2013年03月31日

アントキノイノチ

アントキノイノチ.jpg

2011年 日本
監督: 瀬々敬久
原作 : さだまさし
出演: 
岡田将生:永島杏平
榮倉奈々:久保田ゆき
松坂桃李:松井新太郎
染谷将太:山木信夫
原田泰造(ネプチューン):佐相

<goo映画>********************************************************************************************************
さだまさしの同名小説を「ヘヴンズ ストーリー」の瀬々敬久監督が映画化。
遺品整理業という仕事を通して、もがき苦しみながらも成長する若者の姿を描く。
出演は『プリンセス・トヨトミ』の岡田将生、「東京公園」の榮倉奈々、「神様のカルテ」の原田泰造、「僕たちは世界を変えることができない。But,We wanna build a school in Cambodia.」の松坂桃李。
********************************************************************************************************

タイトルを見るたびに、「アントニオ猪木」を連想してしまうこの映画。
一体どんな映画なのだろうと思っていた。
映画を観る前はあまり情報に触れないようにしているせいか、原作がさだまさしと言うのも知らなかった。

さだまさし原作と言えば、過去にも「眉山」「解夏」があった。
どちらも静かな優しい映画であったが、さだまさしの作る歌も物語も静かで優しいという共通の特徴を感じる。

主人公は高校時代に親友の自殺を目の当たりにし、友人関係から躁鬱病となってしまった永島杏平。
事情があって父親と二人暮らし。
ようやく社会復帰する事になった杏平は、クーパーズという遺品整理会社で働く事になる。

亡くなったあと、事情があって引き取り手のない遺品を整理する会社であるクーパーズは実在の会社がモデルだという。
余談だが、「おくりびと」もそうであったが、死を仕事とする会社は表に出る事が少ない。
映画は時として、こうした仕事がある事を教えてくれる。
遺品整理業者の仕事振りというのも、この映画で知ることができる。

働き始めた杏平は、同じ職場で働くゆきと知り合う。
ゆきもまた重い過去を背負って生きている。
吃音の杏平も過去を背負ったゆきも共に明るくない。
友達付き合いしていると、なんだか疲れてしまいそうなタイプである。

岡田将生もこのところよく映画に出ている。
イケメンだし、恋愛系にはもってこいな感じだから、「瞬 またたき」や駄作だったが「雷桜」なんかの恋愛映画には適役なのだと思う。
しかし一方で、「プリンセス・トヨトミ」のようなボケた役なんかもこなし、さらにはこの映画のような根暗な役もこなし、と幅が広い。
これから日本映画の中心になっていく役者さんかもしれない。

単に語感から「アントニオ猪木」を連想してしまったが、それもあながちハズレではないと言う事は映画を観ているうちにわかってくる。
これは外人さんが観てもわからない感覚だろう。
良い映画だと観入っていたが、最後の展開は個人的にはいただけなかった。
「作り物」っぽい展開で、興醒めしてしまった。
それが、ちょっと残念だった。
個人の感覚だから何とも言えないが、あんまりドラマチックにするのもどうかと思う。

3作観たが、悪くはない。
これからも映画化されるのなら、「さだまさし」作品は観たいと思う・・・


評価:★★☆☆☆


           


posted by HH at 21:46 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 恋愛

2013年03月30日

パーフェクト・センス

パーフェクト・センス.jpg


原題: Perfect Sense
2011年 イギリス
監督: デヴィッド・マッケンジー
出演: 
ユアン・マクレガー :(マイケル)
エヴァ・グリーン :(スーザン)
ユエン・ブレムナー :(ジェームズ)
スティーヴン・ディレイン :(スティーブン)
コニー・ニールセン :(ジェニー)

<YAHOO!映画>********************************************************************************************************
人間に備わる五感を奪う謎の感染症がまん延し、人類存亡の危機に陥った世界を舞台に、危機的な状況下で巡り合った男女の恋の行方を描く恋愛ドラマ。
主演は『ムーラン・ルージュ』などイギリスきっての実力派俳優ユアン・マクレガー、彼と恋に落ちる科学者に『007/カジノ・ロワイヤル』のエヴァ・グリーンがふんする。
監督は、『猟人日記』でもユアンを主演に迎えたデヴィッド・マッケンジー。
世界を舞台にした壮大なストーリーと、愛の意味を問う人間ドラマを融合させた斬新な映像世界が異彩を放つ・・・
********************************************************************************************************

冒頭、静かなナレーションで映画が始る。
抽象的な言葉のナレーションと映画の雰囲気に、どこか既視感を覚える。
こんな雰囲気の映画を観た事があるという感覚である。
そしてそれが「ツリー・オブ・ライフ」であると気がつく・・・

ユアン・マクレガー演じる主人公のマイケルはレストランのシェフ。
戦場のような厨房で腕をふるう一方で、ベッドを共にした女性を「人がいると眠れない」という理由で夜中に追い出す一面を持つ。
しかし、それには理由がある・・・

マイケルの働くレストランのそばに住むスーザンは、感染症学者。
その頃各地で報告されている奇妙な症状を調べている。
ある患者は突然悲しみに襲われたあと、臭覚を失っていた。
原因がわからぬまま、やがてその症状は全世界に広がる。

ご近所ゆえに偶然知り合うマイケルとスーザン。
惹かれあう二人。
親密になっていく二人ではあるが、今度は人々は突然飢餓感に襲われた挙句、味覚を失ってしまう。
レストランも廃業かと思いきや、やがて味覚喪失になれた人々はレストランに戻ってくる。

初めは臭覚。
そして次に味覚。
やがてそれが聴覚になりと人間の五感が順に失われていく。
人類はそれになす術もない。

突然人々が視覚を失ってしまう世界を描いた「ブラインドネス」という映画があった。
目が見えないという事に比べたら、臭覚や味覚は影響が少ない。
なかなか面白い前提の映画だと思う。

そうした一方、映画はそんな人々を傍観するような感覚を持つ。
あがいても仕方がないではないかと語っているようである。
五感を失う前には必ず激しい感情が起きる。
最初は哀しみ。
そして飢餓。
次に怒りの感情に襲われたあと、人々は聴覚を失う。
最後に人々はとてつもない幸福感に包まれる。
その感情の次にくるものは・・・

この映画は果たして何の映画だろう。
恋愛映画と言う事もできる。
事実、映画の主要なストーリーは、マイケルとスーザンという二人の美男美女の恋愛である。
しかし、そういう感覚は起こらない。
映画の世界が行き着くところは、人類の滅亡にほかならないからである。

なんとも不思議な感覚の映画。
やっぱり「ツリー・オブ・ライフ」と同じタイプの映画だとつくづくと思う。
エンターテイメントとしては今一であるが、何かを感じるにはいいかもしれない映画である・・・


評価:★☆☆☆☆


    
posted by HH at 15:19 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2013年03月26日

シャンハイ

シャンハイ.jpg


原題: Shanghai
2010年 アメリカ・中国
監督: ミカエル・ハフストローム
出演: 
ジョン・キューザック:ポール・ソームズ
コン・リー:アンナ・ランティン
チョウ・ユンファ:アンソニー・ランティン
デヴィッド・モース:リチャード・アスター大佐
渡辺謙:タナカ大佐

<解説allcinema>********************************************************************************************************
アメリカのジョン・キューザック、中国のコン・リー、チョウ・ユンファ、そして日本の渡辺謙、菊地凛子といったインターナショナルなスター俳優の豪華共演で贈る歴史サスペンス。
1941年の上海を舞台に、友人の死の真相を追うアメリカ人諜報員が、やがて危険な愛に踏み込み、複雑に絡まり合う巨大な陰謀に巻き込まれていくさまを描く。
監督は「すべてはその朝始まった」「1408号室」のミカエル・ハフストローム。
********************************************************************************************************

1941年、太平洋戦争開戦前夜の上海。
当時の上海は日本と欧米列強がそれぞれ勢力を広げる都市。
米国諜報員のポール・ソームズは、親友でもある同僚コナーの死に直面する。
アスター大佐から彼が裏社会の大物、アンソニー・ランティンの動向を探っていたことを告げられ、新聞記者の身分を使ってコナーの死の謎を追うよう命じられる・・・

そしてカジノで出会った妖艶な中国美女アンナは、アンソニー・ランティンの妻。
同僚コナーはスミコという名の恋人がいたが、コナーの死とともにスミコも姿を消す。
そしてスミコを追う日本軍情報部のタナカ大佐。
アンナには隠された裏の顔があり、それを知ったポールはアンナに惹かれていく。

日米開戦前夜の上海という特殊な環境。
日本は中国と戦争を継続しているが、上海には欧米列強も勢力を維持している。
日本と中国とアメリカと。
それぞれの国の一流キャストが集結して、なかなかサスペンスフルなストーリーが展開される。

