2017年06月30日

【レッド・ダイヤモンド】My Cinema File 1756

レッド・ダイヤモンド .jpg

原題: Precious Cargo
2016年 カナダ
監督: マックス・アダムス
出演: 
マーク=ポール・ゴスラー:ジャック
ブルース・ウィリス:エディ・フィローサ
クレア・フォーラニ:カレン
ダニエル・バーンハード:サイモン
ジェナ・B・ケリー:ローガン
ニック・ローブ:アンドリュー・ハーツバーグ
ジョン・ブラザートン:ニコラス
リディア・ハル:ジェナ

<シネマトゥデイ>
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『ダイ・ハード』シリーズなどのブルース・ウィリスが、マフィアのボスを怪演したクライムアクション。マフィアと強盗団と暗殺者たちが入り乱れ、仁義なき戦いを繰り広げる様子を活写する。『タイム・トゥ・ラン』などのマーク=ポール・ゴスラーが腕利きの泥棒を熱演し、ヒロインを『フーリガン』などのクレア・フォーラニが好演。複雑にもつれ合う事のてん末に注目。
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 主人公のジャックは、何やら犯罪者。冒頭、武器の売買が行われる。ジャックから武器を買おうとした男は、ジャックを裏切り、金を払わず武器だけを奪おうとする。孤立無援のジャックは絶体絶命のピンチだが、ジャックを射殺しようとした男の銃は空砲。さらにメンバーの1人が寝返り、隠れていたスナイパーが残りの一味を一掃する。どうやら挨拶代わりのアクションらしい。

 一方、銀行を襲撃していた武装グループのリーダーであるカレンの元に電話がかかってくる。相手は犯罪組織のボス、エディ。どうやらエディから情報を盗んで行っていた強盗らしく、怒ったエディは警察に通報。現場に警官隊が駆けつける。かろうじて逃げ延びたカレンは、かつての恋人ジャックの元を訪ね、「お腹の子はあなたの子」だと告げる。エディに追われるカレンは、エディに借りた金を返すため、宝石の強奪計画に協力するように頼む・・・

 ジャックは、カレンの頼みを断れず、仲間を集める。スナイパーのローガンは、美人でジャックに気がありそうなのだが、ジャックが他の女性を口説くのを手伝ったりする。この2人の関係はもう少し描いて欲しかった気がする。頰に傷を持つローガンはかなりの美人であり、ジャックが口説こうとしていた女医やカレンよりも遥かにいい。自分だったらローガンを選ぶのにと釈然としないままストーリーを追う。

 『ダイ・ハード』(My Cinema File 89)男ブルース・ウィリスは、ここではマフィアのボス役で悪役。正義のヒーローを演じることが多いブルース・ウィリスであるが、実は悪役も多い。『セットアップ』(My Cinema File 1073)『キリング・ショット』(My Cinema File 1094)『コードネーム:プリンス』(My Cinema File 1682)などみんな「組織のボス」役である。まぁそういう雰囲気であることは確かであるから、適役とも言えるのであるが・・・

 ストーリーは単純で、ジャックはカレンを救うために渋々エディのヤマに手を出す。ジャックを信頼する仲間たちは、それについて行く。そしてジャックのことを本当に思っているのかどうかわからないカレン。まるで『ルパン三世』(My Cinema File 1523)のルパンと峰不二子の関係のようでもある。それでもルパン三世とは異なるラストシーンにはちょっと溜飲を下げたのである。

 単純なストーリーかと思っていたら、二転三転とストーリーに一工夫されている。エディのボディガードも結構強く、こういう存在がスパイスとなる。個人的に気になるローガンも随所でいい働きをし、そのいじらしさに切なささえ漂う。あまり期待していなかったが、意外な面白さを見せてくれた映画である・・・


評価:★★☆☆☆







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2017年06月25日

【セキュリティコール】My Cinema File 1755

セキュリティコール.jpg

原題: Home Invasion
2016年 アメリカ
監督: デビッド・テナント
出演: 
ナターシャ・ヘンストリッジ:クロエ
ジェイソン・パトリック:マイク
リアム・ディキンソン:ジェイコブ
スコット・アドキンス:ヘフリン
キーラ・ザゴースキー:ノックス
マイケル・ロジャース:アスター

