
原題: Stranded
2013年 カナダ
監督: ロジャー・クリスチャン
出演:
クリスチャン・スレイター:ジェラルド
エイミー・マティシオ:エヴァ
マイケル・テリュー:ブルース
ブレンダン・フェア:ランス
リンドン・ブレイ:マドスン
<映画.com>
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月面基地に出現した未知の生命体が巻きおこす恐怖を、「トゥルー・ロマンス」のクリスチャン・スレイター主演で描いたSFスリラー。指揮官ジェラルドと3人のクルーが滞在する月面基地が突如として流星雨に襲われ、地球との通信が途絶えた。やがて女性クルーのエバが隕石に付着していた謎の物体を発見するが、それは人間に寄生してDNAを複製し、その人物と同じ姿に形態を変えられる驚異の生命体だった。エバの体内に宿った生命体は驚くべきスピードで成長して産み落とされ、クルーたちをパニックに陥れる。『スター・ウォーズ』の装置監督や「バトルフィールド・アース」の監督として知られるロジャー・クリスチャンがメガホンをとった。
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クリスチャン・スレイター主演のSF映画。
クリスチャン・スレイターといえば、“B級映画のスター”というイメージがあるが、この映画はまさにそのイメージ通りの作品。ご本人はれっきとしたアメリカ人であるが、なぜかカナダ映画が多い。最近観たものでも、『アローン・イン・ザ・ダーク』やがそうであったし、この映画もカナダ映画である。
舞台は未来の月面基地。
ここで、リーダーのジェラルド以下3名が鉱物資源の採掘を行っている。
冒頭でその月面基地が映し出されるが、これが見るからに模型とわかるちゃちなシロモノ。
CG全盛のこの時代にしてはレトロ感たっぷりで、かえって新鮮な気がしてしまう。
その月面基地に隕石が降り注ぐ。
基地は隕石の直撃を受けて大ダメージを負う。
電源や酸素供給が減少し、COが発生する中、エヴァの働きにより応急処置がなされる。
そしてエヴァは隕石の一つを持ち帰る。
早速、ランスとエヴァは隕石を分析。
そしてその中に奇妙な胞子を発見する。
分析を行っている最中、エヴァは誤って胞子の入った試験管で指を切ってしまう。
しばらくしてエヴァは意識を失い、やがて急速に妊娠して腹が大きくなっていく。
混乱の中、エヴァは出産し、生まれ出た“モノ”はブルースに噛みついた上で逃げていく・・・
空から降ってきた隕石に付着したエイリアン。
月面基地という狭い空間で、腹から出てきたエイリアンに襲われる・・・
何だかどこかで観たようなストーリー。
と思ったら『遊星からの物体X』と『エイリアン』そのままであるが、そういう“パクリ”映画を真面目に作ってしまうところが面白い。
隊員同士の衝突があり、脱出機で脱出しようとする展開まで『エイリアン』そのままであるが、その迫力は残念ながら本家に遠く及ばない。肝心のエイリアンであるが、ブルースに噛みついてDNAをコピーしたとかで、ブルース本人にそっくり。この点でも、『プレデター』とも戦った本家エイリアンとの差が大き過ぎてしまう。予算の都合なのだろう。
そしてそのエイリアンが地球に行ってしまうところで映画は終わる。
「続編を作るつもりなのだろうか」と疑惑が浮かぶが(まさか途中で嫌になったわけではあるまいし、ひょっとしたらネタか予算が尽きたのかもしれない)、その意図はよくわからない。続編が作られるとしたら、どんなストーリーになるのだろうと考えてみると、ちょっと楽しい。『プレデター』みたいなストーリーだろうか、それとも『ターミネーター』だろうか・・・
既視感たっぷりではあるが、そこそこ時間潰しにはなる。
“B級映画の大スター”となりつつあるクリスチャン・スレイターの名前をまた高めたと言える作品である・・・
評価:★★☆☆☆