
原題: The Hunger Games: Catching Fire
2013年 アメリカ
監督: フランシス・ローレンス
出演:
ジェニファー・ローレンス:カットニス・エヴァディーン
ジョシュ・ハッチャーソン:ピータ・メラーク
リアム・ヘムズワース:ゲイル・ホーソーン
ウディ・ハレルソン:ヘイミッチ・アバナシー
エリザベス・バンクス:エフィー・トリンケット
スタンリー・トゥッチ:シーザー・フリッカーマン
ドナルド・サザーランド:コリオラヌス・スノー大統領
フィリップ・シーモア・ホフマン:プルターク・ヘヴンズビー
レニー・クラヴィッツ:シナ
<Movie Walker解説>
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文明が崩壊し、12の地区に区切られたかつてのアメリカを舞台に、各地区から選出され、森の中で戦うことを余儀なくされた12〜18歳の少年少女の過酷な運命を描く、ティーンに人気の小説を映画化したサスペンス・アクション3部作の第2弾。前作で生き残ったヒロイン、カットニスを待ち受けるさらなる試練が描かれる。
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同じジェニファー・ローレンスが主演した『ハンガーゲーム』の続編。
もともと原作は3部作だというが、という事はこのあと「3」が創られるという事なのだろう。
前作で見事サバイバルに成功したカットニスとピータ。
生き残った彼らはやはり見世物である事を強いられ、幸運なカップルとして各地区の凱旋ツアーに参加させられる。と言っても、各地区はみなその地区の代表を失っているわけで、いわば敵地に乗り込むようなもの。そんな立場に耐えきれないカットニスとピータは、主催者が用意したコメントを無視し、心からの哀悼を示す。
それが受け入れられるも、賛同を表した老人がカットニスの目の前で射殺される。
キャピトル側は、反乱に繋がるような動きを抑えたいわけで、各地で静かに盛り上がる反乱ムードとカットニスらの態度を良しとしないスノー大統領は、今や国民の人気を集めているカットニスを合法的に葬るべく、新たなハンガーゲームを宣言する。
それは「チャンピオン大会」とも言うべきもので、本来ハンガーゲームの勝者は一生安泰が保障されていたのであるが、独裁者の朝令暮改は珍しい事ではない。「チャンピオン大会」であれば、カットニスを指定できるわけで、本来の「抽選」方式を無視できるわけである。さらに、本来「12〜18歳の少年少女」の大会であったものが、過去に遡ることにより、高齢者も入ってくる。
続編というのは実は良し悪しで、創る方は前作の内容を十分に踏まえていても、観る方がそうとは限らない。細かいルールなど忘れてしまっているから、登場人物たちの行動の趣旨が分からなかったりする。そんなもやもや感からだろうか、前作ほどのインパクトが感じられなかったのが、ちょっと残念なところである。
映画は原作通りなのかどうかはわからないが、今回は“互いに殺し合う”というイメージが薄れている。カットニスとピータは、ともに参加者であるフィニックとマグスと行動を共にする。しかし彼らに襲いくるのは、毒霧だったり、凶暴な猿だったりと人間相手ではない。
「やむなく殺し合いをさせられる」感が本作では弱い。
そしてゲームはクライマックスに向かうところで終わる。続きは次回というわけである。
3部作の真ん中というのは、どうしても「クライマックスはお預け」的なところがあり、見劣り感が出てしまうのも仕方ないのかもしれない。
そういう意味で、最終の第3部に期待したいところである。
近年は、女性のアクション進出が目立っているが、主演のジェニファー・ローレンスも結構さまになっている。今回登場したフィリップ・シーモア・ホフマンだが、残念ながら昨年お亡くなりになっているので、次回作は別の役者になるのだろう。その他、坊主頭でないスタンリー・トゥッチとか、貫禄のドナルド・サザーランドとか、役者さんも見所の一つである。
次回作、請うご期待の一作である・・・
評価:★★☆☆☆