2014年01月21日

プロメテウス

プロメテウス.jpg

原題: Prometheus
2012年 アメリカ
監督: リドリー・スコット
出演: 
ノオミ・ラパス:エリザベス・ショウ
マイケル・ファスベンダー:デヴィッド
シャーリーズ・セロン:メレディス・ヴィッカーズ
ガイ・ピアース:ピーター・ウェイランド
イドリス・エルバ:ヤネック
ローガン・マーシャル=グリーン:チャーリー・ホロウェイ

<Yahoo!映画解説>
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『ブレードランナー』、『グラディエーター』などのヒット作や名作を数多く手掛けてきた名匠リドリー・スコットが、自身のアイデアをベースに壮大なスケールで放つSF巨編。
謎に包まれた人類の起源を解き明かす鍵が残された惑星に降り立った科学者チームに待ち受ける、驚がくの真実と恐怖を活写していく。
『ミレニアム』シリーズのノオミ・ラパスや『SHAME -シェイム-』のマイケル・ファスベンダーといった実力派俳優が顔をそろえている。
予測不能のストーリー展開に加え、作中に登場する惑星の異様な世界観にも圧倒される。
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この映画は、実は「エイリアン」の前日譚として製作されたのだと言う。
名匠リドリー・スコット作品であるし、事前の期待度はかなり大きかった。

冒頭、人間のような男が、何やら液体を飲みほし、滝の中に落ちるとそのまま水に溶けゆく。
何かを暗示しているようだが、それが何かはわからない。
このシーンを観ていて、「2001年宇宙の旅」の冒頭のシーンを思い出した。

画面変わって2089年のスコットランド。
エリザベス・ショウとチャーリー・ホロウェイのコンビは、長年隠れていた洞窟の壁画を発見する。
それらは、遥か遠くの存在を示しているかのよう。

そして2093年、外宇宙を探索する宇宙船プロメテウスは、目的地である惑星に到着しようとしている。
船員はアンドロイドのデイヴッドを除き、みな2年の間、冷凍スリープで旅してきたが、今起きてくる。
そして宇宙船は、目的地に到着し、船員たちは目の前の人造物のような岩山へと探検に向かう。

ここではアンドロイドのデイヴィッドの行動が不気味だ。
人間の命令に従うようでいて、何か別の動きをしているかの様。
ちょうど「エイリアン」でもアンドロイドのアッシュが、乗組員よりエイリアンの捕獲を優先する命令を密かに実行しようとしていたのを彷彿とさせる。
そしてその岩山で、乗組員たちは次々と“体験”する事になる。

要所要所で「エイリアン」に繋がる雰囲気を感じる。
その世界感は同じである。
こうしてかつてのシリーズを思い出させる映画というのも興味深い。
ただ、あくまでも「エイリアン」との関連でそれらは生きてくる。
単体だとどうだろうという感じだ。

主演のエリザベス・ショウを演じるのは、『ミレニアム』シリーズのノオミ・ラパス。
言われて「そう言えば」と思いだすくらい雰囲気は違う。
女性が絶体絶命の危機の中、奮闘するという点では、「エイリアン」のリプリー的な存在だ。
自動手術機での様子はなかなかのもの。

ラストはそのまま「エイリアン」へと繋がるのであるが、登場人物たちはもちろんそうではない。
純粋に「あの後、どうなったんだろう」と思う。
ともあれ、「エイリアン」を観た人は、そしてあの世界感に満足した人にとっては、必見の映画である事は間違いなさそうである・・・


評価:★★☆☆☆





    
posted by HH at 22:59 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | SF/近未来ドラマ

2014年01月20日

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 

踊る大捜査線 THE FINAL.jpg

2012年 日本
監督: 本広克行
出演: 
織田裕二:青島俊作
深津絵里:恩田すみれ
ユースケ・サンタマリア:真下正義
柳葉敏郎:室井慎次
伊藤淳史:和久伸次郎
内田有紀:篠原夏美
小栗旬:鳥飼誠一

