さて、そんな季節の4-6月であるが、この期間に観た映画は48本。これは昨年の同時期と比べて12本多い。今年は昨年までの「週末2本」のペースから「週末3本」のペースに増やしており、ちょうどその分増えた計算である。
その中で、個人的に選んだのが下記ベスト3。この中には、過去に一度観た映画は対象外としている。
第1位:
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』

総じて横並び感が強く、選ぶのも難しかったところではあるが、『ハリー・ポッター』シリーズの姉妹作というのか、別シリーズなのかわからないが、同じ魔法使いの物語。場所をニューヨークに移し、時代を20世紀初頭にし、またまた夢のある内容となっている。何も考えずに楽しめるところがこのシリーズのいいところである。
かつて『スーパーマン』を初めて観た時、それまでの映画と違って自然と人が宙に浮く映像に感動し、本当に人間が空を飛べるのではないかという錯覚に陥ったが、このシリーズでは何だか本当に魔法使いがいるのかもしれないと思えてきてしまう。ストーリーもそうだが、映画ならではの映像の世界を堪能したい映画である。
第2位:
『ウォール・フラワー』

友達もなく、孤独で目立たない主人公。パーティーとなれば、間違いなく壁際でたたずんでいるしかない存在の主人公が、義兄妹2人と仲良くなったことから世界が変わっていく。心密かに妹のサムに惹かれるが、サムには恋人がいて自分にはそばで見つめているしかない。そんな胸が切なくなるような物語。
誰にでも似たような経験はあるのかもしれない。若者たちはそれぞれに悩みを抱えながら世界と向き合うことになる。成熟した世代となると、振り返ってみて胸が熱くなる時代というのは誰にでもあるに違いない。そんな感傷を起こさせる映画。原作小説も読んでみたいという気にさせられる。懐かしい感覚が蘇ってくる映画である。
第3位:
『海街diary』

原作は漫画。妻子を捨てて別の女性とともに出て行った父の訃報が、残された3姉妹の下に届く。葬儀に出席した3姉妹の前に現れたのは、異母妹のすず。その置かれた境遇を見た長姉のサチは、すずに「一緒に暮らさないか」と誘う。それに即答で応じたすずが、3姉妹の住む鎌倉にやって来る。こうして4姉妹だけの生活が始まる。
妻と離婚できない同僚医師と付き合っている長姉のサチ。お酒が好きで若い男と付き合う次姉の佳乃。奔放な性格の三女チカ。そこに加わったすずの4姉妹のそれぞれの日常が描かれていく。古都鎌倉を舞台にして、綾瀬はるか、長澤まさみ、広瀬すずといった女優陣たちも魅力的な映画。
映画を観終わって、原作漫画を読み始めたが、映画は原作を忠実に描いている。そして、原作漫画はまた映画では描かれないエピソードも多く、ストーリーに厚みをもたらしている。じんわりと心に染み入ってくる、まさに日本的な映画である。
さて、これから年間で最も映画を観られる季節となる。数多く観ればいいというものではないが、数多く観れば「当たり」も増えるかもしれない。いい映画との出会いを期待したい2017年の夏である・・・