2017年07月16日

ホーンズ 容疑者と告白の角

ホーンズ 容疑者と告白の角.jpg

原題: Horns
2013年 アメリカ
監督: アレクサンドル・アジャ
出演: 
ダニエル・ラドクリフ:イグ・ペリッシュ
ジュノー・テンプル:メリン・ウィリアムズ
マックス・ミンゲラ:リー・トゥルーノー
ジョー・アンダーソン:テリー・ペリッシュ
ケリ・ガーナー:グレンナ
ジェームズ・レマー:デリック・ペリッシュ

<シネマトゥデイ>
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スティーヴン・キングの息子でもある作家ジョー・ヒルの小説を実写化したサスペンスホラー。出会った者に真実を語らせる力を秘めた角を生やした青年が、恋人を殺害した犯人を捜し出していく。メガホンを取るのは、『ミラーズ』『ピラニア3D』などのアレクサンドル・アジャ。主演は『ハリー・ポッター』シリーズなどのダニエル・ラドクリフ。その脇を『シン・シティ 復讐の女神』などのジュノー・テンプルら、実力派が固めている。奇怪なストーリーもさることながら、頭に角を生やしたダニエルの姿も見もの。
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イグと恋人のメリンは甘い関係。冒頭から仲睦まじい様子。ところが、画面は一転すると、酒に酔ったイグを映し出す。一歩外へ出れば、イグに対する憎しみの声を上げる人々とテレビのレポーター。実はメリンが殺され、イグにその容疑がかかっているのである。必死に否定しても疑惑は拭えず、唯一味方してくれるのは幼馴染で弁護士のリーだけ。しかし鑑識のラボが放火され、遺体に付着していた犯人の生体サンプルが焼失してしまう事態となり、イグの立場はますます悪くなっている。

お酒に溺れたイグは、やはり無実を信じて味方になってくれる幼馴染のグレンナと寝てしまう。その翌朝、目覚めるとイグの頭から小さな角が生えている。動揺するイグだが、グレンナはその角を見ても大して驚かず、それどころか太りたいからドーナツを食べてもいいか?と本音を露わにしてくる。イグはそんなグレンナを後にして病院に向かうが、診察した医者も、手術をすると言いいイグに麻酔をかけながら、手術そっちのけで看護師とセックスしている・・・

さらに仕方なく実家に帰ったイグだが、いつもは同情してくれる両親からも犯人扱いされてしまう。どうやらイグに生えた角は、人々に隠している本音を語らせてしまうという効果があるとわかってくる。するとそれを逆手に取り、うるさくつきまとう芸能レポーター同士を争わせ、冷たい街の人々が狂気の行動に出るのも放置する。さらにイグは、この角の力を使って犯人を見つけ出そうと動き出す・・・

映画だからストーリーはなんでも自由だが、この映画のストーリーはなかなか荒唐無稽である。主人公に突然角が生え、それを見た人々は普段心に秘めている本音を語り出すというもの。私などこれをやられたら、日頃心に秘めた妄想をさらけ出し次の日から表を歩けなくなるだろう。物語は、小さな街だからであろう年少時代から共に過ごし、一緒に大人になったイグたちを子供の頃と並行して描いていく。

一体、誰がメリンを殺したのだろうか。その謎解きと、角を見て本音を語り狂う人々とを描いていく。どういうストーリーになるのかと思っていたら、それは何とも荒唐無稽な物語。個人的にはあまりにも設定が唐突すぎて興醒めしたところがある。最後の展開も何だかなぁという感じ。主演は、ダニエル・ラドクリフ。『ハリー・ポッター』シリーズのイメージからは徐々に遠ざかりつつあるが、この映画ではなかなか個性的な役である。

ラストはどう解釈すればいいのだろうか。ちょっとわからなかった。いろいろな物語があっても良いと思うが、個人的には何の角だったのかもう少し説明して欲しかった気がする。そのあたりがちょっと惜しかった映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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マグニフィセント・セブン

マグニフィセント・セブン.jpg

原題: The Magnificent Seven
2016年 アメリカ
監督: アントワーン・フークア
出演: 
デンゼル・ワシントン: サム・チザム
クリス・プラット: ジョシュ・ファラデー
イーサン・ホーク: グッドナイト・ロビショー
ヴィンセント・ドノフリオ: ジャック・ホーン
イ・ビョンホン: ビリー・ロックス
マヌエル・ガルシア=ルルフォ: バスケス
マーティン・センズメアー: レッドハーベスト
ヘイリー・ベネット: エマ・クレン
ピーター・サースガード: バーソロミュー・ボーグ
ルーク・グリメス:テディ・キュー
マット・ボマー: マシュー・クレン

