2014年11月27日

ビューティフル・ダイ

ビューティフル・ダイ.jpg

原題: A HORRIBLE WAY TO DIE
2010年 アメリカ
監督: アダム・ウィンガード
出演: 
AJ・ボーウェン:ギャリック・タレル
エイミー・サイメッツ:サラ
ジョー・スワンバーグ:ゲビン
ブランドン・キャロル:サスティ
レイン・ヒューズ:リード

<映画.com>
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2011年トロント映画祭などで話題になり、13年に全米拡大公開された「サプライズ」のアダム・ウィンガード監督が、10年に製作したサディスティックスリラー。
脱獄し殺人を繰り返しながらかつての恋人のもとへ向かう殺人鬼の現在と、2人が愛し合っていた過去の姿を交錯させながら描く。
恋人が殺人鬼であることを知ったサラは自ら警察に通報し、愛を終わらせたが、そのことがきっかけでアルコール依存症になってしまう。
一方、サラの通報により投獄されたギャリックは、看守を殺して脱獄。猟奇的で残虐な本能を抑えることができず、殺人を繰り返しながら、かつて愛した女サラのもとへ向かう。
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殺人で刑務所に入っていたギャリックが、どういう経緯かはわからないが、看守を殺して脱獄する。
そしていずこかへと向かうが、途中で次々と人を殺してゆく。
冒頭では、車のトランクに閉じ込めていた若い女性を絞殺する。
脳裏をフラッシュバックするのは殺した看守。
どうやら車を奪っては持ち主を殺し、ホテルの部屋に泊まっていた女性を殺してはその部屋に泊まるということを繰り返しているようである。

一方、それと平行して歯科衛生士として働くサラの物語が描かれる。
アルコール依存症になり、断酒会に参加している。
そしてそこでケヴィンと知り合う。
少しずつケヴィンとの関係が進展していくとともに、過去の恋人との関係も描かれる。

その過去の恋人というのが、どうもギャリックだとわかってくる。
観終わってみれば、脱獄したギャリックがどこに向かっていたのか、そもそもなぜ刑務所に入っていたのか、などの全体像がわかるのだが、途中ではよくわからずに混乱してしまった。
ヒゲをはやしているギャリックが、ヒゲのないケヴィンとどことなく似ているような気がして、話の展開についていけなくなってしまったのである。
このあたり、もう少しすっきりしてもらいたかったと思うところである。

ラストの展開は、なかなか意外性に富んでいてよかったと思うのであるが、いかんせん、ダラダラし過ぎたところがある。
ストーリーがわかりにくかったところもあり、ちょっと残念な映画というのが、正直な感想である・・・


評価:★★☆☆☆





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2014年11月26日

共食い

共食い.jpg

2013年 日本
監督: 青山真治
出演: 
菅田将暉:遠馬
木下美咲:千種
篠原友希子:琴子
光石研:円
田中裕子:仁子
宍倉暁子:アパートの女
岸部一徳:刑事
淵上泰史:若い刑事

<映画.com>
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第146回芥川賞受賞を受賞した田中慎弥の小説を、「EUREKA」「東京公園」の青山真治監督が映画化。
山口県下関市を舞台に、高校生の遠馬、暴力的な性癖を持つ父、その愛人らが繰り広げるひと夏の出来事を、原作とは異なる映画オリジナルのエンディングとともに描き出す。
昭和63年、山口県下関市の「川辺」と呼ばれる場所で父親とその愛人と3人で暮らす高校生の遠馬は、性行為の際に相手の女性を殴るという粗暴な性癖をもつ父親を忌み嫌っていた。
しかし、17歳の誕生日を迎えた日、幼なじみの千草と初めて交わった遠馬は、自分にも粗野な父親と同じ血が流れていることを自覚させられる。
主人公の遠馬を演じるのは、「仮面ライダーW」「王様とボク」などで注目を集める若手俳優・菅田将暉。
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原作小説は既に読んでいたが、映画は映画として鑑賞した一作。

物語の舞台は、昭和最後の年である昭和63年の山口県下関市。
主人公は、高校生の遠馬。
父とその愛人琴子と共に暮らしている。
母は同じ町で魚屋を営んでおり、遠馬は時々母を訪ねている。

