2012年05月28日

イップ・マン葉問

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原題: 葉問2、英題:Ip Man 2
2010年 香港
監督: ウィルソン・イップ/サモ・ハン・キンポー
出演: ドニー・イェン(Ip Man)/サモ・ハン・キンポー(Master Hung Quan)/ホァン・シャオミン(Jin Shan Zhao)/リン・ホン(Zhang Yong Cheng)/ダーレン・シャラヴィ(ツイスター)

<STORY>********************************************************************************************************
1950年、詠春拳の達人イップ・マンは家族を連れて広東省から香港に移住、同郷の新聞社編集長の好意で、屋上に武館を開く。
やがて血気盛んな青年ウォンがやって来て、イップに挑んだのち仲間を連れて入門する。
その頃、香港には様々な門派がしのぎを削っており、それを仕切る洪拳の師範ホンは大勢の弟子を抱えていた。
ある日、ホンの弟子たちに絡まれたウォンは、拉致されてしまう。
ウォンを助けに来たイップの前にホンが現れ、香港で武館を開設するための掟を告げるのだった…
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ブルース・リーの師匠として知られるイップ・マンを描いた映画「イップ・マン序章」の続編である。
これもストーリー自体はフィクションのようである。

日本との戦争が終わり、家族とともに香港に移り住んだイップ・マン。
生活のために道場を開くが、なかなか生徒が集まらない。
ようやく生徒が集まったが、ホン師匠を中心とする地元の道場主たちから道場開設にあたって掟を守るように迫られる。

資金力のないイップ・マンにとって、守れる掟と守れない掟がある。
弟子同士が対立し、やがて道場も追い出されてしまう。
そんな中、香港を牛耳るイギリスのボクサーが中国拳法を侮辱する。
それまでの中国拳法同士の抗争から、一転して中国拳法VSボクシングの対立へと移行する。

こうした格闘技モノはどうしても対決が軸となる。
前半はホン師匠率いる洪拳との対決。
そしてクライマックスではボクシングとの対決が、物語の主軸をなす。
相変わらず鮮やかなイップ・マンの技が冴える。

前半でイップ・マンと対立する洪拳のホン師匠は、昔懐かしいサモ・ハン・キンポー。
「燃えよデブゴン」などのデブのカンフースターだが、相変わらずの巨体で登場。
主演のイップ・マンは前作そのままで、美人の奥さんのリン・ホンも変わらずの美形を披露。

イギリス人ボクサーに敗れた友人のため、リングに上がるストーリーはよくありがちなパターンだ。
ラストのボクシング対詠春拳の対決は、異種格闘技戦であり、ルールが曖昧。
公平なのかどうなのか、よく考えてみるとルールの面で問題がありそうな気がする。
とはいえそこは映画。
単純に楽しめば、なかなか力の入る格闘シーンだ。

前作同様、格闘シーンは見応えのある映画である・・・


評価:★★☆☆☆
   
   
posted by HH at 22:43 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 中国/香港/台湾映画

2012年05月27日

エンジェル・ウォーズ

エンジェルウォーズ.jpg

原題: Sucker Punch
2011年 アメリカ
監督: ザック・スナイダー
出演: エミリー・ブラウニング(Baby Doll)/アビー・コーニッシュ(Sweet Pea)/ジェナ・マローン(Rocket)/ヴァネッサ・ハジェンズ(Blondie)/ジェイミー・チャン(Amber)

<STORY>********************************************************************************************************
母の死後、遺産を狙う義父により、精神医療施設に収容されてしまった少女・ベイビードール。
彼女は施設の中で、自由を夢見て空想を広げる。
彼女は今、閉ざされた娼館にいるのだ。
なんとかここから脱出せねば…。
さらに彼女は空想する。
15世紀の日本で、怪物のような武将たちと日本刀で闘うのだ。
そんな彼女に、賢人が助言を授ける。
自由を手に入れるためには、地図、火、ナイフ、鍵、そしてもう一つのあるものを手に入れろ、と…
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映画の紹介として、「アクション・ファンタジー」という言葉が使われていたが、まさにその言葉通りの映画である。

母が死に、遺産はすべて二人の娘に残される。
しかし、それを心良く思わない義父が二人の娘を亡きものにしようとする。
必死の反撃にも関わらず、妹は死に、ベイビー・ドールは精神に異常をきたしたとして精神病院に入れられてしまう。
さらに、スタッフと結託した義父はベイビー・ドールに対し、ロボトミー手術をする事で、永遠に退院できないようにしようとする。

病院にはたくさんの女性患者が入院している。
仲良くなったスイートピー、ロケット、アンバー、ブロンディとともに、脱走計画を練るベイビー・ドール。
彼女たちはいつの間にか娼館に囚われの身となっている。
大富豪がやってきて、ベイビー・ドールが差し出される日まで残り5日。

大富豪に見せるダンスの練習中、ベイビー・ドールは突然古の日本へとスリップする。
そこにいた賢人に自由を手に入れるためのアイテムとして、「地図・炎・ナイフ・鍵」を含む5つを教えられる。
最後のアイテムは謎のまま。
そして教えを授けられたベイビー・ドールに、巨人の武将が襲いかかる。

