
原題: Staten Island
2008年 アメリカ
監督: ジェームズ・デモナコ
出演:
イーサン・ホーク:サリー・ハルヴァーソン
ヴィンセント・ドノフリオ:パルミ・タルツォ
シーモア・カッセル:ジャスパー・サビアーノ
ジュリアンヌ・ニコルソン:メアリー・ハルヴァーソン
<STORY>********************************************************************************************************
スタテンアイランドのギャングのボス・タルツォの家に強盗が入り、大金が奪われた上、タルツォの年老いた母親が撃たれて大怪我をする事件が起きる。 激しい怒りと憎しみで犯人の行方を追うが、その一方でタルツォはスタテンアイランドの全てを手に入れるつもりであることを部下たちに告白する。 すると早速、タルツォに暗殺の手が伸びるが・・・
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邦題は「ニューヨーク、狼たちの野望」と勇ましく、原題は「Staten Island」と素っ気ない。
まあ珍しい事ではないが、タイトルによって随分と中味に対するイメージも変わる。
冒頭、ニューヨークにあるスタッテン島の紹介。
先住民が住んでいた歴史、マフィアが多いという特徴。
どうやら原題の方が中味に合っていそうな感じのスタート・・・
物語は3つのストーリーがある。
マフィアのボス・タルツォを中心とした物語。
清掃員サリーの物語。
聾唖のデリ店員ジャスパーの物語。
それぞれが同時並行的に描かれる。
タルツォは留守中に自宅に盗みに入り、挙句に母親を銃で撃った犯人を探している。
もちろん、警察には頼らず、見つければ始末するつもりだ。
そしてその犯人の一人であるサリー。
バキュームカーに乗っての仕事なので、家に帰るとシャワーを浴びて隅々まできれいにし、妻から匂いをチェックされる毎日。
子供が生まれるとあって、どうしてもお金が欲しくなる。
そんなサリーが通うデリ店。
聾唖の店員ジャスパーは、タルツォが来ると浮かない顔になる。
それと言うのも、タルツォはいつも“始末”した死体を持ちこんで、ジャスパーに“解体”させているからだ。そんな3人が、交差点で出会うが如く、絡み合う。
淡々と進んでいく物語は、やっぱりどこが「狼たちの野望」なのかと思えてくる。
バイオレンス系をイメージするとだいぶ外す事になる。
主演はイーサン・ホーク。
この人はどうも気の弱い損な役回りの男というイメージがある。
「その土曜日、7時58分」の気弱な弟役もそうだったし、「トレーニング・デイ」でベテラン刑事に嵌められる新米刑事でもそうだった。
この人はイメージ通りだ。
おおよそ犯罪というものは、綿密な計算をして臨むものだと思う。
しかしながらサリーたちは、実に安易だ。
それはそのまま自業自得の結果に繋がる。
まあ犯罪などはうまくいかない方が良いに決まっているから、それでいいのだが、やっぱり犯罪者って愚かだと思わせられる映画である・・・
評価:★★☆☆☆