<シネマトゥデイ>
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黒澤明の傑作『七人の侍』と同作をリメイクした『荒野の七人』を原案にした西部劇。冷酷非道な悪に支配された町の住人から彼を倒してほしいと雇われた、賞金稼ぎやギャンブラーといったアウトロー7人の活躍を追う。メガホンを取るのは、『サウスポー』などのアントワーン・フークア。『トレーニング デイ』『イコライザー』でフークア監督とタッグを組んだデンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホンらが結集する。熱いストーリーと迫力のアクションに注目。
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西部劇の名作『荒野の七人』を原案とした西部劇。原題こそ同じ「The Magnificent Seven」であるが、邦題を『荒野の七人』としなかったのは、リメイクではなく、ストーリーは別物であることに対する配慮かもしれない。となると、なかなかナイスな邦題であると思う。

舞台は、ローズ・クリークの町。近郊の鉱山から金が採掘できることが判明したことから、悪徳実業家のバーソロミュー・ボーグが金にモノを言わせて住民たちを町から追い出しにかかっている。タダ同然の立ち退き料を提示された住民たちは教会に集まって意見を交わしているが、そんなところにボーグは手下を引き連れてやって来て力で住民たちを脅す。教会は放火され、抵抗を示した住民たちは見せしめに射殺される。射殺された住民の妻カレンは、町を守るべく助っ人を探す。

そんなところに出会ったのは、そこで殺人の指名手配犯を射殺した委任執行官サム・チザム。さっそくチザムに事情を話し助っ人を依頼する。初めは興味を示さなかったチザムであるが、標的がボーグだと知り依頼を引き受ける。そしてチザムは、仲間集めにかかる。最初はギャンブラーのファラデー。そして南北戦争時の知り合いロビショー。ロビショーはナイフの達人である相棒ビリーを従えている。さらに手配中の殺人犯バスケスに声をかけ(手配は取り下げないが追わないという約束でだ)、ネイティブ殺しのジャック、ネイティブのレッド・ハーベストと合計7人でローズ・クリークへと乗り込んでいく。

町に乗り込んだチザムたちは、手始めに保安官をはじめとするボーグの用心棒たちを次々に倒していく。さすが西部劇らしい展開。カレンとチザムは、さらに町の住民たちに協力を呼びかけ、協力を申し出た住民たちに銃の訓練を施す。しかし、にわか素人の住民たちは戦力には程遠い。そしてチザムらは、ボーグの金鉱からダイナマイトを強奪して町の防御を整え、ボーグたちを迎え撃つ準備を行う。そして、いよいよボーグが味方を引き連れ大挙してやってくる・・・

 善と悪の対決は、西部劇ではお決まりのパターン。選りすぐりの七人は、数のハンディを負いながらも、住民たちの協力を得て次々と攻めくる相手を撃ち倒していく。正義が勝つのは当然であるが、オリジナルの『荒野の七人』と比べると、どうも「表面的」な感じが拭えない。単に悪を退治して終わりというスッキリ感だけで、どこか「軽い」のである。もちろん、それも魅力の一つだと思うが、比較してしまうと見劣り感は拭えない。

 その最大の要因は、「無常観」ともいうべきものであろう。『荒野の七人』では、村を守るためやむを得ずに立ち上がったという経緯がある。初めは銃を買いに行った村人たちに対し、「銃より人を雇え」とリーダーのクリスが教えたのであるが、ここでは最初から用心棒を探しに行っている。そして、雇われたガンマンも暴力を是としていない。オリジナルでは、カッコいいガンマンに憧れがちな子供たちに、「本当の勇気とは銃を持って戦うことではない」と諭すシーンが出てきたが、ここではそういうことはなく、勧善懲悪オンリーである。

 『荒野の七人』の元となった黒澤明監督の『七人の侍』も、武士を礼賛していない。「農民が一番強い」というメッセージが流れていたが、そうしたものもない。それが、この映画の「軽さ」の原因であり、それはさすがのデンゼル・ワシントンをもってしてもカバーできていない。そのデンゼル・ワシントンも、たった20ドルでどうみても割の合わない仕事を引き受けたクリスと比べると、実は立派な「戦う理由」を持っているとわかる。

