2013年12月31日

ゼロ・グラビティ

ゼロ・グラビティ.jpg

原題: GRAVITY
2013年 アメリカ
監督: アルフォンソ・キュアロン
出演: 
サンドラ・ブロック:ライアン・ストーン
ジョージ・クルーニー:マット・コワルスキー
エド・ハリス:ミッション・コントロール(声のみ)

<Yahoo!映画解説>
********************************************************************************************************
『しあわせの隠れ場所』などのサンドラ・ブロックと『ファミリー・ツリー』などのジョージ・クルーニーという、オスカー俳優が共演を果たしたSFサスペンス。
事故によって宇宙空間に放り出され、スペースシャトルも大破してしまった宇宙飛行士と科学者が決死のサバイバルを繰り広げる。
監督を務めるのは、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』『トゥモロー・ワールド』などの鬼才アルフォンソ・キュアロン。
極限状況下に置かれた者たちのドラマはもとより、リアルな宇宙空間や事故描写を創造したVFXも必見。
********************************************************************************************************

冒頭、宇宙空間でスペースシャトルの船外作業に携わる宇宙飛行士3名。
医療技師を務めるライアン・ストーン博士は、スペースミッションには初めての参加。
ライアンとともに船外活動を行うのは、指揮を務めるマット・コワルスキーとシャリフ。
マットは命綱なしで宇宙遊泳を試みている。

そこへヒューストンの管制から、膨大な量の宇宙ゴミが高速で接近しているため、船内に避難するよう緊急連絡が来る。
ロシアが自国の衛星を破壊したところ、他の衛星も連鎖的に破壊され、宇宙ゴミが拡散してしまったという。
地球上なら重力と空気抵抗で吹き飛ばされたものも勢いは落ちる。
しかし宇宙空間では、慣性の法則により物体は永久に勢いを保ち続ける。

高速の宇宙ゴミが飛来し、シャトルに衝突する。
ライアンは宇宙空間にきりもみ状態で放り出される。
これも慣性の法則で、きりもみ状態は止まらない。
しかも上も下も左右もない宇宙空間では、現在位置も特定できなくなる。
パニック状態となるライアンだが、冷静に事態に対応したマットに助けられ、二人は体をつなぎシャトルへと向かう。

この緊急事態からの脱出劇が、全編を通して描かれる。
キーとなるのが、タイトルになっている“ゼロ・グラビティ(無重力)”。
原題では“Gravity(重力)”となっているが、この微妙な違いにひょっとしたら何かかけられた意味があるのかもしれない。
宇宙空間では人間は自力では動けない。
それは重力が無いからに他ならないのだが、それが具体的にどういう事を意味するのか、観る者はライアンとともにそれを味わう事になる。

果たして人間は危機に陥った時にどんな行動が取れるのか。
無重力という制約条件。
炎も火の玉となり、涙さえも水玉となって空間を漂う。
移動するには何かにつかまって伝うか、噴射装置を利用するしかない。
その場で利用できるものを利用する冷静さと機転。
そして日頃の訓練。

出演は、ジョージ・クルーニーとサンドラ・ブロックの実質二人だけという点でもちょっと変わっているこの映画。
映像を楽しみ、ストーリーを楽しみ、そして生きるという事について、何かヒントを得られたような気がする。
2013年の末尾を飾るにふさわしい映画であった・・・


評価:★★★☆☆



    
posted by HH at 16:56 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | SF/近未来ドラマ

2013年12月30日

エメランスの扉

エメランスの扉.jpg

原題: The Door
2012年 ハンガリー・ドイツ
監督: イシュトバン・サボー
出演: 
ヘレン・ミレン:エメランス
マルティナ・ゲデック:マグダ
カーロイ・エペリエシュ:ティボル
アーギ・スィルテシュ:ポレット

<映画.com>
********************************************************************************************************
ハンガリーの巨匠イシュトバン・サボーが、オスカー女優ヘレン・ミレン主演で描いた人間ドラマ。
1960年代のブダペスト。
女性作家マグダは、近所に住む老婦人エメランスを家政婦として雇い入れる。エメランスは気難しく20年間も自宅に誰も入れていないという変わり者だったが、その仕事ぶりには目を見張るものがあった。
そんなエメランスをすっかり気に入ったマグダは、時には衝突しながら彼女との友情を育んでいく。
ある日、エメランスはマグダに自身の秘められた過去を打ち明ける。
********************************************************************************************************

舞台は1960年のブタペスト。
鉄のカーテンの向こう側にあった時代である。
女流作家のマグダがある家に越してくる。
自らも仕事を持つマグダは、家事を任せるべく、近所に住むエメランスに家政婦を依頼する。

ところがこのエメランス。
態度がデカイ。
「雇い主は自分が決める」と宣言。
さらに引き受けると伝えた後も、「給料は仕事量を見て伝える」とどちらが立場が上かわからない。
されど他に適任者もなく、マグダはエメランスを雇い入れる。

