2012年12月31日

BUNRAKU

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原題: BUNRAKU
2010年 アメリカ
監督: ガイ・モシェ
出演: 
ジョシュ・ハートネット(The Drifter)
ウディ・ハレルソン(The Bartender)
Gackt(Yoshi)
ケヴィン・マクキッド(Killer No. 2)
ロン・パールマン(Nicola)
デミ・ムーア(Alexandra)

<STORY>********************************************************************************************************
核戦争後の荒廃した世界。
ニコラという男が牛耳る街に、二人の男が姿を現す。
ドリフターという男はニコラに勝負を挑むためやって来た。
そしてもう一人はヨシというサムライで、曾祖父の代に奪われた家宝の竜の紋章を取り戻すためにやって来たのだ。
しかし、日本料理店を営むヨシの叔父がニコラの手下に殺され、姪が拉致されてしまう。
ニコラと因縁を持つバーテンダーに引き合わされた二人は、ニコラに挑むため共闘する事に…。
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BUNRAKUというタイトルは、日本語なのだろうか。
しかし、内容は「文楽」とは無関係で意味はよくわからない。
Gacktが日本人役で出演しているが、日本風のテイストを出すためだろうかと考えてもみたが、よくわからない。

物語は、核戦争後の世界。
と言っても「マッドマックス」のような荒廃した世界ではない。
文明社会はきちんと成立しているが、その反省から銃が廃止されたという前提。
したがって、人々が手に取る武器は刃物となる。
そしてニコラという男が牛耳る町に、二人の男がやってくる。
このあたりは、西部劇のノリだろう。

二人の男は西部のカーボーイ風のドリフターとサムライ風のヨシ。
初めは対立するも、やがて共通の目的がニコラとわかり共闘する事になる。
全編を通して劇画チックな展開は、どことなく「シンシティ」を彷彿とさせる。
それをもっともよく表現していたのが、殺し屋2かもしれない。

ニコラをトップとして10人の凄腕の殺し屋が二人の前に立ちふさがる。
世話になった叔父が殺され、その娘がさらわれるという涙がこぼれそうになるほどありきたりなストーリー展開だが、それもまた良し。
10人の殺し屋たちを倒さなければニコラの下に辿りつけない。
このあたりはゲームのノリだ。

なぜかデミ・ムーアが大して重要でもない役で登場する。
出演は嬉しいのだが、チョイ役じゃあまり満足はできない。
最後までタイトルの意味はわからないが、たぶん「ゲイシャ」でも「フジヤマ」でも良かったのかもしれない。

あれも映画、これも映画。
いろいろあって映画は面白い。
あらゆる要素を盛り込んだおもちゃ箱のような映画だが、これはこれで楽しめる。
それで良しとしたい映画である・・・

評価:★★☆☆☆

                         


     
     
posted by HH at 23:23 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー

2012年12月30日

日輪の遺産

日輪の遺産.jpg

2011年 日本
監督: 佐々部清
原作: 浅田次郎
出演: 
堺雅人(真柴少佐)
中村獅童(望月庄造)
福士誠治(小泉中尉)
ユースケ・サンタマリア(野口先生)
八千草薫(金原久枝)


<STORY>********************************************************************************************************
終戦間近の昭和20年8月10日。
帝国陸軍の真柴少佐は、阿南陸軍大臣ら軍トップに呼集され、ある重大な密命を帯びる。
山下将軍が奪取した900億円(現在の貨幣価値で約200兆円)ものマッカーサーの財宝を、秘密裡に陸軍工場へ移送し隠匿せよ……。
その財宝は、敗戦を悟った阿南らが祖国復興を託した軍資金であった。
真柴は、小泉中尉、望月曹長と共に極秘任務を遂行。
勤労動員として20名の少女たちが呼集される。
御国のため、それとは知らず財宝隠しに加担するが、任務の終わりが見えた頃、上層部は彼女らに非情きわまる命令を下す。
果たして少女たちの運命は?そして財宝の行方は…?
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浅田次郎原作という事で気になっていた映画をようやく観た。
しかしながら期待とは裏腹に、ちょっと物足りなさが残る映画だった。
原作を読んでいないから何とも言えないが、面白くなかったのは原作のせいなのか、それとも脚本か。
いつか原作を読んで確認してみようと思う。