全体的に暗い画面がムードを盛り上げる。
中国での日本軍というと、やたらと残虐な悪の軍団という描かれ方をされがちであるが、そこはアメリカ映画の血が流れているせいか、一方的に描かれていないところが好感される。
日中の対立はあるものの、それをアメリカ人ポールが冷静に見ている感じで公平感が強い。

もはやハリウッド・スターと言ってもよい渡辺謙は文句なしの存在。
一方、「バベル」で、ハリウッドには馴染みのある菊地凛子は、やつれて死を目前にした役柄だったせいもあって、不細工な表情。
エンドクレジットを見るまで、その人とわからなかった。

終わってみれば、なんとなくわかったようなわからないようなストーリーだった事に気がつく。
それでもラストのスリルある展開と、タナカ大佐が良かったと思うのである・・・


評価:★★☆☆☆


    

    
posted by HH at 22:54 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | スリリング

2013年03月24日

キル・ザ・ギャング

キル・ザ・ギャング.jpg


原題: KILL THE IRISHMAN
2011年 アメリカ
監督: ジョナサン・ヘンズリー
出演: 
レイ・スティーヴンソン:ダニー・グリーン
ヴァル・キルマー:マンディツキー刑事
ヴィンセント・ドノフリオ:ジョン・ナルディ
クリストファー・ウォーケン:ションドー
リンダ・カーデリーニ:ジョーン
ヴィニー・ジョーンズ:キース・リットソン

<解説allcinema>********************************************************************************************************
リック・ポレロの実録犯罪小説『To Kill the Irishman』を原作にした日本未公開作品。
「パニッシャー」のジョナサン・ヘンズリーが監督と脚本を担当、共同脚本はジェレミー・ウォルターズ。
出演は『パニッシャー:ウォー・ゾーン』『マイティ・ソー』のレイ・スティーヴンソン、テレビドラマ「LAW & ORDER クリミナル・インテント」のヴィンセント・ドノフリオ。
クリストファー・ウォーケンとヴァル・キルマーが脇を固めている。
********************************************************************************************************

実話を基にした映画。
オハイオ州クリーブランドの港で働くダニー・グリーンは、アイルランド出身のIrishhman。
劣悪な労働環境で働く彼は、周囲からの信望も厚く、やがて組合の委員長に選出される。
しかしその地位を利用して仲間の労働環境の改善と同時に、自らの懐も潤す。
FBIから不正を告発されたダニーは、司法取引に応じFBIに情報を提供する事になる。

港湾で働けなくなった彼は、次に市内の清掃権益に目をつける。
バラバラの個人業者をまとめて組合を作れば利権も大きい。
反対する者は暴力で説き伏せ、組合に加盟させていく。
始めは正義感に厚い男として登場するが、やがて悪の面も顔を出す。
近所に爆音を響かせ、傍若無人の振る舞いをしていたヒッピーを返り血で自ら血だらけになるまで殴りつける様は、痛快感を通り越して背筋が寒くなっていく。

勢力を伸ばせば対立も起こる。
ついにイタリアン・マフィアと利害が衝突し、殺し合いの連鎖へとつながっていく。
殺害方法としてメジャーなのは、爆破。
車のエンジンをかけた途端にドカン。
キーを差し込んだ時にドカン。

この映画のサブタイトルに「36回の爆破でも死ななかった男」とある通り、数々の爆破が行われ、多数の人間が死んでいく中、ダニーは幸運にも生き抜いていく。
地元のイタリアン・マフィアも根を上げて、ついにNYの親分に助けを求める有り様である。
その結果、凄腕の殺し屋がやってきて、ダニーらアイルランド系の組織の幹部が次々と殺されていく事になる。

舞台となっているのは1970年代。
マフィアの物語という意味では、時代的にも「ゴッドファーザー」を思い出してしまうが、ドン・コルレオーネのヘビー級の存在感と比べると、この映画の主人公ダニー・グリーンのそれはライト級という感覚は拭えない。
それでも暴力的な出世物語と合わせて、それに伴って家族が出て行く不幸、近所の老婆との交流などのサイドストーリーもからめられていて、見応えはあるストーリー展開と言える。

脇を固めるキャストも見逃せない。
クリストファー・ウォーケンはすっかり歳を取ったものの、独特の雰囲気はそのまま。
ダニーの同級生で、今は刑事となっている男として登場するのはヴァル・キルマー。
『トップガン』のアイスマンもすっかり太ってしまったが、存在感はまだまだ健在。

