
原題: I'll Follow You Down
2013年 カナダ
監督: リッチー・メタ
出演:
ハーレイ・ジョエル・オスメント: エロル
ジリアン・アンダーソン: マリカ
ルーファス・シーウェル: ゲイブ
ビクター・ガーバー: サル
<映画.com>
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『シックス・センス』の名子役ハーレイ・ジョエル・オスメントが主演を務め、行方不明になった父と再会するべくタイムトラベルに挑む科学者役を演じたSFサスペンス。幼い息子エロルや愛する妻と暮らす物理学者ゲイブが、突如として謎の失踪を遂げた。数年後、成長して科学者となった息子エロルは、父にまつわる衝撃的な事実を発見し、家族の絆を取り戻すべく奔走する。主人公の父親役を『リンカーン 秘密の書』 『ヘラクレス』のルーファス・シーウェル、母親役を「X-ファイル」シリーズのジリアン・アンダーソンが演じた。2015年1〜2月、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2015」上映作品。
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ガブリエル・ホワイトは、その日ごく普通に出張に出掛けて行く。空港で見送るのは、妻マリカと息子エロル。ガブリエルは、カナダの大学に勤めるマリカの父サルの下を訪れ、自らの研究室に荷物を置き、そして忽然と姿を消してしまう。それから12年の歳月が流れる・・・
ガブリエルの失踪が原因でマリカは心を病み、エロルは母を支えながら、祖父サルが教鞭を取る大学に進学。エロルは極めて成績優秀。そんなエロルに対し、父ガブリエルの研究資料を読み解いたサルから、ある日父の失踪の真実を聞かされる。それは、カブリエルは1946年にタイムトラベルし、何らかのトラブルによって戻れなくなったのだろうということ。エロルの優秀さを見込んだサルは、ガブリエルを連れ戻すために、タイムトラベルに必要なワームホール研究の手伝いを頼む。
一方、自分がエロルの負担になっている事を知ってしまったマリカは自殺してしまう。ショックを受けたエロルは、サルの研究に協力し、過去に向かった父を連れ戻して母が自殺しない幸せな未来を得ようとする。調べていくうちに、やがて父と思しき人物が1946年に殺害されている新聞記事を発見する。サルが見込んだ通り、優秀さをいかんなく発揮したエロルは研究を完成させる。そしてエロルは、父を追って過去へと向かう・・・
よくあるタイムトラベルモノ。タイムマシンを完成させた父ガブリエルは、1946年に飛ぶ。その目的はアインシュタインに会うためという夢のある話である。しかし、何があったのかガブリエルは戻ってこない。その彼を成長した息子が追うという内容は、よくありがちなタイムパラドックスに引っ掛かりまくりのものであるが、それをいちいち挙げるのは無粋というものである。それはそれとして楽しみたい。
興味深かったのは、成長したエロルが1946年に飛び、父と再会するところ。父の立場からすると、タイムトラベルしてすぐにそこで成長した息子と会うわけであるから驚くだろう。そんな想像をしながら観てみるのが良いかもしれない。父親は父親で考えがあって行動しているわけで、いきなり成長した息子が現れてその考えを変えさせようとするのは無理がある。それをわかっていたのか、エロルが取った“行動”には驚かされた。そしてそんなエロルの身を挺した行動が導くラスト。
『シックス・センス』(My Cinema File 1057)では実に印象的で、主演のブルース・ウィリスよりも存在感があった感があるハーレイ・ジョエル・オスメントも既に普通の青年(というよりどこかおっさん臭い)。残念ながらもうあまりインパクトが感じられない。このまま消えていきそうな気配を感じてしまう。それがそのまま映画の印象になっている気がする。
タイムトラベルモノではあるが、細かいタイムパラドックスは気にせずに、純粋に楽しみたい映画である・・・・
評価:★★☆☆☆