
2011年 日本
監督: 瀬々敬久
原作 : さだまさし
出演:
岡田将生:永島杏平
榮倉奈々:久保田ゆき
松坂桃李:松井新太郎
染谷将太:山木信夫
原田泰造(ネプチューン):佐相
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さだまさしの同名小説を「ヘヴンズ ストーリー」の瀬々敬久監督が映画化。遺品整理業という仕事を通して、もがき苦しみながらも成長する若者の姿を描く。出演は『プリンセス・トヨトミ』の岡田将生、「東京公園」の榮倉奈々、「神様のカルテ」の原田泰造、「僕たちは世界を変えることができない。But,We wanna build a school in Cambodia.」の松坂桃李。
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タイトルを見るたびに、「アントニオ猪木」を連想してしまうこの映画。
一体どんな映画なのだろうと思っていた。映画を観る前はあまり情報に触れないようにしているせいか、原作がさだまさしと言うのも知らなかった。
さだまさし原作と言えば、過去にも「眉山」と「解夏」があった。
どちらも静かな優しい映画であったが、さだまさしの作る歌も物語も静かで優しいという共通の特徴を感じる。
主人公は高校時代に親友の自殺を目の当たりにし、友人関係から躁鬱病となってしまった永島杏平。事情があって父親と二人暮らし。
ようやく社会復帰する事になった杏平は、クーパーズという遺品整理会社で働く事になる。
亡くなったあと、事情があって引き取り手のない遺品を整理する会社であるクーパーズは実在の会社がモデルだという。
余談だが、「おくりびと」もそうであったが、死を仕事とする会社は表に出る事が少ない。
映画は時として、こうした仕事がある事を教えてくれる。
遺品整理業者の仕事振りというのも、この映画で知ることができる。
働き始めた杏平は、同じ職場で働くゆきと知り合う。
ゆきもまた重い過去を背負って生きている。
吃音の杏平も過去を背負ったゆきも共に明るくない。
友達付き合いしていると、なんだか疲れてしまいそうなタイプである。
岡田将生もこのところよく映画に出ている。イケメンだし、恋愛系にはもってこいな感じだから、「瞬 またたき」や駄作だったが「雷桜」なんかの恋愛映画には適役なのだと思う。しかし一方で、「プリンセス・トヨトミ」のようなボケた役なんかもこなし、さらにはこの映画のような根暗な役もこなし、と幅が広い。これから日本映画の中心になっていく役者さんかもしれない。
単に語感から「アントニオ猪木」を連想してしまったが、それもあながちハズレではないと言う事は映画を観ているうちにわかってくる。
これは外人さんが観てもわからない感覚だろう。
良い映画だと観入っていたが、最後の展開は個人的にはいただけなかった。
「作り物」っぽい展開で、興醒めしてしまった。それが、ちょっと残念だった。
個人の感覚だから何とも言えないが、あんまりドラマチックにするのもどうかと思う。
3作観たが、悪くはない。
これからも映画化されるのなら、「さだまさし」作品は観たいと改めて思わされる映画である・・・
評価:★★☆☆☆