2011年10月31日

【ボーダー】My Cinema File 783

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原題: Righteous Kill
2007年 アメリカ
監督: ジョン・アヴネット
出演: ロバート・デ・ニーロ/アル・パチーノ/カーティス・ジャクソン/カーラ・グギノ/ジョン・レグイザモ

<STORY>********************************************************************************************************
20年以上コンビを組み、固い絆で結ばれたニューヨーク市警のベテラン刑事、タークとルースターは、これまで多くの犯罪者を挙げてきた。
あるとき、犯罪者ばかりをねらった連続殺人事件が発生する。
ターゲットは法の手が届かない悪人たち。
捜査を進めていくと、犯人像は自らの手で犯罪者に制裁を加える怒りに満ちた警官――状況証拠はタークの犯行を示していた。
捜査にのめり込む二人の前に、衝撃の真実が突きつけられる…
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ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノが共演というと、「ヒート」以来であろうか。
古くは「ゴッド・ファーザーPARTU」があるが、二人とも随分息の長い名優だ。

二人は長年コンビを組んできた刑事として登場する。
もう画面でも随分と年をとったと思わせられる。
そんなベテランの刑事であるが、ある時法の網をくぐり抜けて無実を勝ち取った悪党に対し、タークは証拠をでっち上げて有罪にしてしまう。
初めて法を破った出来事であった。

やがて、そんな法の網をくぐり抜ける悪党たちが、一人また一人と殺されていく。
正確な射撃と、殺された悪党たちが無防備に殺害されている状況から、犯人は警察官ではないかという疑いが出てくる。
そしてその疑いはタークへと向かう。

もう二人とも寄る年並みなのか、激しいアクションや銃撃戦は登場しない。
14人の人間を殺したとビデオに向かって語るターク。
長年の刑事生活で、どうにもならない悪に対して、とうとう怒りの鉄拳を振り下ろしたという事かと観て行く。
日本では「必殺仕事人」に代表される、“天に代わって悪を打つ”お馴染のスタイルだが、ちょっと趣が異なる。
そして最後の意外な真実・・・

残念ながらこの映画、最後の意外な真実だけが見所となってしまったいる。
せっかくの名優二人の共演なのだが、今一つパンチ力が足りないのも事実。
「何が」というのも難しいが、「何かが」といったところだ。
次の共演があるのかどうかはわからないが、これが最後となったらちょっと寂しい気がする。

まあ共演とはいかなくても、まだまだこの二人の映画は観続けたいと思うのである・・・


評価:★★☆☆☆
             





    

posted by HH at 23:13 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 刑事・探偵・推理ドラマ

2011年10月30日

【グリーン・ゾーン】My Cinema File 782

グリーンゾーン.jpg

原題: Green Zone
2010年 アメリカ
監督: ポール・グリーングラス
出演: マット・デイモン/グレッグ・キニア/ブレンダン・グリーソン/エイミー・ライアン/ジェイソン・アイザックス

<STORY>********************************************************************************************************
イラク戦争開戦から4週間後。
ロイ・ミラーと彼の部隊は、砂漠地帯に隠された大量破壊兵器の行方を追う極秘任務で、イラクの首都バグダードを駆けずり回っていた。
混乱のさなか、大量破壊兵器が隠されているとみられる倉庫に踏み込むが空振りに終わる。
国防総省の動きに不信感を覚えた彼は、同じ疑念を抱いていたCIA調査官ブラウンと共闘することに。
部隊を離れ単独で調査を開始し、執ような妨害工作に苦しみながらも謎の核心に迫っていく・・・
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イラク戦争直後のバグダッド。
ロイ・ミラー率いるMET(移動捜索班)は、市内のあちこちを大量破壊兵器を求めて捜索を続ける。
ところがどこにも大量破壊兵器のかけらも発見されない。
上官にかけあっても相手にされず、不信感を募らせる。