<TSUTAYA解説>
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自宅で謎の武装強盗に襲われる恐怖を描いた密室サスペンススリラー。義理の息子と共に行方不明の夫の帰りを待つペイジ。ある嵐の夜、ふたりが住む郊外の家に武装した3人の男たちが不法侵入。ペイジたちはその追跡を何とか回避していくが…。
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 原題は「自宅侵入」。そのものずばりであるが、主人公クロエ・ペイジが息子と暮らす豪邸にある嵐の夜、突然3人の強盗が侵入してくる。夫は普段から不在がちで、この夜もどこかに行っている。クロエ曰く、「上海あたり」。携帯もつながらずメールにも返事がない。遊びに来ていた友人は呆れる有様。そんなところに突然の強盗。クロエに代わり応対に出た友人は、有無を言わさず射殺されてしまう・・・

 クロエは大富豪の夫と結婚したが、夫との仲は良くないようで、思春期にある義理の息子ジェイコブと暮らしているものの、ジェイコブは反抗的で手を焼いている。こんな関係が説明された後、問題の夜となるわけであるが、大富豪の家だけに豪邸には最新のホームセキュリティが導入されている。強盗の侵入と同時に、セキュリティ会社のマイクが状況を掌握し緊急対応に入る。このマイクは勤務超過の様子で、クロエからの電話中にも気分がすぐれない様子を見せるが、結局それは大したことなく、最後までサポートする。クロエとジェイコブの関係とか、マイクの様子とか、何か伏線として後につながるのかと思いきや、何もない伏線がこの映画には目につく。

 強盗団は実に準備周到で手際が良い。途中の回転橋を故障させて、警察が駆け付けられないようにする。嵐でヘリも飛ばない。非常通報も手元で受けて警察のふりをし、クロエを安心させる。母子を孤立させておいて、玄関のドアを高性能爆薬(と思われる)で爆破して堂々と侵入する。監視カメラを潰して、隠れる母子を探すと同時に、何やら家探しを始める。

 マイクが強盗団も気付かなかった隠しカメラの映像を元に、クロエに指示を出す。会ったこともない相手と電話で連絡を取り合う様子は、『ダイハード』(My Cinema File 89)『サブウェイ123』(My Cinema File 454)を彷彿とさせる。強盗団の目的も不明で、いったいどういうことになるのか、果たして強盗団の目的は何かとか、予想外にストーリーに引き込まれていく。

 ただツッコミどころは結構あって、大豪邸に相手は3人だし、外は暗いし嵐だしでいくらでも逃げる方法はありそうなものだとか、犯人の一味が警官隊を阻止しろと言われていきなり銃撃戦をやってあっさり射殺されたりとかあるのだが、まぁそこを気にしていたら面白くも何ともなくなってしまう。それに結局、犯人の目的は何だったかわからないままだったし、まぁ短い映画だからもう少し長くしてサービスしてくれても良かった気もする。

 それにしても自宅内の監視カメラだが、こうした緊急時には役立つが、そうでなければプライバシーも何もあったものではない。セキュリティ会社では他人の家の中の様子が見れてしまうわけで、これはこれでどうなんだろうと思う。まぁ、大富豪はプライバシーよりセキュリティなのかもしれないし、それは庶民の穿った見方なのかもしれないと思う。個人的には、豪邸には住んでみたいがセキュリティはほどほどが良いように思う。

 あまり期待はしていなかったが、予想外に結構楽しめた映画である・・・


評価:★★☆☆☆








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2017年06月24日

【サン・オブ・ゴッド】My Cinema File 1754

サン・オブ・ゴッド.jpg

原題: Son of God
2014年 アメリカ
監督: クリストファー・スペンサー
出演: 
ディオゴ・モルガド:イエス・キリスト
ローマ・ダウニー:聖母マリア
グレッグ・ヒックス:ピラト
エイドリアン・シラー:カイアファ
アンバー・ローズ・レバ:マグダラのマリア
ダーウィン・ショウ:ペトロ
セバスチャン・ナップ:ヨハネ

