
原題: Miss Bala
2019年 アメリカ・メキシコ
監督: キャサリン・ハードウィック
出演:
ジーナ・ロドリゲス:グロリア
イスマエル・クルス・コルドバ:リノ
アンソニー・マッキー:ジミー
ダミアン・アルカザール:サウセド
アイスリン・デルベス:イザベル
マット・ローリア:ブライアン
クリスティーナ・ロドロ:スズ
リカルド・アバルカ:ポロ
トーマス・デッカー:ジャスティン
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テレビドラマ「ジェーン・ザ・ヴァージン」のジーナ・ロドリゲスが主演を務め、メキシコ麻薬戦争の闇に挑む女性の壮絶な復讐劇を描いたサスペンスアクション。2011年のメキシコ映画「MISS BALA 銃弾」を、『トワイライト 初恋』のキャサリン・ハードウィック監督がリメイクした。グロリアは親友のスズに会うためメキシコを訪れるが、クラブ襲撃事件に巻き込まれスズが行方不明になってしまう。自身も麻薬組織に拉致されたグロリアは、彼らの仕事を手伝わされることに。監視を振りきって何とか逃げ出すグロリアだったが、今度は麻薬取締局に利用され……。共演に『アベンジャーズ』シリーズのアンソニー・マッキー。
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主人公は、ハリウッドのメイクアップアーティストであるグロリア。自分なりのメイクを提案するも、上司に見向きもされない。そんなグロリアは、メキシコのティフアナに住む親友スズを訪ねる。スズは弟のチャヴァと住んでいて、近々開催される「ミス・バハ・カリフォルニア」という美人コンテストに出場する予定であるが、メイクをグロリアに頼んだのであった。
グロリアはかつて子供の頃の一時期をティフアナで過ごしたことがあり、スズはその時からの友人である。再会を喜んだ2人はナイトクラブに向う。ところが、グロリアはトイレでリノという男が率いる犯罪組織のメンバーと鉢合わせしてしまう。メンバーの目的は、ナイトクラブに来ていたサウセド警察署長の殺害。店内に響き渡る銃声。グロリアはかろうじて逃げ出すが、スズとはぐれてしまう。
スズの身を案じたグロリアは、現場付近の警察官に昨夜の事件の犯人を見たと告げ、スズの捜索を依頼する。ところがこの警官はリノと通じており、グロリアはリノに捕らえられてしまう。スズを見つけるという約束でグロリアはリノの仕事を手伝わされる羽目になる。言われるがまま運転させられた車は、ある建物の前に駐車し、直後に爆破される。それは麻薬取締局が隠れ家として使っていた家で、この爆発で3人の捜査官が犠牲になる。
そしてグロリアは、これによって麻薬取締局(DEA)の捜査官ライクに捕まり、今度はDEAのスパイとしてリノの携帯に追跡チップを仕込むという危険な任務を引き受けさせられる。協力すればスズを救出してやるとアメとムチの約束である。こうしてグロリアは、犯罪組織とDEAとの間で板挟みとなる。リノと手下がスズの家に乗り込んで来て居座ってしまいグロリアに逃げ場はない。バレれば自分自身の命もない。
メキシコ、アメリカ間の国境を越える密輸も命じられ、DEAのライクの指示でリノ達と落ち合う場所を教える。銃撃戦にさらされ、グロリアにしてみればとんだ災難である。映画はよくある女性アクションものではなく、グロリアはあくまでも一般人女性。犯罪グループとDEAの間でなす術もなく翻弄される。素人ながらも死に物狂いで行動するが、それが裏目に出たりする。
携帯電話を調べられてスパイ行為がバレそうになると、とっさに追跡チップを他の携帯に移すグロリア。機転を利かしてうまくやり遂げるが、移した携帯の持ち主は同じく拉致されたイザベラという女性。イザベラは裏切り者として射殺されてしまい、グロリアは大きなショックを受ける。
絶体絶命の中、危機を脱し、スズを助け出すことができるのか、ドラマは最後までハラハラさせてくれる。犯罪グループも警察組織も紙一重であり、どちらも信頼はできない。そんな環境が一層ドラマを引き立てる。あまり期待はしていなかったが、最後まで楽しませてくれた映画である・・・
評価:★★☆☆☆