原題: Un Dollaro Bucato
1965年 イタリア/フランス
監督: カルヴィン・J・パジェット
出演:
ジュリアーノ・ジェンマ:Gary O'Hara
イダ・ガッリ:Judy O'Hara
ピーター・クロス:McCory
ジュゼッペ・アドバッティ:Phil O'Hara
<STORY>********************************************************************************************************
1865年。南北戦争が終り、南軍捕虜は北軍から解放された。ここ、北軍駐屯所では、捕虜を釈放するとき、武勲にすぐれた兵士たちに、銃身のほとんどを切りとった、一ヤードそこそこしかとばない拳銃を渡した。その、解放された兵士たちの中に、拳銃さばきの名手ゲイリーとフィルの兄弟がいた。弟のフィルは一獲千金を夢見て、西部にでかけ、兄のゲイリーは、故郷のバージニアにいる妻ジュディのもとに帰った。別れぎわにフィルは、わが家の柱時計の中にかくした貯金をゲイリーに託した。数日後、妻に再会し、その無事を確かめたゲイリーは、弟の貯金から、一枚の一ドル銀貨をお守りとしてー胸のポケットに入れ、再びフィルの後を追って、西部に旅立った・・・
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私が映画好きになったのも、子供の頃父親がテレビで観ていた映画を一緒に観ていたのが原点。その時は西部劇がまだ全盛。
ジョン・ウェインやスティーブ・マックィーン、クリント・イーストウッドなどの活躍に胸を躍らせていたが、そんなヒーローたちの一人がジュリアーノ・ジェンマ。
そのジュリアーノ・ジェンマの代表作として記憶に残っていたのがこの映画。
正直言ってストーリーは、撃たれたジュリアーノ・ジェンマが胸のポケットに入れていた1ドル銀貨で命拾いした事しか覚えていなかった。
懐かしさもあって、観る事にしたが、ほとんど初めて観る感覚である。
子供の頃観たのは、日本語吹き替え版。
したがって、「マカロニ・ウエスタン」と言ってもあまりピンとこなかったが、やはり字幕で観るとそれを実感する。登場人物たちがしやべるセリフはすべてイタリア語。ジュリアーノ・ジェンマもこの作品では、芸名のモンゴメリー・ウッドでクレジット。やっぱり違和感が漂う。
時は1865年。
南北戦争が終結し、南軍兵士だったゲイリー・オハラは、弟と共に解放される。
しかし返された銃の銃身は切り落とされており、まともに弾が飛ばない。
これがラストで生きてくる伏線。
そして兄弟二人で披露するガンさばき。
コーヒーカップや葉巻を弾き飛ばす。
昔はカッコイイと思ったが、今見ると滑稽な感じがする。
昔はこんな感じだったと改めて思うが、一発軽く殴ると相手は簡単に失神する。
撃たれた者のオーバーアクションのわざとらしさといい、B級ドラマの趣がある。
人生の再スタートを切ろうとしていたゲイリー・オハラ。
しかし町を牛耳る悪玉親分の策略で最愛の弟を失い、さらには最愛の妻も捕えられる。
たった一人で悪と対峙する正義のガンファイター。
西部劇の王道をいく勧善懲悪のストーリー。
昔は広かった野原が、大人になって再び見た時、小さな空き地に過ぎない事を発見するという事はよくある事。ジュリアーノ・ジェンマの代表作として記憶していたこの映画も、40年近く経って観るとそんな印象を受ける。そうではあるものの、それでもやっぱり大切な思い出として記憶にとどめたい映画である・・・
評価:★★☆☆☆