価:★★☆☆☆
     

posted by HH at 11:37 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2010年03月27日

【彼が二度愛したS】My Cinema File 529

彼が二度愛したS.jpg


原題: Deception
2008年 アメリカ
監督: マイケル・ランゲネッガー
出演:  ヒュー・ジャックマン/ユアン・マクレガー/ミシェル・ウィリアムズ/シャーロット・ランブリング/マギーQ

<STORY>********************************************************************************************************
ニューヨークのオフィスの片隅で、ひとり黙々と仕事をこなす会計士ジョナサン・マコーリーの退屈で孤独な毎日は、弁護士ワイアット・ボースと出会ったことで一変する。
お互いに名前も明かすことなく一夜限りの情事を楽しむエグゼクティブ限定の会員制秘密クラブの存在を知り、甘美でスリリングな夜にはまってゆくのだった。
そんな中、名前が“S”で始まる美しい女に心を奪われるが、残忍な殺人事件に巻き込まれてしまう・・・
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ユアン・マクレガーという俳優も面白いと思う。
そもそも俳優は「変幻自在」なのであるが、この人も特にそんな感じがする。
その中でもスターウォーズ・シリーズ「アレックス・ライダー」のようなちょっと自信をもった男の表情が割りと好きである。

ここではどちらかというと「ステイ」での主人公のような、ちょっと自信のない男として出てくる。
夜遅くまで黙々と仕事をこなす会計士ジョナサン・マコーリー。
みんな帰ったあとのオフィスで、清掃夫のカップルが何やらいちゃいちゃしている。
みんなが人生を楽しむ中、その術を知らないジョナサンは仕事をこなすしかない。
そんな哀愁がプンプンと漂い、なんとなく親密感を感じてしまう。

そこにやってきたのは弁護士のワイアット。
いい服を着て、マリファナも嗜み、テニスに飲みにと人生の楽しみを知っている。
そして仕事も大きな仕事をこなしている。
男の羨望を集めるような男だ。
ジョナサンが憧れに近い気持ちをもって親しくなっていくのもよくわかる。

そして互いに取り間違えた携帯。
ジョナサンが手にしたワイアットの携帯に謎めいた電話がかかってくる。
それはセレブな男女が密かに密会して楽しむセックス・クラブ。
たちまち虜になるジョナサンの気持ちもよくわかる。

そしてストーリーは急転していく。
人生うまい事ばかりが続くわけではない。
邦題のタイトルはいまいち何だかよくわからない。
原題はよく内容を表しているが、そのまま訳したのではウケそうもないという事はわかるが、それでもなあと思ってしまう。

X−MEN・シリーズのヒュー・ジャックマンが実に決まった弁護士ワイアットとして出てくる。
野獣とは対照的でこれもまたいい感じ。
シャーロット・ランプリングがチョイ役で出てきたりしてちょっとキャストは贅沢だ。
最後の展開はちょっと安易で残念だったが、まぁ楽しめる映画である。


評価:★★☆☆☆


     
posted by HH at 11:03 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | サスペンス