
原題: Frozen
2013年 アメリカ
監督: クリス・バック/ジェニファー・リー
出演:
クリスティン・ベル:アナ
イディナ・メンゼル:エルサ
ジョナサン・グロフ:クリストフ
ジョシュ・ギャッド:オラフ
サンティノ・フォンタナ:ハンス王子
<映画.com>
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第86回アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞し、主題歌賞を受賞した「Let It Go」とともに興行でも歴代記録を塗り替える大ヒットを記録したディズニーアニメーション。アンデルセンの「雪の女王」にインスピレーションを得て、運命に引き裂かれた王家の姉妹が、凍てついた世界を救うため冒険を繰り広げる姿を描いた。触れたものを凍らせる秘密の力を持ったエルサは、その力で妹アナを傷つけてしまうことを恐れ、城の部屋に閉じこもって暮らしてきた。やがて成長したエルサは女王の座に就くこととなり、戴冠式のためにひさびさに人々の前に姿を現すが、ふとしたきっかけで力が暴走。王国を真冬の世界に変えてしまう。耐えきらず逃げ出したエルサは雪山の奥で自らの力を存分に解放し、ありのままの自分でいられることに生きる喜びを見出す。一方、アナは姉と王国を救うため、山男のクリストフとその相棒のトナカイのスヴェン、夏にあこがれる雪だるまのオラフとともに、雪山の奥へと旅に出る。監督は「ターザン」「サーフズ・アップ」のクリス・バックと、「シュガー・ラッシュ」の脚本を手がけたジェニファー・リー。ピクサー作品を除いたディズニーアニメとして、アカデミー長編アニメーション賞を受賞したのは本作が初となる。日本語吹き替え版はアナに神田沙也加、エルサに松たか子。オリジナル版エルサ役のブロードウェイ女優イディナ・メンゼルが歌う「Let It Go」を、吹き替え版では松が歌い、その歌声も好評を博した。日本における興行収入は254.7億円で、洋画では「タイタニック」に次ぐ歴代2位、邦画をあわせても歴代3位の記録となった。
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何だか知らないうちに、大ヒットしていたディズニー・ファンタジー。
アニメであり、かつミュージカル的でもある。
映画の大ヒットとあわせ、主題歌“Let It Go”のシーンでたびたび目にしていた女の子は、初めは主人公のアナかと思っていたが、実は姉のエルサだと映画を観て初めて気付いた。
この手の物語では、「善と悪」との対立というのがお決まりのパターンだ。
ディスニー映画では、悪を魔女が担うことが多い。
しかしこの映画では、悪と言うべき存在がいない。
夏の王国を真冬に陥れた悪の存在は、主人公アナの実の姉で、しかも幼い頃から身に備わった魔力に苦しんでいるという状況。
とても悪の権化とは言えない。
人々を避け、北の山に逃れたエルサは、そこで自らの魔力を解放し、氷の神殿を造り上げる。
そしてエルサを助けに来たアナに、コントロールできない自分の力で危害を加えないようにと帰らせようとする。そのために雪の魔人を作り出してアナとクリストフを追い返す。
観ている方はエルサの真意がわかっているから、エルサに悪意を持たない。
しかし、エルサを知らない者が見たらどう思うだろう。
人気のないところに氷に覆われた宮殿を建てて住んでいる魔女。
来る者を氷の魔人を使って追い返す。恐ろしい魔女に思えるだろう。
悪人というのも、そんなところがあるのかもしれない。
そんなことを、劇団四季のミュージカル“ウィキッド”を思い出しながら観ていた。
物語はディズニー・アニメらしく、主人公アナの一途な思いとそれを助ける仲間たちの奮闘が描かれていく。人の善意の隙をつき、自らの欲望を満たそうとする人物が現れる。
真実の愛がすべてを解決する鍵というのも、ディズニーらしいメッセージ。
なるほど、子供には是非とも観せたい映画である。
ただあまりにも前評判が高く、期待し過ぎたのか、それほど世間で言うほどの感動は受けなかった。日本における歴代興行成績3位と言われても、正直ピンとこない。ひねくれた大人過ぎるのかもしれない。
そうしたことはあまり深く考えず、期待し過ぎずに力を抜いて、純粋に楽しみたい映画である・・・
評価:★★☆☆☆