2011年12月31日

プライド&グローリー

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原題: PRIDE AND GLORY
2008年 アメリカ
監督: ギャヴィン・オコナー
出演: エドワード・ノートン/コリン・ファレル/ジョン・ヴォイト/ノア・エメリッヒ/ジョン・オーティス

<STORY>********************************************************************************************************
4人のニューヨーク市警警官が麻薬取引の手入れに踏み込んだ際、2人が死亡し、他の2人も重体となる事件が発生。
レイ・ティアニー刑事が特別捜査班の指揮を命じられ、さっそく犯人逮捕へ始動する。
父は警察高官、兄フランシスは署長、娘婿の義弟ジミーはフランシスの部下という警察一家に生まれたレイ。
また、彼の友人だった被害者のひとりもフランシスの部下でジミーともチームを組んでいたことから、この捜査への心境は複雑だった・・・
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ニューヨーク市警、NYPDと略称されるこの組織を舞台としたドラマである。
冒頭で事件が起こる。
警官4名が撃たれて、二人死亡二人が重体となる。
事件の特別捜査班を任されたのは、警官一家に育ったレイ。
過去の事件を契機に現場から離れていたレイだが、父の要請でやむなく現場復帰する。

しかし事件の陰で暗躍していたのは、義弟のジミー。
仲間とともに麻薬の密売組織と組んで、違法に金を稼いでいる。
警官殺害の犯人を、本来の目的から外れ、自分達の利害から追うジミー一派。
彼らは権力を笠に、好き勝手に振る舞う。

警察署全体の威信を守ろうとする父。
ジミーたちの行為に薄々気がついてはいるものの、関わり合いを避けて来た署長の兄フランシス。
警察の不祥事を表に出したくない父と兄に対し、自らの正義感との狭間で苦悩するレイ。

父を演じるのはジョン・ボイト。
もうすっかり貫禄のあるおじさんだ。
警官でありながら悪の限りをつくす義弟ジミーには、コリン・ファレル。
「マイアミ・バイス」や「アレクサンダー」といったカッコいい役者というイメージをもっていたが、最近は「ヒットマンズ・レクイエム」「イノセント・ラブ」のような繊細な役もイメージとして定着してきた感じがする。
ここでも悪ながら、どこか弱さを抱えているジミーにイメージがあっている。

主人公レイはエドワード・ノートン。
「インクレディブル・ハルク」の印象が強いが、この人こそ線の細い役柄がフィットする。
声からして細いから尚更だ。

悪徳警官モノとしては、「トレーニング・デイ」が印象深いが、やっぱり権力を握った悪というのは、底知れぬ恐ろしさを漂わせている。
「誇りと栄光」というタイトルがずしりと重い一作である。



評価:★★☆☆☆


           
posted by HH at 22:03 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 刑事・探偵・推理ドラマ

2011年12月30日

ミッション・インポッシブル〜ゴースト・プロトコル

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原題: Mission: Impossible – Ghost Protocol
2011年 アメリカ
監督: ブラッド・バード
出演: トム・クルーズ/ポーラ・パットン/ジェレミー・レナー/サイモン・ペッグ/ジョシュ・ホロウェイ

<STORY>********************************************************************************************************
IMFエージェントのイーサン・ハントは、ロシアのクレムリンに潜入し、コバルトという男の情報を取り戻すというミッションに参加する。
しかし、彼らの潜入中に何者がクレムリンを爆破してしまう。
IMFの犯行とみなすロシアとの関係悪化を恐れ、米国は“ゴースト・プロトコル”を発動し、IMFの機能を停止させた。
しかし、コバルトが核戦争の勃発を計画している事に気付いたイーサンは、チームの4人だけでコバルトを追うのだった…
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お馴染みの音楽とともにやってきたシリーズ第4弾。
こういうシリーズは、必ず前作以上のモノが期待されるし、それに応えていくもの大変だと思うのだが、これは見事にそれに成功している。

冒頭ではいきなり刑務所の中。
そこにはなぜかイーサン・ハントが収監されている。
そして仲間たちによる救出。
軽やかなアクションはほんのウォーミング・アップ。
そして、例によって指令が伝えられ、指令は自動消滅する(今回はちょっと違った)。

そしてイーサン・ハント一行はクレムリンへと潜入する。
最近はCGが当たり前になっていて、本物のクレムリンでロケしたのかどうかわからない。
ただもしそうなら、冷戦時代にはありえなかっただろうな、などと思ってしまう。
そして今回はスパイの小道具がなかなかの優れモノ。
クレムリンのシーンで使われるのも、実用化されていたら凄いなというシロモノ。
一連の展開も期待通りの迫力だ。