なぜ母と暮らさないのかはわからないが、性欲が強く、破天荒な父親の存在は思春期の少年にとって影響が大きい。
Sexの時に女を殴るくせのる父親。
愛人の琴子もよくあざを作っている。
そしてその血が、自分にも流れていることを遠馬もよく知っている。

そして遠馬には、千種という恋人がいて、よく呼び出しては神社の神輿蔵をホテル代わりに利用している。
なかなか“大人向け”の内容なので小中学生の子供と観るのは、ちと憚られるところがある。
性欲が強い父親、そして若い愛人との生活は、高校生にとっては刺激が強い。
自ら千種に語るように、「(田舎ゆえに)他に楽しみもない」環境もある。
そしてある日、その父親が、強過ぎる性欲をコントロールできず、“事件”を起こす・・・

「共喰い」とは、仲間を食べること。
普通、生物は“種の保存”本能があるから、仲間を食べることはないように思われるが、逆に強烈な“種の保存”本能ゆえに仲間を喰ってでも生きることがあるのかもしれない。
この物語に出てくる登場人物も、ある意味そんな“強烈さ”を秘めている。
遠馬の父親も、遠馬の母親も、そして遠馬自身にも、そんな感じがしてしまう。

遠馬の母親を演じるのは、田中裕子。
もともと昔から演技派だとは思っていたが、ここでは身なりに拘ることもなくなった母親として登場。
なかなかの雰囲気を醸し出していた。

その他の出演陣は、普段あまり目にすることのない俳優さんであったが、個人的には千種を演じた木下美咲に興味を惹かれた。
大胆な役柄だったが、それがまた良かったと思う。

小説も小説なりに強烈な印象を受けたが、映画は原作を損なうことなく、映画なりの良さを見せてくれたと思う。
小説と異なるラストもあってか、映画は映画で面白かったと思える一作である・・・


評価:★★☆☆☆


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2014年11月25日

マキシマム・ソルジャー

マキシマム・ソルジャー.jpg

原題: ENEMIES CLOSER
2013年 アメリカ
監督: ピーター・ハイアムズ
出演: 
トム・エヴェレット・スコット:ヘンリー
ジャン=クロード・ヴァン・ダム:ザンダー
オーランド・ジョーンズ:クレイ
リンジー・クッカー:ケイラ
クリス・ヴァン・ダム:フランソワ

<WOWOW解説>
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不慮の事故で湖中に沈んだ麻薬をめぐって、森林警備員と麻薬密売団が死闘を展開。
J=C・ヴァン・ダムが悪役で強烈な個性を放つ、本邦劇場未公開の注目の娯楽アクション。
「ユニバーサル・ソルジャー」シリーズでおなじみの人気アクション俳優ヴァン・ダムが、本作では悪役で登場して、ひと癖もふた癖もある強烈な個性と存在感を発揮。
その手下の一員で彼の実子クリスも共演する一方、彼らを相手に必死の奮闘を見せる正義のヒーローを熱演するのは、全米TVドラマ「サウスランド」シリーズのT・E・スコット。
監督は、以前にも「タイムコップ」などでヴァン・ダムとコンビを組んだP・ハイアムズ。
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ジャン=クロード・ヴァン・ダムが悪役に扮したB級アクション映画。
「日本未公開」という点でも、そのレベルが推測できる。

主人公は田舎の島でレンジャーをしているヘンリー。
たった一人で、2人しか人のいない島で暮らし、観光客の相手などをしている。
そしてある日、1機のセスナが湖に墜落する。
レーダーを避けるように飛行していたことから、地元警察は違法物資の運搬を疑う。
事実、その機はヘロインを積んでおり、カナダ国境警備隊に扮したザンダー率いるグループが引き上げにやってくる。
ザンダーはたった一人で警備していた警官たちを一掃すると、湖へと向かう。

一方、ヘンリーは島で怪我をしていた女性ケイラを助け、その礼にと食事に誘われる。
そしてその晩、クレイと名乗る男が迷ってヘンリーの小屋にやってくる。
実は、クレイはヘンリーの軍隊時代の戦死した部下の兄であり、弟を見殺しにしたヘンリーに仇を打つべくやってきたのである。
ヘンリーとクレイは、湖にヘロインを探しに来たザンダーと遭遇。
ここに三つ巴の対決となる。

