
原題: Dead Man Down
2013年 アメリカ
監督: ニールス・アルデン・オプレヴ
出演:
コリン・ファレル:ヴィクター
ノオミ・ラパス:ベアトリス
テレンス・ハワード:アルフォンス
ドミニク・クーパー:ダーシー
イザベル・ユペール:ヴァレンタイン
アーマンド・アサンテ:ロン・ゴードン
<シネマトゥデイ>
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『フライトナイト/恐怖の夜』『トータル・リコール』などのコリン・ファレル主演によるサスペンス。暗殺者の男と彼に復讐を依頼した女が、思わぬ窮地に立たされながら惹かれ合う姿を活写していく。監督は、『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』で注目を浴びたデンマーク出身の鬼才、ニールス・アルデン・オプレヴ。彼と同作以来のコンビを組むノオミ・ラパスが、秘めた過去を持つヒロインを好演する。謎とスリルが交錯する展開に加え、重厚なガンアクションの数々にも目を見張る。
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コリン・ファレルという役者さんは、一見気の弱い男風で、事実『イノセント・ラブ』などのような映画は、ピタリとハマっていたりする。一方でアクション俳優としての面もあり、『マイアミ・バイス』や『トータル・リコール』なども好きな映画に挙げられる。そんなコリン・ファレルが両方の持ち味をミックスさせたような映画である。
主人公のヴィクターは、裏社会で不動産業を営むアルフォンスの下で働くヒットマン。
ある日仲間のポールが何者かに殺される。
そしてアルフォンスの元に届けられる脅迫状。
犯人探しに躍起になるアルフォンスと、手柄を立てて組織内で出世しようと張り切る手下のダーシー。
そんな日々、ヴィクターは向かいのマンションに住む女性ベアトリスと知り合う。
ベアトリスは交通事故に遭い、顔に醜い傷を負っていた。
ベアトリスは、積極的にヴィクターを誘いデートにこぎつける。
女性が積極的な展開で、案内されるまま車を走らせると、ある一軒の家の前に着く。
そこでベアトリスは驚くべき告白をする。
その家には飲酒運転でベアトリスに大怪我をさせ、なのにわずかな期間で釈放された男が住んでいて、ベアトリスはヴィクターにその男を殺してくれと頼む。
見返りは、ヴィクターが仲間のポールを殺した現場を見た事を黙っているという事。
ここに至り、実はヴィクターとは偽名で、もともとハンガリーから親子3人でやってきて地上げを企むアルフォンスに妻子を殺され、密かに復讐を計画しているのだとわかる。
互いの秘密を抱え、二人は協力し合うようになる・・・
コリン・ファレルのお相手は、『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』でリスベットを演じたノオミ・ラパス。決して美人だとは思わないが、影のある女という役柄がピッタリとくる雰囲気が共通している。殺人現場を本人に向かって目撃したなどと言えば口封じに殺されかねないが、敢えてそのリスクを冒すところに、本人の命を惜しまぬ思いが伝わってくる。
なかなかストーリーとしても面白い。
復讐に燃えるヴィクターも、守るものはもうなく、失敗して命を落としてもそれそれで構わないという雰囲気が漂っている。そんな復讐劇が、アクションの迫力も相俟って見応え充分に展開される。家族のために必死に出世しようと頑張る仲間のダーシーに対するヴィクターの思いも、物語に彩りを添える。
コリン・ファレル主演のアクション映画という点では、満足いく作品である・・・
評価:★★☆☆☆