2018年02月25日

【タイム・クライム】My Cinema File 1882

タイム・クライム.jpg

原題: 11 A.M.
2013年 韓国
監督: キム・ヒョンシク
出演: 
チョン・ジェヨン:ウソク
チェ・ダニエル:ジワン
キム・オクビン:ヨンウン

<映画.com>
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タイムトラベルに成功した科学者たちが、予測不能な事態に陥る様を描いた韓国製SFサスペンス。物理学者のウソクはタイムマシンの研究をしているが、一向に成果をあげられず、スポンサーからプロジェクト中止を言い渡される。なんとか研究を続けるため、仲間の制止を振り切り自らタイムトラベルを決行したウソクは、24時間後の翌日午前11時の世界にたどり着き、タイムトラベルに成功する。しかし、たった24時間しかたっていないはずの研究所は廃墟と化し、研究仲間たちもいなくなっていた。そこで何者かに襲われたウソクは元の時間に戻り、未来から持ち帰った防犯カメラの映像を確認する。するとそこには、仲間の研究者たちが次々と殺されていく恐ろしい様が映し出されていた。
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 韓国映画はその国民性と相反して非常に面白い。だから嫌韓感情とは別に観ることにしているが、これもそんな一作。
 
 ロシアの企業をスポンサーに海底の原子力炉内でタイムマシンの研究に従事する研究者たちがいる。しかし、思うような成果が得られず、ロシアのスポンサー企業は契約打ち切りを示唆してくる。焦りもあったメンバーのウソクは、現時点で可能な「24時間後へのタイム・スリップ」の実験を実施する。

 マシンに乗るのはウソクとヨンウン。実はその前にジワンがウソクに同行を志願するが、「危険を冒させたくない」とこれを拒絶する。それまで実験のリーダーだったウソクの実にリーダーらしい一言。それなのにいきなりヒロインのヨンウンを同行させるのでズッコケる。「危険な実験に女性を同行させるのか!」と一人ツッコミを入れるが、当然ウソクの耳には届かない。かくして2人は「24時間後の世界」へと旅立つ。

 マシンは24時間後の世界に15分滞在して元の世界に戻る設定。残るスタッフは同時に休暇に入る予定で、24時間後の施設には誰もいないはず。タイム・トラベルの証拠資料を取り出して戻る単純な実験であった。ところが、24時間後の研究施設は荒廃していて、とても24時間後とは思えない。さらにウソクは何者かに襲われて首を絞められる。辛うじて撃退してマシンに戻るも、マシンの中にヨンウンの姿はなく、締まりゆく扉の外に呆然と佇むヨンウンがいる・・・

 未来から現在に戻ったウソクは、慌てて未来でコピーしてきた監視カメラの映像をスタッフたちと見る。「これから何が起こるか」がそこには記録されているはず。しかし、大半のカメラはウイルスに感染していて再現不能になっている。辛うじて再現できた一部の映像には、研究所内で爆発が起こり、スタッフの一人が炎に包まれる姿が映されている・・・

 冒頭からツッコミを入れつつも、早くもストーリーに引き込まれる。タイム・スリップと言ってもまだ技術は半ばで、行くことができるのは「24時間後の世界」のみ。この中途半端さがストーリーを面白くしている。わずか24時間の間で一体何が起こるのか。リミットは24時間後の午前11時(これが原題)。スタッフの死を目撃したウソクは、起こるべき未来を変えようと決意する。

 未来へ行ったウソクが、混乱の中機転を利かせて監視カメラをコピーして持って帰ってきたのは正解だった。しかし、これがウイルスのために断片的にしか再現できないのは、観る者にとっては面白いが、当事者にとっては大変。ある時間に火災が発生するのはわかるが、場所と原因はわからない。果たして未来は都合よく変えられるのか。変えられたとしたら、そこで生じるであろうタイム・パラドックスをどう説明するのか。しかも深海にある原子炉施設の中なので外部の救助はあてにできない・・・
いつの間にか映画の世界に引き込まれている。

 物語は焦るウソクをよそに、自分勝手な行動を取るスタッフの行動とが相まって、見事に24時間後の世界に向かって進んでいく。「なるようにしかならない」のが運命なのか、未来は己の力で引き寄せられるのか。興味深い展開が時間の経過を忘れさせる。果たしてこの研究は成果として残ったのであろうか。ラストでそれまでぼやかされていた経緯が明らかになるが、それもまた丁寧で良しとしたい。
 