何だか混乱しそうなイントロダクション。
ストップモーションや暗い画面などを巧みに使って物語の世界へ誘う。
足元の現実の世界とバトル・フィールドの世界が交差する。
バトル・フィールドで展開されるのは、徹底した戦闘。
ド迫力の剣劇、そして銃撃戦。

非現実世界を舞台にした物語。
監督は、「300スリーハンドレッド」「ウォッチメン」のザック・スナイダー。
どうりで同じような雰囲気が漂っている。
押し寄せる敵を次々となぎ倒す様子は、「300スリーハンドレッド」の迫力そのまま。
陰謀渦巻く世界は「ウォッチメン」に相通じるものがある。

自由への5つのアイテムを一つ一つ手に入れていく。
そして最後に残されたアイテムは意外なモノ。
そしてそれが物語のエンディングを飾る。
この結末は、どう理解すればいいのだろう。
ベイビー・ドールにとって、果たしてハッピーエンドであったのだろうか。
解釈が難しい気がする。

単純にアクションを楽しんでも良いし、独自の解釈をつけても良いし、いろいろな観方のある映画である・・・


評価:★★☆☆☆
     





         
posted by HH at 18:35 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー

2012年05月26日

イップ・マン 序章

イップマン序章.jpg

原題: 葉問、英題:Ip Man
2008年 香港
監督: ウィルソン・イップ
出演: ドニー・イェン/サイモン・ヤム/リン・ホン/池内博之/ラム・カートン

<STORY>********************************************************************************************************
1930年代の中国広東省佛山。
武術館の師範との戦いに勝ったイップ・マンは、町一番の武術家として知られるようになる。
しかし栄華は長く続かなかった。
1938年に日中戦争が勃発。
1年もたたぬうちに佛山は日本軍の占領下となる。
日本兵たちに武術を教えることを拒否したイップ・マンは、空手の名手である日本軍将校三浦と生死をかけた対決をする。
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ブルース・リーの師匠と言われる実在の人物。
ストーリーはフィクションのようであるが、実在の人物を描いた映画である。

武術の盛んな中国広東省佛山。
詠春拳を操るイップマンは、弟子を取らず、穏やかな生活を送っている。
道場破りに現れたキム。
佛山の各道場主も歯が立たない。
イップマンの自宅に勝負に乗り込んだキムを、イップマンはあっさりと返り打ちにする。

やがて始る日中戦争。
日本軍に占領される佛山。
極貧生活を余儀なくされるイップマン。
家族のために慣れない肉体労働を送る日々。

日本軍は冷酷な存在として描かれる。
将校三浦は自らの趣味で、腕に覚えのある格闘家を集めて試合をさせていた。
そこに参加したイップマンの実力に目をつけた三浦は、日本人への指導を命じるが、イップマンは従わない。
そしてついに自らイップマンとの勝負に乗り出す・・・

ストーリー自体はよくありがちなパターン。
実力ある格闘家は穏やかであり、能ある鷹は爪を隠すを地で行く。
しかしながら本人の意向とは関係なく、事態はやむなき戦いへと進んでいく。
仲間のため、家族のため、戦わざるを得なくなり、そうして最後に強力な敵と戦うというパターンである。

ブルース・リーの師匠という触れ込みのイップマン。
実在の人物ながら、映画ではそんな王道パターンを踏襲した人物として登場。
そして鮮やかな格闘シーン。
王道ストーリーであるものの、自然と観る方も力が入る。
こうした映画では格闘シーンの迫力がモノを言うが、それは十分なレベルにあると言える。

初めて観る女優さんだが、イップマンの奥さんを演じた女優さんはどことなく常磐貴子に似ていて、ちょっと興味を引かれた。
映画にちょっとした彩りを添えている。
意外と面白かったというのが、正直な感想。
すんなりと続編を観る事を決めた映画である・・・


評価:★★☆☆☆
     




posted by HH at 23:41 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 中国/香港/台湾映画

2012年05月20日

ノルウェーの森

ノルウェーの森.jpg


2010年 日本
監督: トラン・アン・ユン
原作: 村上春樹
出演: 松山ケンイチ/菊地凛子/水原希子/高良健吾/霧島れいか/玉山鉄二

<STORY>********************************************************************************************************
親友・キズキを自殺で失ったワタナべは、東京で大学生活を送り始める。
ある日、ワタナベは偶然にキズキの恋人だった直子と出会い、毎週直子と東京の街を散歩するようになる。
しかし、直子の20歳の誕生日、精神的に不安定になった直子と夜を共にする。
それ以来、ワタナベは直子と連絡がとれなくなってしまう。
さらに喪失感が深まり心を病んだ直子は、京都の療養施設に入所していたのだ。
直子に会いたくても会えない状況の中で、ワタナベは大学で出会った不思議な魅力を持つ女の子・緑にも惹かれていく。
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村上春樹原作小説の映画化。
機会があれば一度読んでみようと思いながら、ずるずると月日を過ごし、先に映画を観る事になった。
若者のあてどなく揺れ動く心が、共感を持って伝わってくる気がする物語である。

舞台は1960年代。
高校生のワタナベは、親友キズキとその幼馴染みであり恋人でもある直子と楽しい日々を過ごしている。
ところが、キズキが突然自殺してしまう。

東京で大学生活を送り始めたワタナベ。
周囲は学園紛争で騒然としているが、ワタナベは一人読書の世界に没頭している。
そして偶然直子と再会する。
直子はキズキの自殺によって心を病んでいたが、ワタナベとの再会で少しずつ回復に向かう。
しかし20歳の誕生日、初めてワタナベと結ばれた夜、何気ないワタナベの一言で直子はワタナベの下を去ってしまう。

寮で一緒のプレイボーイの先輩とともに女の子と遊んだり、緑という女の子と知り合い親しくなっていき、心の病から療養施設に入った直子にも会いに行き、ワタナベの生活は女の子が常に入れ替わり占めていく。
ただの女好きに見えるが、ワタナベはそれぞれと真剣に生きている感じがする。
たぶん、そうなのであろう。
そんな若者の心理がよく伝わってくる。

主演は松山ケンイチ。
「カムイ外伝」のカムイの印象が残っているが、ここでは物静かな青年として登場。
役柄とイメージはよくあっている感じを受けた。
一方相手役は菊地凛子。
「バベル」で話題となった女優さんだが、この2作を観てみるとどことなく心に影を持った役柄のイメージが出来てしまいそうな気がする。
個人的にはこれがデビュー作となる水原希子に興味を引かれた。
今後は本格的にスクリーンに登場するのであろうか?

諸行無常、万物は流転する。
ワタナベを取り巻く環境も、女の子たちとの関係も、ワタナベの意思とは無関係に否応なしに変化していく。
揺れ動く若者の心。
誰もがいつか通ってくる道。

あてどない未来。
目の前の道はどこに続いていくのか。
映画の舞台となった60年代後半から、半世紀近くの月日が経過している。
その後、ワタナベはどんな人生を送ったのだろう。
ちょっと想像してみたくなった映画である・・・


評価:★★☆☆☆
    
     

      
posted by HH at 22:35 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2012年05月19日

雷桜

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2010年 日本
監督: 廣木隆一
出演: 岡田将生/蒼井優/小出恵介/柄本明/時任三郎

<STORY>********************************************************************************************************
徳川将軍・家斉の十七男に生まれた斉道。
母を亡くし親の愛情を知らずに育った彼は、心に病を抱えていた。
療養を兼ねて家臣の瀬田助次郎の故郷・瀬田村を訪れた彼は、天狗が住むと言われる瀬田山で、女の天狗と出会う。
その正体は、幼い頃に誘拐され、山奥で育てられていた瀬田助次郎の妹・遊だった。
世間を知らず奔放な遊に、斉道は惹かれていく。
雷に打たれた銀杏の上から銀杏が芽を出した巨木・雷桜の前で、二人は恋に落ちる…。
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なかなかひどい映画だった。
取りあえず時代劇という形をとっているが、時代考証はむちゃくちゃ。
映画は作りモノののお話。
だから多少リアリティに欠けるとしても、「それはそれ」で楽しむ事が必要だと思うが、この映画のリアリティのなさには耐えられなかった。

そもそも日本の時代劇で、将軍の血を引く若殿と市井の一市民との身分違いの恋などというものはなかなか相容れない。
空想ではあり得るだろうが、日本の歴史を理解していれば抵抗感の方が強くなる。
なのに一緒に乗馬デートして(しかもお伴も連れず)、互いに笑顔で微笑みあったりしているシーンには、「いい加減にしろよ」と思ってしまった。

ストーリーを盛り上げるためのチャンバラシーンも、お伴も連れていないお殿様と女一人を囲む十数人。
現れた助けが一人。
そして展開される学芸会レベルのチャンバラ劇。
何度途中で観るのをやめようと思った事か。

主演はV6の岡田将生。
「瞬 またたき」の印象が残っていて決して悪くない。
相手の蒼井優は、日本映画ではもうお馴染み。
低レベルな内容は、出演者の責任ではない。
土台となっているストーリーにあるだろう。

もちろん観た感想は十人十色。
こういう時代背景を無視した時代劇でも違和感のない人もいるだろう。
取りあえずちょんまげ姿をしているが、内容は現代のドラマと置き換えてもそん色はない。
たぶん原作者は、今も昔も違うのは服装だけだと思っているのだろう。

ラスト近くのシーンで、お殿様の行列に女は馬で割り込むのであるが、常識的には無礼討ちになるところだ。
馬に跨った女をその場に残し、行列は歩き始める。
こういう時代劇を観たら、知らない若者たちはそういうものだと思ってしまうだろう。
いくら他愛ないお話と言えど、ここまでくると寛大な気持ちも失せてしまう。

つくづく観て損したと思わせられた映画である。


評価:☆☆☆☆☆
     
posted by HH at 10:46 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代劇/西部劇