
原題: LONELY HEARTS
2006年 アメリカ/ドイツ
監督・脚本 : トッド・ロビンソン
出演:
ジョン・トラボルタ:エルマー・C・ロビンソン
ジェームズ・ガンドルフィーニ:チャールズ・ヒルダーブランド
ジャレッド・レト:レイモンド・フェルナンデス
サルマ・ハエック:マーサ・ベック
スコット・カーン:ライリー
ローラ・ダーン:レネ・フォーディー
<STORY>********************************************************************************************************
新聞の恋人募集欄の情報を元に、マーサへと近づいた結婚詐欺師レイ。資産が少ないことを知って彼女の元を離れようとするが、ピンチをマーサに助けられ、2人は強い絆で結ばれることに。そして詐欺の共犯者として2人は行動を共にするようになる。そんなある日、自殺と思しき女性の死体が発見された。現場に駆けつけたロビンソン刑事は、自殺の背後に事件の臭いを嗅ぎ取り、捜査を開始するのだが……。
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戦後のアメリカ社会に衝撃を与えたという実在の事件の映画化である。犯人はレイモンド・フェルナンデスとマーサ・ベックという二人の男女。レイモンド(レイ)は結婚詐欺師。新聞の恋人募集欄を使って、戦争未亡人たちを次々に騙していた。獲物の一人であったはずのマーサであるが、正体を見抜かれそしてやがて一緒に「商売」を始めるようになる。
このマーサというのは何とも異常な女である。レイが結婚詐欺師とわかっていて、一緒に行動してしまうのである。さらに異常なのは嫉妬心が強すぎる。結婚詐欺だから当然レイは女性と親しくなる。「妹」という触れ込みで一緒に行動するのであるが、レイと相手の熱々ぶりを見て嫉妬に燃え狂う。
相手と一夜を共にしようとするレイを露骨に妨害するマーサ。「金が手に入らないだろう」と焦るレイに対して、「それが何だって言うの!」と噛み付く。実際のマーサもそうだったらしい。そしてそれが高じて相手をハンマーで殴り殺してしまう。それから何と二人は20名以上の女性を殺害したというから驚きである。映画で描かれるのはどうやら二人が自供した3件についてのようである。
単純な自殺から事件の匂いを嗅ぎつけ、やがて犯人を追いつめていく主人公のロビンソン刑事を演じるのは、ジョン・トラボルタ。刑事といってもどこか裏暗い感じの男がぴったりとくる。何とこの実在の刑事さんは、この映画の監督のお爺さんだそうである。
実在の事件の映画化という事もあって背筋が寒くなる思いがする。たぶん、当時のアメリカ社会が受けた衝撃も計り知れないものがあった事だろう。この映画の主演はジョン・トラボルタなのか、それともマーサ役のサルマ・ハエックなのか。強烈な印象度という点ではサルマ・ハエックだと言える。
それにしても恐ろしい女がいたものだと思わされる映画である・・・
評価:★★☆☆☆