 またしてもポイントを稼いでくれた韓国映画である・・・


評価:★★★☆☆








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2018年02月24日

【ニュートン・ナイト/自由の旗をかかげた男】My Cinema File 1881

ニュートン・ナイト/自由の旗をかかげた男.jpg

原題: Free State of Jones
2016年 アメリカ
監督: ゲイリー・ロス
出演: 
マシュー・マコノヒー:ニュートン・ナイト
ググ・バサ=ロー:レイチェル
マハーシャラ・アリ:モーゼス
ケリー・ラッセル:セリーナ・ナイト
クリストファー・ベリー:ジャスパー・コリンズ
ショーン・ブリジャース:ウィル・サムラル
ジョー・クレスト:ジェームズ・イーキンズ
ジェイコブ・ロフランド:ダニエル

<シネマトゥデイ>
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南北戦争時代に真の自由と平等を求め、白人と黒人混合の反乱軍を率いて南部軍と戦ったという実在の人物を題材にした歴史ドラマ。白人と黒人が手を結ぶことなど考えられなかった当時のアメリカ南部において、肌の色による差別のない場所を作ったとされる男を、オスカー俳優マシュー・マコノヒーが熱演。共演は『砂上の法廷』などのググ・ンバータ=ローら。『シービスケット』などのゲイリー・ロス監督がメガホンを取り、およそ10年に及ぶ調査を行い本作を作り上げた。
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 1862年、時にアメリカは南北戦争の最中である。南軍の衛生兵ニュートン・ナイトは、行き交う弾丸をかいくぐり、負傷兵を運んでいる。多数の負傷兵に救護施設はパンク状態。少ない医師たちは、将校優先で治療を行っている。考えてみれば最前線に立ち、真っ先に突入するのは下級兵士であり、そんな彼らは負傷しても重傷でも治療は後回し。何とも言えない理不尽である。

 そんな中、奴隷を20人以上所有する農園の長男は兵役を免除されるという新法が発布される。ニュートンを含む大半の南軍兵士は当然対象外。いつの世も金持ちは優遇される。そんなニュートンの下に、甥のダニエルがやってくる。故郷の実家は徴収の名のもとに略奪を受け、ダニエル自身も徴兵されたという。まだ幼いダニエルが徴兵されたことにニュートンの心は痛む。そしてそのダニエルが目の前で戦死する。

 ここに至りニュートンを支えていた気持ちも切れ、ダニエルの遺体を馬に乗せると戦線を離脱する。脱走兵は厳罰であるにもかかわらず、である。故郷ミシシッピ州ジョーンズ郡に戻ると、そこでは物資を徴収する南軍が残された女たちを苦しめている。働き手を徴兵された上で、収穫物も徴収されてしまい生活できなくなる危機に瀕している。そんな家族を助けたニュートンは、脱走兵である身でもあり追われることになる。

 妻セリーナと赤ん坊を置いての逃走である。酒場の女主人サリーの手引きで逃げ込んだ先は沼。イーキンズ家の使用人レイチェルに案内され、同じようにそこいた逃亡奴隷モーゼスたちと行動を共にするようになる。やがて決意を固めたニュートンは、銃を手配すると、捜索に来た南軍兵士を撃退する。戦況が悪化する中、沼に逃れてくる逃亡奴隷や脱走兵の数も増えていき一大勢力となる。徴収の名のもとに南軍に物資を奪われた周辺村人たちの支援も受け、やがて一同はニュートンの指導の下、「ジョーンズ自由州」(原題)と称し、南軍に対する反乱軍となっていく・・・

 物語は1863年から南北戦争を背景に進んでいく。南部では人種差別が激しいが、そんな中でニュートンは黒人を差別することなく、行動を共にしていく。何もなければ妻子とともに農業で生計を立てて平和に暮らしていただろう。それが戦争に駆り出され、まだ少年の甥まで徴兵され、目の前で戦死するという悲劇に見舞われる。一方で黒人奴隷を多数所有する金持ちの息子は徴兵を免れるという理不尽。

 いつの世も金持ちは優遇される。というよりも、金持ちが権力を操り自分たちの都合の良いように世の中を動かす。映画の背景で描かれるのは、そんな理不尽。貧乏な庶民は金持ちの利権の為に命を懸けて戦い、家族は物資を略奪される。黒人はさらに人権がない。南北戦争が終わっても、黒人は依然として開放されず、形を変えた法律の下で奴隷労働に従事させられる。ようやく解放されてもKKKによって虐殺される。

