2015年11月29日

KANO〜1931海の向こうの甲子園〜

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原題: KANO
2014年 台湾
監督: マー・ジーシアン
出演: 
永瀬正敏 : 近藤兵太郎
吉岡そんれい : 濱田次箕
曹佑寧 : 呉明捷
謝竣晟 : 東和一
大倉裕真 : 小里初雄
大沢たかお : 八田與一
坂井真紀 : 近藤カナヱ
青木健 : 錠者博美

<映画.com>
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日本統治下の1931年、台湾代表として全国高校野球選手権に出場し、準優勝を果たした嘉義農林学校(通称:嘉農=かのう)野球部の実話を描いた台湾映画。 『海角七号 君想う、国境の南』や「セデック・バレ」2部作など、日本統治時代の台湾を舞台にした作品で大ヒットを生み出してきたウェイ・ダーション監督が製作、「セデック・バレ」にも出演した俳優マー・ジーシアンが初監督を務めた。1929年、嘉義農林学校の弱小野球部に、日本人の監督・近藤兵太郎がやってくる。甲子園進出を目指すという近藤の下、厳しい練習に励む部員たちは、次第に勝利への強い思いを抱くようになる。そして31年、台湾予選大会で大躍進し、常勝校を打ち負かして台湾代表チームとして甲子園へ遠征した嘉農野球部は、決してあきらめないプレイスタイルで日本中の注目を集める。野球部監督・近藤役で永瀬正敏が主演し、大沢たかお、坂井真紀ら日本人キャストも多数出演している。
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台湾映画と言うと、普段あまり観る機会はないものの、少ない割には心にヒットする作品が多く、今や自然と期待が先行してしまうところがある。
ましてや、監督が『海角七号 君想う、国境の南』と同じとあれば、嫌が上にも期待感が盛り上がるというもの。

物語は、太平洋戦争末期の1944年から始まる。
陸軍大尉の錠者は、台湾の地に着く。
陸路列車で移動する際、「嘉義に着いたら起こしてくれ」と仲間に伝える。
そしてそのまま時間は1929年に遡る。

嘉義農林学校野球部は、連敗続きの弱小野球部。
教員の濱田は、そんな野球部のコーチとして近藤に目をつけ、日参してこれを口説き落とす。
かつて近藤は、松山商業で野球部を指導していたが、その厳しさからうまくいかず、台湾に来ていたという経緯があったのである。

再び野球部の指導を始めた近藤。
チームは日本人、漢人、高砂族等の民族混成であったが、それぞれの身体能力の特色を生かし、チームは次第に力をつけていく。
そこにはエースの呉の成長もあり、連敗続きだったチームがついに勝利をものにする。
やがてチームは台湾で優勝し、晴れて1931年の甲子園大会に出場を果たす・・・

「台湾映画」というのが念頭にあったため、冒頭から日本語オンリーの会話に面食らう。
野球部内の選手の会話も日本語。
ようやくエースの呉の家(本屋)で、地元の言葉になる。
当時の言葉の状況はよく分からないが、野球部など学校では日本語でコミュニケーションをとっていたのだろう、映画もそれに合わせたのかもしれない。

そして台湾の発展に多大な貢献をした八田與一が、随所で登場し、水利事業が進んで行く様子が描かれる。
こういう映画は、絶対韓国では創られないだろう。
一方で、甲子園に出場したチームメンバーに対し、一部のマスコミから「日本人は手を挙げて」という言葉が投げかけられる。
差別的な見方があったことの証であるが、こういうこともやっぱりあったのだろうと思う。

ストーリーは、ちょっと都合よく出来すぎている感じがするが、初出場ながら決勝戦まで行ったのは史実であり、まさに「小説より奇なり」である。
台湾とのこういう歴史は、実に大切にしたいところである。
今や別々の国となり、台湾の高校生が甲子園に出場することはない。
でもそういう制度を復活させてもいいのではないかという気にもなる。
スポーツには、あらゆる垣根を越える力があるのである。
この映画を多くの人が観て、そんな想いを持ったなら実現してもおかしくない。
そんな夢を見たくなってしまう映画である・・・


