
原題: Bad Lieutenant:Port of Call New Orleans
2009年 アメリカ
監督: ヴェルナー・ヘルツォーク
出演:
ニコラス・ケイジ:テレンス・マクドノー
エヴァ・メンデス:フランキー・ドネンフィールド
ヴァル・キルマー:スティーヴィ・プルイト
イグジビット:ビッグ・フェイト
フェルザ・バルク:ハイジ
<STORY>********************************************************************************************************
ハリケーン・カトリーナが襲来した、ニューオリンズ。刑事テレンス・マクドノーはカトリーナにより水没した警察署の中に置き去りにされた容疑者を救ったことにより、表彰され、昇進することになった。だが、マクドノーには押収された麻薬を保管庫から持ち出し、恋人の高級娼婦フランキーと一緒に使用しているという裏の顔を持っていた。ある日、不法移民の一家が惨殺されるという事件が起き、マクドノーが捜査を担当することに・・・
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またまたニコラス・ケイジ登場といった感じで、個人的には随分この人の主演映画を観ている感じがする。今回は刑事として登場。
しかしこの刑事、あまりやる事が好ましくない。
冒頭、ハリケーン・カトリーナによって水没寸前の警察署。
牢屋で溺れかけている容疑者。
相棒とともに笑って見ていたテレンス・マクドノーは、水の中に飛び込み、容疑者を救出。
その功績により表彰され、昇進する。
しかしながら、それが元だったのか、腰を痛め鎮痛剤が手放せなくなる。
それがコカインに手を出すきっかけになったのか、映画の中ではよくはわからない。
かくして刑事としての職務を全うする一方で、コールガールのフランキーとともにコカインをやる日々。ブツは証拠保管室からくすねてくるという綱渡りだ。さらにフットボールの賭けを繰り返し、窮地に陥れば悪人とも手を組む有り様。
しかし、どこかこのニコラス刑事には後ろ暗さが感じられない。
同じ悪徳刑事でも「トレーニング・デイ」のデンゼル・ワシントンなどは憎々しく、かつ怖さも感じられたが、このニコラス刑事にはそれがない。どこか弱々しいのである。
そうして大抵こういうストーリーは最後には破局が待ち構えているのだが、後半は思いもかけない展開になっていく。観終わってどっと力が抜けた「トレーニング・デイ」とは異なり、さらりとしたラストは何ともはや。まあこうした作品には、ニコラス・ケイジがあっているのだろう。
最初に相棒としてヴァル・キルマーが登場してちょっと期待したのだが、あまり出番がなかったのが残念。「トップ・ガン」のパイロット・アイスマンは印象的だったし、「ヒート」ではアル・パチーノとロバート・デ・ニーロの両巨頭の間で存在感を示し、何より「セイント」は面白かった。チョイ役の役者ではないのだが・・・
ニコラス・ケイジ一色の映画なのだが、この映画はリメイク版らしい。
オリジナルもちょっと見比べてみたくなった一作である・・・
評価:★★☆☆☆