
2008年 日本
監督: 三枝健起
原作・脚本 : 中村努
出演 :
工藤夕貴 : オザキヨシエ
西島秀俊 : オカモトトシオ
時任三郎 : オザキシュウジ
宇崎竜童 : アンドウケイジ
吹石一恵 : オカモトヨウコ
高橋ひとみ : シミズサトミ
<STORY>********************************************************************************************************
唐津市呼子町で漁業を営む芳江。夫の修治は、不慮の事故で借金取りを死なせ、4年間、姿を消していた。父親と息子のツヨシを養うため、芳江は必死で働いていた。ある日、交番に貼られた指名手配犯の父親の写真を眺めるツヨシの姿が地元新聞に掲載される。その記事が元で噂が蒸し返され、芳江は仕事を休業に追い込まれてしまう。記事を書いた記者、岡本は責任を感じ、修治を捜し出し、たった1日でも家族の時間を作る事を決意する・・・
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2008年作といえば、本当に最近の公開作品なのだが、あんまり記憶に残ってない。
気が付かなかったのか、あんまり宣伝していなかったのか・・・
もちろん、何の情報もなく観る事になった。
時代は30年ほど前の九州が舞台。一人のチンピラが一軒の家に土足で上がり込んで船の鍵を奪っていく。追いかけるその家の主である修治。船の上で乱闘となり、チンピラはアクシデントで頭を打って死んでしまう。修治はそのまま逃走。残された妻の芳江は息子ツヨシとともに、世間の風当たりに耐えながら暮らしている・・・
もともとは船を買うための借金が元なのだが、それがどうやらあこぎな高利貸しの手に渡って、チンピラが借金のカタに船を取りに来たとの事らしい。そんな事って現実的にあり得ないだろう、などと突っ込むのはナンセンス。ナンセンスなのだが、やっぱりある程度は現実味というものを持たせてほしいと思う。それに状況からして正当防衛だろうし、今やそのくらいの知識は誰だって持っているだろう。ちょっと苦しい不自然な前提でドラマは始まる。
父親が指名手配されているとなれば、子供が学校でイジメられるのは当然の成り行き。父親を恋しがる息子の姿を大々的に報じてしまう地元新聞。個人情報のない時代だとはいえねぇ・・・それはいかんだろうと思わず突っ込みを入れてしまう。残された芳江とツヨシの親子。ツヨシの担任と新聞記者のその兄。彼らの織りなす人間模様。
新聞記者の兄は、先日「真木栗ノ穴」で主演を演じていた西島秀俊。けっこう二枚目なんだな、この人。それに刑事役で登場したのは宇崎竜童。これが何となく味のある刑事なのである。主演の 工藤夕貴や時任三郎よりもいい味出していた感じである。
何となく感動映画に仕上げたかったんだろうなという感じは伝わってくるのであるが、その試みは空振りだったようである。やっぱり不自然な前提が苦しかったのと、ストーリー展開が読めてしまったのがその原因だ。こういう映画って難しいだろうなと思わされる一作である・・・
評価:★★☆☆☆