ストーリーはシンプルなアクション映画。
話によると、ヘンリーは元特殊部隊の隊長だということであるが、まったくその片鱗を見せない。
実に“普通の男”なのである。
そのため、アクション映画といっても、それ程見るべき迫力はない。

今回は悪役に回ったジャン=クロード・ヴァン・ダムは、さすがそこそこのアクションを見せてくれるが、主役が弱いと実に様にならない。
見所と言えば、老いを見せながらも、爆発したようなヘアースタイルで奮闘するジャン=クロード・ヴァン・ダムくらいだろうか。

全体としては、テレビ東京でやっているB級アクション映画にピッタリの映画である。
ジャン=クロード・ヴァン・ダムというだけで観ると、肩透かしを食ってしまうこと間違いない映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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2014年11月24日

バトル・オブ・ライジング/ コールハースの戦い

バトル・オブ・ライジング.png

原題: Michael Kohlhaas
2013年 ドイツ・フランス
監督: アルノー・デ・パリエール
出演: 
マッツ・ミケルセン:ミヒャエル・コールハース - 馬商人。
デルフィーヌ・シュイヨー:ジュディット - コールハースの妻。
ブルーノ・ガンツ:統治者(総督) - コールハースの商売相手で友人。
ダーヴィット・ベネント:セザール - コールハースの牧童。
メリュジーヌ・マヤンス:リスベット - コールハースの娘。
ポール・バルテル:ジェレミー - コールハースの牧童。
セルジ・ロペス: カタルーニャ人の隻腕の農民 - コールハースの仲間になろうと豚を献上。

<映画.com>
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ドイツの作家ハインリッヒ・フォン・クライストの小説「ミヒャエル・コールハース」を原作に、16世紀フランスに実在した人物ハンス・コールハースの激動の人生を、『偽りなき者』のマッツ・ミケルセン主演で実写映画化した歴史アクション。
馬商人のコールハースは愛する妻子に囲まれて平穏な人生を歩んでいたが、横暴な領主に大事な馬を没収されてしまう。
納得いかない彼は裁判所に訴え出るが、怒った領主の差金で妻を殺害されてしまう。
復讐を決意した彼は、同じように領主に恨みを抱く仲間たちを集めて反乱を起こす。
共演に『愛を読むひと』のデビッド・クロス、『ヒトラー 最期の12日間』のブルーノ・ガンツ、「愛について、ある土曜日の面会室」のデルフィーヌ・シュイヨー。
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主人公のミヒャエル・コールハースは馬商人。
あるとき売り物の馬を数頭引いてザクセン領の市に向かうが、途中で通行止めに会う。
以前にここを通ったときにはなかったことであるが、領主が替わって通行証が必要になったという。
あとで通行証を貰ってくるからということで、コールハースは保証として黒馬二頭とそれを世話する牧童とを預けた上で目的の市に向かう。

しかし着いた市で、通行証が必要という話は嘘であったことがわかる。
そして仕事を終えて戻ると、保証として置いていった馬はこき使われてすっかり痩せこけ、馬への虐待に抗議した牧童は追い出されていた。
コールハースは新領主フォン・トロンカに弁償を求めるが、取り合ってもらえない。

もともと不正を許すことができない性質であったコールハースは泣き寝入りできず、助言をうけてブランデンブルク選帝侯宛てに、ザクセン選帝侯への抗議を促す訴状を書く。
しかしこれもトロンカの親族たちの根回しによって握りつぶされ、その上訴状を届けようとしたコールハースの妻は、衛兵からの暴力がもとで死去してしまう。

怒りに燃えたコールハースは、7人の仲間を集めて武装したうえで城を襲撃、城を打ち壊すことには成功するが、フォン・トロンカは逃げのびる。
フォン・トロンカを追ううち、職を失った賎民たちを取り込んで400人の規模まで膨れ上がったコールハースの軍勢は、フォン・トロンカをあぶりだすために街を焼き討ちにし、国中を恐怖に陥れる・・・

大事件というものは、得てして些細なきっかけで起こったりするもの。
ここでも欲をかいた領主が、コールハースに対して不要な通行証を要求したことに端を発す。
そもそも不要なものであるにも関わらず要求し、さらに保証として馬を預かり、それを酷使して知らん顔。
地位を利用した悪行である。

