2012年10月29日

荒野の1ドル銀貨

荒野の1ドル銀貨.JPG

原題: Un Dollaro Bucato
1965年 イタリア/フランス
監督: カルヴィン・J・パジェット
出演: 
ジュリアーノ・ジェンマ(Gary O'Hara)
イダ・ガッリ(Judy O'Hara)
ピーター・クロス(McCory)
ジュゼッペ・アドバッティ(Phil O'Hara)

<STORY>********************************************************************************************************
一八六五年。
南北戦争が終り、南軍捕虜は北軍から解放された。
ここ、北軍駐屯所では、捕虜を釈放するとき、武勲にすぐれた兵士たちに、銃身のほとんどを切りとった、一ヤードそこそこしかとばない拳銃を渡した。
その、解放された兵士たちの中に、拳銃さばきの名手ゲイリーとフィルの兄弟がいた。
弟のフィルは一獲千金を夢見て、西部にでかけ、兄のゲイリーは、故郷のバージニアにいる妻ジュディのもとに帰った。
別れぎわにフィルは、わが家の柱時計の中にかくした貯金をゲイリーに託した。
数日後、妻に再会し、その無事を確かめたゲイリーは、弟の貯金から、一枚の一ドル銀貨をお守りとしてー胸のポケットに入れ、再びフィルの後を追って、西部に旅立った・・・
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私が映画好きになったのも、子供の頃父親がテレビで観ていた映画を一緒に観ていたのが原点。
その時は西部劇がまだ全盛。
ジョン・ウェインやスティーブ・マックィーン、クリント・イーストウッドなどの活躍に胸を躍らせていたが、そんなヒーローたちの一人がジュリアーノ・ジェンマ。
そのジュリアーノ・ジェンマの代表作として記憶に残っていたのがこの映画。

正直言ってストーリーは、撃たれたジュリアーノ・ジェンマが胸のポケットに入れていた1ドル銀貨で命拾いした事しか覚えていなかった。
懐かしさもあって、観る事にしたが、ほとんど初めて観る感覚である。

子供の頃観たのは、日本語吹き替え版。
したがって、「マカロニ・ウエスタン」と言ってもあまりピンとこなかったが、やはり字幕で観るとそれを実感する。
登場人物たちがしやべるセリフはすべてイタリア語。
ジュリアーノ・ジェンマもこの作品では、芸名のモンゴメリー・ウッドでクレジット。
やっぱり違和感が漂う。

時は1865年。
南北戦争が終結し、南軍兵士だったゲイリー・オハラは、弟と共に解放される。
しかし返された銃の銃身は切り落とされており、まともに弾が飛ばない。
これがラストで生きてくる伏線。

そして兄弟二人で披露するガンさばき。
コーヒーカップや葉巻を弾き飛ばす。
昔はカッコイイと思ったが、今見ると滑稽な感じがする。
昔はこんな感じだったと改めて思うが、一発軽く殴ると相手は簡単に失神する。
撃たれた者のオーバーアクションのわざとらしさといい、B級ドラマの趣がある。

人生の再スタートを切ろうとしていたゲイリー・オハラ。
しかし町を牛耳る悪玉親分の策略で最愛の弟を失い、さらには最愛の妻も捕えられる。
たった一人で悪と対峙する正義のガンファイター。
西部劇の王道をいく勧善懲悪のストーリー。

昔は広かった野原が、大人になって再び見た時、小さな空き地に過ぎない事を発見すると言う事はよくある事。
ジュリアーノ・ジェンマの代表作として記憶していたこの映画も、40年近く経って観るとそんな印象を受ける。
そうではあるものの、それでもやっぱり大切な思い出として記憶にとどめたい映画である・・・


評価:★★☆☆☆
    




     
    
posted by HH at 23:35 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代劇/西部劇

2012年10月28日

マイティー・ソー

マイティー・ソー.jpg

原題: Thor
2011年 アメリカ
監督: ケネス・ブラナー
出演: 
クリス・ヘムズワース(Thor)
ナタリー・ポートマン(Jane Foster)
トム・ヒドルストン(Loki)
アンソニー・ホプキンス(Odin)
ステラン・スカルスガルド(Erik Selvig)
レイ・スティーヴンソン(Volstagg)
浅野忠信(Hogun)