<映画.com>
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織田裕二主演の人気ドラマを映画化し、日本の実写映画興行記録を打ち立てた大ヒットシリーズ最終作。
湾岸署管内で開催中の国際環境エネルギーサミット会場で誘拐事件が発生し、被害者が射殺体で発見される。
緊急招集された捜査会議では、すべての捜査情報を鳥飼管理官に文書で提出するという異例の義務が課され、所轄の捜査員は一切の情報を開示されないまま捜査を進めなければならない。
そんな中、第2、第3の殺人事件が立て続けに発生し……。
織田、深津絵里、柳葉敏郎らシリーズレギュラーキャストのほか、前作から加わった小栗旬、伊藤淳史らも出演する。********************************************************************************************************

テレビシリーズがヒットし、劇場版へと発展するというよくありがちな日本映画界の典型例。
とはいえ、面白いから仕方ないのかもしれない。
前作「踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!」から2年。
映画は4作目であるが、タイトルに「THE FINAL」とあるように、もうこれで打ち止めらしい。

湾岸署管内で誘拐殺人事件が発生する。
白昼堂々大勢の人でにぎわう環境サミットの会場から拉致された男性が、射殺体で発見される。
そして凶器に使われたけん銃は、なんと6年前の幼女誘拐事件で使われたけん銃で、しかも警察署に証拠品として保管されているはずのモノであった事から、警視庁幹部たちは緊張に包まれる。

すぐに湾岸署管内に捜査本部が設置される。
所長の真下が、捜査本部の看板を感無量の心持で書く。
殺人事件なのに、捜査本部の看板を書くという署長としての“大役”に喜びを感じる真下。
この映画はシリアスな面とコメディタッチな部分をうまく融合し、そして知られざる現場の様子を描くところも魅力の一つ。

かつて「太陽にほえろ!」などでは、七曲署という架空の所轄警察署がドラマの中心となり、所轄の刑事たちが大活躍で事件を解決していた。
だが、実際は殺人事件などで捜査本部が設置されると、本庁の刑事が捜査の中心になり、所轄の刑事はそのお手伝いとなる事が普通。
そんな実情もこのドラマで知った。

主人公の青島はそんな所轄の刑事であり、後輩の真下が上司となってしまう中、今回も所轄の刑事という捜査の脇役に追いやられる。
常に捜査の中心だった七曲署のデカとは大違いである。
こうしたサラリーマンの悲哀も、観る立場によっては大いに共感できてしまう。
そんな中でモチベーションをいかに保つのかも、サラリーマンとしての矜持だろう。

ヒロイン的な存在のすみれは、今回退職の決意をする。
個人的に深津絵里はあんまり好きではないせいか、このヒロインにはあまり感情移入できない。
むしろ内田有紀の方が気になってしかたない。
個人的にはもっと出番を増やしてほしかった。

時にシリアスに、そして時にコミカルに。
官僚機構の欠点を浮き彫りにしつつ、リアルな現場感覚をもってストーリーを展開させるこのシリーズのうま味は、本作でも良く出ていて、今回も大いに楽しめた。
最後というのが残念なシリーズラスト映画である・・・


評価:★★☆☆☆



   
posted by HH at 23:01 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 刑事・探偵・推理ドラマ

2014年01月14日

無言歌

無言歌.jpg

原題: 夾辺溝/THE DITCH
2010年 香港・フランス・ベルギー
監督: ワン・ビン
出演: 
ルウ・イエ:リー・ミンハン
ヤン・ハオユー:ドン・シェンイー
シュー・ツェンツー:グー
リャン・レンジュン
チョン・ジェンウー