同じスパイでも、「静的な」ジェームズ・ボンドと対照的な「動的な」イーサン・ハント。
本領を発揮するのはドバイのブルジュ・ハリーファのシーンだろう。
現在世界一の高さのこのビル(映画ではホテル)の、なんと壁面を使ったアクション。
これがスタントなしで撮ったというから凄い。
このCG全盛時代に、実際にやる事の凄さが実に良い。

次から次へと目まぐるしく展開するストーリー。
息つく間もなく、飽きる間もない。
優れた秘密の道具も、作戦も、必ずあと一歩のところでおかしくなる。
それを補うイーサン・ハントの「人力」が映画を一掃面白くさせる。

「ゴースト・プロトコル」とは、イーサン・ハントの所属する組織IMFの機能を停止させる大統領命令。
組織のバックアップを失ったイーサン・ハントは3人の仲間とともに核戦争を誘発させようとする、通称“コバルト”の企みを阻止すべく動きだす。

クレムリンからドバイへ、そしてムンバイへと舞台を移し、もうダメだという瞬間まで諦めずに不可能なミッションを遂行していく。
ラストまで一気に突っ走った爽快感が残る。
ただ、最後がやっぱりハリウッド的ハッピーエンドだった。
それはご愛嬌としたい。

トム・クルーズももう結構いい年であるが、このシリーズまだまだ続けてもらいたいものである・・・


評価:★★★★☆

「ミッション・インポッシブルV」

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posted by HH at 23:55 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(2) | アクション/シリーズ

2011年12月26日

シェルター

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原題: Shelter
2010年 アメリカ
監督: マンス・マーリンド/ビョルン・ステイン
出演: ジュリアン・ムーア/ジョナサン・リース・マイヤーズ/ジェフリー・デマン/フランセス・コンロイ/ネイト・コードリー

<STORY>********************************************************************************************************
解離性同一性障害、俗に言う多重人格を認めない精神分析医のカーラ。
ある日彼女は、道で倒れていたデヴィッドという青年の診察を行うことになった。
すると彼に突然別の人格らしきものが現れ、態度が豹変してしまう。
しかしカーラはこの現象をデヴィッドの愉快犯を演じていると考え、彼の身辺を探ってみることに。
調べていくうちに、デヴィッドは25年前にすでに亡くなっていることがわかり…
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「シェルター」というタイトルからは、なかなか想像しにくい内容の映画である。
主人公は精神分析医のカーラ。
いわゆる多重人格については否定的な考え方を持っている。
ある日、同じ医師の父親から一人の患者を紹介される。

デヴィッドと名乗る青年は車椅子で表れる。
一通りの質問をしたあと、突然豹変した彼は、やがて自分はアダムであると告げる。
多重人格に否定的なカーラの前で、アダムは色覚異常者にしか読みとれないカードを読み取り、そして何と立ち上がってしまう。

興味を抱いたカーラは、彼の事を調べ始める。
そして、行きついた先はデヴィッドは既に死んでいるという事実。
しかし、実の母親と対面したデヴィッドは、疑う母親に対し、自分が本当のデヴィッドである事を納得させてしまう・・・

ここらあたりまではちょっと引き込まれて観ていた。
何せ興味をそそられる内容だ。
果たして彼は本物の多重人格なのだろうか。
しかし、途中からだんだんと怪し気な方向へと進んでいく。
そして、「シェルター」の意味がわかる。

正直言って、そこから興味がトーンダウンしてしまった。
悪くはないストーリーだと思うのだが、現実味が薄れたところから興味も薄れたと言えるだろうか。
そこは個人的な趣向もあると思う。

主演のカーラを演じるのは、ジュリアン・ムーア。
何となくこの人のイメージというのは暗い。
そういう印象の映画のイメージが強いのかもしれない。
「フォーガットン」では、この映画と同じようにオカルトチック兼SF系という趣向で、イメージも同じ。
「ブラインドネス」も悲壮感を漂わせる主人公像は同じ。
「フリーダムランド」でも、気の毒な女性として登場。
自然とそんなイメージもついてしまうというものである。

それにしても、ちょっとぞっとするラストであった・・・


評価:★★☆☆☆
   
    

    
posted by HH at 23:16 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | サスペンス

2011年12月24日

ダブル・ミッション

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原題: The Spy Next Door
2010年 アメリカ
監督: ブライアン・レヴァント
出演: ジャッキー・チェン/アンバー・ヴァレッタ/マデリーン・キャロル/ウィル・シャドレイ/アリーナ・フォーレイ

