
原題: Morgan
2016年 アメリカ
監督: ルーク・スコット
製作: リドリー・スコット/マイケル・シェイファー/マーク・ハッファム
出演:
ケイト・マーラ: リー・ウェザーズ
アニヤ・テイラー=ジョイ: モーガン
ミシェル・ヨー: チェン博士
ジェニファー・ジェイソン・リー: キャシー・グリーフ
ポール・ジアマッティ: シャピロ博士
ローズ・レスリー: エイミー
<映画.com>
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『ブレードランナー』のリドリー・スコット製作のもと、息子のルーク・スコットが長編初メガホンをとり、暴走した人工生命体の脅威を描いたSFアクションスリラー。シンセクト社の研究施設で開発が進められていた人工生命体の試作品L-9「モーガン」が、突如として研究者を襲い大怪我を負わせた。事態を調査するため、危機管理コンサルタントのリー・ウェザーズと心理評価の専門家シャピロ博士が現地に派遣される。しかし、調査の最中にモーガンが再び混乱しはじめてしまい……。リー役を『オデッセイ』のケイト・マーラ、シャピロ博士役を「サイドウェイ」のポール・ジアマッティがそれぞれ演じた。
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物語は一人の女性がとある施設にやってくることから始まる。女性の名はリー・ウェザーズ。とある企業から派遣されたリスクコンサルタント。実はその施設ではある事故が起こっており、その調査と評価がリーの役目。そしてリーは早速、調査に取り掛かる。事故の内容はその施設で女性が怪我をさせられたというもの。怪我をさせたのはモーガンという名の少女。
モーガンは、この施設で人工的に生まれた女性。と言っても企業側はそれを「人間」とは認めていない。施設の人間がモーガンを「her」と呼ぶのに対し、リーがそれを「it」と訂正させるところに両者の深い溝がある。施設の研究者たちは、モーガンに愛着を抱いており、企業が事故を原因として研究を中止させることを恐れている。そして企業側からはさらに専門家のシャピロ博士が派遣されてくる。
シャピロ博士はモーガンと面談をするが、シャピロ博士は意図的にモーガンを感情的にさせる。しかし、それは裏目に出てモーガンはシャピロ博士を殺害する。慌ててモーガンを眠らせるスタッフ。リーはモーガンを処分するように伝えるが、モーガンを「育てた」施設の研究者たちはそれができず、モーガンを救おうとする・・・
ここから物語は急展開する。このモーガンであるが、遺伝子操作によって生まれ、人間のように赤ん坊から成長した様子。実際は数年で成人の体型になったようだが、映画では詳しいことは説明されていない。優れた格闘テクニックを身につけているが、その理由もわからない。謎が多すぎるところがイマイチか。もう少し説明してくれてもいいと思うところ。
以前観た『エクス・マキナ』(My Cinema File 1675)とテイストが似ているが、こちらの映画はモーガンの詳細がわからないというストレスがある。ストーリー展開も『エクス・マキナ』(My Cinema File 1675)と似通うところがあるが、ラストに明らかになる事実には驚かされるものがある。「そうだったのか!」と。
監督は、この映画の製作も務める『ブレードランナー』(My Cinema File 504)のリドリー・スコットの息子さんだという。名作『ブレードランナー』(My Cinema File 504)も、人間と同じ思考回路を持ったレプリカントが登場し、その短い命に苦悩するが、モーガンは命こそ短命ではないが、人間の思考とのギャップを感じている様子。単なるSFではなく、考えさせるところがあるのは、リドリー・スコットのテイストなのかもしれない。
ただ、ストーリーとしては凡庸だったかもしれない。主演のケイト・マーラが淡々と任務をこなそうとする理由が最後にわかって一捻りあるものの、もうちょっと何かが欲しかった気がする映画である・・・
評価:★★☆☆☆