仕事はきっちりこなすが、態度は変わらず。
しかし、時折、不可解な面を覗かせる。
雷を異様に怖がり、自宅のドアは固く閉ざし、決して他人を招き入れない。
原題の「The Door」はこの固く閉ざされた扉を指している。
雇用側としては、とてもストレスの溜まる家政婦であるが、マグダは次第にエメランスに慣れていく。

エメランスを演じるのは、「クィーン」でオスカーに輝いたヘレン・ミレン。
大貫禄の英国女王と対照的に、ここでは気難しい老婆として登場。
とてもお金を払ってまで雇いたくはない。

しかし、子供の頃からの過去が少しずつ明らかになっていくと、そうした人格形成も仕方ないのかと思えてくる。
でも結局、何が言いたかったのだろう。
それがちょっとわからなかった映画である・・・


評価:★★☆☆☆




   
posted by HH at 23:44 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2013年12月29日

捜査官X

武侠.jpg

原題: 武侠
2011年 香港/中国
監督: ピーター・チャン
出演: 
ドニー・イェン/タン・ロン:リウ・ジンシー
金城武:シュウ・バイジュウ
タン・ウェイ:アユー
ジミー・ウォング:七十二地刹教主

<Yahoo!映画解説>
********************************************************************************************************
『レッド・クリフ』シリーズの金城武と『イップ・マン』シリーズのドニー・イェンが共演を果たしたアクション・ミステリー。
とある村で強盗殺人を起こした犯人たちの変死。
その裏に隠された驚愕の事実を突き止める捜査官の姿を追いかけていく。
金城が、どこかトボけていながらも冷静沈着で頭脳明晰(めいせき)な捜査官を快演。
また、事件の鍵を握るミステリアスな男としてドニー・イェンが登場し、壮絶なカンフー・ファイトも披露する。
『ウォーロード/男たちの誓い』のピーター・チャン監督による、ハイスピード・カメラやCGを駆使したトリッキーな映像も見どころだ。
********************************************************************************************************

1917年の中国。
雲南省の小さな村。
いずこからかやって来た二人組が、両替商を訪れる。
その二人組、実は強盗。
老店主を脅して金を巻き上げようとする。

その場に居合わせたのは、紙すき職人のジンシー(ドニー・イェン)。
強盗に必死にしがみついて抵抗する。
邪魔者を殺してしまおうとする二人組だが、しがみついて離れないジンシーともみ合ううちに、偶然一人が頭を打って死んでしまう。
そして川に逃げ込んだジンシーだが、闇雲に振り回した腕が残る一人にあたり、これも死んでしまう・・・

事件捜査を担当する捜査官シュウ(金城武)は、犯人の1人が指名手配中の凶悪犯イェンだったことを知る。
武術の心得があるイェンと凶器を持つ相棒を、なぜ丸腰のジンシーが倒すことができたのか、シュウは疑問に思う。
そしてイェンの両目が充血していたことから、殺しのプロのテクニックだと気づいたシュウは、ジンシーへの尋問を開始する。

現場でジンシーに乱闘の模様を再現させ、刀を振り回す男を自滅させた後、ジンシーがイェンを川に誘い込んでトドメを刺したと推理する。
だが、謎は深まるばかり。
妻アユー(タン・ウェイ)、幼い2人の子どもと慎ましく暮らすジンシーは、誰もが口を揃える好人物で、凄腕の殺し屋とは到底思えないのであった・・・

久しぶりの金城武作品。
タイトルからして主演と思っていたら、どうも見ても主演はドニー・イェンだ。
妻でさえ知らない夫の過去。
最初の夫に蒸発された妻は、二度目の夫もいつか蒸発する事を恐れている。
だから怖くて過去も聞けない。
そんないじらしい妻は、どことなく満島光似の美人。

寡黙な夫は、『イップ・マン』シリーズでカンフーアクションを披露したドニー・イェン。
金城武のタダ者ではない捜査官と好対照。
しっとりとしたドラマとカンフーアクション。
しっかり中味の詰まった映画である・・・


評価:★★☆☆☆




posted by HH at 23:13 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 中国/香港/台湾映画

2013年12月28日

ハングリー・ラビット

ハングリー・ラビット.jpg

原題: Seeking Justice
2011年 アメリカ
監督: ロジャー・ドナルドソン
製作: トビー・マグワイア
出演: 
ニコラス・ケイジ:ウィル・ジェラード
ジャニュアリー・ジョーンズ:ローラ・ジェラード
ガイ・ピアース:サイモン
ハロルド・ペリノー:ジミー
ジェニファー・カーペンター:トルーディ

<Yahoo!映画解説>
********************************************************************************************************
妻が犯罪被害に遭い怒りに燃える高校教師が、代理殺人を執行する秘密組織の闇に引きこまれていくサスペンス。
殺人の罪を着せられながらも謎の巨大組織に立ち向かう男の戦いを、『バンク・ジョブ』などのロジャー・ドナルドソン監督が緊迫感たっぷりに描く。
主演は、『ナショナル・トレジャー』シリーズのニコラス・ケイジ。
共演にはテレビドラマ「MAD MEN マッドメン」シリーズのジャニュアリー・ジョーンズ、『メメント』のガイ・ピアースらがそろう
********************************************************************************************************