そんな中でイラク人のフレディから、要人たちが集結しているとの情報がもたらされ、ミラーは現地に行く。
銃撃戦の末に逃したものの、それはアル・ラウィ将軍だとわかる。
一方、大量破壊兵器の捜索に疑問を持つミラーに、CIAのブラウンが共闘を持ちかける。
ブラウンもまた、一連の軍の行動に疑問を抱いていたのである。

「グリーン・ゾーン」とは、かつて連合国暫定当局があったバグダード市内10kuにわたる安全地帯のことらしい。
一歩中に入ると、そこにはプールもありビキニの美女もいる。
外の「戦場」とはかけ離れた世界。
そこでまったく人々の知らない陰謀が渦巻く、というのがタイトルに込められた、たぶん原作の意図・ストーリーなのだと思うが、この映画はそこから離れている。

何せマット・デイモンが戦闘服に身を包み、銃撃戦の中を走り回るのである。
嫌が応でもジェイソン・ボーンをイメージしてしまう。
事実空襲警報と爆撃音が響き渡るバグダッドの冒頭のシーンから、緊迫感溢れる展開が続くから尚更である。
しかし、途中で登場する特殊部隊の隊長にあっさりのされてしまったりするから、無敵のジェイソン・ボーンとはちょっと趣が異なる。

そして、陰謀の世界というよりも、やはり緊迫した迫力あるアクションに引き込まれていく。
いまさら「イラク戦争は、大量破壊兵器という口実の元に行われた石油利権獲得戦争である」という公然の事実を、いかにも隠された陰謀のように言われてもピンとこない。
本来の意図とは別に、これはアクション映画として楽しめる映画だと言える。

やはりマット・デイモンはアクション映画が似合う男だと、改めて思うのである・・・


評価:★★★☆☆
           
              



    
posted by HH at 18:05 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | アクション

2011年10月24日

【運命のボタン】My Cinema File 781

運命のボタン.jpg

原題: The Box
2009年 アメリカ
監督: リチャード・ケリー
出演: キャメロン・ディアス/ジェームズ・マースデン/フランク・ランジェラ/ジェームズ・レブホーン/ホームズ・オズボーン

<STORY>********************************************************************************************************
1976年、ヴァージニア州のとある街。
郊外に住むノーマとアーサーの夫妻の元に、謎の箱が届けられた。
アーサーが開けてみると、そこには赤いボタンの付いた謎の装置が入っていた。
その日の夕方、今度はノーマの元に謎の男が訪ねてくる。
その男いわく、「ボタンを押せば現金100万ドルを手にする。
しかしどこかであなたの知らない誰かが死ぬ」。
夫妻は迷うが、生活が苦しいこともあってボタンを押してしまい……
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非常に面白いテーマの映画だ、というのが第一印象。
「ボタンを押せば、見知らぬ誰かが死ぬが、あなたは現金100万ドルを手にする事ができる」という選択肢を提示された時、人はボタンを押すだろうか。

アーサーはNASAで働きながら、宇宙飛行士になる事を夢見ている。
ノーマは若い頃の障害で、足を引きずっている高校教師。
子供が一人いるが、生活はギリギリ。
そんな状況で、ノーマは利用していた奨学金を打ち切られる事になり、金銭的に絶望的な気分になっている。

そんなところに、謎の箱が届けられる。
現れた男は顔が半分ない不気味な男。
ボタンを押すだけで、喉から手が出るほどほしい現金が手に入る。
それも半端な金額ではない。
しかし、「見知らぬ誰かが死ぬ」というところに、やはり良心の呵責を覚える。

ここで押さずに終われば、何事もなく終わる。
映画も終わる。
押すからこそ、映画は続く。
箱は単純な設計で、通信機能も何もないカラの箱にボタンがついているだけ。
観ている方も訝しく思う。
そして期待通りノーマはボタンを押す。