36回の爆破を生き抜いた男も、NYのマフィアが送りこんだ刺客についに屈する事になる。
爆破に対しては警戒していたダニーだったが、最後の手口はよく考えられたものだった。
脚色は当然入っているのだろうが、ここでも実話の持つ力強さというのを感じる映画である。


評価:★★☆☆☆


     

     
   
posted by HH at 21:50 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 犯罪ドラマ

2013年03月23日

三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船

三銃士.jpg


原題: The Three Musketeers
2011年 アメリカ/イギリス/フランス/ドイツ
監督: ポール・W・S・アンダーソン
出演: 
ローガン・ラーマン:ダルタニアン
ミラ・ジョボビッチ:ミレディ
マシュー・マクファディン:アトス
レイ・スティーブンソン:ポルトス
ルーク・エバンス:アラミス
オーランド・ブルーム:バッキンガム公爵
マッツ・ミケルセン:ロシュフォール隊長
ガブリエラ・ワイルド:コンスタンス
ジュノー・テンプル:アンヌ王妃
フレディ・フォックス:ルイ13世
クリストフ・ワルツ:リシュリュー枢機卿

<映画.com>********************************************************************************************************
アレクサンドル・デュマの冒険活劇「三銃士」を、「バイオハザード」のポール・W・S・アンダーソン監督が映画化したアクション。
17世紀フランス。
パリにやってきた気が強く無鉄砲な青年ダルタニアンは成り行きで三銃士の仲間となり、国王の側近の裏切りによって狙われた王妃の首飾りを取り戻すためイギリスへ。
しかし、そんな彼らの前に事件のカギを握るバッキンガム公爵と正体不明のナゾの美女ミレディが立ちはだかる。
主人公ダルタニアン役に「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」のローガン・ラーマン。
バッキンガム公爵を演じるオーランド・ブルームが自身初の悪役に挑む。
********************************************************************************************************

有名なアレクサンドル・デュマの『三銃士』の映画化。
『三銃士』は有名だが、実のところストーリーはよく知らなかった。
そういう人は、この映画でそれを知る事ができるだろう。
『三銃士』と言っても、実は主役はアトス、ポルトス、アラミスの三銃士ではなく、ダルタニャン。
『三銃士』は『ダルタニャン物語』の1部なのだと言う。

それでも冒頭に登場するのは、三銃士のアトス、ポルトス、アラミス。
それに謎の女性ミレディが加わって、警戒厳重な某所からレオナルド・ダ・ヴィンチによる飛行船の設計図を盗み出す。
しかし、ミレディの裏切りでそれはバッキンガム侯爵の手に渡る。

そして1年後。
父によって剣の手ほどきを受けたダルタニャンは、故郷を後にしパリへと出てくる。
さっそくリシュリュー枢機卿の下で働くロシュフォール隊長と揉めて叩きのめされるという洗礼を受ける。
やり返そうとして逆に街中で三銃士ともめ事となり、決闘の約束をする事になる。
流れるような展開が心地良い。

三銃士と決闘の予定が、護衛隊の登場で混乱となる。
護衛隊は三銃士を捕えようとし、その護衛隊はロシュフォール配下。
敵の敵は味方の理屈で、ダルタニャンと三銃士は共闘する事になる。

自らの権力のために王を操り、イギリスとの和平を壊そうと陰謀をたくらむリシュリュー枢機卿。
それを知ったダルタニャンと三銃士は立ち上がる。
その前に立ちはだかるロシュフォール。
ダ・ヴィンチの飛行船を使って、剣劇に空中アクションも加わる。
最初から最後まで安心して観ていられる勧善懲悪アクションだ。

主人公のローガン・ラーマンは、「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」の主人公。
何となく薄い顔で、主役を務めていても華が感じられないと言ったら酷だろうか。
三銃士役もあまり知らない俳優。
それよりも悪役で登場するオーランド・ブルームとミラ・ジョボビッチの存在感が抜群。
特にミラ・ジョボビッチが妖艶さと「バイオ・ハザード」シリーズ仕込みのアクションとを披露してくれるのが心地良い感じだ。

ダ・ヴィンチの飛行船が何の意味があったのか、今一理解不能だが、そんな事は気にせずに最初から最後まで徹底して楽しめるところが良い映画。
こういう映画は単純に観て楽しみたいと思う所である・・・


評価:★★☆☆☆


    

posted by HH at 22:39 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史アクション