2014年09月30日

【スタンリーのお弁当箱】My Cinema File 1314

スタンリーのお弁当箱.jpg

原題: Stanley Ka Dabba
2011年 インド
監督: アモール・グプテ
出演: 
パルソー:スタンリー - 4年生。クラスの人気者。
ディヴィヤ・ダッタ:英語教師ロージー - スタンリーの理解者。結婚を控えている。
ラジェンドラナート・ズーチー:歴史教師ズーチー - 新しく赴任して来た教師。ヴァルマーに弁当を分けてやる。
ディヴィヤ・ジャグダレ:科学教師アイヤル - 熱心だが厳しい女性教師。
ラフール・シン:校長
アモール・グプテ:国語教師ヴァルマー - 意地悪で食い意地の張った中年教師。

<映画.com>
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アクションやミュージカルが詰め込まれた娯楽大作映画が主流のインド映画界で、素人の子どもたちを集めて撮られた小作ながらも、大ヒットを記録したハートフル・コメディドラマ。みんなを笑わせるのが大好きなクラスの人気者スタンリーは、家庭の事情で学校にお弁当を持ってくることができず、昼食の時間はいつも水道水を飲んでお腹を満たせていた。そんなスタンリーを助けようと、級友たちはお弁当を分けてあげるが、食い意地の張った先生に見つかって弁当を取り上げられた上、スタンリーは先生から「学校へ来なくていい」と言われてしまい……。
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最近、観る機会が増えてきたインド映画。
インド映画と言えば「歌と踊り」というイメージがあるが、この映画では珍しくそれがない。
そういう映画もあるんだと改めて思う。
個人的には歓迎である。

主人公は、小学校に通うスタンリー。
そのスタンリー、クラスでは人気者のようだが、昼休みになると一人皆から離れて教室を出ていく。そして水を飲んだりして空腹を満たしている。
友だちには「両親はニューデリーに行っていてお弁当を作ってもらえない」と説明するが、その真偽はともかく、弁当を持たずに学校に来ている。

一方、弁当を食べるのは生徒だけではない。
教師たちも職員室で弁当を食べる。
しかし、教師の一人、ヴァルマーはやはり弁当を持ってきていない。
そして周りの教師たちに分けてもらっている。

ここで出てくる弁当は、我々日本人のイメージする弁当とは大きく異なる。
『のんちゃんのり弁』では、次々に出てくるお弁当に涎が出たものだが、ここではそんなお弁当とはほど遠い。イカリング揚げのような揚げ物だけだったり、中にはビスケット(小さなパンなのかもしれない)だったりが弁当箱の中に入っている。
「足りないんじゃないか」などと余計な心配をしてしまう。

同じ“弁当を持ってこない”同士のヴァルマーとスタンリーではあるが、どうもヴァルマーはスタンリーを目の敵にする。友だちに弁当を分けてもらおうとしていたスタンリーをヴァルマーは叱ってやめさせる。さらにはスタンリーを追いやると、自分がスタンリーがもらおうとしていた分をもらって食べてしまう。

弁当を持って きていないスタンリーに、友だちは協力して弁当を分けてあげようとするが、ヴァルマーはそれを阻止し、さらには奪おうとする。このヴァルマーの行動がよく理解できない。子供たちはうまくヴァルマーの裏をかき、みんなで隠れて食べる。怒ったヴァルマーは、生徒を叱りつけ、スタンリーには「弁当を持ってこないなら学校に来るな」と言ってしまう。

何とも酷い教師である。
そしてスタンリーは学校に来なくなる。
スタンリーは歌も踊りも得意であるが、実は家庭環境はかわいそうな状態にある。
そんなスタンリーと友だちと、ヴァルマー以外のスタンリーを温かく見守る教師たちとの交流が描かれていく。