面白かったのはここまでか。
その後の展開はSFチックに進んでいく。
誰が、何の目的でアーサーとノーマにボタンのついた箱を届けたのか。
人知を越えた世界が広がる。
ボタンがついただけのただの箱なのに、ボタンを押した事はわかる。
そしてアーサーとノーマには、ボタンを押した事を後悔する間もないほどの過酷な出来事が続く。

いつも陽気なイメージのキャメロン・ディアスが、不安いっぱいの表情を崩さないところが、映画の雰囲気に貢献している。
これから演技派を目指すのであろうかとも思ったりする。
いつまでも「笑顔が可愛いだけ」では通用しないだろう。

コンセプトは面白いと思ったのだが、それに続く部分が期待値を上回れなかったというのが正直なところ。
1976年という時代設定も何の意味があったのだろうと疑問に思う。
アーサーの行動も観ていて疑問が多いが、人は誰でも他人の行動は客観的に見られるし、だからこそ冷静に判断できるのかもしれない。
「自分だったらどうする」、と想像しながら観るのも面白い映画かもしれない・・・


評価:★★☆☆☆
   
    

    
    
posted by HH at 22:09 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | サスペンス

2011年10月23日

【リミッツ・オブ・コントロール】My Cinema File 780

リミッツ・オブ・コントロール.jpg

原題: The Limits of Control
2008年 アメリカ
監督: ジム・ジャームッシュ
出演: イザアック・ド・バンコレ/ティルダ・スウィントン/工藤夕貴/ジョン・ハート/ガエル・ガルシア・ベルナル

<STORY>********************************************************************************************************
ある孤独な男は、任務を遂行するために一切他人を信用せず、計画の目的など謎に包まれたまま、スペインの様ざまな街をめぐる。
ありのままの現実と、夢の中をさまようかのように非現実的な光景が交錯する男の旅。
男は自身の意識の中をもさすらう…
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主人公は名前の出てこない孤独な男。
どうやら殺し屋らしいとわかる。
“仕事”の指示を受け、スペインへと向かう。
ホテルに滞在し、カフェでなぜかエスプレッソを2カップ並べて飲む。
次々に指示を持って訪れる男女。

次にどう展開するのかまったくわからず、時間だけが過ぎて行く。
男はなぜかいつもエスプレッソ2カップを並べて飲む。
殺し屋には不思議な習慣があるものだから、これはなんとなく何らかの威厳を持たせる習慣かもしれないと思う。

殺し屋はクールだ。
依頼主がよこした女が部屋のベッドで全裸で寝ていても、眉一つ動かさない。
それどころか、仕事中に女は抱かないとの己の信念を守って、全裸の女と同じベッドで一晩何もせずに過ごす。
美術館巡りをしながら、ひたすら指示を待つ。

途中で工藤夕貴が登場する。
まだまだ海外でもメジャーな日本人なのだろう。
そんな刺激でもない限り眠気を押さえられない。
男はあまりしゃべらないし、まあゴルゴ13並みの孤独主義なのかもしれない。

そしていよいよ指示が来る。
向かった場所は、ボディーガードがうようよといる砂漠の中の建物。
とてもではないが、侵入は難しい。
ターミネーターでもない限り、不可能に思えるミッション。
眠気に耐えて観てきた甲斐があったというもの。

ところが、なんとこの強固な警戒網を男は“イマジネーション”で易々と越えてしまう。
ゴルゴ13も真っ青だ。
あっけに取られたのは言うまでもない。
そしてようやく何日着続けたのかわからないスーツを着替えて物語は終わる。

こういう映画は嫌いだ。
ストーリーはまったく面白くない。
しかし、面白くないと言ってしまうと、「わかってないな」と烙印を押されてしまいそうである。
「お前は、ジム・ジャームッシュ監督のこの映画がわからないのか」と。