 結局、公民権が確立するまでにさらに100年の時間を要するわけであるが、そんな時代の先駆者となったのが、この映画の主人公。マヒュー・マコノヒーもいろいろな映画に出ているが、この映画のような信念をもったタフガイという役柄もけっこう合っているなと感じさせられる。
 
教科書に載っている歴史の背景にあった出来事として興味深く観られる映画である・・・


評価:★★☆☆☆






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2018年02月23日

【その女諜報員 アレックス】My Cinema File 1880

その女諜報員アレックス.jpg

原題: Momentum
2016年 アメリカ
監督: スティーブン・カンパネッリ
出演: 
オルガ・キュリレンコ: アレックス・ファラデー
ジェームズ・ピュアフォイ: ワシントン
リー=アン・サマーズ: ペニー・フラー
リチャード・ロシアン: ジェファーソン
コリン・モス: ケヴィン・フラー
モーガン・フリーマン: 上院議員

<シネマトゥデイ>
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『ミリオンダラー・ベイビー』『アメリカン・スナイパー』などでカメラオペレーターを務めてきたスティーヴン・カンパネッリがメガホンを取ったアクション。ダイヤとUSBメモリーを盗むも仲間が何者かの襲撃を受け、生き残ったヒロインがアメリカの巨悪に差し向けられた殺し屋軍団とバトルを展開する。主演は『007/慰めの報酬』などのオルガ・キュリレンコ。共演は『アイアンクラッド』のジェームズ・ピュアフォイ。オルガの体を張ったアクションや、疾走感抜群のカメラワークに注目。
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 女性を主人公としたアクションモノにはやっぱり興味があり、これも迷わず観てみた次第。しかし当然ながら作品の数が増えてくれば、「玉石混交」となるのは避けられない。これはそんな中で残念ながら「石」にあたる作品。

 舞台は南アフリカのケープタウン。ある銀行に4人の銀行強盗が押し入っている。近代的な警備システムを導入している銀行であるにもかかわらず、黒ずくめのボディスーツを着用した強盗団は、手際よく人質を制圧し金庫に迫る。支店長自身が金庫の解除キーとなっているシステムであったが、難なくこれを突破、中にあったダイヤモンドと1つのUSBを奪う。

 しかし、撤収にあたって仲間の1人が、動くなという命令に背いて動いた警備員を殺そうする。それを止めようとしたリーダーと撃ち合いになり、リーダーのマスクが外れ、顔がさらされる。それは何と金髪の女性。その女性こそがこの映画の主人公アレックス。反抗した男はその場で射殺される。遺体もろとも引き上げた銀行強盗は、早々に別行動に移る。

 一段落し、ホテルにチェックインしたアレックスは、ニュースで自分の手配書がすでに出回っているのを見て、髪の毛を黒く染め、茶色のカラーコンタクトを入れる。そして逃亡の手配を聞きに強盗仲間のケヴィンの部屋を訪ねて行くが、そこに来客がある。とっさにアレックスはベッドの下に隠れるが、やってきたのはワシントンという男をリーダーとする一行。ワシントンたちの狙いはアレックスらが奪ったダイヤモンドではなく、ダイヤと一緒に入っていたUSBの方。

 たちまちケヴィンは拷問され、挙句にその場で殺されてしまう。その会話からワシントンたちを送り込んできたのは「上院議員」だとわかる。アレックスは、ケヴィンがベッドの下に隠していたUSBを手にすると、隙をついてワシントンに銃を向けるが、弾が入っていない。慌てて逃げに入るアレックス。そして追うワシントン。ここからカーチェイスと銃撃戦。アレックスの動きも良い。

 ところがワシントンは頭も良い。アレックスを追跡しながら巧みにケヴィンの妻ペニーに連絡を取ったことを知ると、先回りする。「リダイヤル機能」を使って電話をし、電話に出た幼いマシューから優しく住所を聞き出す始末。こうなると、アレックスも無視できず、ペニーを助けに行くことになる・・・

 ここで気になるのはアレックスの正体。何となく邦題のタイトルから『その女、アレックス』の映画化作品のようなイメージを持っていたが、原題を見てもわかる通りこれは似て非なる作品。邦題をつけた人が『その女、アレックス』を知ってか知らずか、似たタイトルをつけただけ。実に紛らわしい。

 そして、よくわからないのがアレックスの正体。凄腕の「錠前開錠士」とされているが、それを披露するのは冒頭の銀行強盗シーンだけ。そしてこの強盗シーンのつながりもよくわからない。過去の事件から身を隠して生きてきたアレックスがなぜ銀行強盗をやったのかよくわからない。そして開錠のプロがなぜ格闘術にも長けているのか。もっと登場人物のプロフィールを丁寧に描いてくれないと感情移入しにくいところがある。