<Yahoo!映画解説>
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山形国際ドキュメンタリー映画祭で2度のグランプリ受賞歴を持つ中国映画界の鬼才、ワン・ビン監督が初の長編劇映画に挑んだ歴史ドラマ。
文化大革命前に起きた中国共産党による弾圧「反右派闘争」がもたらした悲劇を、ヤン・シエンホイの小説「告別夾辺溝」と過酷な体験を生き延びた生存者たちの証言を基に描き出す。
中国では現在もタブーとされている史実を題材に人間の尊厳を問う物語は、ベネチア国際映画祭をはじめ世界各国で絶賛された。
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1960年。
中国西部、ゴビ砂漠の収容所。
“農場”とされるのに、あたり一面不毛の土地が延々と続く僻地。
そこに男たちが囚われている。
食料はほとんどなく、水のような粥をすする。

一人の男が何やら食べ物らしきものを見つけてきて鍋で調理して食べる。
周りの者は、やめろと止める。
男は無視してそれを食べるが、やがて外で吐いてしまう。
吐き出したものを別の男が拾って食べる。
なかなかすさまじいシーンだ。

この映画はストーリーらしきものがない。
収容所と言っても監視塔も鉄格子も有刺鉄線も何もない。
徒歩でどこかに逃げだす事など不可能という事なのだろう。
食糧不足から農作業も中止となり、男たちはただ地下に掘った穴ぐらで布団にくるまっている。
それぞれ“容疑”を語るシーンが出てくるが、犯罪らしいものはなく、ただ“都合の悪い事を言った”という事のようである。

飢えに苦しむ男たちは、ついに死体を食べたという容疑で叱責を受ける者も出てくる。
叱責する立場の監視人は、自分達の小屋で麺をすする。
そして一人、また一人と死んでいく。
家族に差し入れを求める手紙を代筆してもらいながら、ほとんど動けずにやがて息絶えていく男。
そうした男たちの姿が淡々と描かれていく。

よく中国でこういう映画が作れたなと感心していたが、香港・フランス・ベルギー合作となっていた。
「中国」となっていないところがミソなのかもしれない。
これが忌まわしき過去の話と言えるのか。
今も知識人が不当に拘束されているところを見ると、どうもそう言い切れないところが中国の恐ろしいところかもしれない。

この映画が果たしてエンターテイメントと言えるかどうかは疑わしいが、こうした問題を世間に知らしめさせるという意味では、意義ある映画なのかもしれない。
いつも首をかしげざるを得ない邦題が多い中、この映画の邦題は深い意味合いを感じさせられる。
実に深い映画である・・・


評価:★★☆☆☆





    
posted by HH at 22:48 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 中国/台湾映画

2014年01月13日

イヤー・オブ・ザ・スネーク 第四の帝国

イヤー・オブ・ザ・スネーク.jpg


原題: Die vierte Macht
2012年 ドイツ
監督: デニス・ガンゼル
出演: 
モーリッツ・ブライブトロイ:ポール・イェンセン
カシア・スムートニアック:カティヤ
マックス・リーメルト:ディマ
マーク・イバニール:アスラン
スタイプ・エルツェッグ:ウラジミール

ドイツ人ジャーナリストのポールがロシアにやって来る。
そして事故死した父親が在籍していた雑誌社で働く事になる。
しかし、民主化したとはいえ、ロシアに残る見えない言論の壁に行き当たるポール。
そんな中で、ポールは編集長と対立するロシア人女性ジャーナリスト・カティヤと知り合う。
お約束のように懇意になる二人。

カティアとともにロシアを深く知るようになるポール。
しかしある日、爆破テロに巻き込まれてしまう。
意識を取り戻したポールは、そこが刑務所の病棟であり、自分がテロの容疑者として逮捕されている事実に驚く。

仲間が弁護士を手配してくれるものの、容疑は重く、証拠も揃っており、どうにもならないまま刑務所に止め置かれる。
移された牢屋は明らかに収容人数をオーバーしている劣悪な環境。
そして、そこにはチェチェン人テロリストたちが収容されていた・・・

サスペンスチックなストーリー展開だが、背景にはチェチェン人によるテロとそのテロの原因としてのロシアの悪どい政策が描かれる。
どちらかと言えば、チェチェンを支持する内容。
ロシアは、「5デイズ」でも描かれている通り、グルジアとも紛争を起こしている。
元々はソ連という一つの体制だったのに、その隠された裏側にある対立は何なんであろう。