しかし、したり顔してわかったようなコメントをするのも性に合わない。
裸の王様の着ている服を褒めるような気がしてならない。
映画の事がわかってないなと言われても仕方ないが、はっきり言おう。
「この映画はつまらない」。
過去がどうだったかは関係なく、ジム・ジャームッシュだろうとなんだろうとこの映画はつまらない。
わかるヤツにしかわからない映画を作って満足しているなら、それでいい。
素人の自分としては、他の監督の作った「素人でもわかる映画」を観て、貴重な人生の時間を過ごしたいと思う。


評価:☆☆☆☆☆




      
    
posted by HH at 10:44 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2011年10月21日

【猿の惑星:創世記】My Cinema File 779

猿の惑星.jpg



原題: Rise of the Planet of the Apes
2011年 アメリカ
監督: ルパート・ワイアット
出演: ジェームズ・フランコ/フリーダ・ピント/ジョン・リスゴー/ブライアン・コックス/トム・フェルトン/アンディ・サーキス

<STORY>********************************************************************************************************
アルツハイマーの薬を研究しているウィルは、チンパンジーに新薬を投与する。
目覚ましい知能の伸びを見せたメスのチンパンジーがいたが、彼女は暴れだし、射殺されてしまう。
妊娠していた彼女が産み落とした赤ん坊チンパンジーを育てていたウィルは、シーザーと名付けた彼に高い知能があることに気付く。
ある日、アルツハイマーを患うウィルの父親が隣人ともめているのを見たシーザーは、彼を守ろうと暴れ、霊長類保護施設に入れられてしまう・・・
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「猿の惑星」と言えばその昔、チャールトン・ヘストン主演の第1作が、何と言ってもあの自由の女神像の衝撃のラストとともに強い印象に残っている。
あのシリーズは全5作すべて観たが、映画の原体験と言えるシリーズである。
そんなわけで、タイトルだけでも観てみたくなると言える。

主人公のウィルは研究所でアルツハイマーの新薬を研究している。
新薬の成果は目覚ましく、投与したメスのチンパンジーは人間並みの知能の発達を見せるが、突然暴れ出し射殺されてしまう。
しかし、妊娠していたそのメスは子供を残す。
新薬の研究は中止となり、ウィルはチンパンジーの子供を連れて帰る。

ウィルの年老いた父はアルツハイマーでを患っている。
密かに持ち帰った新薬を投与したところ、劇的な効果を見せる。
一方、シーザーと名付けられたチンパンジーの子供は、驚くべき知能の発達を見せる。
父の回復と賢いシーザーとの平穏な日々が過ぎて行く。
しかし薬の効果も薄れ、アルツハイマーの症状が出てしまったウィルは隣人ともめてしまう。
助けに入ったシーザーだが、隣人を傷つけたため保護施設に入れられてしまう。
そこにはゴリラやオランウータンやチンパンジーなどが、多数保護されていた・・・

創世記とあるように、物語は現代のアメリカ。
まだ猿は猿である。
前シリーズでは、人類は核戦争で滅んでいたが、今時「核戦争で人類滅亡」という未来には苦しいものがある。
そして前シリーズでは、未来から飛来したコーネリアスとジーラのカップルが残した子供シーザーが、しゃべる猿の祖先だった。
そこにはタイムパラドックスがあったわけである。

それが、この作品では見事にスムーズに、しゃべる猿の誕生と人類の衰退が説明されている。
それはいかにも「ありうる未来」。
次第に自我に目覚めて行くシーザーと彼を見つめるウィル。
どんなに一緒に暮らしたくても、人間とチンパンジーとの間の越えられない壁に気がつくシーザー。
そして、やがてシーザーは自分自身で運命の扉を開けていく。

一方で猿が賢くなったとしても、長い年月にわたって科学技術を築き上げてきた人類は、そうそう猿にとって代わられるわけがない。
しかし、人類を待ち受けていた意外な落とし穴。
続編に続くのか、そんな含みを十分持たせるラスト。
さすがに映像技術の進歩で、前シリーズとは比較にならないほど自然な猿たち。
見事な創世記である・・・


評価:★★★☆☆
                

            






posted by HH at 23:59 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(2) | SF/近未来ドラマ