評価:★★★☆☆




posted by HH at 18:30 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 中国/香港/台湾映画

2015年11月28日

GODZILLA ゴジラ

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原題: Godzilla
2014年 アメリカ
監督: ギャレス・エドワーズ
出演: 
アーロン・テイラー=ジョンソン:フォード・ブロディ大尉
渡辺謙:芹沢猪四郎博士
ブライアン・クランストン:ジョー・ブロディ
エリザベス・オルセン:エル・ブロディ

<シネマトゥデイ>
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怪獣映画の傑作として映画史に名を残す『ゴジラ』を、ハリウッドが再リメイクした超大作。突如として出現した怪獣ゴジラが引き起こすパニックと、ゴジラの討伐に挑む人類の姿を壮大なスケールで活写する。メガホンを取るのは、『モンスターズ/地球外生命体』のギャレス・エドワーズ。キャストには『キック・アス』シリーズなどのアーロン・テイラー=ジョンソン、 『ラスト サムライ』などの渡辺謙ら実力派が結集。ゴジラの暴れぶりもさることながら、凶悪度の増したデザインに息をのむ。
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「ゴジラ」と言えば、昔懐かしい日本の怪獣であるが、それをハリウッドがリメイクした作品。
と言っても初めてではなく、1998年版に継いで2作目である。
1998年版も観ているが、もう17年前という気がしない。
1998年版は、どちらかと言えば「得体の知れない生物」といった感じで、 韓国映画『グエルム 漢江の怪物』的で、 日本人の感覚から言えば違和感たっぷりであった。
しかし、この作品ではより「日本のゴジラ」に近くなっている。

冒頭から、アメリカによる核実験の映像が流れる。
米ソによる「核実験」は、何かを倒そうとしたものという解説が、ムードを盛り上げる。
そして1999年、フィリピンの炭鉱事故を調査した芹沢博士は、巨大な何者かが這い出た後を発見し、愕然とする。
芹沢博士を演じるのは、ハリウッドではおなじみの渡辺謙。

そしてところ変わって日本。
ある市の原子力発電所に謎の振動が発生し、発電所は倒壊。
ジョー・ブロディは、技術者であった妻をこの事故で失う。
15年後、休暇で帰宅した米軍のフォード・ブロディ大尉は、父のジョーが日本で逮捕されたとの知らせを受け、日本に向かう。

ジョーは、妻を失った事故の原因究明に全てを捧げており、息子のフォードはその姿勢に懐疑的。
しかし父の熱意に負け、かつて事故があり今は封鎖されている事故地域に侵入した二人は当局に拘束され、極秘裏に建設されていた研究所に連行される。
ところが、そこで研究されていた巨大生物が突如活動し始め、暴れ出してしまう・・・

こうして暴れ出した怪物は、なんとなくかつての「ラドン」に似たやつで、空を飛び太平洋を渡っていく。
一方で米海軍の太平洋艦隊は、太平洋でゴジラを発見し、追尾していく。
米軍vsゴジラという対立構造かと思いきや、伝統的なゴジラ対巨大怪獣という構造がなんとも嬉しい。

「非力」な人類は、巨大怪獣に翻弄されつつ、現代兵器で応戦するという日本映画でもおなじみのストーリー。
違うのは、M1A1やブラックホーク、F35、F18など米軍も最新兵器で対応するところだろう。
映像迫力は、「模型」の頃とは格段の差がある。

ゴジラが口から炎を吐くのには、嬉しい感動であった。
背びれが光り、吐き出す炎は、色こそブルーであったが、日本のゴジラと遜色ない。
ブロディ大尉の人間ドラマとも相まって、違和感のないゴジラ映画に仕上がっている。
ゴジラの姿形は、若干日本型と異なるが、そこはご愛嬌だろう。
果たして米国人に日本のゴジラがどう映ったのか、興味深いところではあるが、日本人的には日本のゴジラとハリウッドの映像が合体して、「大人も楽しめるゴジラ」になっているのが嬉しいところである。

続編が作られるのなら、是非とも期待したいところ。
新しいゴジラのシリーズ化だとしたら、嬉しい限りと言える映画である・・・


評価:★★☆☆☆






posted by HH at 13:32 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | パニック

2015年11月24日

悪いやつら

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原題: 범죄와의 전쟁 : 나쁜놈들 전성시대
2012年 韓国
監督: ユン・ジョンビン
出演: 
チェ・ミンシク:チェ・イクヒョン
ハ・ジョンウ:チェ・ヒョンべ
チョ・ジヌン:キム・パンホ
マ・ドンソク:イクヒョンの義弟
クァク・ドウォン:チョ・ボムソク検事
キム・ソンギュン:パク・チャンウ
キム・へウン:チョン社長
ソン・ヨンチャン:ハン弁護士
キム・ウンス:チェ・ジュドン部長検事
パク・ピョンウンイクヒョンの息子

<映画.com>
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『オールド・ボーイ』のチェ・ミンシクと『チェイサー』のハ・ジョンウが共演したクライムドラマ。
堅気でもヤクザでもない“バンダル(ハンパ者)”と、裏社会に君臨するカリスマの生き残りをかけた攻防を描く。
1982年、賄賂でクビになった元税関職員のイクヒョンは、遠い親戚に裏社会の若きボス、ヒョンベがいることを知り、そのコネを使い、狡猾な交渉術を駆使して裏社会でのし上がろうとする。
イクヒョンの頭脳とヒョンベの力があわさり、2人は釜山の裏社会を席巻するが、90年、ノ・テウ大統領が「犯罪との戦争」を宣言し、犯罪組織の一掃に本腰を入れはじめたことをきっかけに、2人の間にも亀裂が生じはじめる。
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韓国発の犯罪ドラマ。
タイトルからして、バイオレンスモノを想像していたが、その期待はあえなく裏切られてしまった。
韓国産バイオレンスを期待していると、肩透かしを食ってしまうだろう。

主人公は、税関職員のイクヒョン。
決して真面目な職員ではなく、巧みに袖の下を得ている。
もっともそれはイクヒョンだけではなく、職場全体のものでもある。
ところがある時、問題が発覚。
誰かが詰め腹を切らなくてはならなくなり、扶養家族が一番少ないイクヒョンが貧乏くじを引いてしまう。

しかし、世渡り上手なイクヒョンは、ヤクザのヒョンべと知り合い、巧みにこれに取り入る。
韓国は地縁社会なのだろう、出身地から先祖を辿り、遠い親戚(10親等が親戚と言えるのだろうか)である関係を上手く利用する。
地縁血縁を綴ったイクヒョンのメモ帳は、この後しばし絶大な威力を発揮する。

ヒョンべに取り入ったイクヒョンは、その力を利用し、勢力を拡大していく。
その姿は、まさに「虎の威をかる狐」そのもの。
自らが組織のボスであるかのごとく振舞う。
しかし、対立組織のボスとも懇意になったことからヒョンべの顰蹙を買い、さらには折からのノ・ テウ政権の暴力撲滅運動とも重なり、地縁血縁の力が通じない検事に追い詰められていく・・・

期待していた「韓国産バイオレンス」どころか、巧みに風見鶏よろしく動き回る小賢しい男が主人公。
だが、これはこれで面白い。
自分には何の力もないが、臆面もなく権威をかさに着る人っているよなぁと思う。
そこには信念・信条といったものなどない。

しかし、そんなゴキブリのような男が、得てして生き残ってしまったりする。
ゴキブリがしぶとく生き残るように。
地縁血縁のしがらみを振り切り、悪を追い詰めるポムソク検事の前に、組織は次第に切り崩されていく。
我が身大事のイクヒョンは、その場その場で力のある者におもねて生き残ろうとする。
その姿は最後まで一貫している。

はじめに期待していたものとはちょっと違ったが、一人の男の「巧みな人生」を描いたこの映画は、それなりに面白い。
ヒゲを生やした「韓国風暴力団」のボス・ヒョンべの風格もまた良し。
観て損はない韓国映画である・・・


評価:★★☆☆☆




posted by HH at 22:29 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 犯罪ドラマ

2015年11月23日

闇金ウシジマくん Part2

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2014年 日本
監督: 山口雅俊
出演: 
山田孝之:丑嶋馨
綾野剛:戌亥
崎本大海:高田
やべきょうすけ:柄崎
久保寺瑞紀:摩耶
中尾明慶:愛沢浩司
窪田正孝:神咲麗
門脇麦:藤枝彩香
菅田将暉:加賀マサル

<シネマトゥデイ>
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真鍋昌平のコミックをテレビドラマ化、闇金融の業者を演じた山田孝之が強烈なインパクトを与えた群像劇の劇場版第2弾。
原作のエピソード「ヤンキーくん」編と「ホストくん」編を脚色し、カウカウファイナンスを中心にヤンキーや暴走族、ライバルの女闇金、ホスト、情報屋などが金をめぐる争いや駆け引きを展開する。
山田ややべきょうすけらのレギュラー陣に加え、綾野剛、菅田将暉、光石研、柳楽優弥など豪華なキャストがひと癖もふた癖もあるキャラクターを熱演。
激しい演技合戦に引き込まれる。
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原作の漫画は読んだことがあるが、映画化されたものは観ていない。
Part2とあるが、実はPart1を観ていない。
それでもなんとなく面白そうな感じがして観ることにした次第である。
連続ドラマではないから、ストーリーについていけないということはないだろうという考えたが、それは正解である。

冒頭、3人組のワルが、キーの付けっ放し担っているバイクを盗んでしまう。
そして事故ってバイクをお釈迦にしてしまうが、持ち主が悪かった。
暴走族の愛沢だったことから、捕まって袋叩き。
そしてその中の一人マサルは闇金に連れて行かれる。
ここで弁償代として200万円を借りて返せというわけである。

闇金の社長はウシジマ。
金は貸さないと突っぱねるどころか、1,000円でカタをつけてしまう。
そしてその場でマサルを社員として雇う。
マサルが少人数ながら愛沢に歯向かっていった度胸を買ったのである。

一方、高校を中退した彩香は、喫茶店でバイトをしている。
父親はリストラで失業中。
母親と姉からも疎まれている。
そんな彩香はホストでNo1を目指す麗と出会う。
また、その彩香を密かにストーキングする男が後をつけている・・・

別の闇金から金を借りている愛沢。
返済期限が迫り、焦る中追い詰められていく様子と、ホストの麗と彩香の物語とが並行して描かれていく。
タイトルは「闇金ウシジマくん」となっているのだが、肝心のウシジマくんはストーリーの要所要所に登場するだけ。

それにしても闇金にお金を借りに行く底辺の若者たちの姿が、刺激的である。
「怖いもの見たさ」という感覚であろうか。
初回の借り入れは5万円。
これを借りた場合、利息は10日で1割。
しかし、借りる方は、「後でなんとかなる」という感覚で借りていく。

過酷な取り立ての恐怖に自暴自棄になっていく愛沢。
ホストの麗に 頼まれ、風俗に身を落としながら金を作って貢ぐ彩香。
普通に考えれば、立ち止まれるチャンスはいくらでもあるのだが、見えない人たちには見えない。
そしてウシジマくんはやっぱり一歩傍に退いている。

ウシジマくんよりも、落ちていく者たちの悲哀が見るべきところといえる。
Part1も改めて観てみようと思わせられる一作である・・・

評価:★★☆☆☆






posted by HH at 11:54 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | バイオレンス

