
原題: The Jungle Book
2016年 アメリカ
監督: ジョン・ファヴロー
出演:
ニール・セティ: モーグリ
ビル・マーレイ: バルー(声)
ベン・キングズレー: バギーラ(声)
イドリス・エルバ: シア・カーン(声)
スカーレット・ヨハンソン: カー(声)
クリストファー・ウォーケン:キング・ルーイ(声)
<シネマトゥデイ>
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ラドヤード・キプリングによる名作を実写化したアドベンチャードラマ。ジャングルで黒ヒョウとオオカミに育てられた少年が、一匹のトラとの出会いを通して壮大な冒険に身を投じる。監督は『アイアンマン』シリーズなどのジョン・ファヴロー。主演は2,000人もの候補から抜てきされた新星、ニール・セティ。ベン・キングズレー、ビル・マーレイ、スカーレット・ヨハンソンなどのスターが、動物たちの声を務める。動物と自然の風景の全てを創造した最先端CGに圧倒される。
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何となく昔から「ディズニーのアニメ」という認識で記憶の底の方にある「ジャングル・ブック」。あらためて原題を見て、「ジャングルの本」というタイトルだとわかる。そんな古くて有名な物語だが、内容はほとんど記憶にないので新鮮な気持ちでこの実写版を観る。
物語の主人公は、人間の少年モーグリ。子供の頃森でクロヒョウのバギーラに拾われ、バギーラによってオオカミたちに託され、育てられていた。日々仲間のオオカミたちとジャングルの中を走り回っている。オオカミの群れを束ねるのは、リーダーのアキーラ。ジャングルの掟を守り、群れの結束を高めている。
そんなジャングルで雨季が終わり、熱くて長い乾季が訪れる。川の水が乾上がって平和の岩が姿を現すと、ジャングルには休戦の時が訪れる。この時は、普段肉食獣を恐れる草食動物たちも安心して水を飲める。しかし、トラのシア・カーンが現れると、休戦期間であっても周囲に緊張感が溢れる。シア・カーンは、かつて人間により火傷を負わされており、その恨みを人間の子供であるモーグリに抱いている。そして、水の休戦が終わったら、モーグリを庇う者に危害を加えることを示唆する。
そしてジャングルに雨が戻ってきたその夜、モーグリはこの件で揉めているオオカミたちのもとへ行き、出ていくことを宣言する。母親役を務めきたラクシャは猛反対したが、バギーラもそれがモーグリの命を救う最善の方法でもあるとして、自ら彼を人間の村に送り届けることする。しかし、モーグリを狙うシア・カーンはこれを追い、モーグリはすんでのところでこれを逃れる・・・
こうして逃げるモーグリとこれを狙うシア・カーンを中心に物語は進んでいく。そしてそれぞの動物たちとの交流。オオカミたちは群れの結束を大事にし、森の中でゾウの群れに遭遇すれば、頭を下げて敬意を示さなければならない。道中では、大蛇のカーの催眠術で食べられそうになり、熊のバルーと出会い冬眠の手伝いをする。猿たちの王バンダー・ログに「赤い花(つまり火)」を手に入れろと迫られと、冒険が続いていく。
何せ、登場「人物」はモーグリと回想シーンに出てくるモーグリ親子のみ。あとはすべて動物たちである。しかし、その声の出演者は実に豪華である。と言ってもわかったのは、大蛇のカーの声のスカーレット・ヨハンソンのみで、あとはわからなかったが・・・スカーレット・ヨハンソンの声だけ出演は、『her/世界でひとつの彼女』(My Cinema File 1487)でもあったが、独特のボイスですぐわかったのである。
映像は実に見事であり、動物たちもみな生き生きと本物のごときである。今やどんな世界でも表現可能な映像力は改めてすごいものであると思う。個人的に気に入ったのは、モーグリと熊のバルーとのやり取りだろうか。「クマのプーさん」そのままに、うまいこと言ってモーグリにハチミツを取らせるバルー。いかにも怠け者風であるのだが、肝心なところではしっかりモーグリを助ける。キャラクター的にも一番気に入ったところである。
本来のストーリーが同じなのか違うのかはわからないが、実に楽しめる映画である。大人から子供まで、一緒に観ても楽しいだろう。さすがディズニーと言える、ディズニーらしい映画である・・・
評価:★★☆☆☆