そして相手が、大人しく泣き寝入りしないコールハースだったことから、事態は転がっていく。
行き着く先は、決して心地良いところではない。
物語的には、最後に「大岡裁き」的なところが欲しかったところであるが、そうはならず、何とも言えない後味の悪さが残る。

結果的には、どこかで止まっておく必要があつたと思うが、転がる岩に思うところで止まれと言うのも難しいのかもしれない。
後味からして暗い雰囲気の映画なのであるが、主演のマッツ・ミケルセンの醸し出す雰囲気がそれを一層盛り立てる。
似たような話がたくさんあったような気がしてしまう。

時代は暗い中世なのかもしれないが、いかにもその時代の物語と言えそうな映画である・・・


評価:★★☆☆☆



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2014年11月23日

あの頃、君を追いかけた

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原題:那些年,我們一起追的女孩、You Are the Apple of My Eye
2011年 台湾
監督: ギデンズ・コー(九把刀)
出演: 
クー・チェンドン(柯震東):柯景騰(コー・チントン)/コートン
ミシェル・チェン(陳妍希):沈佳宜(シェン・チアイー)
スティーブン・ハオ(郝劭文):謝明和(シエ・ミンハ)/阿和
ジュアン・ハオチュエン(荘濠全):曹国勝(ツァオ・グオション)
イエン・ションユー(鄢勝宇):許博淳(シュー・ボーチュン)/勃起
ツァイ・チャンシエン(蔡昌憲):廖英宏(リャオ・インホン)/マタカキ
フー・チアウェイ(胡家瑋)/ワンワン(弯弯):胡家瑋(フー・チアウェイ)

<Yahoo!映画解説>
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台湾の人気作家ギデンズ・コーが初めて長編映画のメガホンを取り、自身の自伝的小説を映画化した青春作。
台湾中西部の都市・彰化を舞台に、高校の同級生だった男女7人が1994年から2005年までの期間に繰り広げるたわいなくも懐かしい日々を映し出す。
主演のクー・チェンドンとミシェル・チェンは本作への出演をきっかけに大ブレイク。
甘酸っぱくてほろ苦い物語に胸が高鳴る。
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台湾映画は、韓国映画に比べると観る機会は少ないものの、割合的には良い映画に出会う確率が高いと感じている。
この映画もその一つとなった。

時は1994年。
高校生のコートンは、アハ、ポーチ、ツァオらの仲間たちと他愛もないことを繰り広げている。
仲間たちはみなクラスのマドンナ、チアイーに憧れているが、とかく高校生というのは大人ほど上手にアプローチできず、誰もチアイーの心を掴めていない。

男のやることと言えば、“しょうもないこと”なのは各国共通なのかもしれない。
授業中にマスカキ競争をしてしまったりする。
コートンは何かにつけ、チアイーに「幼稚」とバカにされる。
「女の成長は早く、男はその速さに太刀打ちできない」というセリフが出てくるが、それは真理なのかもしれない。

ふざけてばかりいるコートンに対し、教師はチアイーの前に座らせ監視役とする。
ある日の英語の時間、教科書を忘れたチアイーを庇い、コートンは代わりに罰を受ける。
さり気ないこうした行為に、女心は動くのか、以来勉強を教える事を通じて二人は親密になっていく。
されど、女の出すサインに男は大抵気付かぬものだし、気付いてもどう活かせばよいのかわからないのかもしれないが、確たる進展もないまま、卒業の日を迎える。

それにしても台湾とは深い結びつきを感じる。
卒業式には「蛍の光」を歌うし、大学に入り寮生活を送るコートンが、友人たちと観るアダルトビデオは日本のAV女優だったりする。
もっとお互い近づく必要があると強く感じる。

若者らしい不器用な恋愛。
そして予想外の顛末。
自伝的小説との事であるが、どのあたりまでフィクションなのかはわからないが、ありきたりの結末でないストーリーもまた良い。
得てして高校生の恋というのは、こんなものなのかもしれない。

台湾で記録的なヒットを叩きだしたというのも十分頷ける甘酸っぱい内容。
そのヒットの裏側にあるのは、誰もが似たような経験をしているということなのかもしれない。
前宣伝もほとんどなく、危うく見落とすところだった。
もっと台湾映画にもスポットを当ててもいいように思う。

これからも台湾映画には注目していきたいと、改めて思わされた映画である。


評価:★★★☆☆



posted by HH at 22:07 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 中国/香港/台湾映画