実に多作なニコラス・ケイジの主演映画。
高校教師のウィル(ニコラス・ケイジ)は、音楽家の妻ローラ(ジャニュアリー・ジョーンズ)とともにつつがなく暮らしている。
しかしある日、ローラが帰宅途中に暴行されるという事件が起こる。
病院のベッドに痛々しい様子で横たわるローラ。

動揺するウィルに対し、見知らぬ男(ガイ・ピアース)が話しかけてくる。
ウィルの代わりに犯人に復讐しようと言うのである。
見返りはいつか「簡単な頼み」を聞く事。
たとえ犯人が捕まっても、長い裁判の挙句、短い刑期で犯人は再び社会に出てくるという話を聞き、ウィルはその提案に乗る。

それから半年後、その代償として今度はウィル自身が誰かの代わりとして殺人をするよう迫られる。
このあたりは、観ていて想定通りといったところ。
自分だったらどうするだろうと考えてみると、難しいところではあるが、“実行役”を押し付けられる事は目に見えている。

それは、「ボタンを押せば見知らぬ誰かが死ぬが、あなたは100万ドルを手にする事ができる」という誘惑を受けた「運命のボタン」と同様である。
自分が押して誰かが死ぬと言う事は、誰かが押して自分が死ぬと言う事もあり得るのだと言う事に気づかないといけない。

巧みに仕組まれたシナリオ。
そしてウィルは、結果的にターゲットを死に追いやってしまう。
ようやく元の平穏な生活に戻りかけたかに見えたウィルとローラ。
しかし、今度は見知らぬ組織と、そして警察から追われるハメになる。

タイトルは謎の組織が使う合言葉から来ている。
それがまた、効果的に使われる。
最後のセリフが静かなインパクトをもって伝わる。
アクションでも何でもそれなりにスムーズにこなすニコラス・ケイジ。
ちょっと気弱風のイメージがピッタリの役柄。
ガイ・ピアースの不気味さと相俟って、楽しめる映画である。


評価:★★☆☆☆






posted by HH at 19:16 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | サスペンス

2013年12月24日

アカシアの通る道

アカシアの通る道.jpg

原題: Las acacias
2011年 アルゼンチン/スペイン
監督: パブロ・ジョルジェーリ
出演: 
ヘルマン・デ・シルバ:ルベン
ヘーベ・デュアルテ:ハシンタ

<WOWOW解説>
********************************************************************************************************
人に頼まれてシングルマザーとその赤ん坊を乗せることになった孤独なトラック運転手。
彼が打ち解けていく姿を描いたロードムービー。
驚くほど少ない台詞・音楽、事件らしい事件が起きない地味な展開ながら、それだけに登場人物たちが移動する距離に比して心と心の距離を近づけていく感覚がリアルに伝わってくる、何とも優しい1本。
アルゼンチンのP・ジョルジェーリ監督は自身も前妻との離婚や失業などを経験したが、本作を作る過程を通じて、自身も立ち直ることができたとか。
第64回カンヌ国際映画祭で、新人監督の初めての長編(60分以上)を対象にしたカメラドール(過去には日本の河瀬直美監督が「萌の朱雀」で受賞)に輝いている。
********************************************************************************************************

主人公はルベンと言う名の、運転歴30年のベテランドライバー。
前後から判断するに、国境を越えて主に資材を運んでいるようである。
そんな彼のトラックに、上司から人を乗せてくれと頼まれたようである。
洗面台で簡単に体を洗った彼の許にやってきたのは、赤ん坊を抱いた女性ハシンタ。

日本的感覚では、どこかへ出かける時に利用するのは交通機関。
されどそこはパラグアイ。
たぶん、お金もないのであろう、赤ん坊を抱いたハシンタは、知り合いの伝手を頼ってブエノスアイレスへ向かうトラックに乗せてもらうよう頼んだようである。

ルベンもハシンタも初めは互いに気まずい雰囲気。
おもむろに煙草を吸うルベン。
さり気なく窓を開けるハシンタに、赤ん坊の存在に気づき煙草を捨てる。
それを見て礼を言うハシンタ。
ぎこちないながらも、二人の交流が始る。

それでも赤ん坊が泣き、途中で予定外の休憩を取らざるを得なくなったルベンは、密かにバスの時間と料金を調べる。
バスに乗せてしまおうと考えたようである。
しかし、明日までバスはないと聞いて諦める。
そんな環境とルベンの心境が静かに描かれる。

長い道中、それでも少しずつうち解けていく二人。
二人のそれぞれのプライベートも明らかになってくる。
そしてやがてトラックはブエノスアイレスへと到着する・・・

大概、映画を観る時は「この先どんな展開になるのだろう」と期待して観る。
静かなスタートであったこの映画、なんとそのまま静かに終わってしまった。
特に何かのドラマがあったというわけではない。
されど何となく、何を言わんとしたのかが静かに伝わってくる。
そんな映画である。

何にもないけど、何だかとっても奥深い映画である・・・


評価:★★☆☆☆


  

posted by HH at 23:11 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