2015年11月22日

ブルージャスミン

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原題: BLUE JASMINE
2013年 アメリカ
監督: ウディ・アレン
出演: 
ケイト・ブランシェット:ジャネット・“ジャスミン”・フランシス
アレック・ボールドウィン:ハル・フランシス - ジャスミンの亡夫
サリー・ホーキンス:ジンジャー - ジャスミンの妹
ルイスC.K.: アル - ジンジャーの浮気相手
ボビー・カナヴェイル:チリ - ジンジャーの婚約者
アンドリュー・ダイス・クレイ:オーギー - ジンジャーの前夫
ピーター・サースガード:ドワイト・ウェストレイク - ジャスミンの婚約者
マイケル・スタールバーグ:フリッカー医師 - 歯科医

<シネマトゥデイ>
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ウディ・アレン監督がケイト・ブランシェットをヒロインに迎え、サンフランシスコを舞台に転落人生の中でもがき、精神を病んでいく姿を描くドラマ。
ニューヨークでセレブ生活を送っていたものの夫も財産も失ったヒロインが妹を頼りにサンフランシスコに引っ越し、再生しようとする過程で、彼女の過去や心の闇を浮き彫りにしていく。
実業家である夫をアレック・ボールドウィンが演じるほか、サリー・ホーキンスやピーター・サースガードが共演。
シリアスな展開と共に、ケイトの繊細な演技に引き込まれる。
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ウッディ・アレン監督作品。
ウッデイ・アレンの映画というと、「静かな映画」というイメージがある。
登場人物たちが、特に何か派手な動きをこなすというものではなく、静かに展開される、そしてそこにさらりとした味付けがなされているというイメージである。
この映画はまさにそんな映画。

主人公は、ジャネット。
愛称はジャスミンであり、本人もそう呼ばれたがっている。
そのジャスミンが妹を訪ねてくるところから物語は始まる。
どうやらご主人はかなりの金持ちだったようで、ジャスミンもセレブな生活をしていたようであるが、一文無しになって妹の家に転がり込んできたのである。

その文無しのジャスミンであるが、長年にわたって染み付いたセレブ意識は抜けきっておらず、再開した妹に飛行機のファーストクラスに乗ってきたことを呆れられるが、本人はそれほどのことと思っていない。
本来職探しをすべきところ、本人は大学に行ってかつて取り残した学位を取ると語る。
庶民の「常識的な」意識と、未だセレブの生活に戻れると簡単に考えているジャスミンの意識のギャップが滑稽である。

妹の恋人たちに将来計画を聞かれ、インテリアデザイナーの資格をオンラインで取るが、その前にパソコン教室に通うと答える。
聞いた方も観ている方も、その滑稽さに呆れるが、本人は真面目。
しかし、薄々本人も感じているのであろう。
その現実に、だんだんと気持ちがついていけなくなる・・・

並行して描かれる過去。
金持ちだった夫も、実はいかがわしい手段を駆使して儲けていたようで、事実を知った息子は
家出をし、やがて逮捕された夫は首をつってしまう。
その間、妹夫婦が宝くじで当てた大金を喪失させてしまったようでもある。

一般的にも生活レベルを落とすというのは、なかなか難しい。
年収1,000万円の人が、年収400万円の人より豊かかというと、年収1,000万円の人はそれなりに支出も多く、それが年収700万円に下がると慣れ親しんだ生活感覚から離れられず、かえって生活が苦しくなるということもよく言われることである。
年収400万円の生活感覚を持たないジャスミンのことを笑えない人も多いかもしれない。

逆に妹はもともと庶民感覚で暮らしており、セレブでなくても生活は逞しい。
現実を受け入れられないジャスミンの言動が次第に怪しくなっていくが、生活レベルを落とす困難さは、想像するだけでは難しいかもしれない。
夫のやっていたことも、薄々気づいていたジャスミン。
されど目の前の生活とモラルとでは比べようもなかった様子。
これも自業自得なのであろう。

壊れ行くジャスミン。
演じたケイト・ウィンスレットはアカデミー賞に輝く。
それも納得の熱演。
なるほど、と大きく頷ける一作である・・・


評価:★★☆☆☆






posted by HH at 15:06 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