 金目当てではなく、苦しんでいる村人のために危険を冒して戦った『荒野の七人』と比べると、「マグニフィセント・セブン」はそれなりに自分の理由をもっていたとも言える。残念ながら、その差は比較できないほど大きい。テーマ音楽は懐かしかったが、内容的にはあの名作とはかなり距離のある「普通」の映画と言える一作である・・・


評価:★★☆☆☆


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2017年07月15日

予告犯

予告犯.jpg
 
2015年 日本
監督: 中村義洋
出演: 
生田斗真:奥田 宏明 / ゲイツ
戸田恵梨香:吉野 絵里香
鈴木亮平:葛西 智彦 / カンサイ
濱田岳:木村 浩一 / ノビタ
荒川良々:寺原 慎一 / メタボ
宅間孝行:岡本 大毅
坂口健太郎:市川 学
窪田正孝:青山 祐一
小松菜奈:楓
福山康平:ヒョロ / ネルソン・カトー・リカルテ

<シネマトゥデイ>
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「ジャンプ改」で2011年から2013年にかけて連載されて人気を博した筒井哲也のコミックを実写化したサスペンス。法では裁けぬ悪や罪をネット上で暴露し、その対象への制裁を予告しては実行する謎の予告犯シンブンシとエリート捜査官の攻防が展開する。監督は『ゴールデンスランバー』、『白ゆき姫殺人事件』などの中村義洋。『脳男』などの生田斗真が、新聞紙製の頭巾を被った異様な主人公を怪演、その脇を戸田恵梨香、鈴木亮平、濱田岳、荒川良々ら実力派が固める。息詰まるタッチに加え、社会のさまざまな闇に光を当てる硬派な視点にも注目。
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新聞紙で作った頭巾を被った男が、ある予告動画を動画共有サイトにアップロードする。その予告とは、集団食中毒事件を起こしながら、記者会見で法律の不備が原因と開き直った食品加工会社に制裁をするという内容。そして、実際に当該食品加工会社の工場が放火されたことから、警視庁サイバー対策課が対応に乗り出す。率いるのは、エリート捜査官の吉野絵里香。

さっそく捜査を開始する吉野たちだが、実はすでにその前に犯行の予告と実行が2件行われていることが判明する。バイト先の飲食店でふざけてゴキブリを揚げた学生や、レイプされた女性を批判したサラリーマンなどが制裁を受けていたのである。犯行予告犯は、新聞紙の頭巾をかぶっていることから、「シンブンシ」と呼ばれ、巷で話題となる。そして捜査の結果、犯行に利用されたネットカフェチェーンが特定され、容疑者はネルソン・カトー・リカルテという名義で入店していたことが判明する。

一方、遡ること3年前、あるシステム会社で1人の派遣社員が働いている。3年勤めれば正社員になれると信じて懸命に働いていたが、正社員にする気などない派遣先の社長が嫌がらせを繰り返し、やがて男は体調を壊して退職する。その男奥田は、ハローワークへ日参するも就職先が決まらず、やがて葛西という男に誘われ違法操業の日雇い現場に住み込みで働き始める。そこには他にも4人の若者がいて、いつしか互いに意気投合していく。

そんなある日、過酷な現場労働から日系フィリピン人のヒョロが倒れ命を落とす。かつて腎臓を売って日本に来たが、それが原因でもあった。本名ネルソン・カトー・リカルテを悼むメンバーに対し、現場監督は冷酷にも遺体を埋めるように命じ、スコップを遺体に投げつける。その行為に逆上した奥田達は現場監督を殺してしまう・・・

こうして、シンブンシ男のネット制裁予告の犯行と、奥田達4人がそれに至る経緯が並行して描かれていく。そこにあるのは、社会の理不尽に対する怒り。しかしながら、何となく制裁内容が軽いと感じる。と言うのも、バイト先でゴキブリを揚げたバカなバイトに対しては、ゴキブリを食わせたり、レイプされた女性を批判した男には尻にバイブを突っ込むと言う屈辱を味わわせるという内容だからである。たとえば『ミュージアム』のカエル男のような残虐性とは比べものにならないくらい軽いのである。

そんな疑問を持ちながら観ていたのだが、事件は意外な結末へと向かう。結末から考えれば、この犯行の軽さというのも十分に理解できる。最後の犯行予告に秘められた謎。大どんでん返しというわけではないが、小気味よい意外性をもったエンディング。ただ、それにしてもハッピーエンドというわけではない。派遣から這い上がろうとして頑張りながら報われることのなかった奥田。彼は結局、報われないままである。それが世の中と言ってしまえばそれまでなのであるが・・・