『のんちゃんのり弁』とは違って弁当が食べたくなるということはなかったが、ちょっと心が温かくなる映画である・・・


評価:★★☆☆☆






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2014年09月29日

【ピースメーカー】My Cinema File 1313

ピースメーカー.jpg

原題: The Peacemaker
1997年 アメリカ
監督: ミミ・レダー
出演: 
ジョージ・クルーニー:トム・デヴォー(米陸軍中佐)
ニコール・キッドマン:ジュリア・ケリー(原子力科学者)
マーセル・ユーレス:デューサン・ガブリック
アレクサンダー・バルエフ:アレクサンドル・コドルフ(ロシア軍将軍)
レネ・メドヴェセク:ブラド・ミリック
アーミン・ミューラー=スタール:ディミトリ(SVR幹部)

<映画.com>
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消えた核の行方を巡り、世界的な規模で展開するハイテク・サスペンスアクション。監督のスティーヴン・スピルバーグ、パラマウント映画やタッチストーン・ピクチャーズ出身のプロデューサーのジェフリー・カッツェンバーグ、ゲフィン・レコードの代表であるデイヴィッド・ゲフィンの3人が共同で設立して話題を呼んだエンターテイメントの総合会社、ドリームワークスKSG社(3人のイニシャル)の第1回映画作品。監督にはTVドラマ『ER 緊急救命室』の女性監督ミミ・レダーが抜擢され、劇場用長編映画のデビューを飾った。米国のジャーナリスト、アンドリューとレスリーのコクバーン夫妻の旧ソ連における核燃料物質の密輸に関する取材に基づき、「クリムゾン・タイド」のマイケル・シーファーが脚本を執筆。製作は「ツイスター」『メン・イン・ブラック』のウォルター・パークスと『シンドラーのリスト』のブランコ・ラスティグ。製作総指揮は「ツイスター」『メン・イン・ブラック』のローリー・マクドナルドと「わが街」「ワイアット・アープ」のマイケル・グリロ。ニューヨーク、スロヴァキア、マケドニアとスケールの大きなロケをこなした撮影は「ザ・マシーン 私の中の殺人者」のディートリッヒ・ローマン、音楽は「ザ・ロック」のハンス・ジマー、美術は「キルトに綴る愛」のレスリー・ディレイ、編集はデイヴィッド・ローゼンブルーム、衣裳は「マイ・ガール2」のシェリー・コマロフが担当。主演は「素晴らしき日」『ER』のジョージ・クルーニーと「ある貴婦人の肖像」のニコール・キッドマン。共演は「シャイン」のアーミン・ミューラー=スタール、『ミッション:インポッシブル』のマーセル・ユーレス、「ハイヤー・ラーニング」のランドール・バティンコフ、ロシアの演劇界で活躍するアレクサンダー・バルエフ、同じくクロアチア演劇界で活躍するレネ・メドヴェセクほか国際色豊かな顔ぶれ。
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ジョージ・クルーニー、ニコール・キッドマン主演となると、もうそれだけで観る価値十分のサスペンスである。

STARTによって核兵器を削減することになったロシア。
10発の核弾頭が列車に積み込まれる。
しかし、途中で謎の集団の襲撃を受け、核弾頭は奪われてしまう。
謎の襲撃グループは偽装工作として核弾頭一発を起爆し、証拠隠滅を図る。

核爆発は偵察衛星によってアメリカの知るところとなり、ケリー博士を中心とした対策室が立ちあがる。女性の博士は、協力する軍に「女に指図を受けることに抵抗のない男」と条件を付し、ロシアに詳しいデヴォー中佐が博士の下に派遣される。二人は早速手掛かりを求めてロシアに向かう・・・

この映画は15年も前の映画。
これだけの作品を観落としていたのは、不覚だったかもしれない。
何で観落としていたのか実に不思議な気がする。
ソ連崩壊以後しばらく弱体化していたロシアでは、規律の緩んだ軍から核兵器流出の危険性が囁かれていた。この映画はまさにそんな危機説が現実化する形となっている。