<STORY>********************************************************************************************************
神々が暮らすアスガルドの国では、全能の王・オーディンの息子・ソーの戴冠式が行われていた。
しかし、敵対する氷の王国・ヨトゥンヘイムの巨人が侵入し、式は中止になる。
腹を立てたソーは、オーディンの命に背き、ヨトゥンヘイムへ攻め込む。
その身勝手で傲慢な振る舞いに怒ったオーディンは、ソーを地の国・ミッドガルドへ追放する。
米国ニューメキシコ州の砂漠に落ちたソーは、宇宙物理学者のジェーンの車にぶつかり…。
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アメリカン・コミック原作の映画化作品。
気がつくとアメコミのヒーローモノも随分たくさんあるものである。
「スーパーマン」「バットマン」「スパイダーマン」の御三家を筆頭に、「アイアンマン」「超人ハルク」「ファンタスティク・フォー」etc・・・
まあ面白ければ何でもいいわけで、だからどうだと言う事もない。

この世はアスガルドという国(星)が、支配するという世界。
アスガルドの住人たちは、地球の人間に比べ超人的な力を持つ。
このあたりは「スーパーマン」と同じである。
かつて地球上でもアスガルドと敵対するヨトゥンヘイムが戦いを繰り広げた経緯があり、それは北欧伝説に形を変えて伝わっている。

アスガルドではまさに王位継承が行なわれようとしている。
王オーディンの長男ソーの戴冠式にヨトゥンヘイムの巨人が侵入。
撃退はしたものの式は中止。
短気なソーはすぐに仲間を集め、王の意思に反してヨトゥンヘイムへと乗り込んでいく。
このあたりは「ゴッドファーザー」の長男ソニーを彷彿とさせる。
ソニーはその短気を逆用されて命を落とすが、ソーもその短気と好戦嗜好を咎められ、王によって力を奪われ地球へと追放される。

アスガルドから地球へは光の橋(トンネル)が架けられる。
その時に起こる現象を研究していた物理学者ジェーンは、まさにその瞬間に現場に居合わせ、地球にやってきたソーを車ではねてしまう。
同時に偉大なる武器ムジョルニアも地上に落下。
そしてある国家機関がそれを管理下に置く。

アスガルドの王位を巡る争いと、地上に落ちて来たソーとジェーンの出会い。
それが縦糸と横糸となって物語は進んでいく。
CG万能の時代だから、空想世界も見事に映像化。
それも珍しくはない。
アスガルドとヨトゥンヘイムの戦いも、お互いを滅ぼしあうほどのものでもない。
ストーリーは残念ながら、それほど面白いとは思えない。

しかしながら、なぜだかナタリー・ポートマンが出演している。
これがファンとしては唯一の見所であった。
主演は「スノー・ホワイト」でカッコイイ狩人を演じていたクリス・ヘムズワース。
これからいろいろと活躍するのかもしれない。

ソーは最近公開された「アベンジャーズ」にも登場している。
その前提知識として観ておいたが良いのかもしれない。
ストーリーそのものが見所ではないのがちょっと残念な映画である・・・


評価:★★☆☆☆
     




     
     
ナタリー・ポートマン出演作品
「レオン」
「ヒート」
「スターウォーズ/エピソードU」
「スターウォーズ/エピソードV」
「Vフォー・ヴェンデッタ」
「マルゴリムおじさんの不思議なおもちゃ屋」
「マイ・ブルーベリー・ナイツ」
「ブーリン家の姉妹」
「ブラック・スワン」
「マイ・ブラザー」
「抱きたいカンケイ」
「水曜日のエミリア」
    
     
posted by HH at 22:36 | 東京 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | スーパーヒーロー

2012年10月25日

神々と男たち

神々と男たち.jpg

原題: Des hommes et des dieux
2010年 フランス
監督: ザヴィエ・ボーヴォワ
出演: 
ランベール・ウィルソン(Christian)
マイケル・ロンズデイル(Luc)
オリヴィエ・ラブルダン(Christophe)
フィリップ・ローデンバック(Celestin)
ジャック・エルラン(Amedee)
ロイック・ピション(Jean-Pierre)

<STORY>********************************************************************************************************
1990年代、アルジェリア山間部の小さな村にある修道院。
イスラム教徒の村人たちにとってそこは診療所であり、修道士たちは共に働き援助の手を差し伸べてくれる頼れる存在だった。
しかし、信頼と友愛を尊び、厳格な戒律を守って慎ましく暮らす修道士たちにも、アルジェリア内戦の余波で頻発するテロの脅威が迫る。
非暴力を唱える修道院長クリスチャンは軍の保護を辞退するが、ある晩、過激派が修道院に乱入する・・・
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映画を事前の情報なくして観るというのは、新鮮味があっていいと常に思っている。
しかしながら、あまりにも情報がなさ過ぎて困惑するというケースも稀にある。
この映画はそんな困惑から始った。
まず、果たして一体これはどこの国なのか見当がつかない。
フランス語を喋っているが、フランスではない。
そしてどうやらイスラム教徒の国らしい・・・
実は舞台はアルジェリア。
そして実話をベースにしていると言う事はあとでわかる。

登場人物たちは修道院の僧侶。
つつましく暮らしながら、住民たちの役にも立っている。
周囲に医者はいないようで、修道院の医師の元には近所の人たちが連日列を為す。
もう若くはない僧侶の医者が、患者の多さに音を上げる。

手造りのものを市場に出して売る。
そこでささやかな糧を得る。
そんな平和な日々に暗い影が差す。
テロリストの活動が活発になり、残虐に殺される被害者が出る。
政府軍が修道院の警護を申し出るが、僧侶のクリスチャンはそれを良しとしない。
本国からも帰国要請が来るが、議論の末僧侶たちは残留を決める。

誰の迷惑にもならず、むしろ喜ばれていても、だからと言って平和に暮らせる保証はない。
テロリストたちには、理屈は通用しない。
信念を持っての活動とは言え、そうした異教の地での布教は大変だろうと思う。
果たして彼らの理想はテロリストたちに通じるのか。
事前の予備知識ゼロはこういう時に効果を発揮する。
先が読めない面白さがある。

ただし、映画自体はあまりにも静か。
淡々と映像が流れていくイメージだ。
主人公たちが修道院の僧侶と言う事もあってやむを得ないかもしれない。
眠くなる事しばしば。

事実としての重みは伝わって来たが、エンターテイメントとしては、今一歩といったところの映画である・・・


評価:★☆☆☆☆
                      





   
              
 
posted by HH at 22:37 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | その他の国の映画

2012年10月21日

陰謀の代償 N.Y.コンフィデンシャル

NYコンフィデンシャル.jpg

原題: The Son of No One
2010年 アメリカ
監督: ディート・モンティエル
出演: 
チャニング・テイタム(Jonathan White)
ケイティ・ホームズ(Kerry White)
レイ・リオッタ(Captain Mathers)
ジュリエット・ビノシュ(Laurene Bridges)
アル・パチーノ(Detective Stanford)
トレイシー・モーガン(Vincent Carter)
ジェームズ・ランソン(Thomas Prudenti)

<STORY>********************************************************************************************************
2002年のN.Y.。
殉職した父親の後を継ぐように警官になったジョナサンは、クイーンズに配属される。
そんな彼のもとに、過去の事件を仄めかす脅迫状が届き始める。
1986年、13歳のジョナサンは麻薬常習者の男を、男が所持していた銃で撃ち殺したことがあった。
刑事のスタンフォードはジョナサンを尋問するが、その後事件を隠ぺいした。
スタンフォードはジョナサンの父親の元相棒だったのだ。
やがて新聞に事件隠ぺいに関する記事が掲載され……。
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一見意味ありげな邦題は、やはり刑事ドラマの秀作「LAコンフィデンシャル」のパクリだ。
実に安易である。
おそらく、警察を舞台とした陰謀ドラマと言う事で、「LAコンフィデンシャル」を想起させて観客を引き込もうと考えたのかもしれない。
しかしながら作り手はそんな事意識していないし、原題は似ても似つかぬものだし、とかく邦題はいい加減という良い例だろう。

そんないい加減な邦題をつけられるレベルの映画なのかというと、なんとアル・パチーノが出演しているからそうとも言えない。
でもストーリーにしろ役柄にしろ、何でこんな映画に出演したのだろうと不思議ではある。
他にもレイ・リオッタなど比較的メジャーな俳優さんが出演しているところが、この映画の唯一の売りだろう。

物語の主人公は警察官のジョナサン。
殉職した警察官を父に持ち、低所得者が住む公営団地で生まれ育つ。
クイーンズに配属になった彼の元に、1986年の2件の殺人事件に関する脅迫状が届き始める。
そして当時の回想シーン。
一人の少年が麻薬中毒の男をその男の銃で射殺する・・・

低所得者の住宅はどこも似たような家庭。
そしてそれぞれに不幸を抱えている。
どの家庭も荒んでおり、子供たちはろくでなしの大人たちに自分の未来を重ね、絶望的な未来から逃げ出そうとする。
たとえどんな手段を使っても・・・

警察と言えども聖人君子の集まりではない。
きれい事ではすまない部分も多い。
せっかく悪夢のような巣窟から抜けだしたジョナサンだが、届く脅迫状は今の妻と子供とに囲まれた幸せな生活を脅かす。
追いつめられれば、人間は道を踏み外すのも厭わなくなる・・・

重いストーリー展開であるのだが、何かしっくりこない部分がある。
それはストーリー展開で理解できない部分があるせいだ。
暗躍する人物がいまいちよくわからない。
最後まで観ても疑問が残ったままの部分もあった。
ストーリーにはわかりやすさという部分もある程度は必要だ。

大物脇役陣が存在しながらも、あまり印象に残りそうもない映画である・・・


評価:★☆☆☆☆




     
     
posted by HH at 22:10 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | サスペンス

2012年10月20日

水曜日のエミリア

水曜日のエミリア.jpg

原題: LOVE AND OTHER IMPOSSIBLE PURSUITS
2009年 アメリカ
監督: ドン・ルース
出演: 
ナタリー・ポートマン(Emilia Greenleaf)
スコット・コーエン(Jack)
チャーリー・ターハーン(William)
ローレン・アンブローズ(Mindy)
リサ・クドロー(Carolyne)

<STORY>********************************************************************************************************
ニューヨークで弁護士をしているエミリア。
彼女が恋に落ちた相手は、同じ事務所の上司ジャックだった。
エミリアの妊娠をきっかけにジャックの離婚が成立、晴れてふたりは結婚するが、エミリアには“略奪女”というレッテルが付いてまわり、さまざまな苦難が続く。
産まれたばかりの娘イサベルの突然死という悲劇を乗り越えられないばかりか、夫の連れ子で8歳になるウィリアムはなかなか心を開いてくれなかった…。
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ナタリー・ポートマン主演のホームドラマ。

子供を学校へ迎えに行くエミリア。
一緒になった母親との会話から、継子だとわかる。
そしてなぜか周囲の視線が冷たい。
その理由はすぐに明らかになる。

物語は少し前に戻り、新米弁護士として法律事務所に勤め始めたエミリアが上司ジャックと出会ったところが描かれる。
妻子持ちのジャックとの恋はいばらの道。
そのまま恋に落ち、結婚する。
いわゆる略奪婚。
しかし幸せな結婚式のあとにはリアルな現実が待っている。

せっかくジャックとの間に授かった子供イザベルは、生後間もなく突然死。
ジャックの連れ子ウィリアムはなかなかエミリアに心を開かない。
ウィリアムは離婚した両親の間を行き来して暮らしている様子。
そして水曜日に迎えに行くのはエミリアの役目。
邦題はここから来ているようだが、ストーリーとは何の関係もない。

うまくいかないウィリアムとの関係。
ラブラブだった夫とも、日常生活をともにすればすれ違いも生じてくる。
離婚した両親との関係。
そして仲の良い友人たち。
最愛の子供を失った哀しみは拭えないまま、周囲の関係との歯車が軋む。
人生とは苦難の連続。
そんな想いが脳裏を過る。

主演のナタリー・ポートマンは、この映画で製作総指揮も手掛けたとの事。
ある程度富と名声とが手に入ると、自分なりに気に入った映画を創りたいという望みも叶うようになるのだろうから、そういう意思が込められた映画なのだろう。
原作を読んで気に入ったのかもしれないが、一見地味な映画だが、ナタリー・ポートマンの想いが伝わってくるかのような気がする。

人間関係というのはやはり相手に対する想いが作る。
相手に好意を持てば、その関係はうまく行くが、逆であればうまくいかない。
ウィリアムは両親が離婚した事を心の底では悲しんでおり、それが形を変えてエミリアにぶつけられていく。
離婚の原因となった父親の行為を許せないエミリアは、自然と父親にも冷たく当たる。
そして、そんな気持ちは父と仲直りしようとする母親にも向けられる。
ジャックの前妻キャロラインがエミリアに向ける憎悪は言わずもがなである。

そんな対立が後半には和んでいく。
相手に対する思いやりは人の心を動かす。
そしてそれは観ている者にも伝播する。
世の中をより良く生きていくためには、実はこういう事が大事なんだと思える。

一見地味なホームドラマだが、ナタリー・ポートマンの魅力と共に堪能できた一作である・・・


評価:★★☆☆☆



    
ナタリー・ポートマン出演作品
「レオン」
「ヒート」
「スターウォーズ/エピソードU」
「スターウォーズ/エピソードV」
「Vフォー・ヴェンデッタ」
「マルゴリムおじさんの不思議なおもちゃ屋」
「マイ・ブルーベリー・ナイツ」
「ブーリン家の姉妹」
「ブラック・スワン」
「マイ・ブラザー」
「抱きたいカンケイ」


posted by HH at 18:58 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