<シネマトゥデイ>
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2013年3月からヒストリーチャンネルで放送された、全10話のテレビシリーズ「ザ・バイブル」を基にした歴史ドラマ。イエス・キリストの誕生から復活までを、壮大なスケールで追い掛けていく。メガホンを取るのは、「ザ・ローマ 帝国の興亡」などのテレビドラマで活躍するクリストファー・スペンサー。モデル出身のディオゴ・モルガドがキリストを熱演、その美しいルックスが、アメリカでの公開時に話題となった。政治や歴史の情勢からもキリストの運命を見つめるという視点にも注目。
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イエス・キリストの生涯を描いた映画というと、何だかたくさん創られているような気がするが、具体的に思い出そうとするとなかなか出てこない。かろうじて、かつて『ナザレのイエス』という映画を観に行った記憶があるのと、そう言えばチャールトン・へストンの『ベン・ハー』に出てきたなというくらいである。あるいはテレビドラマのような形で観たりしているのだろうかとも思う。いずれにせよ、改めてキリスト映画として向かい合う。

冒頭、人類の誕生(もちろんアダムとイヴである)から、ノアの箱舟、モーゼの脱出、ダビデと旧約聖書の歴史が神と人類の関わりという形でさらりと語られる。そして、貧しい馬小屋でマリアの子供としてイエスが生まれる。次に成人したイエスがペテロと出会い、不漁を嘆くペテロに豊漁をもたらせてスカウトする。「世界を変えよう」という誘い文句には何となく違和感を覚える。

やがてイエスは、行く先々で歩けない者を歩かせたりと奇跡をもたらす。山上の垂訓や水の上を歩いたり、姦淫の罪を犯した女に対し、律法通り石で打とうとする人々を前に「罪を犯したことのない者だけが打つが良い」と告げる。よく知っているエピソードが続いて行く。そしてそれを面白くないと思うのが、パリサイ人の司教。それはそうだろう、自分の話を聞いていた人たちがイエスの方へ行ってしまうわけであるから、「商売あがったり」なわけである。

神に成り代わり「罪を許す」と語るイエスに、「冒涜だ」と難癖をつける司教。「罪を許すことができるのは神だけだ」という理屈はもっともでもある。一方でローマの圧政が描かれる。エルサレムの人々は、税金を取られいわれなき迫害にも耐えるしかない。イエスのもたらす混乱にローマによる一層の介入を警戒する動きも出てくる。そしてそれがイエスの逮捕と処刑へと繋がって行く。このあたり、取り締まる方にも一理を与えていて面白いと思う。

聖書は全世界でもっとも多くの人に読まれている本だと言われているが、となれば新約聖書のイエスをめぐる物語も多くの人が知っているであろう。この映画は、そんな誰もが知っているエピソードを綴って行くわけで、何か独自の解釈があるとも思えないし、それを改めて観て面白いのかどうかわからない。イエスの物語を改めて描いた目的は何なのか、興味深い気もする。

イエス・キリストといえば痩せたイメージがあるが、主演のディオゴ・モルガドという役者さんは実にイケメンのいい男。身にまとったオーラはよく雰囲気が出ていたと思う。難をいえば、キリスト教徒ではないと使徒について詳しくわからないから、どうも物語の深みを感じられないところだろうか。さすがにユダとペテロについてはわかったがヨハネがどういう生涯を辿ったかわからず、冒頭とラストのシーンに何か意味があったのかと悶々としたものが残ってしまったことだろう。

キリスト教初心者にはいいかもしれないが、そうでない自分にはちょっとフラストレーションの溜まる映画なのであった・・・


評価:★★☆☆☆









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2017年06月23日

【ドクター・ストレンジ】My Cinema File 1753

ドクター・ストレンジ.jpg

原題: Doctor Strange
2016年 アメリカ
監督: スコット・デリクソン
出演: 
ベネディクト・カンバーバッチ:スティーヴン・ストレンジ / ドクター・ストレンジ
キウェテル・イジョフォー: モルド
エンシェント・ワン:ティルダ・スウィントン
レイチェル・マクアダムス:クリスティーン・パーマー
マッツ・ミケルセン:カエシリウス
ベネディクト・ウォン: ウォン

<シネマトゥデイ>
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『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』などのベネディクト・カンバーバッチを主演に迎えたヒーローアクション。事故で両手が思うように動かせなくなった天才外科医の姿を描き出す。『スポットライト 世紀のスクープ』などのレイチェル・マクアダムス、『偽りなき者』などのマッツ・ミケルセン、『フィクサー』などのティルダ・スウィントンらが共演。たとえ敵であろうとも他者を傷つけることのできない外科医の行く末に注目。
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また新たなマーベルのスーパーヒーローモノである。主人公のスティーブン・ストレンジ医師は、天才的腕前の外科医。その日も手術を終えた時、同僚のクリスティーン・パーマー医師から頭に弾丸が入った患者の相談を受ける。担当医は脳死判定しようとしているが、瞬時に難しい摘出手術をこなしてしまう。唯一の欠点は、高慢で唯我独尊な性格。

そんなある日、晩餐会に向かう途中で事故を起こす。運転中に送られてきた患者の画像データに気を取られてのものであった。大事故で一命はとりとめたものの、外科医の生命線とも言える両手の神経機能をほぼ失ってしまう。同僚医師の無能をなじり、クリスティーンすら遠ざけてしまうストレンジだったが、リハビリ担当医から半身不随となりながら奇跡的な回復を遂げた患者の話を聞き興味を持つ。現代医学では不可能な治癒の原因が、カトマンズのカマー・タージにあると聞くと、ストレンジは現地へと旅立つ。

あちこちたずね歩き、強盗にクリスティーンからもらった時計を奪われそうになったところをモルドという男に助けられる。そして連れて行かれたところで、エンシェント・ワンと名乗る女性の導師と対面する。両手の治療のつもりが、不思議な力を見せられ、ストレンジは、その場で弟子入りする。

一方、そんな主人公の動きとは別のところで悪が動き出すのはもはや定番とも言えるパターン。かつて同じ場所で修行していた弟子カエシリウスは、エンシェント・ワン秘蔵の図書館に侵入すると、そこの守護を殺し、一冊の本を手に取り、あるページを破いて持ち去る。そこに書かれているのは暗黒次元から暗黒神ドラマムゥを召喚する方法。真に問題とすべきは、永遠の存在になろうとする人間を阻む「時間」であり、「時間」を超越する暗黒次元こそ、人間を真の幸福に導く目指すべき目標だとの考えからの行動であった。

こうして、善と悪との対決というスーパーヒーローもののストーリーが出来上がって行く。主人公のストレンジは、有能な医者。「ドクター」という名称にこだわりを持っていて、「ミスター」と呼ばれたり、のちにエンシェント・ワンから「マスター」の称号を与えられても、「ドクター」ということにこだわる。人を救うという使命感と、それゆえに外科医としての腕を磨き、難手術をこなして人を助ける。だからこそ、事故で思うように動かなくなった指を動かそうとする。そうした主人公の性格も、ヒーローモノの大きな要素である。

そして、そのヒーローが駆使するのが「魔術」。ハリー・ポッターがお子様向けの夢のあるそれに対して、こちらのそれはもろに戦闘用のもの。エンシェント・ワンとカエシリウスとの戦いなど「高段者」の戦闘は、街全体が上に下にとひっくり返る迫力。魔法のマントも出てきて、時間を戻す魔法もあったりと魔法にできないことはない。これはこれで面白い。

ラストのエンドロールでは、マイティ・ソーとの会話が出てきたり、また007シリーズのような続編予告文言も出てきて、これだけで終わらない宣言は今後に楽しみを残す。マーベルブランドだし、アベンジャーズにも登場して他のスーパーヒーローとの絡みも出てくるのかもしれない。地球はますます安泰だ。

