2015年01月30日

ハンガーゲーム2

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原題: The Hunger Games: Catching Fire
2013年 アメリカ
監督: フランシス・ローレンス
出演: 
ジェニファー・ローレンス:カットニス・エヴァディーン
ジョシュ・ハッチャーソン:ピータ・メラーク
リアム・ヘムズワース:ゲイル・ホーソーン
ウディ・ハレルソン:ヘイミッチ・アバナシー
エリザベス・バンクス:エフィー・トリンケット
スタンリー・トゥッチ:シーザー・フリッカーマン
ドナルド・サザーランド:コリオラヌス・スノー大統領
フィリップ・シーモア・ホフマン:プルターク・ヘヴンズビー
レニー・クラヴィッツ:シナ

<Movie Walker解説>
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文明が崩壊し、12の地区に区切られたかつてのアメリカを舞台に、各地区から選出され、森の中で戦うことを余儀なくされた12〜18歳の少年少女の過酷な運命を描く、ティーンに人気の小説を映画化したサスペンス・アクション3部作の第2弾。
前作で生き残ったヒロイン、カットニスを待ち受けるさらなる試練が描かれる。
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同じジェニファー・ローレンスが主演した『ハンガーゲーム』の続編。
もともと原作は3部作だというが、という事はこのあと「3」が創られるという事なのだろう。

前作で見事サバイバルに成功したカットニスとピータ。
生き残った彼らはやはり見世物である事を強いられ、幸運なカップルとして各地区の凱旋ツアーに参加させられる。
と言っても、各地区はみなその地区の代表を失っているわけで、いわば敵地に乗り込むようなもの。
そんな立場に耐えきれないカットニスとピータは、主催者が用意したコメントを無視し、心からの哀悼を示す。

それが受け入れられるも、賛同を表した老人がカットニスの目の前で射殺される。
キャピトル側は、反乱に繋がるような動きを抑えたいわけで、各地で静かに盛り上がる反乱ムードとカットニスらの態度を良しとしないスノー大統領は、今や国民の人気を集めているカットニスを合法的に葬るべく、新たなハンガーゲームを宣言する。

それは「チャンピオン大会」とも言うべきもので、本来ハンガーゲームの勝者は一生安泰が保障されていたのであるが、独裁者の朝令暮改は珍しい事ではない。
「チャンピオン大会」であれば、カットニスを指定できるわけで、本来の「抽選」方式を無視できるわけである。
さらに、本来「12〜18歳の少年少女」の大会であったものが、過去に遡ることにより、高齢者も入ってくる。

続編というのは実は良し悪しで、創る方は前作の内容を十分に踏まえていても、観る方がそうとは限らない。
細かいルールなど忘れてしまっているから、登場人物たちの行動の趣旨が分からなかったりする。
そんなもやもや感からだろうか、前作ほどのインパクトが感じられなかったのが、ちょっと残念なところである。

映画は原作通りなのかどうかはわからないが、今回は“互いに殺し合う”というイメージが薄れている。
カットニスとピータは、ともに参加者であるフィニックとマグスと行動を共にする。
しかし彼らに襲いくるのは、毒霧だったり、凶暴な猿だったりと人間相手ではない。
「やむなく殺し合いをさせられる」感が本作では弱い。

そしてゲームはクライマックスに向かうところで終わる。
続きは次回というわけである。
3部作の真ん中というのは、どうしても「クライマックスはお預け」的なところがあり、見劣り感が出てしまうのも仕方ないのかもしれない。
そういう意味で、最終の第3部に期待したいところである。

近年は、女性のアクション進出が目立っているが、主演のジェニファー・ローレンスも結構さまになっている。
今回登場したフィリップ・シーモア・ホフマンだが、残念ながら昨年お亡くなりになっているので、次回作は別の役者になるのだろう。
その他、坊主頭でないスタンリー・トゥッチとか、貫禄のドナルド・サザーランドとか、役者さんも見所の一つである。

次回作、請うご期待の一作である・・・


評価:★★☆☆☆




posted by HH at 15:50 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | アクション/シリーズ

2015年01月24日

喝采

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原題: The Country Girl
1954年 アメリカ
監督: ジョージ・シートン
出演: 
ビング・クロスビー:フランク・エルジン - かつてのミュージカルスター。
グレイス・ケリー:ジョージー・エルジン - フランクの妻。
ウィリアム・ホールデン:バーニー・ドッド - 舞台演出家。
アンソニー・ロス:フィリップ・クック - プロデューサー

