
原題: The Lovely Bones
2009年 アメリカ・イギリス・ ニュージーランド
監督: ピーター・ジャクソン
出演:
シアーシャ・ローナン: スージー・サーモン
マーク・ウォールバーグ: ジャック・サーモン
レイチェル・ワイズ: アビゲイル・サーモン
スーザン・サランドン: リン
スタンリー・トゥッチ: ジョージ・ハーヴイ
マイケル・インペリオリ: レン・フェナマン
<STORY>********************************************************************************************************
スージー・サーモンは、14歳のときに近所に住む男にトウモロコシ畑で襲われ、殺されてしまった。父は犯人捜しに明け暮れ、母は愛娘を守れなかった罪悪感に苦み、家を飛び出してしまった。スージーは天国にたどり着く。そこは何でも願いがかなう素敵な場所で、地上にいる家族や友達を見守れる。スージーは、自分の死でバラバラになってしまった家族のことを心配しながら、やり残したことを叶えたいと願うのだった…。
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「私はスージー・サーモン、1973年12月6日14歳で殺されたの・・・」という何やら衝撃的なイントロで映画は始る。14歳の女の子と言えば微妙な年齢だ。もう子供とは言いにくいし、大人にもなりきれていない。男の子に誘われる友達を尻目に、密かにあこがれる男の子に対する切ない恋心も隠したままだ。
冒頭から殺されるとわかっているから、いつその時が来るのだろうと観てしまう。
憧れの男の子から土曜日のデートに誘われ、夢見るままに帰る帰り道、トウモロコシ畑で“その時”はやってくる。そして殺されたあと、スージーはこの世とあの世の狭間で、愛するパパとママ、おばあちゃんと妹の家族を見守っていく事になる。
死者と生きている者の物語というと、デミ・ムーアの「ゴースト」やブルース・ウィリスの「シックス・センス」などが浮かぶ。しかし、この映画は「ゴースト」のようにロマンティックではなく、「シックス・センス」のようにオカルトチックでもない。ちょっとしたスリルはあるのだが、ハッピーエンドとも言い難い、不思議な映画だ。
スージーができる事といったら、家族や友人たちを見守るだけ。彼女が見守る中で、家族はスージーを失った痛手に苦しみ、犯人を捜し、そうしながらも日々の暮らしを続けていく。妹は少しずつ成長し、そしてスージーが経験できなかったファーストキスをいつのまにか経験する。それを見守るスージーの複雑な心境が画面を通して伝わってくる。
主演のスージーを演じるシアーシャ・ローナンであるが、これが実に可愛い。
実はキーラ・ナイトレイ主演の「つぐない」に13歳で出演していたようなのであるが、まったく記憶にない。「つぐない」でアカデミー賞にノミネートされたらしいから、容姿だけではなく実力もあるのだろう。これからちょっと注目したい女優さんだ。
ストーリーは観る者にとってはハッピーエンドと言い難い。
意外性があるエンディングと言えばそう言えるのであるが、やっぱりこの手のストーリーとなると、ハッピーエンドを期待したいところだから、個人的にはどうだろうかと思う。
ちょっと心に重いモノが残ってしまった気がする映画である・・・
評価:★★☆☆☆
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