日頃あまり接する事の少ない旧ソ連圏のニュース。
そこから伺い知る事のできる範囲は限られている。
しかし、こうして映画として描かれると、知られざる世界の内幕を伺い知る事ができる。
やっぱりそういう意味でも、映画は大事な媒体だと思うのである・・・


評価:★★☆☆☆


   
posted by HH at 21:36 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | スリリング

2014年01月12日

スリープレス・ナイト

スリープレス・ナイト.jpg

原題: NUIT BLANCHE
2011年 フランス=ルクセンブルク=ベルギー
監督: フレデリック・ジャルダン
出演: 
トメル・シスレー:ヴァンサン
ジョーイ・スタール:フェイデック
ジュリアン・ボワッスリエ:ラコンブ
ロラン・ストーケル:マニュエル
セルジュ・リアブキン:ジョゼ・マルシアノ

<Movie Walker 解説>
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金儲けのためにマフィアからドラッグを奪った刑事が、マフィアにさらわれた一人息子を取り戻す姿を描くノワール・アクション。
監督・脚本は『優しい狂気』のフレデリック・ジャルダン。
出演は「ラルゴ・ウィンチ 裏切りと陰謀」のトメル・シスレー。
撮影を「グラン・トリノ」のトム・スターンが手掛ける。
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白日の下、車が襲われ、大量のコカインが強奪される。
すぐに明らかになるのだが、実は犯人の二人組は刑事。
しかし、コカインは強奪できたものの、首謀者のヴァンサン(トメル・シスレー)は、相手に腹部を刺され、傷を負ってしまう。
病院へ行くわけにもいかず、応急処置のまま何気なく現場検証に向かう。

そして間もなく、別れた妻から“一人息子のトマと連絡がとれない”との電話が入る。
犯行の最中に素顔を見られたためにヴァンサンの素性がばれ、マフィアのボスにトマを誘拐されてしまったのである。
マフィアは、コカインの入ったバッグの返還を要求、ヴァンサンは彼らが経営するクラブへと向かう。
そんなヴァンサンを、かねてから内偵していた女性麻薬捜査官が密かに追う。

クラブの天井裏にコカインを隠し、ヴァンサンはマフィアとの交渉に向かうが、彼を尾行していた女性麻薬捜査がコカインを奪取。
隠し場所からコカインがなくなっていることに気付いたヴァンサンは焦りを募らせるが、さらにそこへコカインを受け取る予定だった別のマフィアが現れる。

客でごった返すナイトクラブで、ヴァンサンとマフィア、そして彼らを追う麻薬捜査官との思惑が複雑に絡み始める。
刺された傷が悪化する中、ヴァンサンは一人息子を救うため、命をかけて絶体絶命の状況に立ち向かう・・・

主演がトメル・シスレーと聞いて、「ラルゴ・ウィンチ」シリーズを思い浮かべた。
濃い顔と変わった名前から、印象深かったのであるが、今回は悪役。
刑事なのにマフィアからコカインを横取りしてしまう。

国家権力を乱用しての犯罪は、やがてマフィアから息子を誘拐されるというしっぺ返しになって現れる。
さすがに息子は何者にも代えられず、奪ったコカインを持って取引の場であるナイトクラブへと向かう。
ここから、ヴァンサンの知らないところで動いていた麻薬捜査官とマフィアとが入り乱れて手に汗握る展開が続く。

ヴァンサンには、息子を人質に取られているという恐怖心がある。
スムーズにいかないマフィアとの取引。
ヴァンサンの絶望的な焦りがストレートに伝わってくる。
文句のない展開だったが、最後にヴァンサンの立場が曖昧になってわからなくなってしまった。
ホントのところは何だったのか?
まぁ、それも含めてのストーリーだったのかもしれない。

期待していなかった割には、楽しめた映画である・・・


評価:★★☆☆☆





    
posted by HH at 23:18 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | スリリング