
原題: SOLITARY
2009年 アメリカ
監督: グレッグ・デロチー
出演:
アンバー・イエガー:サラ
アンドリュー・ジョンソン:レズニック(医師)
キーロン・エリオット:マーク(夫)
クリスティン・サリヴァン:ジーナ(姉)
B・アンソニー・コーエン:刑事
ダルトン・リーブ:刑事
<Amazon Prime Video解説>
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家から出ることが出来ない女が一人、夫の謎の失踪を解く。
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主人公のサラは夫マークと2人で暮らしている。その日はサラの誕生日。夫と2人でささやかに食事でもしようという話をしていたが、夫はなぜか帰ってこない。意を決して外に出ようと試みたサラであるが、家を出た途端、呼吸困難になって家の中に慌てて戻る。実はサラはパニック障害を抱えていて、外出ができない。飼っていた小鳥が死んでしまい庭に埋葬しようとするも、それもできず、やむなく玄関前の空き地になんとか埋めるのが精一杯である(どうやって買い物をしているのだろうと心の中でつぶやく・・・)。
家を訪ねてくるのは、姉のジーナだけ。姉はサラのために高名な精神科医レズニックを紹介し、レズニックは治療のために家まで訪れることになる。しかし、サラの苛立ちは収まらず、その矛先は姉や医師のレズニックにも向かう。家の中にはなぜか鍵をなくしてしまって入れない部屋がある。さらに正体のわからない物音や庭先に夫に似た人物を見かけたりとサラの周りでは何かが起こっている兆しが訪れる。
夫はかねてから子供を欲しがっていたが、サラは今一つその考えに同意できないでいる。夫が失踪した今となって気になるのか、やがて開かずの部屋から赤ん坊の泣き声が聞こえてくる。警察にも捜索願を出し、不審な状況を訴える。やってきた刑事は護身用の銃の携帯を勧める。夜中に物音がして恐る恐る調べに行くが、何もない。事前にあまり内容は見ないようにしているから、一体この映画がホラーなのかサスペンスなのかイマイチ判然としない。
やがて少しずつ隠れていた事実が浮かび上がってくる。開かずの部屋も鍵が見つかるが、部屋の中は赤ん坊どころかがらんとしたまま。そして実はサラの誕生日から半年が経過していることが判明する。さらに、実は半年前のサラの誕生日に2人は自動車事故に遭い、夫は亡くなっていたことをサラはようやく思い出す。冒頭から続いてきた不思議な現象は、サラの精神的なショックによるものかと思っていたが、実はまださらに隠れた真実がラストであきらかになる・・・
気軽に観始めた映画であるが、どういう展開になるのかわからないまま観る者を引っ張っていく。登場人物はみな怪しげであり、中心にいるサラ(と観ている者)だけが、事実を知らないかのよう。飼っていた小鳥を埋めたのにそれが掘り返されて机の上に置いてあったりして、なにか普通とは違う状況だというのはわかる。そしてそれが最後にすべてわかるという展開。
考えてみれば、切ない話なのであるが、そこに至る摩訶不思議で怪しい雰囲気満載の内容は短いながらも充分堪能させてくれる。この手の映画としては『ジェイコブス・ラダー』 を思い出す。ホラー映画のようでいて、実は・・・という映画。あまり時間のない時に、ちょっと観るには程よい映画である・・・
評価:★★☆☆☆