<STORY>********************************************************************************************************
表向きはさえないペンのセールスマンのボブ。
実は中国から出向しているCIAの敏腕エージェント。
緊急の呼び出しにも動じる事なくテロリストを逮捕し、何事もなかったかのように日常に戻る。
そんな彼、隣に住むシングルマザーのジリアンとの結婚を考え、スパイ業からの引退を決意していた。
ある日、ジリアンの3人の子どもたちの面倒を見る事になるが、その一人がボブのPCからロシア当局の極秘データをダウンロードしてしまう…
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ジャッキー・チェン主演のアクション・コメディー。
CIAの敏腕エージェントとして登場するジャッキー・チェン。
中国から出向しているという設定が面白い。
映画の世界ではそこまで米中が接近しているようである。

原題は「お隣のスパイ」。
表向きペンのセールスマンとなっているボブ(ジャッキー・チェン)だが、お隣に住む3人の子持ちのシングル・マザーのジリアンとお付き合いしている。
タイトルはそこから来ているのだが、原題は味気ない。
邦題は、「本業」のミッションとジリアン親子を守る、あるいはジリアンと結婚するという意味をかけているのだろう。

ある日、ジリアンの子供たちを預かることになったボブ。
子供たちは冴えないボブが母親と結婚する事に反対している。
子供の一人が、いたずらでボブのパソコンからデータをダウンロードしたところ、それが何と犯罪組織の極秘データ。
かくして犯罪組織から追われる事となったボブと子供たち。
CIAを巻き込んでの騒動となるのである。

展開はジャッキー・チェンらしいコメディータッチ。
随所にお得意のアクションがちりばめられている。
もう50代後半なのだが、まったく衰えていない。
CGに頼らず、昔ながらの生身のアクションが小気味良い。

ストーリーは突っ込み所満載なのであるが、そんなところをつつくのは野暮というもの。
シンプルにアクションを楽しみたいところだ。
エンドクレジットにはお約束のNGシーンもあり、ジャッキー・チェンの映画らしく仕上がっている。

ジャッキー・チェン健在を確認するだけでも、意味のある映画である・・・


評価:★★☆☆☆


     
    
posted by HH at 21:35 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 香港映画

2011年12月23日

パラレルライフ

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2010年 韓国
監督: クォン・ホヨン
出演: チ・ジニ/イ・ジョンヒョク/ハ・ジョンウ/ユン・セア/パク・ビョンウン

<STORY>********************************************************************************************************
最年少で部長判事となったキム・ソクヒョンは、美しい妻と可愛い娘と、順風満帆な生活を送っていた。
ある日、妻の惨殺死体が山の中で発見される。
失意に沈むソクヒョンに、記者が「30年前、あなたと同じように最年少で部長になり、妻を殺された後に本人と息子も亡くなった判事がいた」と告げる。
二人の人間が同じ運命を繰り返す、“平行理論(パラレルライフ)”ではないかと言うのだ。
ソクヒョンは30年前の事件を調べ始めるが…。
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リンカーンとケネディ、どちらも暗殺により悲劇的生涯を閉じた大統領。
この二人は、議員当選年、大統領選、暗殺者の誕生年がちょうど100年違い。
死亡した曜日も同じなら、フォード劇場にフォード車上で暗殺という共通点がある事から、時代を越えて同じ運命を辿る人がいるという「平行理論」(パラレルライフ)の例とされている。
そんな「平行理論」をテーマとした映画である。

主人公はキム・ソクヒョン。
最年少で部長判事となり、美しい妻と子供に恵まれ、人生の絶頂期にある。
ところが突然妻が殺害される。
そこへソクヒョンに、30年前にも最年少で部長になり、妻を殺害された判事がいた事を伝える記者が現れる。
その判事は、そのあと子供共々殺害されているという。

始めは信じなかったソクヒョンも、調べるうちに30年前に死んだ判事と自分とに驚くべき共通点の多さを発見する。
運命を避けたいと願う彼だが、30年前の事件と同様に事態は推移する。
妻殺害の容疑者、30年前の事件に関与していた元刑事、義理の父、大学の同期の検事、そして信頼する事務官たちが絡み合ってくる。

なかなか凝ったストーリーが、秀逸。
パラレル・ライフ理論通りに、30年前の事件と同じような結末を迎えるのか、それとも運命を回避できるのか。
ストーリーは二転三転し、最後まで真相がわからない。
ある程度後半になると事件の概要は見えてくるものであるが、この映画ではまったく予測不能。
というよりわかったと思っても、次のシーンでまた違う展開を見せられるのである。

こうした二転三転するストーリーは飽きがこない。
集中して観ていないとわからなくもなる。
しかし、それにしても誰もがうらやむような立場にあった主人公なのに、実はその生活は虚構であって、本人の責任のないところで崩れていくというところは、つくづく気の毒だと思う。
そんなところで変な感情移入してしまった。

ハリウッド映画のようにすべてハッピーエンドで終わる映画だったら、良かったかもしれない映画であるが、やるせない後味が残った映画だった・・・


評価:★★☆☆☆


           
            
posted by HH at 22:06 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国映画