
原題: Centurion
2010年 イギリス
監督: ニール・マーシャル
出演:
マイケル・ファスベンダー:クイントゥス・ディアス
ドミニク・ウェスト:ウィリルス将軍
オルガ・キュリレンコ:エテイン
ノエル・クラーク:マクロス
リアム・カニンガム:ブリック
<STORY>********************************************************************************************************
西暦117年、ブリテン島制服をねらうローマ帝国は、ウィリルス将軍が率いる第9軍団に北方のピクト人の制圧を命じた。第9軍団は、ピクト人女性のエテインを現地ガイドに雇い、ピクト人に攻め落とされた砦から逃げ帰った百人隊長のクィントスを一行に加え、北へと進軍していった。しかし第9軍団は森の中で待ち伏せにあい、部隊は壊滅状態となり、ウィリルス将軍も捕らえられてしまう。生き残ったクィントスら7名は、ウィリルス将軍を救出に向かう・・・
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センチュリオンとは、古代ローマ帝国の百人隊長。
辺境の砦で警備任務についていたクィントスは、ピクト人の攻撃を受け捕虜となる。
必死の脱出。あわやというところで、ウィリルス将軍率いる第9軍に救われる。
第9軍は、ブリテン島征服の命を受けて、現地に向かう途中であった。
しかし、ピクト人の現地ガイドエテインの手引もあり、待ち伏せを受けた第9軍は壊滅させられ、隊長のウィリルス将軍も捕虜となってしまう。
生き残ったのは、クィントスを始めとする7人。
立場上指揮を執ることになったクィントスは、ウィリルス将軍救出に向かう・・・
たった七人での救出作戦となると、よくあるヒーローモノのように、英雄的な活躍でちぎっては投げのアクションモノになるかと思いきや、この映画はかなり現実的。
なにせピクト人たちの方が地の利もあり、人数も圧倒している。
救出作戦と言っても夜陰に紛れての奇襲作戦であり、しかも無知なるがゆえに失敗してしまう。
逆に故郷に逃げ帰るも今度は追われる立場となり、しかも追うのは狼と言われるハンター・エテイン。裏をかいたつもりがみるみる追いつかれてしまう。
「ちぎっては投げ」というよりも、弱者の生き残り戦術が主体となるストーリー展開である。
一見、文明人のローマ兵対地方の野蛮人という対立図式に思えるも、ローマに対抗するピクト人たちから見ればそれは正義の戦い。冷酷なエテインも、かつてローマ兵から受けた仕打ちからすれば、そうなるべくしてなったと言える。弱肉強食の時代背景がそこにはある。
七人の運命もそれぞれ。
生死を分けるのは運。
センチュリオンとして、運を切り開いて行くクィントス。
物語は当然ながらフィクションであるが、ひょっとしたらこんな物語もあったのかもしれないと思わされる。そんな風に遠い昔に想いを馳せてみた映画である・・・
評価:★★☆☆☆