 何でも女性にアクションをやらせればいいというものではない。ある程度しっかりした筋書きがないと空回り感がある。安易にブームに乗るのではなく、しっかりとした映画創りをしてほしい。そんな風に思わざるを得ない映画である・・・


評価:★★☆☆☆






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2018年02月18日

【アンダーワールド:ブラッド・ウォーズ】My Cinema File 1879

アンダーワールド:ブラッド・ウォーズ.jpg

原題: Underworld: Blood Wars
2016年 アメリカ
監督: アンナ・フォースター
出演: 
ケイト・ベッキンセール:セリーン
テオ・ジェームズ:デビッド
ララ・パルバー:セミーラ
トビアス・メンジーズ:マリウス
ジェームズ・フォークナー:カシウス
チャールズ・ダンス:トーマス

<シネマトゥデイ>
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人気アクション『アンダーワールド』のシリーズ第5弾。長老を殺して追われる身となったヴァンパイア族の女戦士セリーンが、宿敵のライカン族からまな娘を守ろうと立ち上がる。メガホンを取るのは、テレビシリーズ「クリミナル・マインド」などのアンナ・フォースター。シリーズを通してセリーンを演じてきたケイト・ベッキンセイルをはじめ、『ダイバージェント』シリーズなどのテオ・ジェームズ、テレビシリーズ「ダ・ヴィンチと禁断の謎」などのジェームズ・フォークナーらが結集。パワフルでセクシーなセリーヌの姿に目を奪われる。
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 シリーズ第5弾で、『アンダーワールド 覚醒』(My Cinema File 1106)の続編。前作でマイケルとの間に娘イヴを生んだセリーンだが、娘のイヴとは別行動を取っている。万が一の時のことを考え、セリーンはイヴの居場所を知らない。一方、ヴァンパイア族と対立するライカン族は、新リーダー・マリウスの登場によって結束力を強め、勢いを増している。そしてイヴの血を求め、その居場所を探るためにセリーンを追う。冒頭は追い迫るライカンをセリーンが撃退するところから始まる。

 セリーンの助太刀に現れたのはヴァンパイア族のデヴィッド。ライカン族はすぐに次の追手を差し伸べる。2人には心休まる場所もない。そんなセリーンとデヴィッドのところへ、ヴァンパイア族からの使者がやって来る。セリーンはヴァンパイア族の長老を殺した「お尋ね者」であるが、一方で処刑人としての腕前は抜きんでており、ライカン族の勢いにゆとりをなくしたヴァンパイア族は、滅びるよりもセリーンを許し代わりに処刑人を養成する教育係をやらせることを選択する。

 ヴァンパイア族の長老会の議員たちの中では、セミラという女性ヴァンパイアが力を持ちつつある。これが不穏な空気を漂わせる。実はセミラもセリーンの「血」を狙っている。日の光の下でも消滅しない力を持つセリーンの血は、ヴァンパイアにとっては魅力だろう。そしてヴァンパイアは、相手の血を飲むとその記憶を得ることができる。そして実は、許されたと思っていたのはセミラの仕掛けた罠で、セリーンはセミラに捕らえられて血を取られてしまう。

 前作では、人類も超人的なヴァンパイアとライカンに対抗してくるが、本作ではもっぱらセリーンとヴァンパイアとイヴの血を狙うライカンとの三つ巴戦となる。人類の名残は「紫外線弾」のみ。この弾丸で撃たれたヴァンパイアは、日の光を浴びた時と同様に焼失してしまう。再びヴァンパイアに追われる立場となったセリーンとデヴィッドは、ノルウェーにあるヴァルドーへと向かう。そこは北の魔女の一族が支配する地・・・

 このシリーズの最大の魅力は何といってもケイト・ベッキンセールであるが、その魅力をいかんなく発揮。ライカンのリーダー・マリウスに苦戦しながらも、ヴァンパイア随一の実力者ぶりを見せてくれる。さらに今回は新たな能力を取得。美貌とアクションとどちらも堪能させてくれる。

 今回は娘のイヴはまったく登場しない。これで打ち止めなのかまだまだシリーズが続いて行くのかはわからないが、まだまだ観てみたいと思う気持ちは強い。紫外線弾で超人的な能力を持つヴァンパイアとライカンとに対抗した人類の健闘も見てみたいし、さらに続いてほしいと思うシリーズである・・・


