
原題: Prometheus
2012年 アメリカ
監督: リドリー・スコット
出演:
ノオミ・ラパス:エリザベス・ショウ
マイケル・ファスベンダー:デヴィッド
シャーリーズ・セロン:メレディス・ヴィッカーズ
ガイ・ピアース:ピーター・ウェイランド
イドリス・エルバ:ヤネック
ローガン・マーシャル=グリーン:チャーリー・ホロウェイ
<シネマトゥデイ>
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『ブレードランナー』、『グラディエーター』などのヒット作や名作を数多く手掛けてきた名匠リドリー・スコットが、自身のアイデアをベースに壮大なスケールで放つSF巨編。謎に包まれた人類の起源を解き明かす鍵が残された惑星に降り立った科学者チームに待ち受ける、驚がくの真実と恐怖を活写していく。『ミレニアム』シリーズのノオミ・ラパスや『SHAME -シェイム-』のマイケル・ファスベンダーといった実力派俳優が顔をそろえている。予測不能のストーリー展開に加え、作中に登場する惑星の異様な世界観にも圧倒される。
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この映画は、実は「エイリアン」の前日譚として製作されたのだと言う。
名匠リドリー・スコット作品であるし、事前の期待度はかなり大きかった。
冒頭、人間のような男が、何やら液体を飲みほし、滝の中に落ちるとそのまま水に溶けゆく。
何かを暗示しているようだが、それが何かはわからない。
このシーンを観ていて、「2001年宇宙の旅」の冒頭のシーンを思い出した。
画面変わって2089年のスコットランド。
エリザベス・ショウとチャーリー・ホロウェイのコンビは、長年隠れていた洞窟の壁画を発見する。それらは、遥か遠くの存在を示しているかのよう。
そして2093年、外宇宙を探索する宇宙船プロメテウスは、目的地である惑星に到着しようとしている。船員はアンドロイドのデイヴッドを除き、みな2年の間、冷凍スリープで旅してきたが、今起きてくる。そして宇宙船は、目的地に到着し、船員たちは目の前の人造物のような岩山へと探検に向かう。
ここではアンドロイドのデイヴィッドの行動が不気味だ。
人間の命令に従うようでいて、何か別の動きをしているかの様。
ちょうど「エイリアン」でもアンドロイドのアッシュが、乗組員よりエイリアンの捕獲を優先する命令を密かに実行しようとしていたのを彷彿とさせる。
そしてその岩山で、乗組員たちは次々と“体験”する事になる。
要所要所で「エイリアン」に繋がる雰囲気を感じる。
その世界感は同じである。
こうしてかつてのシリーズを思い出させる映画というのも興味深い。
ただ、あくまでも「エイリアン」との関連でそれらは生きてくる。
単体だとどうだろうという感じだ。
主演のエリザベス・ショウを演じるのは、『ミレニアム』シリーズのノオミ・ラパス。
言われて「そう言えば」と思いだすくらい雰囲気は違う。
女性が絶体絶命の危機の中、奮闘するという点では、「エイリアン」のリプリー的な存在だ。
自動手術機での様子はなかなかのもの。
ラストはそのまま「エイリアン」へと繋がるのであるが、登場人物たちはもちろんそうではない。純粋に「あの後、どうなったんだろう」と思う。ともあれ、「エイリアン」を観た人は、そしてあの世界感に満足した人にとっては、必見の映画である事は間違いなさそうである・・・
評価:★★☆☆☆