
原題: Precious Cargo
2016年 カナダ
監督: マックス・アダムス
出演:
マーク=ポール・ゴスラー:ジャック
ブルース・ウィリス:エディ・フィローサ
クレア・フォーラニ:カレン
ダニエル・バーンハード:サイモン
ジェナ・B・ケリー:ローガン
ニック・ローブ:アンドリュー・ハーツバーグ
ジョン・ブラザートン:ニコラス
リディア・ハル:ジェナ
<シネマトゥデイ>
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『ダイ・ハード』シリーズなどのブルース・ウィリスが、マフィアのボスを怪演したクライムアクション。マフィアと強盗団と暗殺者たちが入り乱れ、仁義なき戦いを繰り広げる様子を活写する。『タイム・トゥ・ラン』などのマーク=ポール・ゴスラーが腕利きの泥棒を熱演し、ヒロインを『フーリガン』などのクレア・フォーラニが好演。複雑にもつれ合う事のてん末に注目。
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主人公のジャックは、何やら犯罪者。冒頭、武器の売買が行われる。ジャックから武器を買おうとした男は、ジャックを裏切り、金を払わず武器だけを奪おうとする。孤立無援のジャックは絶体絶命のピンチだが、ジャックを射殺しようとした男の銃は空砲。さらにメンバーの1人が寝返り、隠れていたスナイパーが残りの一味を一掃する。どうやら挨拶代わりのアクションらしい。
一方、銀行を襲撃していた武装グループのリーダーであるカレンの元に電話がかかってくる。相手は犯罪組織のボス、エディ。どうやらエディから情報を盗んで行っていた強盗らしく、怒ったエディは警察に通報。現場に警官隊が駆けつける。かろうじて逃げ延びたカレンは、かつての恋人ジャックの元を訪ね、「お腹の子はあなたの子」だと告げる。エディに追われるカレンは、エディに借りた金を返すため、宝石の強奪計画に協力するように頼む・・・
ジャックは、カレンの頼みを断れず、仲間を集める。スナイパーのローガンは、美人でジャックに気がありそうなのだが、ジャックが他の女性を口説くのを手伝ったりする。この2人の関係はもう少し描いて欲しかった気がする。頰に傷を持つローガンはかなりの美人であり、ジャックが口説こうとしていた女医やカレンよりも遥かにいい。自分だったらローガンを選ぶのにと釈然としないままストーリーを追う。
『ダイ・ハード』(My Cinema File 89)男ブルース・ウィリスは、ここではマフィアのボス役で悪役。正義のヒーローを演じることが多いブルース・ウィリスであるが、実は悪役も多い。『セットアップ』(My Cinema File 1073)、『キリング・ショット』(My Cinema File 1094)、『コードネーム:プリンス』(My Cinema File 1682)などみんな「組織のボス」役である。まぁそういう雰囲気であることは確かであるから、適役とも言えるのであるが・・・
ストーリーは単純で、ジャックはカレンを救うために渋々エディのヤマに手を出す。ジャックを信頼する仲間たちは、それについて行く。そしてジャックのことを本当に思っているのかどうかわからないカレン。まるで『ルパン三世』(My Cinema File 1523)のルパンと峰不二子の関係のようでもある。それでもルパン三世とは異なるラストシーンにはちょっと溜飲を下げたのである。
単純なストーリーかと思っていたら、二転三転とストーリーに一工夫されている。エディのボディガードも結構強く、こういう存在がスパイスとなる。個人的に気になるローガンも随所でいい働きをし、そのいじらしさに切なささえ漂う。あまり期待していなかったが、意外な面白さを見せてくれた映画である・・・
評価:★★☆☆☆