
2011年 日本
監督: 矢口史靖
出演:
五十嵐信次郎(ミッキー・カーティス):スズキシゲミツ
吉高由里子:ササキヨウコ
濱田岳:コバヤシヒロキ
川合正悟:オオタコウジ
川島潤哉:ナガイシンヤ
田畑智子:イタミヤヨイ
和久井映見:サイトウハルエ
小野武彦:キムラソウスケ
<Movie Walker 解説>
********************************************************************************************************
『ハッピーフライト』などコメディを得意とする矢口史靖監督が、ロボットと老人をテーマに作りあげたエンターテインメント作。
73歳の老人をロボットの中に入れることになった窓際社員3人がおかしな騒動を繰り広げる。
鈴木老人を演じるのは、200人を超えるオーディションで選ばれた五十嵐信次郎(=ミッキー・カーチス)。
********************************************************************************************************
家電メーカー木村電器の窓際社員、小林(濱田岳)、太田(川合正悟)、長井(川島潤哉)の3人は、社長の勅命で二足歩行ロボット開発を命じられる。
近く開催されるロボット博で、木村電器の名前を売ろうというのが目的だった。
しかし、ロボット博まであと1週間という時期になっても、ロボットは完成には程遠い。
3人は明らかに徹夜続きで疲れ切っているが、そこへ追い打ちをかけるように、アクシデントでロボットは窓から落ちて大破してしまう。
今さらできないとは言えず、窮地に追い込まれた3人は、ロボットの中に人間を入れてごまかす計画を立てる。ロボットの外装にぴったり収まる人間を探すため、アルバイト募集の広告を出す。これに応募してきたのが、仕事をリタイアして久しい独り暮らしの老人、73歳の鈴木重光(五十嵐信次郎)。この鈴木爺さん、少々頑固で家族からも煙たがられている存在。
その頑固爺さんにロボット役の白羽の矢が当たる。
ロボット博の当日、鈴木爺さんが入ったロボット“ニュー潮風”がお目見えする。
3人の技術者は、無難に当たり障りなくやり過ごすつもりが、鈴木爺さんが調子に乗って大活躍。ロボットオタクの女子学生・葉子(吉高由里子)を事故から助けるという離れ業を演じた事から、その優れた機能が大評判となってしまう。
一度きりのつもりが、話題が話題を読んで3人も引っ込みがつかなくなる・・・
コメディというのは、一見バカらしいように思える。
ロボットの中に人間が入ってロボットのふりをする。
実際にやったらすぐバレそうなのだが、それがコメディのいいところ。
こちらも気がつけば、「いつバレルだろう」とヒヤヒヤしながら観ている。
そしてドタバタの中にも、ちょっとシリアスなところもあったりする。
中に人間を入れてごまそうと考えた3人であるが、ロボットを研究する大学生の熱意に触れて、真剣に学び始めるところなんかそうである。
そしてちょっと心が温かくなるようなところもあったりする。
個人的には、ロボットに入って人気者になった鈴木爺さんの孫に対する行動がユーモラスであり、また寂しさの裏返しでもあり、ちょっと切ない味わいを感じた。
一人暮らしの鈴木爺さんの背中が、なんとなく切ないコメディ映画である・・・
評価:★★☆☆☆