主演は、生田斗真。同じ犯罪ものでも『脳男』とはちょっと違ったテイスト。恋愛映画での二枚目役(『僕等がいた』『ハナミズキ』)は、ちょっとイケメン過ぎてどうかと個人的には思うが、こういう役柄はマッチしているように思う。

軽いテイストで鑑賞したい一作である・・・


評価:★★☆☆☆



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2017年07月14日

セッション

セッション.jpg

原題: Whiplash
2014年 アメリカ
監督: デミアン・チャゼル
出演: 
マイルズ・テラー:アンドリュー・ニーマン
J・K・シモンズ:フレッチャー
メリッサ・ブノワ:ニコル
ポール・ライザー:ジム・ニーマン
オースティン・ストウェル:ライアン
ネイト・ラング:カール

<シネマトゥデイ>
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サンダンス映画祭でのグランプリと観客賞受賞を筆頭に、さまざまな映画賞で旋風を巻き起こした音楽ドラマ。ジャズドラムを学ぼうと名門音楽学校に入った青年と、彼にすさまじいスパルタ的指導を行う教師の姿を追い掛けていく。メガホンを取るのは、『グランドピアノ 狙われた黒鍵』などの脚本を手掛けてきた俊英デイミアン・チャゼル。主演は『ダイバージェント』などのマイルズ・テラーと『JUNO/ジュノ』などのJ・K・シモンズ。熱いドラマはもちろん、マイルズが繰り出すパワフルなドラミングにも圧倒される。
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主人公は、偉大なジャズ・ドラマーになるという野心を抱いて、全米屈指の名門校シェイファー音楽院に入学した19歳のアンドリュー・ニーマン。ある晩、1人でドラムの練習をしていると、そこに名高いフレッチャー教授がふらりとやってくる。緊張感ある会話は、あっけなく終わる。しかもせっかくのチャンスなのに、フレッチャーはニーマンの演奏をほんの数秒聴いただけで出て行ってしまう。

数日後、ニーマンは指導教官の下でレッスンを受けている。そこに突然現れたフレッチャー。その場にいたメンバー全員の音をチェックすると、主奏者のライアンを差し置いて、ニーマンに自分のバンドに移籍するよう命じる。喜びを噛みしめる一方で、友達のいないニーマンは、時折父と行く映画館の売店でバイトをしているニコルに恋心を抱き、フレッチャーにスカウトされた日、思い切ってデートに誘いOKをもらう。ニーマンにはその先にはバラ色の学生生活が見えていたと思う。

 意気揚々とフレッチャーの教室に行くが、そこは異様なまでの緊張感に包まれた空間。時間ピッタリに現れたフレッチャーは、早速指導を始めるが、僅かな音程のズレを責められた生徒が退場させられる。ニーマンもすぐにフレッチャーの恐怖の指導の洗礼を受ける。指摘されたテンポのズレはごくわずかなもので、観ているこちらもニーマンもわからない。鬼の形相で何度もダメ出しをされ、ビンタでテンポを矯正される。両親の悪口や人格攻撃までされ、あっという間にニーマンは涙ぐむ。これこそがフレッチャーの教室が異様な緊張感に包まれていた理由である。今の日本でやったら大問題になるかもしれない。

しかしニーマンは根性がある。翌日からひたすらドラムを叩き続ける。叩きすぎて手の皮がむけ血が滲み出すが、絆創膏を何枚も貼って練習を続ける。その努力は実るのであるが、1つ壁を越せばフレッチャーはまた次の壁を築く。以前は目もかけなかったライアンを新たな候補として連れてきて、徹底して競わせる。追い詰められたニーマンは、事故で大怪我を負いながらも演奏しようとする。その様は狂気のごとくである・・・

フレッチャーの信念は、一言で言えば「厳しさが人を育てる」というもの。かつて「バード」と異名をとったチャーリー・パーカーが、若い頃ミスをしてシンバルを投げつけられたというエピソードを語る。この時の屈辱感をバネに、チャーリー・パーカーが奮起したというもの。褒めて伸ばすという考え方をフレッチャーは否定し、「Good job!」という言葉が才能を滅ぼすと語る。

そのやり方は、しかし危険なもの。事実、フレッチャーの教え子はそれで精神を病み自殺している。ニーマンもギリギリのところまで追い込まれ、ついには暴発してしまう。フレッチャーの厳しさの裏には愛情があったのかどうか、それは正直言ってよく分からない。そしてニーマンは叩かれても叩かれてもなおへこたれない精神力があり、それがラストの大爆発へと繋がる。ラストのニーマンとフレッチャーの、師弟でありながら本気で真剣で殺し合うかのような演奏は圧巻である。それはまるで、「師匠を殺して勝てば卒業、負ければ殺されておしまい」という卒業試験であるかのようである。

そんな迫力満点の演奏で映画は終わる。その後どうなったかは想像するしかない。しかし、思うにニーマンは実力派ドラマーとなって行くであろう。そしてそれをフレッチャーのおかげであることを彼を憎みながらも思うような気がする。才能を育てるということには何が必要なのだろうか。フレッチャーは果たして名コーチなのだろうか。深く考えさせられる映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2017年07月09日

アル・パチーノ ブロークン 過去に囚われた男

アル・パチーノ ブロークン 過去に囚われた男.jpg

原題: Manglehorn
2014年 アメリカ
監督: デビッド・ゴードン・グリーン
出演: 
アル・パチーノ:マングルホーン
ホリー・ハンター:ドーン
ハーモニー・コリン:マングルホーンの息子
クリス・メッシーナ

<映画.com>
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過去の愛に囚われた孤独な男が新たな一歩を踏み出すべく奮闘する姿を、名優アル・パチーノ主演で描いたヒューマンドラマ。鍵修理屋を営みながら愛猫と暮らす老人マングルホーン。息子家族と疎遠になり孤独な毎日を送る彼は、毎週訪れる銀行の女性受付係ドーンと交わす他愛のない会話を大切にしていた。ある日、マングルホーンが通うカフェにドーンが現われる。これをきっかけにドーンとの距離を縮めていくマングルホーンだったが、心の奥底ではかつて愛した女性クララへの未練をいまも引きずっていた。ドーン役に「ピアノ・レッスン」のオスカー女優ホリー・ハンター。「セルフィッシュ・サマー」「スモーキング・ハイ」のデビッド・ゴードン・グリーン監督がメガホンをとった。
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主人公の老人マングルホーンは、小さな街で鍵修理屋を営んでいる。小さな店を1人で切り盛りしながら、時折鍵の開錠の出張作業をこなしている。1人暮らしで、家族と言えば成功しているビジネスマンの息子であるが、2人の関係はあまりいいとは言えない。とは言え、孫娘は目に入れても痛くない様子で、時間を作っては一緒に過ごしている。

孤独な独り暮らしを支えるのは愛猫のファニー。そして毎週通う銀行では、窓口の女性ドーンとの会話が楽しみ。夜になると、かつて愛した女性クララに対し出すことのない手紙を書く日々を送っている。そんなある日、マングルホーンがいつも通っているカフェに行くと、そこへ突如ドーンが姿を現す。実は密かにマングルホーンに好意を持ったドーンが、意を決して会いに来たのである。

これをきっかけに、マングルホーンとドーンはともに一時を過ごすようになる。ドーンの家に招待されて訪問し、かねてから話題に出ていた愛犬も紹介される。ドーンがマングルホーンに好意を抱いていることは間違いなく、2人の関係は深まっていくかに思える。しかし、あるデートの時、マングルホーンは過去に愛した女性クララへの絶えない思い語りだし、それを聞いていたドーンはショックで席を立ってしまう・・・

映画を観終わってみると、何とも言いようがないものがこみ上げてくる。まずドラマ自体が面白くない。淡々と進み、終わる内容は盛り上がりに欠ける。主人公のマングルホーンがなぜ今もクララを忘れられないのかよくわからないし、気持ちはわからなくもないがイマイチ共感しにくい。息子とのギクシャクした関係や、その後息子が頼って来た際の対応など、どうにもこうにも解釈が難しい。

さらには理解不能な邦題。「アル・パチーノ」と入れたのは、これで客を引こうとしたのだろう(事実私もそれで迷わず観たし、それがこの映画の唯一の見どころである)が、「ブロークン」って何だ(まぁわからなくもないが、下手な英語だろう)という感じだし、「過去に囚われた」と言っても忘れられない女がいるというだけのこと。原題だけでは確かにおかしいが、それでもこの邦題はないよなと思う。

静かな展開のドラマは、静かに終わる。もう一度観たいというシロモノではなく、大好きな俳優アル・パチーノ主演でもそれは変わらない。やがて観たことすら忘れてしまうタイプの映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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