ニコール・キッドマンは机上分析が得意な博士。
そしてジョージ・クルーニーは臨機応変の現場主義者の軍人。
よくありがちな凸凹コンビスタイルである。
奪われた核弾頭を追って、わずかな手掛かりを手繰り寄せていく展開に、いつの間にか引き込まれていく。核弾頭を奪ったのは、かつてボスニア・ヘルツェゴビナで妻子を失った男。
妻子を失った悲しみを、ピースメーカーたるアメリカに向けていく。

もしこの映画がリメイクされるのなら、犯人はイスラム過激派になっているかもしれない。
そんなことを考えてしまった映画である・・・


評価:★★★☆☆




    


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2014年09月28日

【テネシーわが最愛の地】My Cinema File 1312

テネシーわが最愛の地.png

原題: That Evening Sun
2009年 アメリカ
監督: スコット・ティームズ
出演: 
ハル・ホルブルック:アブナー
レイ・マッキノン:ロンゾ
ミア・ワシコウスカ:パメラ
キャリー・プレストン:ルディ
ウォルトン・ゴギンズ:ポール

<WOWOW解説>
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老人ホームを脱走して自分の農場に帰って来た老男性だが、農場は息子によって別の家族に貸し出されていて……。ベテラン男優H・ホルブルックが主人公役を熱演したドラマ。主人公の老男性は農場の離れに住むようになるが、農場を借りる若い家族との間で微妙な関係が続き……。『グラン・トリノ』を思い切り渋くしたような、米国でなら本当にありそうな物語を通じ、世代間の価値観の対立を見る者に考えさせる1本。「イントゥ・ザ・ワイルド」のベテラン男優ホルブルックが主人公である老男性を存在感たっぷりに演じるほか、『アリス・イン・ワンダーランド』のM・ワシコウスカ、TV「グッド・ワイフ」のC・プレストンら、多彩な個性派たちが脇を固める。
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主人公は80歳になる老人。
老人が主人公となると、『ドライビング・ミス・デイジー』や『黄昏』などが思い浮かぶ。
いずれも静かな映画だが、そうなるのもやむを得ないだろう。

主人公のアブナーは老人ホームに入居していたが、思い立ってそこを抜け出し、我が家に戻ってくる。ところが、我が家には見知らぬ他人が住んでいる。実は弁護士をしている息子が、父に黙って家を貸し出していたのである。アブナーと賃借人であるロンゾは、言い争いとなるも埒があかない。やむなく、アブナーは敷地内にある小屋に居座ることになる。

さて、こういう場合はどうなるのだろうかと考えてみるも、弁護士の息子が代理人として貸したのであれば、ロンゾ一家の言い分の方に分があるように思う。責められるべきは親父に黙って貸した息子なのだろう。ただ、「もう帰ってこない」と判断したのだろうが、それもわからなくもないな、などとストーリーとは関係ないことを考えてみたりする。

アブナーは妻を亡くし、寄る年並みで農作業もしんどくなり、さらに一人暮らしで転んで大怪我をした経緯もあり、老人ホームに入ったらしい。ところが老人ホームに馴染めず帰ってきてしまったというわけである。帰ってはきたものの、我が家には住めない。アブナーは事あるごとに、ロンゾと対立する。

ロンゾはロンゾで辛い事情を抱えていて、再起を図っている。
アブナーの息子は父を説得しようと試みるが、アブナーは老人ホームに戻る事を拒否。老人は頑固である。だが、その言い分もよくわかる。便利だが、それだけの老人ホームとたくさんの思い出の詰まった我が家では、追い先短い身としては比べるべくもないだろう。

息子も忙しい合間を縫って父の下へやってくる。
老人ホームへ入れようとするのも、不便な田舎で一人暮らしをさせることを案じてのことゆえ、それはそれで優しさである。不測の事態があっても、老人ホームなら心配も少ない。良い息子である。

互いに相通じぬ思い。
ただ、アブナーの気持ちもわからなくもないが、やはり現実的には何もない田舎で一人暮らしも難しいだろう。
どこで折り合うかは、観ていても難しい。

物語はある出来事を通して、最後は少し心が通じ合ったようになる。
そんな親子の姿にちょっと安堵する。
自分はどう老いていくのだろうか。
静かにそんな事を思ってみた映画である・・・


評価:★★☆☆☆




    


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2014年09月27日

【偽りの人生】My Cinema File 1311

偽りの人生.jpg

原題: Todos tenemos un plan
2012年 アルゼンチン・スペイン・ドイツ
監督: アナ・ピーターバーグ
出演: 
ヴィゴ・モーテンセン:アグスティン/ペドロ
ソレダー・ビヤミル:クラウディア
ダニエル・ファネゴ:アドリアン
ハビエル・ゴンディーノ:ルーベン
ソフィア・ガラ・カスティリオーネ:ロサ

<シネマトゥデイ>
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『イースタン・プロミス』などで知られる演技派俳優ヴィゴ・モーテンセンが主演と初プロデュースを務めたサスペンスドラマ。一卵性双生児の兄を殺した後、彼に成り済まし、人生の再スタートを図る男の運命を描く。幼い頃にアルゼンチンで生活していたこともあるヴィゴが、全てスペイン語のセリフで挑み、誰もがうらやむ暮らしを営む医師と、闇社会に関わる双子の兄の二役を演じる。
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アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで結婚8年目の妻クラウディアと暮らす医師アグスティン。恵まれた生活ではあるものの、子供はできず、クラウディアは養子をもらう話を進めていた。しかし、なぜか現状に息苦しさを抱えたアグスティンは、養子の話を断り、クラウディアとの関係も悪化してしまう。

そんなある日、長らく音信不通だった一卵性双生児の兄ペドロが突然訪ねてくる。
ペドロは末期癌に蝕まれており、病苦から自分を殺すようアグスティンに懇願する。
突然の申し出に困惑するアグスティンであったが、ふとしたきっかけでペドロを殺害してしまう。そして自分が死んだことにして、うりふたつの容姿のペドロになりすまし、少年時代を過ごした生まれ故郷ティグレに帰る。

ここで彼は新たな人生をスタートさせるつもりだったのだろうが、ペドロはある犯罪に関わっており、ペドロと間違えられたアグスティン自身も意図せぬ事態に巻き込まれていく。買い物に行った店では親の敵と殴られ、踏み込んできた警察に逮捕され、拷問に近い尋問を受ける。そんな折、クラウディアが面会にやってきて正体がバレてしまうが、それでもペドロになり済ますアグスティン。そんなアグスティンの下に、主犯のアドリアンがやってくる・・・

人にはまったく違う人間になって人生をやり直したいと思うと思う事がある。
この映画の主人公アグスティンもそんな男。
傍から見れば恵まれた生活であっても、関係はない。
そんな時、自分と瓜二つの兄弟がやってきて、しかも末期癌で助からない状態。
そこで入れ替わってしまおうと考えたのがこの映画の主人公。

そんな気持ちはわからなくもない。ただ、誰もが多かれ少なかれそんな思いを抱いているわけだし、という事は入れ替わった先の人生にも結局不満はあるのである。たとえ末期癌で辛かったとしても、幸せな人生を歩んでいたら、自らを殺して欲しいなどと言って来る事はないだろう。

アグスティンが帰った故郷は湿地帯なのだろう。
主な移動手段はどうやらボートらしい。
貧しい地域であり、したがって良からぬ事も起きている。
やっぱり貧困は犯罪の温床なのである。
そして犯罪というものは、そんな環境であればその気がなくても巻き込まれざるを得ないものである。

主演のウィゴ・モーテンセンは、クローネンバーグ作品に出ていたりして良く知っているが、この映画はスペイン語映画。ちょっと驚いてしまったが、あえて挑戦したようである。
ここでは独特の味わいを出している。

特にこれといった盛り上がりのない映画であるが、忘れられかけたスペインの田舎での出来事が静かに語られていく。ラストは、「やっぱり人生っていうものは、そんなにうまくできていない」という事を確認させてくれるものになっている。双生児の運命としては、まさにそんなものなのかもしれない。
諸行無常の雰囲気を感じさせる映画である・・・


評価:★★☆☆☆







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2014年09月25日

【エンド・オブ・ウォッチ】My Cinema File 1310

エンド・オブ・ウォッチ.jpg

原題: End of Watch
2012年 アメリカ
監督: デヴィッド・エアー
出演: 
ジェイク・ギレンホール:ブライアン・テイラー - 白人警官。
マイケル・ペーニャ:マイク・ザヴァラ - メキシコ系警官。ブライアンの親友で相棒。
ナタリー・マルティネス:ギャビー - マイクの愛妻。
アナ・ケンドリック:ジャネット - ブライアンの恋人。後に結婚。
デヴィッド・ハーバー:ヴァン・ハウザー - ブライアンと対立している同僚警官。
フランク・グリロ:巡査部長

<シネマトゥデイ>
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ロサンゼルスきっての危険地帯を巡回中に犯罪組織の秘密に触れたことで、命を狙われるはめになった警官コンビの運命を描くクライム・アクション。犯罪最前線で常に死と隣り合わせの危険な任務に当たる警官たちの日常と固い絆を、臨場感あふれる演出で浮き彫りにする。監督は、『フェイク シティ ある男のルール』のデヴィッド・エアー。役づくりのため5か月間ロサンゼルス市警の巡回に同行し訓練を受けた、主演のジェイク・ギレンホールとマイケル・ペーニャの熱演に圧倒される。
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ロサンゼルス警察の警官を主人公とした物語。
主人公はブライアン・テイラーとマイク・サヴァスの二人。
二人はペアを組み、パトカーで市内をパトロールする。
任務の様子を記録すると言ってブライアンはカメラ片手に、そして胸にもレンズを仕込み撮影している。映画はそんな風に撮影された映像をベースに進行する(すべてではない)。
そのせいもあって、ドキュメンタリー風の臨場感溢れる映像が展開される。

冒頭で二人は1台の車を追跡する。
猛スピードで逃走し、逃げ切れぬとわかると発砲してくる。
二人は難なく二人組の犯人を射殺する。
日本ではありえない光景。
治安の悪さが伺える。

されど冗談を言い合いながらの勤務。
火災現場に急行した時は、消防隊が来る前に取り残された子供を火の中に飛び込んで救い表彰される。どちらかと言えばブライアンの方が優秀で、ほんのささやかな前兆から犯罪の匂いをかぎ取って犯人逮捕につなげている。

街ではメキシコ系のギャングが幅を利かせているが、ある日二人はメキシコの麻薬カルテルのアジトを発見してしまう。それによってカルテルの恨みを買い、二人はメキシコ系ギャングに命を狙われる事になる・・・

パトロール警官の仕事は実に地味だ。
911の通報を受けて現場に駆け付けるも、常に凶悪犯罪があるわけではなく、老母の生存確認なんて仕事もある。
そして街の人々はみな貧しい。
貧しいにも関わらず、仕事がないから若者は犯罪に走る。

マイクは高校卒業後すぐに結婚。
結婚の条件として警官になれと言われたと語る。
それが数少ない“マトモな”仕事なのだろう。
描かれている事は決してフィクションばかりでなく、格差社会アメリカの一面なのだと思う。

警官も決して楽で安定した職業というわけではない。
次々と負傷し、死亡する。
警官モノの映画ではあるが、勧善懲悪のヒーローモノではない。
よりリアルな現実に近い警官物語なのかもしれない。

主演はジェイク・ギレンホール。
『ブロークバック・マウンテン』『マイ・ブラザー』などから、どこかちょっと弱々しいキャラクターの印象があるが、ここでは同じような雰囲気のキャラクターで演じているが、これがこの人の地なのかもしれないと思ってみたりする。

アメリカ社会の一面に、ちょっと考えさせられる映画である・・・


評価:★★☆☆☆




   


posted by HH at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 刑事・探偵・推理ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする