2016年04月30日

ツナグ

ツナグ.jpg

2012年 日本
監督: 平川雄一朗
出演: 
松坂桃李:渋谷歩美     遠藤憲一:畠田靖彦
樹木希林:渋谷アイ子    別所哲也:渋谷亮介
佐藤隆太:土谷功一     本上まなみ:渋谷香澄
桐谷美玲:日向キラリ    浅田美代子:御園奈々美
橋本愛:嵐美砂       八千草薫:畠田ツル
大野いと:御園奈津     仲代達矢:秋山定之

<シネマトゥデイ>
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第32回吉川英治文学新人賞に輝く、辻村深月の小説を実写化したファンタジー・ドラマ。死んだ者と生きる者の再会を仲介する使者“ツナグ”の見習いを務める高校生が、さまざまな依頼者の姿を目の当たりにして成長する姿を追う。『王様とボク』などの松坂桃李が主人公の歩美を好演、ツナグの師匠でもある彼の祖母を『わが母の記』の樹木希林が演じ、温かな掛け合いを見せてくれる。人と人のつながり、家族の絆、生死を深く見つめた物語もさることながら、佐藤隆太、桐谷美玲、八千草薫、仲代達矢といった豪華共演陣の顔ぶれも見ものだ。
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死んだ者ともう一度会うということは、生きる者にとって儚いながらも捨てられない願いなのであろう。小説でも映画でも、死者と会うということを描いたものが多いのも頷けるというものである。誰もが不可能だと思いつつ、願わずにはいられないことだけに、人の心の琴線に触れる内容になることは確かであろう。個人的には『いま、会いにゆきます』などは、小説、映画とも深く心に残っている。

そんな死者との再会をテーマとした映画であるが、タイトルの『ツナグ』とは、死者と生者を「繋ぐ」ということからきている。そのツナグは、主人公渋谷歩美の家系に代々受け継がれ、今祖母のアイ子から歩美に受け継がれようとしている。死者と生者が会えるのは一度だけ。歩美の両親は既になくなっており、アイ子は力を伝承する前に歩美に「会いたい人はいるか」と尋ねているが、歩美は返事を保留している。

最初の依頼者は工務店を経営している畠田春彦。亡くなった母親からツナグの話を聞いており、信じないと言いつつも歩美に母との再会を依頼する。そして歩美の同級生の嵐美佐と御園奈々美。同じ演劇部の親友でありながら、共に卒業公演の主役を争ったことから関係がギクシャクし、そしてある日奈々美は事故で死んでしまう。また、7年前に失踪した婚約者が忘れられない土谷は、婚約者との再会を依頼する。だがそれは、会えれば相手が死んでいることを意味し、会えなければ自分の元を去ったことを意味している依頼であった・・・

実際、どんな形で死者と会うのだろうと思っていたら、なんとホテルの一室で再会するというもの。相手は実態を持っているようであり、普通に接することができるというもの。もう少し「それらしく」工夫があっても良かったように思うところである。それぞれの依頼者が死者に会いたい理由はそれぞれ。ただ何となくインパクトに欠けていて、内容に重みがない気がしてしまう。

歩美が小学生の頃に原因不明の死を遂げた両親。父親の浮気を原因とした無理心中との噂もあるが、歩美はなぜ自分一人が残されたのかわからないでいる。ツナグにもルールがあり、それが明らかにされるとともに、次第にすべての物語が繋がっていく。なるほど最後は綺麗にまとめられてはいるものの、この手の物語には自然と付いてくる「感動」が、正直薄かったと言える。
もう一息と言える映画である・・・

評価:★★☆☆☆




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2016年04月29日

桜、ふたたびの加奈子

桜、ふたたびの加奈子.jpg

2013年 日本
監督: 栗村実
出演: 
広末涼子: 梶原容子
稲垣吾郎: 梶原信樹
福田麻由子: 野口正美
高田翔: 東山直也
江波杏子: 富永松代
吉岡麻由子: 砂織

<映画.com>
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広末涼子と稲垣吾郎が娘を亡くした夫婦を演じ、さまざまな人とめぐり合いながら再生していく姿を描いたヒューマンドラマ。娘の加奈子を事故で亡くした容子は、自分を責め続け、もう存在しない加奈子が見えると言って世話を焼くようになる。夫の信樹は、そんな妻を救い出したいと願いながらも、現実を受け入れ、前を向こうとしない容子にいら立ちを募らせていく。そんなある日、容子はシングルマザーとして子どもを産む決意をしていた女子高生に出会い、その子どもが加奈子の生まれ変わりに違いないと確信する。デビュー作「飯と乙女」がモスクワ国際映画祭最優秀アジア賞を受賞した栗村実の監督第2作。
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冒頭、いきなりの葬儀シーン。棺は小さく、子供のものだとわかる。
両親は信樹と容子。一人娘の加奈子と公園で楽しく遊ぶ回想シーンが痛ましい。
自分の住所を覚える加奈子。この何気ないシーンが最後に生きてくる。
その加奈子が小学校に入学する日、事故で加奈子は死んでしまう。

ショックを受けた容子は、死んだ加奈子が見えると言い、やがて自殺を図る。早い通報で一命を取り留めるが、そんな時、高校生ながら妊娠してしまった正美とその恩師である砂織と知り合う。やがて正美は女の子を出産するが、手のひらに加奈子と同じ黒子があったことから、容子は正美の子供が加奈子の生まれ変わりだと信じるようになる。

自分の子供が生まれた時、一番怖かったのは何らかの原因で子供が死んでしまうことだった。
そんなこと想像することさえ苦痛であり、映画『火垂るの墓』を観た時は、観たことを心から後悔したものである。そんな経験があったからだろう、子供が死ぬというストーリーと母親の容子が見えない子供の姿を見る気持ちもよくわかる。

しかしながら、見えない子供が見える容子と信樹の夫婦の行方の物語なのかと思うと、高校生ながら妊娠してしまった正美と彼女に心を寄せるようになる後輩の物語が加わり、かと思うと生まれ変わりという話が出てきたり、人間ドラマなのかホラーなのかわかりにくくなる。事前にストーリーを見ないようにしているゆえ、どうなるかわからない面白さがある一方、戸惑うこともある。

結局、この曖昧さが観ていてなんとなくスッキリしない展開になってしまう。まぁ昔はそんなに興味もなかった広末涼子が、最近は非常に魅力的な女優さんになったから、それだけでも観る甲斐はある。それで良しとしたいところである。最初に幾つかの謎が投げつけられるが、それは最後にきちんと説明がつけられる。ただ、それが何を意味するのか、何を意図するのかはよくわからなかった。
そうした部分を含め、何の映画だったのかをもう少しはっきりさせて欲しかった映画である・・・

評価:★★☆☆☆




posted by HH at 12:09 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ

2016年04月24日

ファンタスティック・フォー

ファンタスティック・フォー.jpg

原題: Fantastic Four
2015年 アメリカ
監督: ジョシュ・トランク
出演: 
マイルズ・テラー:リード・リチャーズ / Mr.ファンタスティック
マイケル・B・ジョーダン:ジョニー・ストーム / ヒューマン・トーチ
ケイト・マーラ:スーザン・ストーム / インビジブル・ウーマン
ジェイミー・ベル:ベン・グリム / ザ・シング
トビー・ケベル:ヴィクター・フォン・ドゥーム / Dr.ドゥーム
レグ・E・キャシー:フランクリン・ストーム博士

<映画.com>
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特殊能力をもった4人のヒーローチームが活躍する姿を描き、2005年と07年にも映画化された『ファンタスティック・フォー』を、新たなスタッフ&キャストで描くSFアクション。天才的な才能をもつ発明オタクのリード・リチャーズ、シャイな女性科学者スー・ストームと、何かと暴走しがちな弟ジョニー・ストーム、そしてタフで孤独なベン・グリムの4人は、ある実験の事故の影響でそれぞれ特殊な能力を獲得する。リードはゴムのように伸縮自在で強靭な肉体となり、スーは体を透明化し、ジョニーは炎に変化して空を飛ぶことができるように、そしてベンは、圧倒的な怪力と頑丈な岩石の体になった。その能力に戸惑い、思い悩む4人だったが、そんな彼らの前に異次元の脅威が迫る。
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ファンタスティック・フォーと聞いて、過去『ファンタスティック・フォー』『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』と観ているので、その続編かと思っていた。ところがキャストも一新したリブートであった。そういえば『スパイダーマン』も短期間のうちに『アメイジング・スパイダーマン』としてリブートされていたし、製作背景にはいろいろあるのだろうけど、個人的には短期間のリブートはあんまり好きになれない。

主人公のリードは、小学生の頃から物質転送の実験をするオタク少年。仲良くなったクラスメイトのベンとともに実験を重ね、7年後には初歩的な技術を完成させる。そんな彼らに声をかけたのは、同じ研究を続けていたストーム博士とその娘スーザン。リードは奨学金をもらい、博士の研究に参加する。研究にはスーザンの弟ジョニーと変わり者のヴィクターが加わる。

そしてついに研究は完成し、異次元への転送装置が完成する。しかし、スポンサーはその装置をNASAに持ち込もうとしたため、異次元への一番乗りを奪われたくない4人は密かに装置を使い、異次元への転送を果たす。ところが異変が生じ、ヴィクターは現地に取り残され、リード、ベン、ジョニーは帰還を果たすものの、帰還を手伝ったスーザンもろとも異次元のエネルギーを浴びてしまう。

気がつけばリードは体が自在に伸縮し、ジョニーは全身が炎として燃え上がり、スーザンは透明化とバリアーの能力を身につけ、ベンは全身が岩と化してしまう。そうして超能力ユニット「ファンタスティック・フォー」が誕生する。前シリーズとは超能力化のプロセスがちょっと違うようだが、まぁ大した問題ではない。そして異次元に取り残されたヴィクターが悪人ドゥームとして復活する。

前シリーズもそうであったが、ヒーロー誕生のプロセスが物語の中心となり、悪人ドゥームとの最後の対決はほんのすこし。なんだかあっけなくケリがついてしまい、まだまだ続くのかと思っていたら終わってしまっていた。ある程度は仕方ないと思うが、スーパーヒーローモノはやはり悪との対決が物語の中心であろうし、映画の時間をもう少し長くとって描いても良かったのではないかと思う。

気になるのは、今後だろう。せっかくリブート版を作ったからには、続編が期待されるところであるがどうなんだろう。これで終わりだとしたら、「何だったの?」という疑問が残されてしまう。マーベルといえば、スーパーヒーロー全員集合の『アベンジャーズ』があるし、ファンタスティック・フォーもアベンジャーズ入りするのだろうかと思ってみたりする。だとしたら、ヒーロー大集合で地球も安泰である。

全く関係ないのであるが、同じ変異でも、一人岩石男になってしまったベンが個人的には気の毒な気がしてならない。あれでは女の子とデートもできない。前作ではリードとスーザンは結婚したし、ジョニーもそれなりに楽しんでいた。同じ変異するなら他の3人の方が断然いいのに、などとくだらない妄想をしてしまった。

手軽に楽しめる内容は、リブート版でも同じ。
続編がでるなら、また観ても良いと思う一作である・・・

評価:★★☆☆☆



posted by HH at 22:49 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | スーパーヒーロー

2016年04月23日

テッド2

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原題: Ted 2
2015年 アメリカ
監督: セス・マクファーレン
出演: 
セス・マクファーレン:テッド(声)
マーク・ウォールバーグ: ジョン
アマンダ・セイフライド: サマンサ
ジェシカ・バース: タミ=リン
モーガン・フリーマン: パトリック・ミーガン
ジョバンニ・リビシ: ドニー
サム・J・ジョーンズ:本人

<シネマトゥデイ>
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命を宿したテディベアのテッドと親友のジョンが巻き起こす騒動を描いた、大ヒットコメディーのシリーズ第2弾。結婚して子供が欲しいと願うものの、それをかなえるには人間であることを証明しなくてはいけなくなったテッドたちが奔走する。前作に引き続いて、セス・マクファーレンが監督と脚本、テッドの声を務め、マーク・ウォールバーグがジョン役で再登場。『マンマ・ミーア!』などのアマンダ・セイフライド、オスカー俳優のモーガン・フリーマンらが共演する。下ネタを織り交ぜたギャグの数々に笑いがこみ上げる。
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テディベアのぬいぐるみが命を宿し、ダメな中年主人公と騒動を起こすコメディ『テッド』の続編。

前作では、いい年をした大人のジョンがテッドとぐうたらな生活を送り、恋人と上手くいかないことが話の中心であったが、今回はテッド夫妻が中心。
ジョンは前作の後、ローリーと別れてしまい傷心を抱えているが、テッドは恋人のタミ=リンとめでたく結婚。ところが1年も経つと些細なことから喧嘩し、夫婦の危機に。この危機を解消すべく、子供を作ることにする。

ところがテッドは何と言ってもぬいぐるみ。子供は作れない。そこで精子の提供を受けることにしたり、養子縁組をしようとしたりする。その過程でテッドが人間でないことが改めて問題となり、政府から「所有物」としての認定を受けてしまう。仕事もクレジットカードも人としての権利をすべて失うテッド。テッドは失われた権利を求めて政府を訴えることにする。

金のないテッドとジョン。訪ねて行った弁護士事務所は、新人弁護士に担当させることを条件に無償で弁護を引き受ける。そして担当することになったのは、サマンサ。一方、テッドをおもちゃとして売り出すことを画策するハズブロ社は、凄腕弁護士を雇ってテッドの「人権確認」を妨害しようとする。テッドとジョンとサマンサは、孤立無援の中、法廷に立つ・・・

コメディというものは、基本はなんでもありだ。品のない大人に成長(?)したテディベアのぬいぐるみのテッドが、今回は人間の女性と結婚する。そして子供を作ろうとする騒動は、前作に引き続き、子供には見せられたものではない。だが、大人には徹底的に面白い。マーク・ウォルバーグも、アクション映画で見せる顔は何処へやら。とぼけたキャラクターがなんとも言えない。

苗字のないテッドは、裁判に際して苗字を選ぶ。選んだ苗字がロッキーのライバル『クラバー・ラング』。会話やラストの場面では様々な映画が出てきて、映画好きには面白いところかもしれない。フラッシュ・ゴードンも前作に引き続きご本人がご本人役で出演。
今回はさらにアマンダ・セイフライドやモーガン・フリーマンも出演し、観る楽しみも増している。

何と言っても気軽に観られる「大人の」コメディ。
今回も期待を裏切られることなく、楽しめた一作である・・・


評価:★★☆☆☆



posted by HH at 12:53 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | コメディ/ラブコメ

2016年04月17日

シーバトル戦艦クイーン・エリザベスを追え!!

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原題: CANAKKALE 1915
2012年 トルコ
監督: イェシム・セズギン
出演: 
バラン・アクブルト
バリス・チャクマク
ブラント・アルキス
セリル・ナルジャカン

ちょっと珍しいトルコ映画。
物々しいタイトルから、「海戦」をイメージしていたのであるが、これが見事に外れる。
というか、どこをどう見たらこういう邦題をつけられるのだろうと首を傾げたくなる。たぶん、邦題をつけた人は映画を観ていないのであろう。

肝心の内容は、第一次世界大戦における「ガリポリの戦い」という我々日本人にはほとんど縁のないトルコの局地戦を描いている。
時に1915年、連合軍はダーダネルス海峡にあるガリポリ半島に大挙押しかけ、上陸を試みる。これを迎え撃つのは、オスマン帝国軍。士気も高らかに最前線へと兵士が配備されていく。

連合軍は旗艦クィーン・エリザベス号を始めとする戦艦、駆逐艦等多数の海軍部隊。(たぶん、邦題をつけた人はダイジェストでここだけ見たのであろう)
艦砲射撃は強力で、対するオスマン帝国軍の陸砲は射程が足りなくて反撃もままならない。
装備も貧弱で、小銃に至っては何発か撃つと使えなくなってしまう。
それでも戦意は高く、死ぬまで戦うという決意のもと、必死の抵抗を試みる。

これといったヒーローがいるわけではなく、各地で無名の兵士が奮闘する。砲弾を運ぶ車両が破壊されると、270キロある砲弾を背中に抱えて運ぶ兵士。「何人かで運んだほうがよくないか?」というツッコミは野暮なのかもしれないが、撃たれたのに、懐中時計に当たって助かったなんてありがちなシーンもあったりして、時にコメディかと思いたくなるような戦闘シーンが続く。オスマン帝国軍の主力は陸軍で、その戦闘の大半は陸上であり、タイトルの違和感につながる。

美しい尼僧が前線の負傷兵の看護を申し出る。夫と息子が戦死した婦人が靴下を差し入れる。銃後の人たちも祖国の危機に立ち上がる。ヒーローなき群像劇のような趣で映画は進んでいく。映画の中で、家族と記念写真を撮る兵士のシーンがあるが、エンドクレジットでその実物とも言えそうな古びた写真が映し出される。ひょっとしたら実話を基にしたエピソードがあちこちに散りばめられているのかもしれない。

トルコでは、過去の英雄たちに捧げられる映画なのかもしれないが、残念ながらエンターテイメントとしてはあまり面白くない。邦題担当者が内容を見ずにタイトルをつけたのも無理はないかもしれない。トルコ語による展開もなんだかわざとらしい演技に聞こえ、見慣れた映画との違和感を覚えたのもある。
まぁこういう映画もこれはこれで良いのかもしれない。
少し歴史的背景を知ってから観たほうが良かったと思う映画である・・・


評価:★★☆☆☆




posted by HH at 13:31 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | その他の国の映画