評価:★★☆☆☆








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2018年02月17日

【フィフティ・シェイズ・ダーカー】My Cinema File 1878

フィフティ・シェイズ・ダーカー.jpg

原題: Fifty Shades Darker
2017年 アメリカ
監督: ジェームズ・フォーリー
出演: 
ダコタ・ジョンソン:アナスタシア・スティール
ジェイミー・ドーナン:クリスチャン・グレイ
エリック・ジョンソン:ジャック・ハイド
リタ・オラ:ミア・グレイ
ルーク・グライムス:エリオット・グレイ
ビクター・ラサック:ホセ
エロイーズ・マムフォード:ケイト・キャヴァナー
ベラ・ヒースコート:レイラ・ウィリアムズ
マックス・マーティーニ:ジェイソン・テイラー
キム・ベイシンガー:エレナ・リンカーン
マーシャ・ゲイ・ハーデン:Dr.グレース・トレヴェリアン・グレイ

<シネマトゥデイ>
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若いCEOと女子大生の特殊な恋愛を大胆に描いた『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』の続編。前作に引き続きダコタ・ジョンソンとジェイミー・ドーナンが出演し、再会した二人を新たに待ち受ける数々の衝撃の出来事を映す。『L.A.コンフィデンシャル』などのキム・ベイシンガーが主人公をSMの世界にいざなう女性を熱演。テイラー・スウィフトらの音楽に乗せて、官能と驚がくのストーリーが展開する。
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 大金持ちのCEOと新卒女性のSM契約をテーマにして、ちょっと衝撃的だった『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(My Cinema File 1606)の続編ということで、迷うことなく観ることにした作品。物語は、当然前作の続きから始まる。

 クリスチャンと別れたアナは、出版社に就職する。そんなアナにクリスチャンから花束が届く。アナは一瞬捨てようとして思いとどまる。ある夜、友人のホセ・ロドリゲスが主催したアート・ギャラリーに参加したアナは、そこに自分の写真が何枚も飾られているのを見て驚く。そしてすぐにすべて売れたと知らされる。買ったのはクリスチャン。その場に現れたクリスチャンは、アナを食事に誘う。

 アナもどこかにクリスチャンに対する未練があり、その申し出を受ける。優雅なディナーの席で、クリスチャンはアナに復縁を持ちかける。自らの性癖を封印し、SMプレイはしないと説くクリスチャンに、アナは復縁に同意する。一方、職場ではアナは上司のジャック・ハイドに好意を寄せられる。バーでジャックと鉢合わせしたクリスチャンは、アナを半ば強引にその場から連れ出す・・・

 こうしてクリスチャンと復縁したアナだが、その行動は極めて慎重。仕事をきちんと続けるのは、クリスチャンと別れることになった場合のことも考えているのだろう。アナに仕事のことを根ほり穴掘り訪ねるクリスチャンに、(自分の会社を)「買収するつもりじゃないでしょうね」と冗談ぽく問うアナだが、まんざら冗談でもないクリスチャン。相変わらずのスケールである。「私の上司になるつもり?」と問うアナに、「上司の上司の上司だ」という答えがしゃれている。

 そうこうするうちに、アナにつきまとう女が現れる。その正体は、かつてクリスチャンと「契約」していたというレイラ。どうやら「クセになって」しまったのかもしれない。そんなことはおかまいなしに、クリスチャンはアナとの関係を詰めていく。養父母の家で開かれる仮面舞踏会にアナを連れて行こうと誘う。アナが、「髪もできていないし、服もないし」と躊躇すると、共同経営のサロンに連れて行き(共同経営者が曰く付きだったが・・・)、高価な服を選り取り見取りで選ばせる。こんな芸当をしてみたいと思わざるを得ない。

 いろいろと横槍は入るものの、クリスチャンとアナは元の深い関係へと戻り、濃厚なベッドシーンが展開される。アナも「赤い部屋」へ行きたがり、結局、それは甘美な囁きなのかとも思わされる。仕事においてもアナはセクハラ上司に代わって昇格し、クリスチャンとの関係も深まっていく。メデタシメデタシなのかと思ったら、どうやら物語には更なる続編があるらしい。

 ストーリーもしっかりしていて、ダコタ・ジョンソンもセクシーこの上なく、前作に引き続き堪能できる一作。ハッピーエンドと思いきや、続編もあるということで、まだまだ楽しませてくれるという。子供にはちょっと刺激の強い、甘美な大人の映画である・・・


評価:★★☆☆☆







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