こういう歴史モノによくありがちだが、物語は現代から始る。
中学校の卒業式に参加した老夫婦が二人。
いかつい顔をした祖父は、卒業式の途中で倒れそのまま息を引き取る。
祖父が横たわるその横で、祖母は子供たちに昔の話をし始める。
それは、学校の石碑にもなっている当時の先生と友人たちとにまつわる話であった。

昭和20年8月10日。
すでに天皇陛下の裁断が下され、ポツダム宣言を受諾して降伏する事が内々に決まっていた。
陸軍近衛師団の真柴少佐は、阿南陸軍大臣らトップに呼び出され、会計のエキスパートである小泉中尉とともに密命を受ける。
フィリピンのマッカーサーから奪った財宝を、復興に備えて密かに隠せというものであった。
行動は隠密裏に行なわれ、作業は何も知らない勤労動員の女学生20名に託される。

浅田次郎原作というと、「地下鉄(メトロ)に乗って」「憑神」「椿山課長の七日間」などの映画を観たが、いずれも原作の良さを映画で表現しきれないという限界を露呈していた。
この映画の原作は読んでいないものの、同じ轍を踏んでいるのではないかと思わずにはいられない。

結論から言えば面白くない。
マッカーサーの遺産云々はともかくとして、前半に出てくる主人公久枝の恩師と級友がどうして終戦前日に亡くなったのかというのが話のポイント。
そしてそれはそれなりにうまく物語として完成しているのであるが、面白くない。
原作を読めば、そのあたりの原因はわかるかもしれないが、「作られ感」がどうしても強いのである。
原作にどこまで忠実なのかはわからないが、感動モノに仕上げようという意図が見え見えだと、かえって興醒めしてしまうものなのである。

それに時代考証的にもどうなのだろうかと疑問に思うところもいくつかあった。
玉音放送を敢えて聞かなかったりする事は、当時できたのであろうかとか。
戦後の日本の繁栄を見越したような発言とか。
曹長と久枝の年齢差は、とか。
考えると興味がそがれてしまうという部分が結構あった。

やはり「浅田次郎は原作で」が原則だろうか。
そんな事をまたしても思わされた映画である。


評価:★★☆☆☆
    



     
    
posted by HH at 23:13 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2012年12月28日

CURE

CURE.jpg

1997年 日本
監督: 黒沢清
出演: 
役所広司(高部賢一)
萩原聖人(間宮邦彦)
うじきつよし(佐久間真)
中川安奈(高部文江)
洞口依子(女医)

<STORY>********************************************************************************************************
ひとりの娼婦が惨殺された。
現場に駆けつけその死体を見た刑事の高部は、被害者の胸をX字型に切り裂くという殺人事件が、秘かに連続していることを訝しがる。
犯人もその殺意も明確な個々の事件で、まったく無関係な複数の犯人が、なぜ特異な手口を共通して使い、なぜ犯人たちはそれを認識していないのか。
高部の友人である心理学者・佐久間が犯人の精神分析を施しても、この謎を解く手掛かりは何も見つからない。
そのころ、東京近郊の海岸をひとりの若い男がさまよっていた。
記憶傷害を持つ彼は小学校の教師に助けられるが、教師は男の不思議な話術に引きずり込まれ、魔がさしたように妻をXの字に切り裂いて殺してしまう。
その後、男は警官に保護され、そして病院に収容されて同様の話術を警官や女医と繰り返した。
警官と女医は、それぞれに殺人を犯し、被害者の胸を切り裂いてしまう。
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役所広司主演のホラー映画。
役所広司演じる主人公は、刑事の高部。
このところ連続して起こる殺人事件に奇妙な点を見出す。
犯人は一見何の関係もない人々であるが、唯一手口だけが同一。
すべて首元をX字に切り裂くというもの。
全員犯行を自供するも、どうしてそうしたのかわからないという。

自身の妻も精神科に通う高部。
妻の言動に、病気とはわかっていてもイラつく日々。
仕事では心理学者佐久間と交流を持ち、妻の病状や謎の事件などについても意見交換をしている。
そしてやがて謎の事件は、催眠術と関係あるのではないかと思い至る。

一方、千葉の海岸で記憶喪失の男が、近くの男に話しかける。
気の良い男は小学校の教師で、記憶喪失の男を自宅に連れて帰る。
記憶喪失の男はクリーニングのタグから間宮という名前だとわかる。
そして翌朝、教師は妻の胸元をX字に切り裂いて殺してしまう・・・

観ている者は、催眠術をかけられた者が次々と同じ手口で殺人を犯すという事がわかってくる。
平行して描かれる高部の妻の言動。
不気味な精神世界がじわりじわりと近づいてくる。

間宮もまた精神異常を来しており、その言動にこちらの方もイラついてしまう。
このあたりは、目に見えない不気味な恐ろしさとして伝わってくる。
簡単に催眠術にかかってしまう人々。
実際にこんな事件があったら、実に恐ろしい。

やがて事件は落ち着くべきところに落ち着くが、それにしてもエンディングはまた意味ありげなものとなる。
果たして事件は決着したのだろうか。
途中で散りばめられたヒントをつなぎ合わせると、あれこれ顛末を想像してしまう。

ハリウッド物のな派手な恐怖はないが、じわりと忍び寄ってくる不気味さはある。
ジャパニーズ・ホラーとでもいうのであろうか。
ラストのあとどうなったのだろう。
ちょっと気になる映画である・・・


評価:★★☆☆☆
    


     
posted by HH at 16:27 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | サスペンス

2012年12月27日

人生の特等席

人生の特等席.jpg

原題: Trouble with the Curve
2012年 アメリカ
監督: ロバート・ロレンツ
出演: 
クリント・イーストウッド(Gus)
エイミー・アダムス(Mickey)
ジャスティン・ティンバーレイク(Johnny)
ジョン・グッドマン(Pete Klein)
マシュー・リラード(Phillip Sanderson)
ロバート・パトリック(Vince)

<STORY>********************************************************************************************************
長年大リーグの名スカウトとして腕を振るってきたガス・ロベル。
伝説のスカウトマンとして知られる存在の彼だったが、年齢のせいで視力が弱ってきていた。
それでも引退する素振りを微塵も見せない彼に、球団フロントは疑問を抱き始める。
そんな苦しい立場のガスに救いの手を差し伸べたのは、父との間にわだかまりを感じ続けてきたひとり娘のミッキーだった。
ガスはスカウトマンの誇りをかけ、父娘二人で最後のスカウトの旅に出る。
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「グラン・トリノ」以来のクリント・イーストウッド最新作である。
歳をとっても尚健在なクリント・イーストウッド。
今度の役柄はメジャーリーグのスカウト。
冒頭のトイレのシーンから、老いを披露してくれる。

スカウトのガスは早くに妻を亡くし、一人暮らしをしている。
一人娘のミッキーは弁護士として順調にキャリアを続けている。
二人の親子関係は、事情があってあまりうまくいっていない。
しかし、ガスの親友でもあるピートの依頼で、ミッキーは父のスカウト旅行に付き合う事にする。
ガスも視力が弱ってきて、仕事にも支障をきたしていたのである。

思いもかけない親子旅。
二人は評判の高校生ボブの試合を追う事になる。
そしてそこにかつてガスがスカウトし、今は肩を壊して引退しスカウトとなっているジョニーが加わる。
ガスとミッキー、ミッキーとジョニー、そしてガスとジョニーの人間模様が描かれる・・・

それにしてもこの映画、今年公開された同じメジャーリーグの映画「マネー・ボール」へのアンチ・テーゼのような映画である。
「マネー・ボール」では、「セイバー・メトリクス理論」という、データを中心にして選手を起用しようという新しい手法を採用したアスレチックスが取り上げられていた。
従来からの、現場を歩くタイプのスカウトはみな過去の遺物扱いだった。

ところがこの映画では、「目で見る、耳で聞く」といった古いタイプのスカウトに脚光を当てている。
現場を見ずにデータだけで判断しようとした男は、最後に大恥をかかされる。
スカウトとしてはどちらが良いのか、結論は難しいが、クリント・イーストウッド流の「マネー・ボール」への反撃パンチなのだろうか。

パートナーへの昇進がかかる大事な仕事を前にし、父のために職場を離れたミッキー。
野球をこよなく愛し、現場で選手を観察し、球音に耳を澄ませるガス。
親子関係にしろ、古いタイプのスカウトにしろ、本当に大事なものは何かという事を訴えかけてくるところがある。

ハリウッド映画らしく、最後はパーフェクトなハッピーエンド。
ベースボールはやっぱりアメリカの文化なのだと改めて思う映画である。


評価:★★★☆☆
    
     


    
   
posted by HH at 19:21 | 東京 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2012年12月26日

マイ・バック・ページ

マイ・バック・ページ.jpg

2011年 日本
監督: 山下敦弘
出演: 
妻夫木聡(沢田雅巳)
松山ケンイチ(梅山)
忽那汐里(倉田眞子)
石橋杏奈(安藤重子)
中村蒼(柴山洋)
韓英恵(浅井七重)

<STORY>********************************************************************************************************
東大安田講堂事件をきっかけに全共闘運動が急激に失速を見せていた、1969年。
東都新聞社で週刊誌編集記者として働く沢田は、取材対象である活動家たちの志を理解し、共有したいという思いと、ジャーナリストとして必要な客観性の狭間で葛藤していた。
2年後のある日、沢田は先輩の中平とともに梅山と名乗る男から接触を受ける。
梅山から「武器を揃え、4月に行動を起こす」と言われ、沢田は疑念を抱きつつも親近感を覚えるようになる・・・
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この映画は、評論家の川本三郎氏が、1968年から1972年の『週刊朝日』および『朝日ジャーナル』の記者として活動していた時代を綴った回想録だと言う事である。

映画の中では、主人公は沢田という若者。
東大を卒業し、東都新聞社に就職する。
世の中は学園紛争に騒然となっており、東大安田講堂事件が大きなニュースとなる。
沢田は、そうしたニュースを扱う社会部への憧れを押さえながら、週刊誌の連載企画に携わる日々。

独自の取材をこなす一方で、先輩中平とともに成田の三里塚闘争などの取材にもあたる。
そんな中、梅山と名乗る男が接触してくる。
梅山はこれから武器を揃え、仲間と共に行動を起こすと宣言する。
沢田は大きなネタを扱うチャンスとして、梅山の行動を追う事にする。

梅山も東大の学生。
革命を志し、仲間を集める。
沢田ら週刊誌への接触も売り込みである。
安田講堂事件が終わったあと、自らが行動する時と仲間と共に動き始める。
そして武器を奪うため、自衛隊朝霞基地に潜入した仲間が自衛官を刺殺する・・・

今はもう学園紛争も過去の話。
良い悪いは別として、学生たちにはエネルギーが満ち溢れていた感じがする。
しかしそのエネルギーも、向かう先が重要。
革命と称した学生たちが、多くの事件を起こしたが、梅山もその一人となる。

時代の波だったのだろうか。
一人の男の体験談という事実も物語に厚みをもたらす。
主演の妻夫木聡も迷いながら生きている若者という感じがよく出ていた。
居酒屋で泣くシーンは、その前の女子高生の「きちんと泣ける男の人が好き」というセリフを意識したものだろうが、なかなか味わいのあるシーンだ。

そしてもう一人の主役の松山ケンイチ。
夢見る革命家を熱演。
持論を滔々と語る若者を見ていると、一人前の口を聞きながら、何もわかっていない男が腹立たしくもあり滑稽でもある。
同じ時代を舞台とした「ノルウェイの森」も松山ケンイチが主演であったが、何となく時代の雰囲気にあっている気がする。

時代と言えば時代だったのだろうか。
日本全体が若気の至りの時代だったのかもしれない。
世代的には少し前の世代であり、記憶にはあまり残っていないが、追体験できるというところが映画の良いところ。
時代の雰囲気を味わってみるのもいいかもしれない映画である。


評価:★★☆☆☆
     




   
    
posted by HH at 22:45 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