<映画.com>
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「失われた少年」と同じくウィリアム・パールバーグが製作し、ジョージ・シートンが監督した1954年作品。
ブロードウェイで上演されたクリフォード・オデッツ『ユーモレスク』の戯曲から監督者シートン自身が脚色した。
撮影はジョン・F・ウォレン、音楽は「愛の泉」のヴィクター・ヤング。
主演は「ブルー・スカイ(1946)」のビング・クロスビー。
この作品でアカデミー主演女優賞を得た「トコリの橋」のグレイス・ケリー、「トコリの橋」のウィリアム・ホールデン、「拳銃無情」のアンソニー・ロス、ジャクリン・フォンテイン、エディ・ライダーらが助演する。
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名前は知っているものの、観た事はないという名画は洋画にしろ邦画にしろかなり多いと思う。
折をみて観てみたいと思うのは常だが、今回この映画を観る機会に恵まれた。

主人公として登場するのは、演出家のバーニー・ドッド。
新しく公開する舞台の主役に、かつてのスターフランク・エルジンを押す。
しかし、プロデューサーのクックは、フランクが酒浸りである事を理由に拒否し、対立する。
ドッドは、「テストだけでも」と強力にフランクの起用を主張。
かつての舞台のシーンを再演したフランクは見事に演じ、ドッドは強引に起用を押し切る。

しかし、肝心のフランクが今一つ煮え切らない。
フランクは、自らの不注意で子供を事故死させて以来、酒に逃れる日々で、突然の大役に尻込みしたのである。
フランクを訪ねて自宅を訪れたドッドは、美しい妻ジョージーに出会う。
そしてジョージーとともに、フランクを説得する。

舞台練習がスタートするも、フランクのパフォーマンスは期待レベルに達しない。
ドッドはその原因が“強い女房”にあるとみて、ジョージーの影響を下げようとするもうまくいかない。
フランクはジョージーの前では弱音を吐くが、ドッドの前では平気を装う。
その二面性に気付いているのは妻のジョージーだけ。
やがてプレッシャーからドッドはアルコールに手を出すようになる・・・

昔の映画だからなのだろうか。
ストーリーが断然シンプルな気がする。
そして随所に感じる時代の相違。
いつでもどこでも平気でたばこを吸う。
そして吸殻をポイポイとどこへでも捨てる。
古き良き時代なのか否かはわからない。

初めは舞台の成功に一途に燃えていたドッドだが、実は密かにジョージーに惹かれていく。
ジョージーは人妻であるが、「貞節」という言葉にまだ重きが置かれていた時代。
男女の関係も現代とは違う。
劇中のラブシーンも然り。

現代と比べれば控えめな恋愛感情。
しかし、それでも味わいは深い。
ラストの余韻もどこかほっとさせるものがあった。
そんな余韻が心地良い映画である・・・


評価:★★★☆☆



   
posted by HH at 22:59 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2015年01月18日

ミッドナイト・ガイズ

ミッドナイト・ガイズ.jpg

原題: Stand Up Guys
2012年 アメリカ
監督: フィッシャー・スティーヴンス
出演: 
アル・パチーノ:ヴァル
クリストファー・ウォーケン:ドク
アラン・アーキン:ハーシュ
ジュリアナ・マルグリーズ:ニナ
マーク・マーゴリス:クラップハンズ
ルーシー・パンチ:ウェンディ
アディソン・ティムリン:アレックス
ヴァネッサ・フェルリト:シルヴィア
キャサリン・ウィニック:オクサナ

<Movie Walker解説>
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かつての仲間たちの生き様が詰まった一夜を描くギャング映画。
監督は「酔いどれ詩人になるまえに」に出演する一方「はじまりはキッスから」などでメガホンを取るフィッシャー・スティーヴンス。
28年ぶりに出所しかつての仕事仲間と羽目をはずす男を『ゴッドファーザー』で世界的な人気を集め「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」で第65回アカデミー賞主演男優賞を受賞したアル・パチーノが、仲間への思いとボスからの指示の間で葛藤する男を『ディア・ハンター』で第51回同助演男優賞を受賞したクリストファー・ウォーケンが、もう一人の仲間を「リトル・ミス・サンシャイン」で第79回同助演男優賞を受賞したアラン・アーキンが演じている。
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アル・パチーノ主演となると、もうそれだけで観ることにしているが、この映画は刑務所から出所したばかりの男を描いた映画。

ヴァレンタイン(通称ヴァル)が28年の刑期を終えて出所してくる。
出迎えるのは、仲間のドク。
車で迎えに行き、用意した部屋にヴァルを迎え入れる。
しかし後ろ手に銃を持っていて何か不穏な空気。

実はヴァルはボスのクラップハンズの息子を殺しており、クラップハンズはドクにヴァルを殺すように命じていたのである。
しかし、かつての仲間をドクは殺せない。
タイムリミットは翌朝の10時。
たび重なる督促を聞き流しながら、ドクはヴァルと期限までの時間を刻一刻と過ごす。

ヴァルもそんなドクの躊躇を見抜き、ドクは事実を打ち明ける。
ヴァルは覚悟を決め、二人で最後の一夜を過ごすことにする。
ドクの行きつけのレストランで、ウェイトレスのアレックスとの会話を楽しむ。
実はアレックスはドクの孫であるが、ドクはその事実をアレックスに隠している。
詳しい経緯はわからない。

かつてのもう一人の仲間ハーシュを誘い、売春宿へ繰り出す。
ヴァルは年齢から薬に頼るが、効き過ぎて病院へ担ぎ込まれる。
コミカルな展開も含まれている。
老齢の男達の心境が、自分もそこに近づいているからだろう、妙に理解できる。

期限を区切ったものの、ドクの躊躇いが気になるクラップハンズは、アレックスのことを持ち出してドクに脅しをかける。
途中でシルヴィアという女性を助け、ハーシュを見送り、腹いっぱい食べ、夜が明ける。
派手さはないが、静かで、そして男達の覚悟が伝わってくる。
二人が20代だったら、まったく違う展開になっていただろう。

アル・パチーノに加え、クリストファー・ウォーケンが相方を務める。
二人ともいい年だが、いい年の取り方をしている。
流れからして必然的なラストへと物語は向かう。
男はいつまでも男でいたいとつくづく思う。
味わい深い映画である・・・


評価:★★☆☆☆


    
posted by HH at 12:14 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 犯罪ドラマ

2015年01月17日

私が愛した大統領

私が愛した大統領.jpg

原題: Hyde Park on Hudson
2012年 アメリカ
監督: ロジャー・ミッシェル
出演: 
ビル・マーレイ:フランクリン・ルーズベルト - 第32代アメリカ合衆国大統領。
ローラ・リニー:マーガレット(デイジー)・サックリー - 大統領の従妹。
サミュエル・ウェスト:ジョージ6世 - 史上初めて訪米した英国王。
オリヴィア・コールマン:エリザベス王妃 - 英国王妃。
エリザベス・マーヴェル:マルガリーテ(ミッシー)・リーハンド - 大統領秘書。
オリヴィア・ウィリアムズ:エレノア・ルーズベルト - 大統領夫人。
エリザベス・ウィルソン:サラ・ルーズベルト - 大統領の母。
マーティン・マクドウガル:トーマス・ガーディナー・コーコラン - 大統領側近。

<Movie Walker解説>
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人々から絶大な人気を誇った第32代大統領フランクリン・デラノ・ルーズベルト。
彼と従妹にあたる女性デイジーとの秘められた愛、そして英国王ジョージ6世との友情を描く、実話に基づいた人間ドラマ。
かつてはコミカルな演技で人気を博したビル・マーレイがルーズベルト大統領を好演し、ゴールデン・グローブ賞主演男優賞候補になった。
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実在の政治家を扱った映画というのは珍しくない。
アメリカの大統領も『リンカーン』が記憶に新しい。
そして大概、歴史に残るような大物になれば、『リンカーン』のように“実績”にスポットを当てたモノになると思う。
されどこの映画はちょっと違うところにスポットを当てている。

主人公のデイジーはルーズベルト大統領の従妹。
ある日、デイジーのもとに呼び出しの電話がかかってくる。
そしてその日からルーズベルト大統領の傍で雑務をするようになる。
このあたりの詳しい経緯は映画でははっきりしない。
そして、ルーズベルト大統領とデイジーは一緒にドライブをしたりするようになる。

ドライブシーンでふと疑問に思う。
ルーズベルト大統領と言えば車椅子の大統領である。
「それが運転?」と思ったわけであるが、「手だけで運転できる」と劇中で説明がなされ、納得する。
もうこの頃そんな自動車があったわけである。

そしてうららかな日差しの中、花が咲き乱れるところに車を止めてくつろぐ二人。
ルーズベルト大統領が静かにデイジーの手を握る。
一瞬、「いいのか」と思ってしまう。
大統領にはエレノアというファースト・レディーがおり、任期中に不倫まがいの行為は政権の命取りになりそうである。

しかし、そうした心配は今や杞憂。
ルーズベルトはその任期中に生涯を閉じ、第二次大戦を率いた名大統領としての名声は今も残る。
デイジーとのこうした関係も後日明らかになったという事で、やはり出来る人間は何をやってもスマートだという事だろう。

ストーリーの本筋とはずれるのかもしれないが、イギリス国王との会見はなかなかのものであった。
このイギリス国王とは、『英国王のスピーチ』の吃音のジョージ6世。
米英両国トップの会談シーンは、個人的にはこの映画のクライマックスであるようにも思う。

そしてその夜、明らかになった真実。
「英雄色を好む」とはよく言われるが、ちょっとお手付きをして国民の前で大恥をかいたクリントン大統領からすれば、「納得いかない」と思うかもしれない、などと思ってしまう。
うまく隠していたのか、それとも“そういう事”に大らかだったのか。
何の事はない、“大統領の不倫”映画なのであるが、きれいにまとめてある印象が強い。

「そうだったのか〜」と意外な真実に頷いてみたい映画である・・・


評価:★★☆☆☆



posted by HH at 11:21 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 恋愛

2015年01月12日

もうひとりの息子

もうひとりの息子.jpg

原題: LE FILS DE L'AUTRE
2012年 フランス
監督: ロレーヌ・レヴィ
出演: 
エマニュエル・ドゥヴォス:オリット
パスカル・エルベ:アロン
ジュール・シトリュク:ヨセフ
マハディ・ザハビ:ヤシン
アリーン・ウマリ:ライラ
カリファ・ナトゥール:サイード
マフムード・シャラビ:ビラル

<Yahoo!映画解説>
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ユダヤ系フランス人のロレーヌ・レヴィが監督と脚本を担当し、第25回東京国際映画祭で東京 サクラ グランプリと最優秀監督賞に輝いた感動作。
イスラエルとパレスチナという対立関係にある家族の間で、取り違えられた子どもをめぐる困惑の日々を描き出す。
『リトル・ランボーズ』のジュール・シトリュクが悩める息子を演じ、母親を『リード・マイ・リップス』などのエマニュエル・ドゥヴォスが好演。
苦悩しながらも前進しようとする彼らの姿に希望が宿る。
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生まれたばかりの子供を病院で取り違えるという問題は、日本でも『そして父になる』という映画で扱われた。
これは同じテーマのフランス映画である。

フランス映画といっても、舞台はテルアビブ。
事の発端は、オリットとアロンの息子ヨセフの兵役検査。
血液検査で両親からは生まれない血液型だとわかる。
調べていくと、18年前に病院で取り違えられたとわかる。
『そして父になる』では、看護師によって悪意的に行われたが、ここでは空襲による避難の際という何ともお国柄の表れた事情。
そして取り違えられたのが、イスラエル人とパレスチナ人という対立関係にある民族間であったことから、よけいに複雑になる。

両方の家族が病院に呼ばれ、事情説明がある。
やはりここでも交換という話がでるも、さすがに18歳となれば簡単にはいかない。
そしてパレスチナ問題ゆえに、さらに厄介な状況になっていく。
ヨセフはユダヤ教のラビから、ユダヤ教徒である事を否定される。
ラビ自身はすまなそうにしているが、戒律でそうなっているようである。
自らのアイデンティティーが否定されてしまう。

また、パレスチナ人であったはずのヤシンも“領土を奪った敵”とみなされ、実の兄から疎外される。
ともに母親たちはさすがに我が子の味方であるのが救いである。
『そして父になる』もそうであったが、血とはなんなのかがここでも問われる事になる。

さすがに息子の交換とまではいかないが、これを機に対立民族である二つの家族が互いの距離を縮めていく。
相互に行き来することにより、イスラエル本土とパレスチナ自治区の経済格差も浮き彫りになる。
外国人である我々も、パレスチナ問題に触れてみる機会にもなる。

二つの家族、特に息子であるヨセフとヤシンの交流には心温まるものがある。
パレスチナ問題解決の糸口と言ったら大げさかもしれないが、一つの可能性と言えるかもしれない。
自分がそれぞれの立場だったらどうするだろう。
そんな事を考えながら観てみたい映画である・・・


評価:★★☆☆☆



  
posted by HH at 13:43 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | その他の国の映画