
原題: Point Break
2015年 アメリカ
監督: エリクソン・コア
出演:
エドガー・ラミレス:ボーディ
ルーク・ブレイシー:ジョニー・ユタ
レイ・ウィンストン:パパス
テリーサ・パーマー:サムサラ
マティアス・ヴァレラ:グロメ
デルロイ・リンドー:ホール指導官
クレーメンス・シック:ローチ
トビアス・ザンテルマン:チャウダー
マックス・シエリオット:ジェフ
<シネマトゥデイ>
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キャスリン・ビグロー監督作『ハートブルー』に着想を得た、アスリートによる犯罪集団への潜入捜査を敢行するFBI捜査官の活躍を描くクライムアクション。元アスリートの捜査官がミッションを遂行する一方、命知らずの犯罪者との間に信頼と友情が生まれるさまを活写する。『カルロス』などのエドガー・ラミレスや『スパイ・レジェンド』などのルーク・ブレイシーのほか、サーフィンやスノーボード界などの有名アスリートがスタントとして出演。CGを使用しない生身のアクションの迫力に興奮。
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冒頭、エクストリーム・スポーツに興じるジョニー・ユタは、友人とバイクで危険なジャンプを試みる。しかし、友人は着地に失敗し、ユタの目の前で転落死する。時は流れ、ユタはFBIに志願する。厳しい指導官のポールはなかなか採用に踏み切らない。そんな頃、常人離れした犯行を繰り返す犯罪集団が現れる。高層ビルの上階からバイクで飛び降り、現金輸送機から現金を空中でばら撒き、自分たちは危険な降下で逃げ切る。
そんな犯罪者集団にエクストリーム・スポーツの匂いを嗅いだユタは、FBIに認知されていない彼らの犯行がもう1件あることを見抜き、さらに彼らが「オザキ8」と呼ばれる8つのエクストリーム・スポーツに擬えて犯行を行っていることに気づく。次なる犯行を予告したユタに対し、ポール指導官は、ベテラン捜査官パパスの下での捜査を認め、採用のチャンスを与える。
彼らが現れるポイントをフランスの大波の試練と予測したユタは、自身破格の大波にチャレンジするも失敗。あやうく死にかけたところを同じく大波に挑戦していたボーディに助けられる。アスリート達からカリスマ的人気を誇る彼は、かつてのアスリート時代のユタを知っており、ユタは彼が事件に絡んでいると睨み、行動を共にし交友を深めていく・・・
もともとはキアヌ・リーブスが出演した『ハートブルー』という映画(原題は同じ)のリメイクだそうである。『ハートブルー』の方は観ていないから何とも言えないが、エクストリーム・スポーツに題材をとった映画ということである。エクストリーム・スポーツとは、いろいろな分野で、要はかなり危険な行為にチャレンジするもののようで、ここでは伝説の人物「オザキ」がチャレンジしようとしていた8つの挑戦に挑む犯罪グループを登場させる。
ボーディたちは、犯罪を犯すと言っても、奪ったダイヤモンドは貧村でばら撒き、現金は空中で散布してしまう。それらは「自然への献物」ということらしいが、それで自身の行為を正当化しているのかもしれない。ユタはそんなボーディたちと行動を共にしていく。イタリアの雪山からスノーボードで大滑降し、断崖絶壁からムササビジャンプする。ついていけるのもユタにエクストリーム・スポーツの心得があるからだが、これらのシーンは観ているだけで迫力あって面白い。
もともとエクストリーム・スポーツを使用せんがために脚本を作ったようなところもあるのかもしれない。そういう意味では成功といえるが、肝心のストーリーの方はそれほど面白くもない。怪盗ルパンを気取った犯罪グループだが、鮮やかな犯罪からやがて警官隊との銃撃戦を行うようになり、義賊からは遠ざかっていく。ユタも仲間の女性サムサラと恋仲になったりと、一応お約束の展開が入る。
身分がバレたユタは、試練の内容から次のチャレンジを予測する。ギアナ高地のエンゼルフォールを命綱なしで登っていく様は、実際にどうやっているのかは別として、なかなかの迫力。こうした見せ場は確かに面白いが、クライマックスへ向けてトーンダウン。結局、ユタは何をしていたのかと問われる有様で、観終わってみるとユタとボーディとどっちが主人公だったのだろうと思わざるを得ない。それがこの映画が最終的にパンチ力の欠けたものになった要因であると思う。
迫力はあったのだが、ちょっと焦点のボケてしまった残念さが残る映画である・・・
評価:★★☆☆☆