今後のドクター・ストレンジの活躍に大いに期待したくなった一作である・・・


評価:★★★☆☆









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2017年06月18日

【クリミナル・ミッション】My Cinema File 1752

クリミナル・ミッション.jpg

原題: Criminal Activities
2015年 アメリカ
監督: ジャッキー・アール・ヘイリー
出演: 
ジョン・トラボルタ:エディ・ロバート
マイケル・ピット:ザック
ダン・スティーブンス:ノア
クリストファー・アボット:ウォーレン
ロブ・ブラウン:ブライス
エディ・ガテギ:マルケス

<映画.com>
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「パルプ・フィクション」のジョン・トラボルタ、「ラストデイズ」のマイケル・ピット、『ザ・ゲスト』のダン・スティーブンスが共演したクライムドラマ。『ダーク・シャドウ』『ウォッチメン』などで活躍する個性派俳優ジャッキー・アール・ヘイリーが初メガホンをとった。高校時代の友人が急死したことをきっかけに再会した4人の男たち。彼らは裏情報を基に株で大儲けしようとマフィアのエディから資金を借りるが、結果は惨敗。返済不能に陥った4人は、借金を帳消しにする代わりにエディからある仕事を命じられる。それは、エディの敵対組織の甥を拉致して一晩だけ監禁するというものだった。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2016」上映作品。
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1人の男がバスにはねられて死ぬ。その葬儀の場で、高校時代の友人であるザック、ウォーレン、ブライスらは、同じ同級生のノアと再会する。久しぶりの再会であるが、話の成り行きである会社の株の裏情報を知ることとなる。ノアがその資金を出せるとなり、4人は思わぬ期待に胸を膨らます。しかし、1か月後、事件が起こりその株は紙くずとなってしまう。

話はこれで終わらない。ある日、ザックは突然謎の男に拉致され呼び出しを受ける。4人が呼び出されたところにやってきたのは、マフィアのエディ。実は、ノアはこのエディから金を借りていたのだとわかるも後の祭り。返さないとまずい相手なのに返すあてはない。途方に暮れる4人に対し、エディはある提案をする。それは、エディの敵対組織のボスの甥マルケスを拉致して、一晩監禁するというもの。4人に選択肢はなく、マルケス誘拐に向かう・・・

なにせ4人は素人。素人ゆえに足がつかないと踏んだエディの指示であるが、失敗してもエディは困らない。4人が陥った窮地は大変なもの。それがドタバタでマルケスを誘拐するが、なぜか現場にFBIが張り込んでいる。監禁後はマルケスの甘言に4人は動揺する。果たして一体どういうことになるのかと、いつの間にかストーリーに引きずり込まれていく。

途中、ザックは結婚を控えた恋人の浮気疑惑に取り乱し、4人の過去が描かれる。ノアは何でエディなんかに金を借りたんだろうかとか、FBIは何で盗聴していたんだろうかとか、都度都度疑問を抱えながらの鑑賞だったが、最後にそれらのピースが実に見事に嵌め合わされていく。出来上がったピクチャーは、初めには予想もしていなかった絵模様。実に見事などんでん返し映画である。

インサイダー情報というのは、誠に甘美な誘い。その誘惑に抗うのは難しい。そしてそこにとんでもない罠が潜む。マフィアから金を借りるなどとは、だれ一人考えてもいない。ザックとウォーレンとブライスは、まさに「寝耳に水」。自分だったらどうするだろうと考えてみる。「警察」というのが優等生的回答だが、マフィア相手では本当に守ってくれるかどうかわからない。出された「誘拐」の条件も、失敗しても成功してもリスクしかない。4人が陥る窮地は先が気になって仕方がない。

そして中でもひたすら存在感を放つのがジョン・トラボルタ。この人はむしろ悪役の方が、存在感がある。約束の時間にはわざと遅れて行き、ファーストネームで呼んでくれと気さくさを装う。まずそうな野菜ジュースを飲み、表面の穏やかさのすぐ裏には、馴染みのウエイトレスの暴力亭主を叩きのめす顔も持っている。まさにその存在感がこの映画を引き立たせている。

思いがけないどんでん返しが心地良い、クライム映画である・・・


評価:★★☆☆☆







posted by HH at 00:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 犯罪ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする