
原題: LARGO WINCH
2008年 フランス/ベルギー
監督: ジェローム・サル
出演:
トメル・シスレー:ラルゴ・ウィンチ
クリスティン・スコット・トーマス:アン・ファーガソン
ミキ・マノイロヴィッチ:ネリオ・ウィンチ
ジルベール・メルキ:フレディ
メラニー・ティエリー:レア/ナオミ
カレル・ローデン:ミカエル・コルスキー
<STORY>********************************************************************************************************
巨大財閥の創始者ネリオ・ウィンチが暗殺され、後継者として指名されたのは、誰もが初めて知る養子ラルゴだった。財や権力に無欲のラルゴの周囲では、この大企業を乗っ取ろうとする陰謀が浮上。父の仇をとることを決意したラルゴは、女性取締役アンの協力を得て、過酷な逆襲に挑む・・・
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ラルゴ・ウィンチは、主人公の名前。
巨大財閥Wグループを一代で築いたネリオ・ウィンチの養子であり、唯一の相続人。
若き日のネリオが、孤児院から見出し、子供のいない知り合いの夫婦に育てさせていた。
やがて成長してネリオから後継者として育てられる事になるが、一筋縄ではいかない男として成長する。
そして現代。
何者かによってネリオが暗殺される。
混乱に陥るWグループは、女性取締役アンを臨時代表にして後継体制を作ろうとするが、コルスキー率いるグループが買収活動に乗り出し、内外に問題を抱える。
ネリオの唯一の相続人としてラルゴが指名されるも、それぞれに思惑を秘めた者たちの暗躍が続く。
ラルゴももともと父親の後継者として素直に育っていない。
町で荒くれ男たちに絡まれていたメラニーを、腕っ節と知恵で助けてみせる頼もしさがある。
取締役会に乗り込んだラルゴは、自分がグループの株式の65パーセントを抑えている事実を公表するが、さっそく経理社員が殺害され、不穏な空気が付きまとう・・・
原作はヨーロッパのコミックだという。
アメコミとはまた一味違うようである。
物語の背景は巨大財閥の権力闘争とも言うべきもの。
無欲とも言えるラルゴが、父親を殺した犯人を追いかけていくというのがストーリーの骨子。
大富豪の主人公が、財産には背を向けて生きて行こうとする。
なかなか凡人には真似できることではなく、そこがヨーロピアンテイストなのかもしれない。
父親殺しの犯人とその背後にある欲望にまみれた権力闘争。
続編も公開されていて、シリーズ化されるのかどうかはわからない。
ただ、シリーズ化されてもストーリー的に無理があるかもしれない。
その先はともかくとして、続編も観ようと言う気になったのだけは、確かな一作である・・・
評価:★★☆☆☆